10101 “WILL”THE STARSHIP - ゲームカタログ@Wiki ～名作からクソゲーまで～

10101 ”WILL” THE STAR SHIP

【10101 うぃる ざ すたーしっぷ】

ジャンル	おすすめSFアドベンチャーRPG （RPG+アドベンチャー+シューティング）
対応機種	プレイステーション
発売元	サンテックジャパン
発売日	1997年11月6日
定価	5,800円
判定	クソゲー
ポイント	操作性悪すぎ エネルギー切れ早すぎ グラフィックヘボい 飯島愛2度目の声優出演

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「兄弟達よ、まだ遅くはない……」

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概要

• プレイステーション界を代表するクソゲー『里見の謎』（以下「前作」）に続く、サンテックジャパンのゲームソフト第2弾。「WILL」という宇宙船を操り、宇宙を舞台に敵との攻防を繰り広げながら人類の新天地を探す。
  • 前作同様、パッケージに「おすすめシール」が貼られている。ただし今回はメーカーの名前も書かれている。
  • しかし前作同様ゲーム性もグラフィックも壊滅的であり、正直褒められた出来ではない。2作目にして、サンテックジャパンの一般向けゲーム(*1)としては最後の発売ソフトとなってしまった。

• 本作のゲーム中のBGMは、クラシックの組曲「惑星」をそのまま使用している。

• 当時活躍していた女性タレント・飯島愛氏が声優として出演している。

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ストーリー

(説明書1ページより引用)

旧地球歴24XX年、すでにこの宇宙に地球はなかった。
地球人を祖先とするノアは、宇宙空間に点在するステーションやスペースコロニーで暮らしているのだ。
しかし今やそれらの居住区は、人口問題や環境問題が深刻化しはじめ、新たなる宇宙資源および惑星を探索する必要があった。
だが、ノアが宇宙を探索するには、クリアしなければならない問題があった。広大な宇宙に存在するケアスという敵である。
ケアスは一体どこからやって来るのか、何の目的でノアを狙うのか… ノアは皆見当が付かなかったのだ。
ノア宇宙軍、UHK司令部は宇宙戦艦ウィルに発進命令を下す。
ノアの未来を背負い、ケアスの本拠地壊滅を目指して、今旅立つのだ！

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ゲームシステム

戦闘

• 『スターラスター』方式の3Dシューティング。

• 武器は、遠距離でも使え火力的にも主力となる主砲、近距離でしか使えないが連射が効き特殊効果のある副砲を使い分けて行う。

• 敵は種類によって遠距離攻撃か近距離攻撃のどちらかが明らかに強いので、敵弾幕が薄い距離を維持するのが基本となる。
  • 敵弾を回避したり迎撃する手段はなく、どちらかが撃破されるまでノーガードで撃ち合う消耗戦である。

• 自機側は消耗したシールド(0になるとゲームオーバー)を後述のエネルギーを消費することで回復することができるため、エネルギーの在庫が事実上のライフに近い。
  • …と思いきや一部に超強力な攻撃を行ってくる敵がおり、シールドの回復速度を上回るダメージで瞬殺される場合も。

移動

• マップ上では自機が等速で直進しており、プレイヤーができる操作は旋回だけである。
  • 旋回速度は「ラダー」というパーツをアップグレードすることで上げることができる。最初はわずかに方向を変えられる程度だが、ラダーをアップグレードしていくと最終的には信地旋回が可能になる。
  • パーツを揃えると自機の高速移動も可能になる。
  • ただし、どれだけパーツを集めても「その場に静止する」ことだけは徹頭徹尾不可能。

• 本作では、移動・アイテム探索・攻撃・被ダメージの回復すべてに同じリソース(エネルギー)を消費し、これが0になるとその場でゲームオーバーである。
  • エネルギーはステーションで回復することができるが、次のステーションがどこにあるかのヒントがまったく無いため、意を決して進んだ方向にステーションがなく、袋小路に入り込むと旋回の不自由さもあってあっという間にエネルギーの底が見えてしまう。

