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大旋風 - (2011/02/28 (月) 12:05:23) の編集履歴(バックアップ)


大旋風

【だいせんぷう】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売元 タイトー
開発元 東亜プラン
稼動開始日 1989年
ポイント 東亜プラン製と思えぬ程の地味シューティング
難易度は大人しめな部類

概要

  • 1989年にタイトー発売、今は亡き東亜プラン製作にてリリースされたアーケード縦シューティング。
  • 東亜プラン製のシューティングとしては『タイガーヘリ』『スラップファイト』に次いで、敵がすべて地上型(戦車など)で構成されたゲームである。
  • 一人~二人交互プレイ可能、ループ制でステージクリアの概念は存在せず一周クリアまでぶっ続けで挑む構成(実質1ステージ構成)。
  • 海外版ゲームタイトルは『TWIN HAWK』と名を変え、二人同時プレイが可能となっている。

主なルール

  • 使うボタンはメインショットとヘルパーの二つ。ヘルパーは他のシューティングでいうところの回数制限のあるボンバーにあたるシステムだが、その性能は少し特殊である。
    • まずヘルパーボタンを押すと「支援機」が6体、自機の左右に現れて各機が前方向に弾を撃つ。弾はこちらがショットを押さなくても常に自動的に放ってくれる。
    • 支援機が敵ダメージをもらうと、いわゆる体当たり攻撃である「特攻」を行う。もちろん特攻した支援機は消滅してしまい、その分の戦力が減少する事となる。
    • 支援機がいる状態でヘルパーボタンを押すと、すべての支援機が特攻(すなわち全支援機消滅)を行う。支援機が6体全員存在している状態でヘルパーボタンを押すと、広範囲に爆風を起こす究極の特攻「ボンバー」が発動させる事が可能となる。
    • 支援機は原則として任意移動する事はできないが、自機が左右に動くとちょっとだけ支援機の軸調整が可能となる。また、被弾かヘルパーボタンを押さない限りは支援機は永久に画面内に留まらせておけるので、うまくいけば長時間の支援攻撃を維持し続ける事が可能。
  • 敵トラックを破壊する事によりアイテムが出現、トラックの色により出現アイテムが変わる。以下その効果を示す。
    • オレンジのトラックを破壊すると、同色のアイテムが出現。取ると最大三段階までのパワーアップ。
    • 白のトラックを破壊すると、同色のアイテムが出現。取るとヘルパーストックが1増える。
    • 青のトラックを破壊すると、同色のアイテムが出現。取ると1UPする。滅多に出現しないレアアイテム。
    • 緑のトラックを破壊すると、ボーナスがもらえるがアイテムは出現しない。
  • 戻り復活の残機制、全部なくなるとゲームオーバー。

批評点

  • 本作はシューターにとって一目置かれる存在となりつつあった東亜プランの製作の一つであるのだが、その知名度はどうも低く、実際当時のシューターの評判もあまり良いとはいえなかった。
    • 本作の二年前に『究極TIGER』が、一年前には『TATSUJIN』がリリースヒットする事になるのだが、それらと比べると、とても同じメーカーが作ったとは思えない程に地味さ加減であるのが問題とされる。
    • 究極TIGERやTATSUJINは画面を覆い尽くす程のショットを撃ちまくって敵を破壊する豪快さを持っていたが、本作の自機ショットは前方一直線のみの非常にシンプルなもので、やたらとちまちまと撃つ機会が多いゲームであったのだ。
    • また、敵の種類も戦車などの地上敵のみで、しかも似たような外見のものが多かった。よって、先に進んでも外見の変化に乏しく、その辺が地味さに拍車をかけている要因となっている。
    • 1989年といえば『グラディウスIII』『ダライアスII』『R-TYPEII』など、有名シューティングの続編と本作の稼動年が同じだったのも、さらに存在感を薄める結果となってしまう。とことん、登場したタイミングに恵まれない不幸なゲームであった。
  • しかし、ゲームとしての出来は決して悪くなく、地味ではあるが丁寧に作られた一作であった。
    • 同時期の東亜シューと比べると難易度は大人しい部類で、比較的アドリブが効きやすい場面が多く、ちょっとやり込めば1コインクリアもそう難しくない適度なゲームバランスを持っていた、地味だが
    • グラフィックの書き込みも歴代東亜シューの中でも職人的なきめ細かさで、美しい外観を誇っていた、地味だが
    • BGMに関しても東亜節全開の硬派でノリのいい楽曲で、プレイを盛り上げてくれる、地味だが
    • アイテムがたったの三種類しかないし、ボス戦BGMもステージクリアBGMも存在しないが、そんなものはゲームの出来に悪影響を及ぼす訳がない、地味で大いに結構

総評

  • このように、地味だからつまんないなんて偏見を持つのは勿体無い一作といえるだろう。地味は地味なりに良いところがある、そんな声が聞こえてきそうなシューティングである。
  • 後の東亜プランはリリースした新作シューティングが難易度のインフレが激しくなったせいでプレイヤー離れを起こし、『BATSUGUN』のようなマイルド路線なシューティングで起死回生を試みるも、時すでに遅しで倒産してしまうは承知の通り。本作は高難易度に走り滅亡する事となる東亜がつかの間に見せた、数少ない良心なのかもしれない。
  • 家庭用移植はメガドライブとPCエンジン二種の計三作品。ややマイナーなハードでの移植なので、アーケード版同様に知名度が低いのが泣ける。

家庭用移植

  • メガドライブ版(1990年6月23日、セガ・エンタープライゼス)
    • ゲームタイトルは『大旋風MD』となっている。家庭用移植一番乗り。
  • PCエンジン Huカード版(1990年12月14日発売、NECアベニュー)
    • ハードスペックの関係上グラフィックがやや簡素になっているが、移植度はまずまず。
  • PCエンジン CD-ROM2版(1991年7月26日発売、NECアベニュー)
    • ゲームタイトルは『大旋風カスタム』となっている。BGMがCD音源による豪華アレンジとなり、オリジナルのボスが追加された。また、ステージクリア方式となっている(全7ステージ構成)。