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このページはアーケード作『タイムパイロット』と、その続編『タイムパイロット'84』の紹介をしています。 ---- *タイムパイロット 【たいむぱいろっと】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1982年|~| |ポイント|全方向任意移動2D空間シューティング&br()カミカゼアタックはお約束|~| **概要 -1982年にコナミからリリースされた横視線シューティング。強制スクロールではあるが、一般的な横シューティングとは趣旨が違う(詳しくは下記ルール参照)。 -一人~二人交互プレイ可能、全5ステージ構成、ループ制。 -使用コントローラーはレバー+1ボタン。レバーにて自機の360度移動/向き調整、ボタンで自機前方にショットを放つ。 -このゲームは常に360度方向に自機を移動/向き調整をさせる事ができ、ステージ中は絶え間無くスクロールが動き続けている。例えば、前方に自機移動させればスクロールは前に、下方に移動させればスクロール下に移動するといった感じである。壁に該当するものは存在せず、レバーを同じ方向に入れ続ければスクロールがエンドレスに進む。 -ステージ中には雑魚敵がうようよと出現するので、こいつらを破壊していくのがボス出現条件の目的となる。雑魚を蹴散らしていくと画面左下に表示された敵ゲージが消費され、これが0になればしばらくの間の後にボスが出現する。そして、そのボスを撃ち込んで撃破すればそのステージはクリアとなる。 --敵はもちろんの事、敵が発射してくるミサイルなどの弾も破壊可能。ただ敵だけを集中攻撃せずに、これらの弾を破壊しながら攻略しないとミスする確立が高まってしまう。 --自機が敵に衝突するともちろんミスとなるのだが、実はこれにも攻撃判定があり、衝突した敵をも破壊してしまう。体当たりの攻撃力は凄まじいもので、なんと''ボスに体当たりすればそいつを一発で破壊してしまう''。残機数のロスを気にしないのならば、''カミカゼアタックでステージクリア''という荒業も可能である。 -ときおり出現するパラシュートを取得するとボーナスが得られ、連続で取ればボーナスに倍率がかかる。但し、第5ステージだけはパラシュートは一切出現しない。なお、本作唯一の(得点)アイテムでもある。 -ボスが出現しているのに倒さず粘っていると、敵の猛攻が激しくなるペナルティがある。しかし、単に難易度が増すだけで、慣れてしまえば永久パターンが成立してしまう。 --尤もエンディングの無いループゲームなので、永久パターンなど使わなくても腕次第で永遠にプレイを続ける事は出来るが。 -このゲームはステージをクリアする度に色んな時代の世界へワープするという設定で、各ステージによって時代背景が異なる演出がある。以下その詳細。 --第1ステージ「A.D.1910」 - 第一次世界大戦がモチーフと思われるステージ。雑魚敵は複葉機、ボスは飛行船。ステージの中ではまだ比較的大人しい難易度。 --第2のステージ「A.D.1940」 - 第ニ次世界大戦がモチーフと思われるステージ。雑魚はプロペラ戦闘機、ボスは大型プロペラ機。たまに通常の雑魚より耐久度の高い中型機が出現する唯一のステージ。 --第3ステージ「A.D.1970」 - 本作がリリースされる12年前が舞台のステージ。雑魚はヘリコプター、ボスは大型ヘリコプター。敵がホーミングミサイルを放ち、より激戦になってくる。なおボスは全ステージ通常弾で攻撃してくる。 --第4ステージ「A.D.1982」 - 本作リリースと同年が舞台のステージ。雑魚は現代型戦闘機、ボスは大型爆撃機。敵のホーミングミサイルに加え、敵がこちらにカミカゼアタックを食らわせてくる危険地帯。 --第5ステージ「A.D.2001」 - 21世紀の始まりが舞台の宇宙ステージ。雑魚はUFO、ボスは大型UFO。微妙にカーブを描く敵弾が厄介な最難関(この弾も破壊可能)。このステージのみパラシュートは出現しない(宇宙が舞台な為)。 --第5ステージをクリアすれば、難易度が上昇した状態で第1ステージからの再スタートとなる、ループゲーム。 -残機制ですべてなくなればゲームオーバー(コンティニューは不可)。原則として戻り復活だが、敵ゲージが消費されたままの復活となるので、そういう意味では途中復活である(もちろん、ゲージを0状態の復活では即ボスが出現する)。 //Aの倍数ステージって何?それを言うなら5X+Aステージだろ。 -本作のゲームシステムは、1年前にナムコ(現:バンダイナムコゲームス)からリリースされた『ボスコニアン』と似ており、両者はよく比較されやすい傾向にある。 --ボスコニアンとの明確な差異としては、本作の自機ショットが途切れずに連射できる故に、ガンガンと敵を破壊する爽快感に恵まれている事だろう。これにより「ボスコニアンの爽快増強版」という位置付けでヒットを飛ばした存在であった模様。 ---勿論、ボスコニアンにも本作にはない魅力を持っているので、どちらが優れているのかという論争は無意味である。 --また、自機の動きのぬめぬめな滑らかさや、各ステージによって特色を持った差別化が成されている作り込みも評価に値するポイントであろう。 -人気作故に家庭用移植は多いのだが、意外と単体の家庭用移植は少なく、移植されたのは比較的最近の時期に集中している。そういう意味では、人気の割には日の目を見る機会はあまり恵まれていないように思える。もっとも当時(ファミコン登場前)の殆どの作品は移植に恵まれていなかったのだが((例外は『パックマン』ぐらいで、『ボスコニアン』も当時は移植されていない(続編『スターラスター』はファミコン専用として出たが)。))