ステーション

• いわゆる街。エネルギーの回復(有料)、装備品の鑑定、セーブが可能。一つのマップに3～5箇所ほど配置されている。

• ワールドマップもなく、予備エネルギーのたぐいは一切持ち歩けないため、新しいマップに進んだ時はまずステーションの場所を把握することが最優先事項となる。

• 階層の浅いマップではエネルギー単価も安いが、マップを進む度に猛烈に値上がりする。先のマップに進む前に最寄りのスタンド、もといステーションで満タンにしておかないと、次のマップで満タンにしようとしたらお金(VP)が足りなくなる場合も。
  • しかもエネルギー補給は必ず満タン補給しかできず、所有VPに合わせて何割かだけ補給する、といったことはできない。
  • 消費エネルギーを軽減するパーツ、旋回速度を上げるパーツをエネルギー単価の安い浅い階層で入手するまで粘るのが基本で、むやみに先のマップに進むとじり貧に追い込まれる。
    • しかし実は、補給の料金はエネルギーの「最大値から見た現在値の割合」で決まるため、ステーションに入る直前に、最大値の低い鑑定前のパーツに換装することで、支払いを軽減させるというテクニックが存在する。

鑑定

本作では新しいパーツを拾った場合、未鑑定状態で入手する。未鑑定状態では自機に装備できず、鑑定成功して初めて装備できる様になるのだが……

• クルーによる鑑定は無料だが、確率で失敗し、一度鑑定に失敗するとクルーによる再鑑定は不可能になる。
  • ちなみに、鑑定メニューでの表記が「鑑定確立」。ものすごい気になる。
  • 鑑定ができるクルーは複数名いるのだが、クルーによって得意なパーツがある。不得手なパーツを鑑定させると大半は失敗するが、低確率で突然変異的にとがった性能のパーツが出ることも。
  • 特に主砲は序盤から最終装備を引くことも可能である。ただし、後述のセーブ仕様のせいで試行錯誤は苦行だが。

• ステーションでの鑑定は、鑑定失敗パーツを含め100%成功するが有料で、しかもかなり高い。基本的にはステーションに入る度にエネルギーを満タンにする必要がある本作では、鑑定しても不要になる可能性が高いパーツの鑑定料を払う余裕は少ない。

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問題点

シナリオ面

• シナリオが全体的に少なくぶつ切りな上、伏線も放り投げている。
  • およそシナリオと言えるのはゲーム開始時の説明、謎のカプセル発見、閉じ込められた亜空間からの脱出、謎の宇宙船発見、最終決戦くらいの物。それ以外は本部から数える程度にメールが届くくらいで、シナリオは非常に薄い。一部のイベントはCG付きでシナリオもやけに凝ってはいるのだが、ツッコミ所が多く、複線も回収されないまま終わる。
    • 謎のカプセル発見イベントでは漂流物として回収したカプセルにミルカそっくりの人間が入っているのだが、扱いについてドクと話している時に敵が襲来。結局カプセルについてはドクの独断で宇宙に捨てる事になる。ミルカとそっくりだった伏線はその後回収されない。
    • 亜空間に閉じ込められた後はセンドーが戦闘開始時のセリフをしゃべらなくなり、一部システムの定型文以外一切喋ってくれなくなるのだが、そのオチは寝ていただけというしょうもない物。脱出時に目を覚ますイベントが入るのだが、黙らせるのが一部だけになっている為、ずっと寝ていたようには見えない。
  • 特に酷いのが謎の宇宙船発見イベント。
    • 「実はガガーリンより前の宇宙飛行士が存在したが、宇宙に出た直後に未来へタイムスリップし主人公達と遭遇。歴史に名が残っていないのは失敗扱いされて旧ソ連が事実を隠ぺいしたから」という流れでボボロワという宇宙飛行士と遭遇し、短期間ではあるが友好を深めるのだが、実は体内にケアスの爆弾が仕込まれており、それを利用してケアスが主人公達を脅してシンラを手に入れようとするが、最終的にはうまくケアスを騙してボボロワが特攻するという流れ。
    • 本作内でも珍しく力の入ったイベントで要所要所では面白い要素もあるのだが、「過去の人間と遭遇した事が後の展開に一切繋がらない」「ボボロワとの交流期間が短すぎて愛着を持つ前に死ぬ」「シンラを手に入れようとしてた理由は最後まで謎のまま」「選択肢に失敗するとシンラの事を一切気にせずあっさりボボロワの爆弾を爆発させてくる」と、ツッコミどころが多い。
    • 更にこのイベントでは飯島愛氏による棒読み演技の酷さが詰まっており、ボボロワの死を悲しむシーンでは「あーボボロワボボロワーあーボボロワー」という文章通りに棒読み過ぎて何の感情もこもっていないやたら長い悲しみの台詞を聞かされる事になる。一度見たら忘れられないだろう。
  • 上記のような出来なので、傍から見ると「書きたいシーンを書くだけ書いて整合性は考えていない」ようにしか見えない。

