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ファミコンウォーズ - (2014/12/03 (水) 12:00:35) の編集履歴(バックアップ)


ファミコンウォーズ

【ふぁみこんうぉーず】

ジャンル シミュレーション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 任天堂
開発元 任天堂
インテリジェントシステムズ
発売日 1988年8月12日
定価 5,500円
プレイ人数 1~2人
レーティング 【VC】CERO: A(全年齢対象)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2009年5月19日/500Wiiポイント
【3DS】2012年12月26日/500円
【WiiU】2014年12月3日/514円
分類 良作
ファミコンウォーズシリーズリンク

概要

戦争を題材にした任天堂製のウォー・シミュレーションゲーム。 プレイヤーは「レッドスター軍」か「ブルームーン軍」(赤軍・青軍)のどちらかを指揮し、敵軍と戦う。
ストーリーは無い硬派な戦争ゲー。

ルール

  • 戦闘はターン制。
  • 敵軍の本拠地「基地」を制圧するか、敵軍を全滅させれば自軍の勝利。逆の場合は自軍の敗北となる。自軍の基地や工場でさまざまな部隊を生産し、敵軍を倒していく。
    部隊は最初は最大の10人(機)で、攻撃を受けると減っていき攻撃力・防御力が減少。全滅するとロストとなる。人数の減った同じ部隊同士で「合流」することも可能。
    • 部隊の生産には資金が必要。当然、強い部隊ほど価格は高い。
  • マップ上には両軍どちらにも属さない中立施設が存在し、ここを制圧すると部隊の生産に必要な収入が増加する。ただ敵を倒すだけでなく、これを効率良く奪取していくことも重要。
    • 都市の制圧を行えるのは歩兵系部隊のみ。
  • 各部隊には「燃料」が設定されており、1マス動く毎に1減っていく。地上部隊は燃料が0になっても最低1マスは動けるが、航空・海上部隊はターン開始時に5消費し、0になると墜落・沈没。燃料の補給は部隊に対応した自軍の施設(地上部隊=都市や工場、航空=空港、海上=港湾)や補給車(地上部隊のみ)で行える。
    • 補給を行うと弾薬も最大まで回復。さらに、施設で待機し、補給を行ったターンでは部隊数が2ずつ回復していく。そのため、補給ラインの構築が極めて重要。

長所

  • 初心者にも取っ付きやすい分かりやすい世界。
    • 現実の戦争を題材にしたウォー・シミュレーションというと、それらの知識の無いプレイヤーは置いてけぼりになりがち。その点本作は、兵器の名称を「戦闘機」「戦車A」「輸送ヘリ」などとシンプルに据え置き、名前を見ただけでもどのような兵器か把握ができる。
    • グラフィックは全体的にデフォルメされておりファンシーなテイスト。銃と大砲が主役の戦争モノとしては賛否両論あるものの、重厚さを適度に抑え馴染みやすいのも長所である。
  • じゃんけんのような部隊間の力関係。
    • 歩兵は装甲輸送車に弱く、装甲輸送車は戦車に弱く、戦車は爆撃機に弱く、爆撃機は戦闘機に弱く、戦闘機は対空ミサイルに……といった具合に、どんな部隊にも相性の優劣があり、万能な部隊は無い。味方部隊をどう連携して敵を撃破していくかが重要。
  • 乱数要素を極力排除し、戦闘の結果を容易に予測できる、誤差は+-1の範囲。
    • 特に命中率の撤廃が大きく、シミュレーションRPGでよくある「回避率90%以上なのに被弾!」といった不確定要素が無い。運に左右されない、まさに戦略がものを言うストイックな世界観。
  • マップ数は17と控えめなものの、マップの大半が山や森に覆われていたり、自軍と敵軍が海によって隔たれていたりとバリエーション豊か。
    • 離島の都市掌握を巡る攻防など、思わぬ場面で熱い展開になることも。

