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RPGツクール - (2018/07/27 (金) 15:13:51) の編集履歴(バックアップ)
RPGツクール
【あーるぴーじーつくーる】
ジャンル
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コンストラクション
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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エンターブレイン
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開発元
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Runtime
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発売日
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2004年12月16日
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定価
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7,140円
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判定
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クソゲー
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ポイント
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簡単には作れるが、制作自由度は大幅ダウン クセの強すぎる洋ゲーグラフィック 主人公素材がハゲかけのオッサン 製作時間よりも長いロード地獄 独特のオサレ文字入力システムがストレス 褒められるのはBGMだけ
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ツクールシリーズリンク
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概要
RPGツクールシリーズ初の無印タイトル(ツクールシリーズ第一弾には 『SUPER DANTE』の副題が付いており移植作品ではない。またSFC版の初代と区別するために通称「PS2版」「無印」などと呼ばれている。)。
最大の特徴として、フィールドや街など全画面が3Dとなっている点が挙げられる。また『5』はドラクエ風の作りだがこちらはFF風である。
『5』の反省から難度を下げるとしたこと、また頭身を大幅に上げ、3Dの美麗なグラフィックと戦闘シーンが公開されたことで期待されたのだが…。
問題点
自由度の大幅低下
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登場人物を100人までしかつくれない。これは主人公などプレイヤーキャラのみならず、町人・イベントキャラ含めて100人である。これに加えて容量もそんなに多いわけではない。
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イベントに関係ないモンスターは当然これには入らない。
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主人公の武器はそのモデリングに合わせたものでないと装備させられない。
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例えばシリーズ定番の勇者グラフィックには剣しか装備出来ず、斧などは装備設定してもちゃんと反映出来ないor装備されない。
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キャラクターのグラフィックデザインが洋ゲーを意識したものが多く、顔が全般的に濃い。
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シリーズではほぼ毎回そうだとはいえ、パッケージのような正統派主人公のグラフィックは存在すらしない。
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顔グラも癖が強く、おまけに歩行グラフィックとデザインや色が合わないものもいる(顔グラフィックの色は変更不可)。ちなみに顔グラフィックという要素自体は『4』からの復活したものではある。
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主人公・勇者向けに製作されたと思われるグラフィックNo.1は髭を生やしており、どう考えても30代のオッサンにしか見えない。にも関わらず、サンプルゲームでは学校に通う少年に設定されている。サバ読みすぎ。
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顔グラフィックのタッチを4種類の中から選べるが、前述の洋ゲー風の濃いタッチ以外もアメコミ調やコメディタッチの下手ウマな絵といった癖の強いものばかり。
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スキルのムービーのバリエーションが少なく、同じエフェクトの色違いも多い。
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しかもムービーはすぐに終わる。自由度も何もあったものではない。
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大きいモンスターのカラーパターンが少ない。
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Sサイズは従来同様4色用意されているのだが、Mサイズ、Lサイズ…と大きくなるにつれてカラーパターンが1つずつ減っていき、LLサイズのモンスターに至っては色変更自体出来ない。
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『4』程の酷さではないが、フィールドマップ1枚あたりの広さはあまり広いとは言えない。
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と言うのも、実際に主人公が歩けるのはフィールドマップの中心部分のみで、端の方に行こうとすると行き止まりマークが出てそれ以上先に進入出来ない為である。
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またマップが広大に見える割に主人公の歩行スピードが遅い。ダッシュは出来るのだが、その肝心のダッシュすらそれほど早く移動出来るわけではない。
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幸いにもフィールドマップは複数枚作成可能なので、マップ移動などを駆使してそれらを1つの広大なフィールドに見せるといった工夫も出来なくはない。