• 主人公の「艦長」の位置付けが曖昧。ゲーム的には艦長＝プレイヤーのように思えるが、実際はイベントで普通に姿を見せ、台詞もある。
  • しかしクルー達だけで話を進める所為で蚊帳の外に置かれる事も多い。かと思いきや、会話に参加して積極的にストーリーに絡む事もあったりと、立ち位置がいまいちはっきりしない。
  • シリアスなシーンで「副船長がいなくなったらこの船は終わりだ」というセリフまであるため、ますます船長のポジションが解らない。
  • 声優は記載されていないが、恐らくクルーの一人であるマルチニと同じ石田彰氏。同キャラと見た目も結構被っている。

• 本作には「ケアス」と呼ばれるいわゆる敵が存在するが、緑色の肌に黄色のショートボブでプライバシー保護に使われる黒線のようなものを目に着用しているなどかなり奇抜な外見をしており今作の奇怪さをより引き立たせている。

• ラスボスを倒すと、いきなりスタッフロールが始まる。
  • 条件を満たしているとエンディング後にドクとミルカの会話が挟まる真エンドが始まるが、これも設定を語るだけ語って最後に啓蒙メッセージが出て終わる内容であまり面白い物でもない。

その他演出面

• グラフィックは前作同様全体的にSFC並み。
  • しかもイラストを描いた人物が別なのか、通常時のアイコンの顔とイベントCGでは絵柄がかなり違う。中には別人のように見えるキャラもいる。はっきり言ってしまえばアイコンの方はかなり出来が悪い。
    • イベントCGはそれなりに力を入れていたようで悪くないのだが、普段よく見るアイコンとの絵柄の違いが非常に気になる。ちぐはぐな出来で結果的にどちらも気になってしまう。

• キャラクター名は世界観に合わない奇面組テイスト。
  • メインパイロット（船頭）のセンドー・ユウキ、マルチニ・メカフェッチ、偏屈な博士ドク・ヘクーツ等。

• 監修がしっかりしていないのか音声データが全般的に酷い。
  • 音声がやたら途中で途切れる
    • 音声を切る場所が悪いようで、全体的に最後の一文字分ほど手前で切れる。
  • 冒頭、「提督」というキャラが、エネルギーを明らかに「エナルギー」と発音している。
  • 島紘子氏は宇宙ステーションのスタッフの声を当てているのだが、「ステーション・ミスリル」と発音する時に明らかに噛んでいる。「ステーション・ミスィル」。
  • エンディング曲もスタッフロールが終わったからなのか、中途半端なタイミングでぶつ切りになる。

• 飯島愛氏の棒読み演技。
  • 副船長の声を担当しているのだが、前述の通り完全に棒読み。
    • ちなみにパッケージには「飯島愛声優初挑戦」などと書かれているが、実際には1995年にSFCソフトの『マジカルポップン』というアクションゲームで主人公の声を充てているので、声優初挑戦ですらない。こちらもやはり棒読みだった。

• 異空間では何故か土偶や埴輪がスタッフを担当しており、この声も島紘子氏。シュールなどというレベルではない。
  • エンディングテーマも歌っているのだが、声が何度も裏返っている(歌自体は上手)。

• ザコキャラと戦闘になる度に、「レーダーに捕捉!」「艦長、いかがいたしますか?」「了解!」といった乗組員達のセリフがいちいち流れてゲームテンポを悪くしている。

• ゲームオーバー画面が淡白すぎる。
  • 戦闘敗北時やエネルギーが0になった時は特別な演出が入る事もなく、一瞬でゲームオーバー画面が表示される為、余韻も何もない。唐突に終わったようにしか感じない。