。 -正式なる続編として『タイムパイロット'84』が本作の2年後にリリースされた(詳細は下記にて)。またスーパーファミコン用ソフト『[[がんばれゴエモン きらきら道中 ~僕がダンサーになった理由~]]』のミニゲームとして「タイムパイロット'95」(内容的には初代のアレンジ)が収録されている。 **家庭用移植 -MSX版(1984年、コナミ) --発売時期を考慮してか、第4ステージの年代が「A.D.1984」に変更されている。 -[[プレイステーション2版>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/944.html]](2005年7月21日発売、ハムスター) --『オレたちゲーセン族 タイムパイロット』として発売。企業問題レベルの移植度の低さで悪評を得ているこのシリーズの中ではかなりまともな移植で評価は高い。詳しくはリンク先にて。 -Xbox Live Arcade版(2006年8月30日より配信、コナミデジタルエンタテインメント) --400MSPで配信中。オンラインランキング、オンライン対戦や協力プレイに対応している。 // 2011/5/14配信を確認、情報は正確に -オムニバスソフト --コナミアンティークスMSXコレクション Vol.3(プレイステーション、1998年3月19日発売、コナミ) ---MSX版の収録。 --コナミアンティークスMSXコレクション ウルトラパック(セガサターン、1998年7月23日発売、コナミ) ---MSX版の収録。 --コナミ80'sアーケードギャラリー(アーケード/プレイステーション、1998年稼動/1999年5月13日発売、共にコナミ) ---アーケード版の収録。 --コナミアーケードゲームコレクション(ゲームボーイアドバンス、2002年5月2日発売、コナミ) ---アーケード版の収録。2005年11月3日にてベスト版が発売。 --コナミ アーケード コレクション(ニンテンドーDS、2007年3月15日発売、コナミデジタルエンタテインメント) ---アーケード版の収録。開発は良移植で定評のあるM2が担当。 ---- *タイムパイロット'84 【たいむぱいろっと はちじゅうよん】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1984年|~| |ポイント|完全SF路線に変更された続編&br()家庭用移植に一切恵まれず|~| **概要 -前作が好評だった故か、2年後には続編である本作がリリースされた。 -一人~二人交互プレイ可能、全6ステージ構成、ループ制。 -前作は横視線の空中戦メインだったが、本作は縦視線の地上戦オンリーとなっている(ゲームのプレイ感覚は全く同じ)。また、前作の特徴であったステージクリア後に別時代へ移行する演出は廃され、本作は近未来の無機質なるSF世界のみが舞台となっている(ステージクリア後の自機ワープ演出は健在)。 -流石に1984年リリースだけあって、グラフィックは前作よりもカラフルとなり、視覚的なパワーアップがなされている。前作にはなかった要素として、各敵の配置に対空と対地の高低差が取り入れられている。 -使用コントローラーはレバー+2ボタン。レバーにて自機の360度移動/向き調整、二つあるボタンは各自、ショットボタンとハイパーミサイルミサイルボタンに使用する。 --移動とショットに関しては前作とほぼ同じなので割愛する。新システムのハイパーミサイルは、いわばもう一つのショットというべき存在にあたる。 -本作ならではのシステムとして、緑の敵(対空敵のみ)はショットでしか破壊できず、青の敵(対空敵と対地敵の二種類がいる)はハイパーミサイルでしか破壊できないようになっている。例えるならば、タイムパイロットに『ゼビウス』などの対空対地ショットの概念を取り入れたシステムというべきか。 --一応、青の対空敵に対してショット84発(ゲームタイトルとかけている)を撃ち込めば倒せるが、普通にプレイする上ではただめんどくさいだけであり、あくまでネタでしかない。 --青の敵に対しては自機前方にいる敵を自動的にロックし、ハイパーミサイルを放てばそいつを追尾してくれる。これも例えるならば『レイフォース』のロックオンシステムのような性能というべきか。 --青の対地敵は、当然ながら飛行している自機が触れてもミスにはならない。 --ボスに対してはすべてハイパーミサイルでしかダメージをあたえられない(ショットは一切無効)。ボスを倒せば次ステージに移行する。 -クリア条件やミス条件などは前作同様なので割愛する。 -このように時代を先取りしたシステムを取り入れ、時代相当の外見にパワーアップした続編ではあったが、その存在は前作の比にならない位にマイナーであまりヒットはしなかった。 -マイナーな目で見られがちな理由として考えられるのが、すでに前作の完成度が極まっていた故に本作のインパクトが薄かった事、前作とはあまりにも外観が変わりすぎて敬遠されやすかった事、そして1984年リリースのゲームとしてはカラフルになったとはいえ全体的に漂う地味さ加減から受けが悪かった事、などが挙げられる。 -もちろんマイナーだからといって出来が悪かったなんて事もなく、ちゃんと前作の遺伝子も多く受け継いでおり、遊べるゲームではある。なんかコナミの続編ものは(一部例外を除けば)前作程のヒットはしない法則があるように思えるが、本作もまたそれに当てはまっている様である。 -前作の家庭用移植の豊富さから一転、''本作の家庭用移植は全くされず''、とことん冷遇されやすい(下手すると黒歴史扱いかもしれない)存在となっているのが現状である。