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R-TYPE II - (2016/09/22 (木) 00:08:47) の編集履歴(バックアップ)


R-TYPE II

【あーるたいぷ つー】

ジャンル 横スクロールシューティング
対応機種 アーケード
販売・開発元 アイレム
稼動開始日 1989年
分類 ゲームバランスが不安定
ポイント 初心者お断りの難易度
マニアには支持されるも前作の様なカリスマ性は得られず
R-TYPEシリーズ関連作品リンク


概要

  • 斬新なステージやシステムを導入し、大ヒットとなった『R-TYPE』の続編。
    グラフィックとサウンドは順当に進化し絶妙な仕上がりを見せている。
  • 前作の自機「R-9」を強化改良した「R-9カスタム(R-9C)」を操り、新生バイド帝国の打倒を目指す横スクロールSTG。全6ステージ2周END。
  • シリーズ屈指の高難易度を誇り、本作の難易度に魅力を見出した一部のファン以外は、このゲーム(さらにはSTG自体)を離れていくことになる。
    • この時期の「STG全体の高難易度化」も追い討ちをかけることになったとも言われている。

特徴

  • 武装の追加
    • 波動砲の2段チャージが可能になり、2段目までフルチャージすると「拡散波動砲」が撃てるようになった。
    • レーザーは基本の3種に加え、サーチレーザー(緑)とショットガンレーザー(灰色)が追加された。
      • サーチレーザーは横に発射されたレーザーが、敵との位置関係によって斜め→横と計2回曲がる。
      • ショットガンレーザーは何かに命中、又は一定距離飛ぶと強力な爆風が発生する。ショットガン(散弾銃)と言うよりグレネード(炸裂弾)。
  • シビアなパターン性
    • 本作は多数ある「初見殺し」を覚えてパターン化し攻略するゲーム性である。特に後半のステージは「攻略パターン以外の動きをする=死」と言えるほどシビアな展開が続く。
    • 敵配置はやりすぎな感もあり、「ドリフのたらい」ばりに狙ったように突っ込んでくる敵や弾には落ち着く暇が無い。
    • 復活時はもちろん、フル装備でさえゴリ押しがきかない場面が多い。
    • いらないアイテム、特にスピードアップを持つ「POWアーマー(破壊するとアイテムを出すキャラ)」が狭い通路などに嫌らしく配置されており、こいつをあしらう行為すらパターン化しなければならない。
    • 最初のエクステンドが20万点ということも厳しい要因の一つ。このゲームとしては高いハードル。
+ 各ステージ内容
  • 1面「遺跡」
    • 最初のステージにしては敵が多め。下から飛び出してロケットを撃ってくる敵が初心者キラーか。シリーズ慣れしている人ならここは初見突破も可能なレベルだが、ここで挫折した人もまた多い。
    • ボス「ザブトム」は頭部が破壊可能。中には前作のボスである「ドブケラドプス」の姿が。
  • 2面「洞窟」
    • 下半分が水に浸かっているステージ。撃つと特攻をかけてくる敵等、嫌な動きをする敵が多数登場。この時点ですでに前作の後半並の難易度。
    • 最後に待ち受ける恒例のエログロボス「バラカス」は細かい位置調整を強いられるが、本作ではまだ最弱クラスのボス。
  • 3面「紅の空(巨大戦艦隊)」
    • 恒例となる巨大戦艦ステージ、今回は艦隊として登場(どちらかといえば後の『FINAL』5.0面に近い構成)。ここより後ろから来る敵が増え、初見殺しが目立ち始める。
    • 浮遊要塞型のボス「コルベルト」は、赤レーザーを持ち込めば瞬殺も可能だが、無い場合は弾避けを強いられ苦戦する。
  • 4面「資源採掘場」
    • 可動する地形が特徴のステージ。高耐久力の浮遊戦車の行列と地上敵の連携攻撃など、全体的に敵配置が凶悪でフル装備でも全く安心できない。
    • しかも高速通路内で戦闘となるボス「ライオス」は、入り組んだ地形を高速で避けつつ撃ち込まねばならないという激しい地力・アドリブ要素で後半戦への道を阻む、本作最強(最凶)と言われる山場である。
  • 5面「増設基地」
    • 前作の4面を凶悪にしたようなステージ。壁を産む(食う)敵が縦横無尽に暴れ回る。
    • とりわけ破壊不能な壁を産んでいく敵による多数の初見殺しが最大の脅威で、その壁を食う敵の扱いなど、倒すべき敵に関するパターン化は必須。さながら爆弾を解除するがごとく、迂闊に手順を誤れば死あるのみ。
  • 6面「バイド帝星」
    • 前半は前作最終面同様、上下から雑魚が沸いてくるという構成。ただしそのスピードと量は尋常ではない。
    • 後半は高速弾を撃つ強敵「ドグラ」が前後から大量に出現する通称「ドグラッシュ」。フォースとビットをフル活用してその猛攻に耐えねばならない、最後の難所である。
  • 人にもよるが、1周目ならば許容できる範囲の内容の為、頑張れば攻略出来るレベルである。が、さらなる高難易度の2周目が存在する。
    • 主に、敵の移動速度・弾量・弾速・強度が大幅に強化される。
    • ただでさえ凶悪な4面ボス「ライオス」の攻撃パターンの激化及び耐久力増加、常に高速弾の嵐にさらされる3面と5面の道中、6面の「ドグラッシュ」の増量+高速化された弾幕等、1周目を遥かに凌ぐ難関がそびえ立つ。