探索システム面

• 移動システムが非常に不便。
  • 本作の最も問題となる要素。移動画面では足を止めるという事が出来ない。
    • その為、岩に引っかかると引っかかりながら方向を変えて抜ける必要があり、方向を変えている間にも無駄にエネルギーは消耗し続ける事になる。
  • 足を止める事はできないのに初期の旋回性能（ラダー性能）が悪く最小旋回半径が自機の3倍ほど必要である(半径で)。
    • その為、本作を始めてマップ操作に放り出された時に大抵のプレイヤーがこうなる。「真横にある宇宙ステーションに入れねぇ！」

• 移動可能な場所が分かりづらい。
  • 宇宙に浮かぶ細かな岩で道を塞がれた形でマップが作られているのだが、隙間が空いているようで通れない場所もあったりで一度突っ込んでみないと通行可能か判断付かない。
    • しかも岩で塞がっているように見えて通行可能な隠し通路がいくつも存在し、後半はこれを見つけないとクリア不能。

• 普通にプレイしているととにかくエネルギー不足に悩まされる。
  • 戦闘勝利時に獲得可能なVPでベイル（体力）の回復、ステーションでのエネルギー回復、ステーションでの装備の鑑定が可能なのだが、VPの入手量がそれほど多くない割には使い道が多岐に渡る。
    • それでいて瞬殺されるような強敵が出たりと戦闘を安定して勝つのも難しい為、こまめにステーションでのセーブをしつつ周囲の探索をして装備改善を繰り返していくしかない。
  • 少しでも道に迷ってステーションへの帰還が怪しくなるようだとまず間違いなくエネルギー切れを起こす。
    • 下記、迷路フィールドでは正解ルートを発見するまで爆発を繰り返すことになる。
  • エネルギーパックを新しくしていくと最大容量がドンドン大きくなっていくのだが、当然それに伴い全回復に必要なVPも増えていく。
    • ただし移動画面でのエネルギーパックの現在値は単純に割合計算されているようで、小さいエネルギーパックを装備して回復した後、容量が大きいエネルギーパックに付け替えてもエネルギーが減らない。これに気付くと後半はエネルギーで困る事はかなり減る。それでもやはり道に迷ったりするとエネルギーが尽きるが。

• フィールドは全部で7つのマップからなっており、各マップに用意されたイベントをクリアすれば次のマップに進める…と説明書にはあるが、第5・6のマップはただの迷路で、イベントなど無い。

その他システム面

• ゲームバランスが悪い。
  • ゲームを進めていると急に敵が強くなる事が何度かあり、戦闘開始直後に一瞬で殺される事もある。
    • 戦闘開始前に敵のHPや攻撃力が表示される為、ヤバい敵である事は事前に分かるようにはなっているが、確実に逃げられるわけでもなく、逃げられないまま一瞬で殺される事もある。

• 前作と同じメーカーロゴが出る（やはりスキップ不可）。さらに妙に長いデモが流れるが、これもスキップできない。
  • オプションメニューは、音量調整が妙に細かく設定できたり、カーソルの形を変更できたりと、変な方向に凝っている。

• 説明書は6ページしかない。しかも1ページはどのソフトにもある「使用上のご注意」なので、実質5ページ。どのページも画面写真と簡素な説明文が載っているだけで、余白が妙に大きい。

• セーブする際、メモカチェックにやけに時間がかかる。
  • しかも「セーブが終わるまでそのままの姿勢で、お待ちください」、セーブが終了すると、「おめでとうございます」と、変な所で意味の分からない演出の凝り方をしている。

• フィールド（宇宙空間）は、ただ移動しているだけでエネルギーが減っていく。それだけなら『銀河の三人』でもあった話だが、こちらはエネルギーの減りが尋常ではない。そもそも『銀河の三人』は一度の飛行距離次第での減少だが、こちらはそんなものは関係ない。
  • しかも障害物の当たり判定が厳しい為引っかかりやすく、引っかかっていてもエネルギーが削られていく。このため、絶対に治せない毒に侵された勇者と表現されることがある。

