本項ではSS用ソフト『街』と、移植版であるPS用ソフト『街 ~運命の交差点~』に加え、完全版であるPSP用ソフト『街 ~運命の交差点~ 特別篇』を紹介しています(判定はいずれも「良作」です)。
【まち】
ジャンル | サウンドノベル | |
対応機種 | セガサターン | |
発売・開発元 | チュンソフト | |
発売日 | 1998年1月22日 | |
定価 | 5,800円(税抜) | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
8人の主人公の複雑に交差する運命を解き解す ファミ通のTOP20に入り続けるカルト的な人気 |
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チュンソフトサウンドノベルシリーズ |
『弟切草』『かまいたちの夜』に続く、チュンソフト製サウンドノベルの第3作。総監督は『弟切草』の生みの親・長坂秀佳。
実写で描かれる渋谷の街を舞台に、8人の主人公の5日間(*1)の物語を並列して進めていく。
映像はすべて実写で描かれ、登場人物も役者が顔出しで演じていることから、前2作とは大きくイメージの異なる作品となった。
8人の主人公と8つの物語
選択肢による運命の交差
ザッピングシステム
TIPS
+ | 通常シナリオの8本、長いため格納 |
+ | 以下、隠しシナリオ、ネタバレ注意 |
主人公達の運命の交差
シナリオ
+ | ラストシーンについて、軽度のネタバレあり |
+ | 隠しシナリオ「青ムシ抄」について、本編のネタバレあり |
BADエンド
TIPS
実写映像
サブキャラ
BGM
ED
+ | エンディングについての軽度のネタバレ |
実写映像
シナリオ
+ | シナリオの問題点に関するネタバレ |
+ | 「青ムシ抄」の内容に関するネタバレ |
ザッピング
クリアキャンペーン
その他
「選択肢によって登場人物の運命が変わる」というサウンドノベルの本質部分を大きくブラッシュアップし、8人の主人公の選択肢を巧みに操作することによって物語を進めていく、サウンドノベルの「ゲーム」としての面白さと快感を追求した傑作である。
「人は誰でも“自分の人生”というシナリオの主人公であると同時に、見ず知らずの他人のシナリオにおける脇役でもある」という大切なテーマをテキストアドベンチャーの形式に落とし込み、斬新で完成度の高いエンターテイメントの形に仕立て上げている。
ただし、本作の醍醐味でもある「ごった煮感」からくる統一感のなさ、せっかく興味を引かれたシナリオでも先を読むためには必ずどこかで中断させられる仕様、当時は珍しかった実写ゲーム、全体に溢れる少々古風なユーモアセンスなど、チュンソフトのサウンドノベルの中ではひときわ個性が強く、人を選ぶ印象も与えてしまっている。
しかしその分ファンからはカルト的な人気を誇り、『週刊ファミ通』の「読者が選ぶTOP20」ランキングに、最新ゲームや有名ゲームに混じって発売から10年以上に渡り毎週ランクインし続けていた事実は有名である。
知名度や売上を遥かに上回った、強烈な印象と思い入れをプレイしたユーザーに与えた作品と言えるだろう。
【まち うんめいのこうさてん】
対応機種 | プレイステーション | ![]() |
発売・開発元 | チュンソフト | |
発売日 | 1999年1月28日 | |
定価 | 5,800円(税抜) | |
廉価版 |
PS one Books 2002年4月4日/2,800円(税抜) |
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判定 | 良作 |
SSソフト『街』のリメイク版。
チュンソフト開発のサウンドノベル作品『弟切草』『かまいたちの夜』『街』をそれぞれリメイクする「サウンドノベル・エボリューション」シリーズの1つである。
なお、「3」というナンバリングとは裏腹に2番目に発売されたため、同シリーズは「2」→「3」→「1」の順に出たことになる。
元々のハードがSFCであった前2作ほどの変更点はなく、「リメイク版」というよりは「移植版」に近い内容だが、SS版と比べてプレイしやすくなるよう様々な機能が追加されている。
【まち うんめいのこうさてん とくべつへん】
対応機種 | プレイステーション・ポータブル | |
発売元 | セガ(*18) | |
開発元 | チュンソフト | |
発売日 | 2006年4月27日 | |
定価 | 4,800円(税抜) | |
廉価版 |
SEGA THE BEST 2007年8月30日/2,500円(税抜) |
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レーティング | CERO:18歳以上対象(*19) | |
配信 | 2012年3月27日/1,980円(税10%込) | |
判定 | 良作 |
PS版をベースに追加要素を載せたPSP移植版のタイトル。
大概はPS版をそのままベタ移植+追加要素だけなので、チュンソフトのロゴ画面が古いものだったりする。
*1 「牛尾政美」「馬部甚太郎」の2人は3日間。
*2 他の主人公や、他の主人公の物語に登場する人物。
*3 そのため、4日目以降は残り6人で進行することになる。
*4 PSP版の解説書では「迷える外国人部隊」と表記されている。
*5 劇中では名乗っていないが、台詞が『かまいたちの夜』で主人公に就職を誘う時の台詞そのままである。
*6 就職に影響するであろう「過去に父親が学生運動に参加していた・自身が左翼運動に参加していた」こと。
*7 勝利条件を探すこと自体が目的というパターンもある。
*8 ゲームではなく小説や映画的なオチとも言える。
*9 主犯格である編集者に媚びを売るため参加していた。
*10 ただし、実際に発砲するまで自分が拾った銃がモデルガンだと思い込んでおり、殺意は全くなかった。
*11 続編に採用したり専用の本を出す予定だと語られていたが、一部のみが当時の公式ホームページに掲載されたのみだった。
*12 単純に考えれば渋谷を爆破できる時限爆弾なんて不可能であるため、やはりこの説が有効か。
*13 EASYではバッドエンドがかなり少ない。
*14 元々はSS版における「青ムシ抄」の解禁条件。
*15 前述通り難易度選択は取り返しがつかない。
*16 劇中では「バカップル狩り」と呼称している。しかし、青ムシ達が主に襲っているのは、SS版同様ホームレスなのでやっていることは変わっていない。
*17 セガ以外のメーカーがモデルと思われるゲームはSS版でも架空の名前。
*18 ダウンロード版はスパイク・チュンソフト。
*19 廉価版でのレーティングはCERO:D(17歳以上対象)となっている。
*20 サウンドプレイヤーでは後半のフレーズも流れるため、プログラムミスと思われる。
*21 現:松田優。読み方は新旧とも「まつだまさる」である。
*22 人物の顔など、映像の一部がプリクラ画像にすげ変わる。
*23 『ドリームキャストマガジン』にて一度だけ掲載されたのみだそうな。