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銃声とダイヤモンド - (2022/12/26 (月) 00:01:23) の編集履歴(バックアップ)
銃声とダイヤモンド
【じゅうせいとだいやもんど】
ジャンル
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交渉アドベンチャーノベル
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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発売・開発元
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ソニー・コンピュータエンタテインメント
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発売日
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2009年6月18日
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定価
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UMD版:4,980円 DL版:3,800円
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判定
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良作
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ストーリー
近未来、東京。
人質立てこもり事件や誘拐事件などの急増する凶悪犯罪への対応で
苦慮していた警視庁は民間の交渉人を登用するという英断を下す。
警視庁刑事部捜査第一課交渉準備室。通称「ゼロ課」。
やがて、始動したゼロ課は一発の銃声をきっかけに大きな犯罪の渦に
否がおうにも巻き込まれていく……。
概要
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プレイヤーは交渉人・鬼塚陽一となり様々な事件に挑む交渉アドベンチャーゲーム。
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『弟切草』『かまいたちの夜』『街』などを手掛けた麻野一哉氏が演出・シナリオ監修。
特徴
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交渉パートは犯人と1対1のリアルタイムで行われる。
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時間が経つと会話の選択肢が消えたり変わったりして話が進んでいく。プレイヤーはどう会話を進めて行けば良いのか考える必要があり、非常に緊張感あふれる交渉が体験できる。
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犯人には感情メーターがあり、メーターが溜まるとゲームオーバーになる。
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時には犯人を怒らせる選択も必要で、より繊細な駆け引きが大事になってくる。
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交渉結果はAまたはBで判定され、結果によりクライマックスが変わってくる。各クライマックスでしか分からない事件の側面もある。
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交渉前にプロファイリングで犯人像を分析。どの選択肢を選んでいけばいいのかヒントが貰えて交渉がやりやすくなる。
評価点
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二転三転して息をつかせぬシナリオは評価が高い。
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本格的な刑事ドラマを忠実にゲーム上で再現しており、徐々にタイトルの「銃声とダイヤモンド」の意味が分かってくるところは、プレイヤーを満足させてくれる。
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登場人物は多彩。シナリオパート中は人物相関が見られる。
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キャラの関係や立ち位置がシナリオ進行に合わせて更新されていき、展開の早いシナリオも理解しやすい。
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グラフィックは背景、小物、人物全てが3Dモデリング。キャラクターは実写寄り。
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ドラマのようなカット割りでキャラの表情や動き、状況が分かりやすく伝わり、よりシナリオを魅せる。中でも狂犬神崎は刑事ドラマでありがちな、女刑事として印象に残る。
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交渉する犯人達も、二癖ある人間達ばかりで、章ごとのボスは手強い人間だらけである。
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バイオリンとバンドネオンによるタンゴ調の音楽はクリオティが高く、交渉パートの盛り上げに一役買っている。
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BADエンドの多さ
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BADが多く、これを集めるのが一つのやり込み要素である。中には別ルートと呼べる展開もある。全部を見るとおまけが解禁される。自力でこのゲームをやりこもうとすると、かなりの根気が必要となる。
問題点
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交渉パートはリアルタイム進行の為、メッセージスキップが行えない。
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交渉に失敗しゲームオーバーになったら、始めから交渉をやり直さないといけないので、何回もやり直すのが大変になってくる。
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難易度が高い
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前述のプロファイリングでヒントを得ても、どの選択肢を選べばいいのか悩む場面も多い。
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ネタバレ注意
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5章までは交渉メインで進んでいくが、6章でガラリと方向性が変わってしまう。
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黒幕であるエデンボリに鬼塚は捕まり、エデンボリは自分の顧客をテストするために、顧客と鬼塚でディベートをさせる。しかもそれが最後の交渉パート。
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今まで交渉メインでやって来たのに急にディベートが始まるので、盛り下がるという指摘もある。ディベート内容も穏やかなテーマで危機、危機迫る要素も薄い。
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対決相手も、前の章の暴力団の若頭やマフィア、癖のある犯罪者などと格が下がる。
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キッチリと「交渉」で片をつける展開があってもよかったのではないか。
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鬼塚陽一のキャラデザ
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鬼塚陽一のキャラデザはどう見ても茶髪で今風の若者と言った風体だが、あるシナリオではヤクザと間違えられるという違和感のある部分が。
総評
緊張感ある交渉と息をつかせぬシナリオ、それらを引き立てる絵と音楽。見事な演出でゲームを飾っている。
交渉ゲームなのか判り難いタイトルもプレイしていけばどのような意味なのか納得させられる。
アドベンチャーゲーム好きには是非ともプレイして貰いたい作品である。
余談
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体験版の評判がイマイチ
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内容は主人公・鬼塚陽一がゼロ課に来るまでの前日譚。書き下ろしのミニエピソードで交渉の基本が学べるが、本作の特徴である交渉の緊張感が伝わらず評価が芳しくなかった。
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しかし、クリア後にプレイすると感慨深いものがあり面白いと言われるようになった。