• アイテム回収システムが無駄に難しい。
  • 宇宙に浮遊しているアイテムに照準を合わせてキャッチする事で船を強化していくのだが、これが無駄に難しい。
    • 初期はまだしも途中から飛んでくるアイテムの軌道がだんだんおかしくなっていき、後半は急に逆方向に動き出したり、画面外に一旦消えたり、何度も方向転換したりと、キャッチさせまいとどんどん高難易度化していく。ただ宇宙を漂流しているだけの物のはずなのだが…。
  • 上記のようにキャッチが面倒なシステムに加え、失敗すると船員から「だめでございましたのねぇ、おほほほ」「艦長失敗したんだぁ」「タイムオーバーになってら」などとバカにされるのでやっていて非常にイライラする。
    • 飯島氏の棒読み演技が悪い意味でマッチして余計に煽っているように聞こえる。

• 戦闘はリアルタイムで行われるのだが、ポーズ機能は無い。
  • ネズミの顔の様な姿をしたザコ敵が登場するが、名前はチューカッピという。逆読みすると…。

• 副艦長との会話では、なぜか「自爆」というコマンドが存在する。選択すると、「さようなら」という声と共にタイトル画面に戻る（爆発の効果音などは無い）。

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評価点

• ゲームシステム自体は特徴的であり、スペースオペラという題材も当時としては珍しく、総じてある程度の個性は打ち出せている。

• ツッコミ所や伏線の放置が多いストーリーだが、一応形にはなっている。
  • 同社の前作『里見の謎』が稚拙な文章と電波だらけだった事を考えると、これでもかなりマシになっている。
  • 設定もそれなりに作り込んだ形跡があり、土台自体は悪くなかったと言える。

• 少しずつ装備を充実させていく楽しみはある。
  • 各装備を新しくする事で性能が強化されていき、方向転換もかなり改善される為、終盤はその点で困る事はない。エンジンも最終的にはまともに操作不能なレベルにまで高速化させることも可能。
    • とはいえ、ある程度装備を変えた段階でようやくまともになるといった形なので、序盤での各種性能の低さはやはり厳しいものがある。

• 音楽に使われているホルストの「惑星」等のクラシック曲は、一応SFらしい壮大な雰囲気を作り出すことには成功している。
  • 元々の話をすれば原曲が素晴らしいからであって、決して本作の力ではない所が悲しいが。

• 本編中はフルボイスで、声優もやたら豪華。
  • 飯島愛氏の他、氷上恭子氏、大川透氏など。そしてかの島紘子氏の名前も。

• 先述したとおり本作も島紘子氏が脇役で声優出演し、エンディングテーマを歌っている。前作同様なかなかの歌唱力。
  • ただし、相変わらずゲーム中の世界観には合っていない80年代のアイドル歌謡のような曲調である。
    どちらにしろサンテックジャパンはこれ以降一般向けゲーム業界から手を引いてしまったので、彼女の売り込みも失敗に終わってしまった。悲しいことである。

• クリア後におまけ要素がある
  • クリア時にセーブが可能で、そのデータで再開すると雑魚敵も強くなったクリア後状況でゲームを再開可能。
    • クリア後限定のライバルキャラ「ラバイル」も登場し、各フィールドで勝負を挑んでくる。勝つと特殊武器を入手可能。
  • 真エンドの条件はクリア後に満たす事も可能。

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総評

『里見の謎』で有名なサンテックの2作目らしく、UI面を含め色々な面で出来の悪さが目立つ作品。
それでも独特かつ個性的なシステムやシナリオ面を評価する声も僅かながら有る為、『里見の謎』と比べるとこれでもかなりマシにはなっていると言えるだろう。
実際、旋回の遅さとエネルギーマネージメントについては、「先が見えない中で生存のためのリソースが減り続ける恐怖」との戦いではあるが、次のマップへの通路が開いたからと言って急いで進まず、現在のマップをしっかり探索してじっくり自機を強化してから進めば、堅実にゲームを進めていく事も可能な為、クリア不可能なゲームというわけではない。
戦闘面でも「敵の得意な距離に入らない」という基本戦略で対応できる場合が大半である。
もう少し基本的な部分の遊びやすさが良好であれば良い部分も目に付きやすかったかもしれない。

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余談

• ゲームディスクをCDモードで再生すると、ボイスドラマが流れる。
  • 当時はよくあった小ネタであるが、各キャラクターの留守番電話風メッセージも収録されている。そしてこのメッセージもやはり録音が変なところで途切れている。

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*1 その後1999年にアダルトゲーム部門で子会社『k'Night!』『Studio TAKO』を設立している。しかしこちらも同様に開発のノウハウのなさから失敗に終わっている。