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ロストワード・オブ・ジェニー 失われたメッセージ
【ろすとわーど おぶ じぇにー うしなわれためっせーじ】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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タカラ
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開発元
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バースデイ トーセ
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発売日
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1987年3月25日
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定価
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5500円
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分類
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クソゲー
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ポイント
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ターゲット層とシナリオ・難易度のギャップ スロットを占いと主張 COW HEAD 全面クリアしてもエンディングが見られない
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概要
同社の着せ替え人形「ジェニー」を主人公としたアクションゲーム。
『トランスフォーマー コンボイの謎』と並ぶ、タカラの自社キャラクソゲーとして有名だが、元キャラからの乖離・逸脱振りではこちらの方が上かもしれない。
ストーリー
今回のジェニーはミステリータウンの街で上演が迫り期待が高まっているミュージカルの主演女優。しかしミュージカルの台本が悪のBB教団に奪われてしまう。主催者はそのことを隠していたが、ジェニーは台本が奪われた事実を知り、一人で台本を取り戻す決意をする。
勇んでジェニー・ショップから出たジェニーの目の前に、主催者が台本を取り戻すため雇ったスパイの生き残りが現れ、黒封筒を突きつけて去って行ってしまった。黒封筒の中には鍵と一枚の紙きれだけが…。ジェニーは黒封筒を入手したことから教団に付け狙われるハメに。
…はたしてジェニーは黒封筒の謎を解き、台本を取り返してミュージカルを無事に上演できるのでしょうか?
(説明書より要約)
ゲーム内容
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ゲームを始めるとシンデレラよろしくジェニーがかぼちゃの馬車から降りるデモが挿入される。
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デモのあとは見下ろし型のマップ画面「ミステリータウン」に放り出される。ここではジェニーを操作しステージの入り口を探す。
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ステージは6つあるのだが、どのステージに入れるのかは完全にランダム。
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入れない入り口の前に立つと「トゥ~ルゥトゥルゥ」と無情にもやかましいノイズが鳴り響く。
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ステージはサイドビュー、アイテム回収型のアクション。
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立っている最中Bでキック、↓でしゃがんでる最中にBでパンチの2種類の攻撃を使い分ける。
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クリア条件は12個あるアイテムボックス(箱やツボなどステージにより異なる)のうち10個以上を開ける→敵を倒して鍵を探す→3つの扉のうち正しい扉に入る、というまどろっこしいもの。
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入れない扉の前に立つとやはり「トゥ~ルゥトゥルゥ」ノイズが鳴り響く。
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条件を満たせばステージクリアかと思いきや、画面に
COW HEAD
と表示され、「カウヘッドの魔宮」なる異世界へ飛ばされてしまう。
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ここではカウヘッド=
牛の骸骨の化け物
(COWというくらいだから牝牛だろう…)を退治しなければならない。
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ちなみに、タイトルBGM及びアクションステージのBGMは、当時、TVで放映されていたジェニー人形のCMソングのアレンジである。
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カウヘッドの魔宮をクリアするとKKK(Ku Klux Klan)団のような姿をした謎の中国人「フーマンチュン」による占いが始まる。
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占いは高速で切り替わる4つの数字をボタンで止めるというもの。
それはスロットであり占いとは言わない。
しかも面クリアの度に強制参加させられるので、1プレイで何度も占いもどきをやる羽目に。
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数字は説明書に掲載されている説明文に対応している。この中には「今すぐゲームをやめて働け」「ファミコンなんかしてないで外で遊べ」「愛は地球を救う」「特に何もない」などピント外れの物も多数。
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終わりには「魔女はペロペロキャンディーが嫌い」「ドラキュラは十字架が苦手」など一応それらしい助言をくれるのだが、これらはゲーム攻略には全く役に立たない。
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6ステージ目をクリアするとミュージカル劇場に入ることができる。
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これでエンディング…と思ったら入り口にカギがかけられており、今までのプレイで知り得た6つの番号を入力しなければならない。