常に付きまとうロード地獄
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3D化の弊害からかロードが異常に長く何をするにもロードが必要なロード地獄に陥る。サンプルグラフィックでもロード、建物間を移動するときにも生じるロード、とにかくロードが差し込まれる。しかもNowLodingというメッセージがいちいち表示される上に一つ一つが長い。
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と言っても、RPGツクール5はここまで言われるほどロードで突っ込まれることはなかった。頭身が高いため、情状酌量の余地はあるが…。
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戦闘はRPGツクール4のようなサイドビュー的なアクティブタイムバトル(以下ATB)方式を採用しているが、ロード地獄と重なってテンポがとにかく悪い。
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まず戦闘に入るにもロードがかなり長く、初期のCD-ROM製RPGでも見られない戦闘時のNowLodingのメッセージまで表示される。
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攻撃がヒットした際、ダメージが表示される前にいちいち「Hit」というテロップが表示される。
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スキルを使った時、ムービーを設定すると、その度少しロードが入るので一瞬映像が止まりさらにテンポが悪くなる。このことから戦闘周りの仕様は快適とは程遠い。
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この問題により製作中は、ロード時間>制作時間とすら感じるほど製作テンポが悪化してしまった。作品製作中なら多少のロード問題は我慢できるかもしれないが、他人に作品をプレイさせる事を想定すると、この長いロードは意図せずプレイヤーにストレスを与えることになりかねない。
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たかがロード問題だが、本作に至っては製作者側の工夫で緩和する事がほぼ不可能な事が判明しており、この事が他のツクールで見られる理不尽な仕様を乗り越えてでも完成させるというメリットが本作では皆無な状態であった。結果ロード問題が要因で制作そのものを中止して見切りを付けてしまう作者が続出し、
このソフトのロード問題は多少のレベルで済むものではない深刻なレベルの問題
となってしまった。
快適とは言い難い文字入力の仕様変更
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コントローラーでも楽に文字入力できるように文字入力のインターフェイスの仕様が変更されたが、それは歴代最悪と言われる程大幅に劣化している。
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スティックを倒して文字を選択するのだが、まずスティックを下に倒して「あかさたなはまやらわ」そして「記号」といったように文字の列を選択し、その後でさらにスティックを倒し、表示されたあいうえおでの中で、使いたい文字をスティックを倒して選択するという方式。一度体験すればわかるが、とにかく面倒なだけで5までの従来方式の方がまだよかったという声も聞かれる程。
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文字入力の改善のために5のように別売りのUSBキーボードを使おうにもまさかの
USBキーボード非対応
。いやでもこの面倒くさい文字入力を使わないといけない。
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デザイン自体はオシャレだが、オシャレなのは外見だけにしてもらいたかったものである。
好評点
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マップ制作は3D設定ながら意外と簡単な構造の元に作られており、それっぽい広大マップが気楽に作れる。
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特にダンジョンは自由かつ簡単に製作可能。罠を配置して主人公がそこを通ろうとするとダメージを受けるようにしたり、壁を調べると崩れて隠し通路が出現したりといった仕掛けを盛り込むことも簡単に出来る。
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従来作でもイベントで罠などを作ることは可能だったが、本作ではダンジョンエディタ自体に仕掛けを作る機能が搭載されている。
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3D自体はデザインを除けば当時としては綺麗な方である。
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BGMはプロの楽団が手がけたオーケストラ調なので、良曲揃い。
総評
3Dのゲームが増加傾向にあった時代に、3DのRPGが手軽に作れるというコンセプトを持って生まれた本作だがその出来は、自由度の低さ、操作性、ロードの回数・長さといった、製作作業面のみならず作った作品をプレイさせるためのプレイ環境面でも大きな問題点を抱えていた。
大元のコンセプトを実現するノウハウ不足が徐々に露呈していき、本作は「使えないRPG製作ツール」として認知される。初心者ツクラーはおろか、今まで慣れていたベテランツクラーでさえ、仕様上の問題で製作を断念する作者が続出してしまった。
仕様やバグの問題を掻い潜ればそれなりのものが作れる『4』や、難解だが知識さえあれば市販並の3DRPGが作れる『5』に対し、こちらはゲーム作りという意味においても見所はほとんどない。
結果、ツクラーの間では三度目の正直として『4』『5』の不評を覆すどころか、家庭用ツクール最低のレッテルを貼られ、二度あることは三度あると期待を大きく裏切る形となった。そういう意味で、本作は満を持して出てきてしまった隙のないクソゲーであると言える。
余談
なお、本作の開発元である「Runtime」自体、ツクールに参加するのは初めてという以前に、ほとんど無名の会社である。
家庭用版RPGツクールの開発に定評のあった「空想科学にカムバックして欲しい」と望む声もあったが、当の空想科学は家庭用ゲーム開発から撤退していて、その可能性は低い。
「3DタイプのRPGが作れる」というコンセプト自体は需要があったはずだが、前作『5』と続けて不評だったためか、以降のRPGツクールシリーズは基本的に見下ろし型2Dタイプとなっており、今後3DタイプのRPGツクールが登場するか否かは不透明な状況となっている。
本作の失敗が祟ってか、家庭版用RPGツクールは、2010年の『RPGツクールDS』まで6年も間が空く事となった。
更に据え置きゲーム機用のRPGツクールに至っては、2018年の『RPGツクールMV Trinity』まで14年の歳月を要する事になる。
また、本作以降家庭用ゲーム機でRPGツクール以外のツクールシリーズは発売されていない。