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アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~
【あーしゃのあとりえ たそがれのだいちのれんきんじゅつし】
ジャンル
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旧約錬金術RPG
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対応機種
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プレイステーション3
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発売元・開発元
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ガスト(コーエーテクモゲームス)
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発売日
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2012年6月28日
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通常版
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7,140円
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プレミアムボックス
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10,290円
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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アトリエシリーズリンク
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概要
「黄昏の大地」シリーズの一作目にあたる作品。
キャラクターデザインは左氏。
世界観を一新しただけでなく、システム周りにも今までにない大胆な変更が行われた。
新要素
戦闘面
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前作『メルルのアトリエ』のコストターン式を踏襲しつつ、位置と距離の概念が導入された。
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キャラクターには得意な距離が設定してあり、敵との距離によっては追加ダメージやノックバックなどの追加効果が発生する。
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敵を後ろから攻撃するとバックアタックとなり必ずクリティカルになる。なお、戦闘は必ずこちらが敵を囲むような形で行われるため、敵にバックアタックされることは無い。
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サポートシステムが一新された。
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前作ではサポートシステムは主人公を中心に仲間がアシスト攻撃、防御するというものだった。
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本作では誰に対してもアシストができるようになっているので、アーシャも仲間に対して「追撃」や「かばう」などもアシストを行うことができる。
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また、防御に代わり移動というコマンドが追加され、LPというステータスが削除されている。
調合面
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調合スキルと属性値の追加。
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素材の品質や特性が固定となってしまったが、素材を投入する順番を変えたり調合スキルを使うことで多様なアイテムが作れる。
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出現させたい特性をどうやって出すか頭を捻るのは前作までとの調合とはまた違った楽しさがある。
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調合の失敗という概念が廃止された。
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本作ではアイテムの指定レベルに達してないと、そもそもそのアイテムを調合できない。
評価点
BGM
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前作のアーランド編と雰囲気を変えようとしたのか、曲の方向性が結構変わっているものの、アトリエシリーズの例に漏れない良質なBGMが揃っている。
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必殺技のトドメ用BGMも前作は正統派のものが多かったが、本作は割とネタっぽい曲が増えている。
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採取地によって戦闘BGMが変わるなど、BGMの使い方も工夫がなされている。
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ただ、本作のボスを瀕死に追い込んだ時にBGMが変わる演出については賛否が分かれ気味である。
その他の評価点
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EDが選択できるようになったので優先順位を考える必要がなくなった。
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街中でスタートボタンを押すと一瞬で任意の場所へ移動できるショートカット機能が採取地でも使えるようになった。
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採取地からスタートボタン一つでフィールドに脱出できるのは地味ながら大きな利点と言える。
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チュートリアルは本作も丁寧。
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システムがシンプルになったのもあってアトリエ初心者にも取っつきやすい。
問題点
戦闘関連
前作の戦闘システムの評価が高かったため、何かと比較される傾向にある。
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前作と比べてキャラクターが没個性的である。
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全員が中範囲以上の範囲攻撃(全員円形型)を持っており、スキル構成も似たり寄ったりである。
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ステータスには上限値が設定されているが、装備を作り込むと簡単にカンストするものパラメーターも多く、ステータスで差別化を付ける事も難しい。
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このため、誰を選んでも似たような戦法になる。
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新たに導入された位置と距離の概念も作り込みは甘い。
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終盤の敵は散開してても容赦なく全員に攻撃を当ててくるし、こちらの回復アイテムも全範囲なので位置に気を遣う必要があまり無い。
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そのため「移動」コマンドが死にコマンドと化している。前作では「防御」は戦略的に非常に優秀だったので不満に感じたプレイヤーは多い。
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火力の低さ。
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こちらの火力は全体的に不足気味なのに、終盤はボス、雑魚問わず攻撃回数で押してくる敵や回復持ちの敵ばかりなのでテンポが悪い。
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攻撃アイテムの火力が低すぎて終盤では使い物にならないので、アーシャはひたすら回復や補助アイテムを投げ続けるしかない。
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作り込み次第でラスボス級の敵ですら瞬殺できた前作の爽快感は全く感じられない。
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新シリーズ一作目ということを考慮しても敵の種類が少ない。
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雑魚敵のグラフィックは9種類しかない。色違いが大抵4体以上いるので余計に使い回しが目立ってしまう。
ストーリー
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伏線を投げっぱなしにしたままで終わる。
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イベントの随所に話を広げるだけ広げて回収は続編でする、という魂胆が見てとれる。
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また、黄昏の荒廃した世界という設定を活かせてない。
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たまにある世界に関する会話で本作の設定を思い出すくらい実際の作中は明るい。
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インタビューによるとアトリエファンが混乱しないように敢えていつも通りの雰囲気にしたようだが、やはり設定との乖離は気になるところである。
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前作でも指摘されたが、キャラクターを掘り下げるためにあるサブイベントが薄い。
その他の問題点
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仲間にできるキャラクターが女性に偏っている。
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男が2人しかいないのに対して女は5人もいる。有料DLCでさらに女性キャラが2人増えたのでバランスがさらに悪くなった。
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アトリエシリーズは女性プレイヤーも多いことで知られているのに、これでは配慮が足りないと言わざるをえない。
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依頼のユーザーインターフェースが劣化している。
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前作では受けた依頼はメニュー画面からいつでも確認できたが、本作ではそれができず、非常に面倒。
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また、依頼で要求されるアイテムは固定の上、依頼を受けた段階では明らかに作成不能なアイテムを要求するなど調整不足が目立つ。
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EDまでの期間が3年に縮んでしまった。期間の延長も全くない。
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前々作、前作の期間が5年なので、シリーズ経験者はよりボリューム不足を感じやすい。
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武器作製やフィールド移動にそれほど日数がかからなくなったので、見た目の数値ほど大幅にボリュームダウンしてないのが救いか。
賛否両論点
立ち絵の廃止
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アトリエをキャラゲーとして楽しんでるユーザーからは豪華絵師によるイラストも大きな魅力であったので、立ち絵の廃止を惜しむ声は多い。
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演出面にも弊害が出ており、本シリーズの3Dモデルは徐々に進化しているが、目線や口パクが合ってないことも多く、イベントシーンを全て網羅できるほどの出来とは言えない。
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また、立ち絵と3Dモデルを併用していた前作と比べると表情も少ない。
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これらの理由から、本作はキャラクターの描写が不十分で魅力を伝えきれてないと批判されている。
素材の品質・特性の固定化
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これにより有用なアイテムを作るために素材の選別をする必要がなくなった。
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さらに言うと、大半の素材を量販店に登録できるため、そもそも自主的に採取する必要が殆どない。
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面倒な作業をする必要がなくなったと歓迎するプレイヤーもいる反面、システムを単純化しすぎてアトリエの核である調合の面白みがなくなったと主にヘビーゲーマー層からは不評である。
総評
前作で好評だった戦闘や調合などの部分を軒並み単調化してしまったため、アーランドシリーズの方向性を期待して購入したファンからはかなり不評である。
前々作のトトリ、前作のメルルが良作であっただけに、方向性が変わった今作は不評が目立つように見えるが、ロロナのようなフリーズや重大なバグなどもなく普通に遊べるので、新規プレイヤーからはある程度評価を得ている。
また作品全体を通した雰囲気自体は良く、濃すぎない素朴なキャラクターも荒廃した世界観では合っているという意見もあるため、今作に何を期待していたかで評価が大きく分かれる作品だと言えるだろう。
しかし、ボリュームの減少や露骨に続編を匂わせるストーリーなど、手抜きと言わざるを得ない部分もある。