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番号は特定の敵キャラクターを倒した際に出る数字とアルファベットの板でわかる。しかしゲーム内にも説明書にもヒントとなる言及は一切ナシ。
番号が分からない場合には最初からやり直すしかない。
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番号が合えばいよいよエンディング。なのだが…。
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ネタバレ
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エンディングではミュージカルのタイトル、すなわち「ロストワード」が明らかにされる。発売当時にはゲームクリアの証としてロストワードおよび説明書で名前の伏せられた敵キャラの名を応募券に書きタカラへ郵送すると文房具が当たる、というプレゼント企画が実施された。
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応募券は説明書に印刷されている。このため説明書付きの中古品は応募券のページが切り抜かれているおそれがある。
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敵キャラ全員の名前が紹介され、最後にジェニーと敵キャラが舞台で一堂に出てくること、さらにオープニングの演出とロストワードとの関連、ジェニーはミュージカル俳優という設定から
今までのお話はすべてお芝居でした
というオチに見えなくもない。だとしてもシナリオ=ゲーム内容の酷さは擁護できないが…。
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問題点
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ターゲット層ガン無視の殺伐としたシナリオと世界観。そして難易度。
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海賊船やケーキの塔、花畑など、ファンシーなステージもあるにはあるのだが、いっちゃったような目つきで銃を乱射しまくるギャングやジェニーを襲う気満々で突っ走る車や野良犬などが徘徊する「ミステリータウン」や、グラフィックもBGMも寂れてて気持ち悪く、本当に女の子向けのソフトなんだろうかと疑いたくなる「カウヘッドの魔宮」など、本来のターゲット層を無視した殺伐とした雰囲気が目に付く。
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ミステリータウンの敵キャラは一撃でかなりの体力を奪っていくため、ステージ攻略以前の段階で死亡なんてこともざらである。また敵とジェニーのX軸が異なってもどこかしら重なればダメージを食ってしまうため、画面下部の狭い通路では避けるのも難しい。
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ステージ内の敵キャラクターはパンチやキックで応戦できるが、異様に硬いため攻撃を何度もかます必要がある。
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そもそも、シナリオからしていろいろカオス。「悪の宗教組織に奪われたミュージカル(題名不明)の台本を取り戻すため、モンスターや殺し屋の攻撃をはねのけジェニーが戦う」という内容自体がターゲット層ガン無視というか、自社キャラレイプもいいところである。
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台本が奪われただけで上演できないミュージカル、何の理由かは知らないが台本を狙う宗教団体、盗難を隠蔽しスパイで応戦する主催者とかツッコミどころ満載。そもそも予備の台本はないのか? あと上演間近のミュージカルなのにタイトルさえわからないのはどうなんだ。
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紹介文に「おてんばキックで敵を倒せ!」とあるが、ジェニーってそういう性格だろうか? 箱の裏には「キミはミュージカル劇場の扉を開けられるか!?」とやけに挑戦的な文もあり、本当に女の子向けを意識していたのか疑問に残る。
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操作性に難がある。
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はしごや階段昇降時の操作受付けが適当。はしごの昇降中に左右キーの入力が効いてしまうため、左右キーと下を同時に押さえながら斜め入力気味にボタンを押す癖があると、そのまま滑り落ちてしまう。下が床ならいいが、穴に落ちれば当然即死。
また、地下エリアに通じる階段を降り場合も、階段のヘリに立ち止まってから下キーを押すというまどろっこしい方法でないと降りれず、何も考えずに階段に突入するとやはりそのまま転げ落ちて死亡である。
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キックとパンチはそれぞれ立ちとしゃがみで使い分けるのだが、連続でパンチを繰り返していると数発に一発の割合でキックが勝手に出る。このせいで隙が生じやすく、ダメージを受けやすい。
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ジェニー自体の移動速度はかなりスピーディーであり、攻撃アクションにもクソゲーにありがちな動きのトロさはないので、その点はストレスを感じさせない。
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一定時間、移動速度を上げるアイテム「ハイヒール」を取ると、速すぎて逆に操作がしづらくなるほど。
総評
ジェニーを題材にしたからには対象層はどう考えても女の子なのに、ゲーマーの男の子でさえ手こずる高難易度のアクションゲームとして作ってしまったのが問題。アクションが難しいだけならまだしも、劇場の鍵の番号が分からないと詰む仕様は男女問わずガッカリすること請け合いである。
本作の女の子向け要素は強制参加の占いと一部ステージの雰囲気くらいであり、元の玩具の特徴である着せ替えの要素もないため、ジェニーというキャラクターを生かしているとは言いがたい。しかも当時のファミコンユーザーは圧倒的に男の子が多かったため、需要の見えない誰得ゲーとなってしまった。
ただし、当時はまだゲームジャンルに幅がなく、今時の女の子向けゲームやキャラゲーによく見られるミニゲーム集などもなかった。加えて、アクションゲームのトップスターである「スーパーマリオブラザーズ」が既に世を席巻していたこともあり、版権ゲームが猫も杓子もアクションゲーム化されるというのは、当時のゲーム業界でもありがちなことでもあった。
ゆえに、女の子向け玩具であるジェニーがアクションゲームとして作られてしまったこともまた、必然だったのかもしれない。