難点

  • 役に立たない追加武装。せっかく追加された武装の数々はことごとく攻略の足を引っ張るものばかりで、シビアなパターン性も相まって遊びで使う余裕は全く無い。
    • レーザーは5種類になったが、判定・威力共に優れる「赤レーザー(対空)」以外は極端に性能が低い。
      • 特に性能が低い黄レーザー(対地)と緑レーザー(サーチ)のアイテムは、某攻略サイトで「敵なので避けてください」とまで言われた。
      • 青レーザー(反射)は使えなくはないが火力不足。期待の新装備の灰レーザー(ショットガン)は火力が最強であるも、射程が短くクセが強いため不利な場面が多すぎる。
      • そのため、常に赤レーザーを維持する展開になるのだが、2~4面ボスまでは一つも赤レーザーアイテムが出ない厳しいバランス取りとなっている。
  • 「拡散波動砲」は役に立つ場面がほとんどなく、後述のリスクから「無い方が良かった」という声すらある。
    • 非常に広い攻撃範囲を誇るが、弾がバラけすぎて狙いを付けられない。しかも本作は一部面を筆頭に、攻撃範囲が広い事は必ずしも利点になるとは限らない場面さえある。
    • 総ダメージ量が波動砲の2倍程度しかなく、長いチャージ時間と釣り合っていない。
    • 拡散直前の集束点を上手く当てる事により拡散波動砲を複数ヒットさせ、普通の波動砲の4倍のダメージを与えるテクニックも存在するが、それらを考慮してもあまり実用的な武器とは言えない。むしろ普通の波動砲が安定して撃てなくなるリスクの方が大きい。
  • 理不尽感を抱かせる難易度
    • 初見殺しがあまりに露骨すぎるため、難しさの性質がプレイヤーに理不尽感を抱かせるものと言われることが非常に多い。
    • 序盤(具体的には1周目の2面)から初見殺しの要素が頻出する。ボス戦も攻略法を看破することがやや難しく、手がつけられないまま死ぬ可能性が高い。
    • 前述のようにせっかくの新要素も悪質な罠のような扱いであり、ゲーム性を妨げているとも言える。
    • ただし、流石に前作の2周目と比べれば本作の1周目は遥かに簡単。2周目はもともと「BONUS GAME」であることを考えればギリギリクリアできるレベルの凶悪なバランスでも一応問題はないとも言える。
      • 同年のグラディウスIII(こちらは1周目の時点で正真正銘の凶悪なバランス)の影響もあり「超難しい」という印象だけが残りがちだが、少なくともワンコイン1周はしっかり練習することで安定するところまでは持っていけるバランスである。下記の情報規制による影響も大きかったのではないだろうか。

情報規制の功罪

  • そしてこのゲームが登場した時期、メーカーのアイレムはメディア(ゲーム雑誌)に情報規制をかけるようになっていた。
    • アーケード専門誌の『ゲーメスト』においてすら、大ヒット作の続編にもかかわらず紹介記事や攻略情報がほとんど掲載されないという状況だった。
    • 結果として自力での攻略を強いられる事になり、やらせ感も出てる所も。

総評

  • 「難しくて反復練習を必要とする」という点はアイレムのSTGにはよくあること(『R-TYPE』や『イメージファイト』など)なのだが、ハードルが相当高くなった事もあってトライ&エラーのプレイ意欲を徹底的になくす感がある事が人気を得られなかった要因に。
    • しかし1周目だけに関してはやり込んでいくとプレイヤーの腕が成長が実感できる絶妙なバランスである事が見直されている所もあり、SUPER難易度である2周目と混同してる傾向がある評価で斬り捨ててしまうのはもったいないことも事実である。

その後

  • SFCに移植される際は大幅アレンジを加えた『スーパーR-TYPE』として発売された。
    • 特に問題視された難易度には特段の調整が入っている。1ループの短い地味な曲が多かったBGMはほぼ全てが新曲に書き直された。
    • ボスもザブトム、ライオス、最終ボス以外はすべて差し替えとなっている。バラカスが変更されたのは難易度の他、任天堂チェックにかかったとの噂もある。…代役のインエグゼスもきわどいデザインだが。
  • その後GBに移植(こちらはそのまま『R-TYPEII』として)。やや無理のある移植で変更点も多めだが、雰囲気は出ている。
    • このバージョンの取扱説明書に「過酷な戦場と機体の性能に普通の人間は耐えられないため、パイロットは四肢を切断され、実に脳だけの状態にされて機体に乗せられた」との記述がある。当シリーズの暗黒面や鬱設定の始まりとなった。
      • 早合点する人も多いが、「実に脳だけの状態」とはそのものずばり脳だけを取り出すのではなく、人間から思考以外の全てを奪う状態にするということ(だからどうしたという程度ではあるが)設定が整理された現在では「脳だけの状態にされて」という部分は削除されている。
  • 完全移植は、PS『R-TYPES』に収録が初となっている。また、XboxLIVEアーケード『R-TYPE DIMENSIONS』として前作とともにリメイクされた。