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From TV Animation ONE PIECE グランドバトル! - (2012/10/06 (土) 12:36:23) の編集履歴(バックアップ)


From TV animation ONE PIECE グランドバトル!

【ふろむてぃーびーあにめーしょん わんぴーす ぐらんどばとる】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 プレイステーション
発売元 バンダイ
開発元 ガンバリオン
発売日 2001年3月15日
定価 6,090円
ポイント 意外と無難な方向性
完成度は高いがそれに次ぐ何かがない
ONE PIECEゲームリンク

概要

  • 今や日本国内はおろか、世界中で人気を集める尾田栄一郎の海洋冒険マンガ、『ONE PIECE』のキャラクターを用いた対戦格闘ゲーム。いわゆるキャラゲーである。

システム・特徴

  • 基本的にあまり奇をてらったところのない普通の対戦格闘ゲームである。
    • 通常攻撃は○ボタンに矢印キーやジャンプを組み合わせたもののみ。その他の攻撃手段は投げ技1種類、後述する必殺技が2~3種類、あとはアイテムを用いた攻撃がいくつかあるぐらいで非常にシンプル。
      • 相手の体力をどんな手段でも削りきれば勝ち。タイムアップなら体力の多い方が勝ちである。ただしイベントバトルは体力の多い・少ないに関わらず、体力が若干回復した状態で再戦となる。
    • ステージにはそれぞれ異なる多彩なギミックがあるので、これらを活かすことも重要である。
    • 体力が一定値以下(キャラクターによってこの数値は異なる)の状態でR1、L1のどちらかを押し、特定のコマンドを入力すると必殺技が発動できる。体力が減れば減るほどより強力な必殺技が使える。基本的に始動技が当たると技の演出のムービーが始まり、敵に大ダメージや行動不能などを与える。以下の5種類がある。
      • 打撃系…コマンドは△→○。なんらかの始動技が発動し、始動技が当たると必殺技に移行するという単純な物。
      • タメ系…コマンドは□→×。打撃系との違いは×ボタン長押しで始動技の射程を延ばせること。ただしタメすぎると容易に距離を取られるので時にはタメずに放つことも必要。
      • 投げ系…コマンドは×→□。リーチが極めて短いが投げ判定なので、相手のガードを崩しながら攻撃できる。
      • カウンター系…コマンドは×→×。そのまま発動しても意味がなく、効果時間中に相手が攻撃してきて初めて成立する。うまく攻撃を読むことが重要。
      • 手下召喚系…コマンドは×→△。手下のキャラを呼び出す。呼び出されたキャラはそれぞれの行動パターンに従い一定時間ステージを移動し続け、その間に敵が当たると必殺技になる。
    • アイテムもあり、樽・木箱・宝箱を壊すことや背景の人物が投げ込んだりすることで出現する。
      • 剣や王冠など能力をアップする物、肉やおにぎりなどの食べ物は体力を回復することができる。逆に腐った食べ物を取るとダメージを受けてフラフラ状態になってしまう。
      • アイテムは□ボタンで持って投げれるので腐った食べ物・爆弾・ランタンなどのアイテムは飛び道具として使うこともできる。
      • また宝箱からは、ごくまれに「ガイモン」が登場することがある。歩いて銃を撃つおじゃまキャラだが、上手く捕まえると銃を乱射して相手を攻撃してくれる。
  • ゲームモードはコンピューター相手の勝ち抜き戦の「イベントバトル」と対戦モードの「グランドバトル」。オプション等については割愛。
    • イベントバトルは全5戦の勝ち抜き制である。コンティニューは5回まで可能。
      • 対戦前には掛け合いが行われる。固有の組み合わせ以外は汎用のセリフで行われる。
      • 相手は基本的にランダムで決定される。ただし、条件が整った場合最終戦のキャラは固定となる。
    • グランドバトルは好きなキャラを選んで対戦できるモード。ハンデをつけることもできる。