短所

  • 戦闘アニメーションはカット不可能。
  • CPUの思考時間が長すぎる。
    • 混戦になってくると、一部隊を動かすのにも平気で数秒の思考が入る。前述の戦闘アニメも手伝って、本作の最終マップはべらぼうな時間がかかる。その半分以上はプレイヤーは眺めていることしかできない敵ターン。
  • ユニット間の格差
    • 命中率の撤廃が結果的に性能や費用対効果の差を拡大させておりバランスは良いとは言えない。
+ 今作で強いユニット
  • 歩兵(コスト1000)
    • 海以外ならどこでも移動できて占領が可能だが攻撃力、防御力ともに最弱レベル…のはずだがコストが安い事から、例え全滅するまで無補給で突撃させても大抵は元が取れるという驚異のコストパフォーマンスを誇るユニット。
    • どの敵に対しても一応攻撃や反撃が可能+燃料・弾薬は最大所持のため壁や削りとして積極的に使える。
  • 戦闘工兵(コスト2000)
    • 生産に必要な資金は歩兵に次いで二番目の安さであるにも関わらず、戦車並のパンチ力。2~3部隊で集中砲火を行えばあろうことか本作最強の戦艦や戦闘機の相手も立派にこなせる。欠点は基地の占領ができない事と全部隊最低の移動力2だが、この短所は輸送ユニットを併用すれば容易に解決可能。
      • 最大の欠点は所持弾薬の少なさと思われる。基地を占領できる状況ならば大抵敵側は追い詰められておりユニットを壊滅させるほうが早く終戦させられるからである。…この問題もコストパフォーマンスの良さのおかげでひたすら生産して使い潰すような運用だと問題になりにくい。 この2ユニットは歩兵なので打たれ弱いという欠点もあるにはあるが、安価で生産可能な上前述の合流を生かしやすいのでなかなかの粘り強さ。打たれ弱いといっても1戦闘くらいなら大抵生き残れるしその際に敵側のユニットを1~3機程道連れにしてくれるので結果的にこちらのほうが得をすることが多い。
  • 装甲輸送車(コスト4200)
    • 陸上輸送ユニット。歩兵を乗せて移動が可能。陸上ユニット中最高レベルの移動力を誇り歩兵に対しては圧倒的な強さを持つ。
      • 歩兵の欠点である移動力の低さをカバーし、かつ歩兵が唯一、一方的に損害を被る天敵ユニットである。1戦闘で歩兵を壊滅状態に追いやり、こちらはあまり損害がない。コストもさほど高くはない。
  • 輸送ヘリ(コスト4000)
    • 空挺輸送ユニット。戦闘機、海上部隊、対空の地上部隊にはめっぽう弱いが、歩兵や輸送部隊に対してはそれなりに戦う事ができ、苦手とする部隊以外からは損害は受けにくい為、歩兵を降ろした後で、橋の上などに配置して敵の侵攻を防いだり、敵の占領部隊や戦車に対して積極的に攻撃する事で占領の妨害、弾薬を無駄使いさせる等の単純だが強力な戦法が取れてしまう。生産費用も低い為に合流も生かせる。
      • 移動できない地形が存在しないのもポイントで奇襲や救援等の行動も行いやすい。
  • 揚陸艦(コスト18500)
    • 海運輸送ユニット。海上しか移動できずコストも高めだが爆撃機と戦艦以外からほとんどダメージを受けず、上記のユニットが苦手とする海、空ユニットにダメージを与えられる。
      • 苦手とする爆撃機に対してはこちらからもダメージを与えられるので少なくとも一方的な損害にならない、戦艦は直接攻撃を行えないので踏み込めれば一方的に攻撃できるのがポイント。やはりコストに見合った働きはしてくれる。

輸送ユニットもある程度の戦闘力を持ち、それらは全て歩兵達の欠点(戦闘力と移動力の低さ)をカバーできる。 その為に歩兵と戦闘工兵を大量生産し輸送ユニットで前線に送り込み、破壊されるまで戦闘を行うと言ったゴリ押し戦法でも大抵のマップがクリアできてしまう。

  • 自走砲A(コスト13000)
    • 射程3~5と圧倒的な広範囲の間接攻撃ユニット。占領した後方の都市などに配置して前線に砲撃の雨を降らせるのがこのユニットの役割。移動力も十分あり、戦艦にもそこそこ効くので攻撃力のカバーや後方守備には最適。戦艦は陸へ移動できず移動後攻撃できないのでたとえ削り合いでもこちらは補給体制を整えられる。コストもこちらの方が安いのでやはり使い勝手は良い。
      • 空ユニットに関しては無力だがあちらは間接攻撃が不可能なので踏み込まれる前に戦闘工兵で壁を作って数でゴリ押せば対処可能。
  • 戦艦(コスト28800)
    • 海上限定の強化された自走砲A。どのユニットにもかなりの損害を与えられて海上を移動できるので思わぬところから砲撃が可能。直接攻撃ができないので揚陸艦に踏み込まれると脆い、港以外での補給には補給車が必要等欠点もあるが攻撃力と範囲の高さは魅力。
  • 補給車(コスト3000)
    • 攻撃力皆無の燃料、弾薬補給ユニット。上記の間接攻撃ユニットは移動後攻撃が不可能で砲撃ポイントを順次変えていく必要に迫られる。当然都市などの補給可能地点に常に陣取れるとは限らないので補給を行えるこのユニットの重要性は意外と高い。

これらのユニットは攻撃までに時間がかかるし上手くタイミングを読まないと移動させるだけで終わってしまう危険をはらんでいる。 しかしこちらが損害を受けずに一方的に戦力を削り取れるというのは戦力上極めて重要な要素であり、やはり強力なユニットであるのは否定できない。

  • 初期のカセットではセーブデータが消えやすい。クリアmapが増えセーブデータのデータ量が大きくなるとリセットボタンを押しただけで消える事もある。さらにセーブデータは一個しか作れない。

総評

現在でも趣を変えて存続しているシリーズだけあって、一作目にしてかなり完成されたシステム。現在バーチャルコンソールで配信されている本作には「高速モード」が実装されており
(ボタンを押している間は5倍の速度でゲームが進行するというもの)、今からプレイするならこちらを推奨。セーブデータが消える心配もない。

余談

  • 本作といえば有名なのが当時流れていた「あの」テレビCM。「かあちゃん達には内緒だぞ」は当時の流行語となった。
    • ちなみに、このCMは有名な戦争映画「フルメタル・ジャケット」のワンシーンのパロディである。
      「フゥハハー!」やハートマン軍曹などで知られるが、元ネタの方ではとてつもなく卑猥な事を言っていたりする。ゲームとは関係ないので、気になった人は検索。
+ ファミコンウォーズのCM