評価点

  • シンプルながらそれなりにまとまったゲームシステム。
    • キャラゲーということを考えれば普段ゲームに不慣れな層でも手を出せるシンプルさはありがたい。
      • 本作のシステムを例えるなら「スマッシュ技と必殺技を抜いたスマブラ」とでも言おうか。それぐらい簡単なのである。
    • 追い詰められるほど強力な必殺技が使えるようになるので、一方的な展開でも逆転は可能。
      • とはいえ必殺技ばかり狙っていても当たるものではない。使い分けが重要。
  • From TV animationを名乗るだけあり声優は全てアニメオリジナルの人が担当している。
    • イベントバトルのかけあいもフルボイス。なんとコンテニュー時のボイスもフルであり、固有イベントではここでしか聞けないボイスもある。
    • また掛け合いは台詞は対戦相手の順番でも2種に変動する。このため全ての掛け合い台詞を見るのは困難。
  • 原作を再現したギミック。
    • 多くのステージには水場があり、ここに転落するとダメージを受ける。
      • 悪魔の実の能力者はカナヅチなので水場に落ちた時のダメージが通常の2倍となる。このため他のキャラクター以上に転落には気を付ける必要がある。
      • 一方魚人であるアーロンは、水に落ちてもダメージを受けないばかりかそのまま反撃技を繰り出せるため、水際の攻防では優位に立てる。
    • ステージギミックもなかなか面白い。
      • 例えば「ラブーンのお腹の中」のステージは水場が胃酸の海から成っている。このため悪魔の実の能力者だろうが魚人だろうが全員大ダメージを受けることになる。
    • また各ステージの背景にはそのステージにちなんだ人物がドット絵で描かれている。
      • 一部のキャラの手下召喚技ではこの背景にいるキャラを呼び出すことがある(例えばクリークの必殺技は「海上レストランバラティエ」にいるギンを呼び出す技)が、この際「背景のキャラがいったん消えて攻撃を行った後、元の場所に戻る」という演出がある。同画面に同一人物が存在しないようになっているということであり、意外に芸が細かい。
  • 時代を考えれば迫力のある必殺技演出。
    • 時代が時代なのでポリゴンキャラの口は動かず、動きも少ないがそれでもカメラアングルの切り替えを多用するなどして迫力を出そうとしている。
      • 当然必殺技のセリフもフルボイスである。
  • OPアニメは新規の書き下ろし。主題歌は勿論「ウィーアー!」。EDではフル版も聴くことができる。

賛否両論点

  • 個別EDが一枚絵+セリフのみ。
    • ムービーではないため見栄えと言う意味では微妙。
      • ただし、キャラクターによっては非常によくはまっている。
      • また『2』ではムービーになったものの、一言しかセリフがないキャラ(アーロン、ミホークなど)もいるため、その意味では2よりマシかもしれない。
  • サンジが女性キャラを普通に蹴る。
    • 原作再現を考えると明らかな問題点。しかしゲームの性質上、戦えない組み合わせがある方が問題なのでゲームとしての面白さを考えた結果か。
    • また普通に蹴ると言ってもボイスが専用の物になったり、イベントの掛け合いでは不本意ながら戦うなどの配慮はされている。

問題点

  • いくらなんでもシンプルすぎるゲームシステム。
    • 通常攻撃が○ボタンによるものしかないというのは、さすがに少なすぎるのではないか。連続攻撃が成立するのが地上技のみなのが拍車をかけている。
      • 必殺技についてもカウンター系はかなり使いづらい。というか仕様上、必殺技を使用するためにL1、R1を押すと体が発光するため、「いつ必殺技が来るか読める」というカウンターを使う上で最悪の条件がある。ダメージを与える必殺技がカウンターしかないアルビダは非常に不利。
      • 逆に投げ系の必殺技は非常に強力。リーチが短いとは言え、相手はうかつにガードをすることができないため優位に攻め立てる。
  • 対戦バランスについては、「キャラゲーとしてはマシ」レベル。
    • 原作再現故に基本ステータスの差は仕方ないにせよ、隠しキャラのシャンクスとミホークがチートレベルの性能を誇る。ミホークに至っては剣士でありながら遠距離戦にも対応という壊れっぷり(原作通りではあるが)。またこの2名、原作での戦闘描写があまりにも少ないため技のほとんどがオリジナルである。
    • 他に投げ系の必殺技を持つルフィや打撃必殺技の当て易さが半端ないアーロンなども非常に強い。
      • とはいえそこまで絶望的な能力差というわけでもない。うまく立ち回ればこれらのキャラから勝ちを拾うことも可能である。
  • 手下の選択、同キャラ対戦がなぜか隠しコマンド。
    • キャラゲーなので同キャラ対戦ができないのはまだ納得できるにしても、複数の手下を持つキャラでどの手下になるかがランダムなのはなぜなのか?しかも実際に技を出すまで誰が来るかを確認することはできない。
      • 特に手下を3種類持ちいずれの使い勝手も異なるアーロンは、誰が来るかで戦略も変わってきてしまうので重大。
      • 『2』では選択ができるようになり改善された。
  • ややボリューム不足。
    • 使用可能キャラは説明書に記載がある10名+隠しキャラ6名の16人。ステージは6つ。決して少ないわけではないが物足りなさを感じる。
      • 発売時期を考えると仕方がない面もある。グランドライン編突入直後(ウィスキーピークに行く手前ぐらい)までのキャラはほぼ網羅されている。
      • また原作の隠しキャラ、パンダマンも使用可能。原作では一切ストーリーに関わったり戦闘をしたりと言った描写がないため、技は全てオリジナルである。
    • 隠しキャラを全て使用可能にすると、あとはほぼやることがなくなってしまう。

総評

キャラゲーとしてはよくできているし、ゲーム部分にも際立った問題点は見当たらないが、全体的に薄味な印象。
ファン同士が集まってやる分にはシンプルなゲームシステムも評価できるのだが、やりこみ層にとっては物足りないだろう。
後に『2』が発売。こちらは本作の要素のほとんどを受け継ぎつつゲームシステム、キャラクター共にパワーアップした良作となっている。

余談

  • 本作をPSではなく、CDプレイヤーなどで再生すると警告メッセージとジャンゴとルフィのちょっとした会話が試聴できる。現在ならPS3のミュージック機能でも試聴可能。