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MUSECA - (2016/07/10 (日) 21:16:26) の編集履歴(バックアップ)


MÚSECA

【みゅぜか】

ジャンル 音楽ゲーム pkg.jpg
対応機種 アーケード
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼働開始日 2015年12月10日
判定(改善前) クソゲー
ゲームバランスが不安定
判定(改善後) 改善
賛否両論
ポイント 複雑な操作系統に加え難解なゲームシステム
新規楽曲とイラストは好評
稼動初期の劣悪さで初動は最悪
ユーザーからの意見をもとに急遽改善
BEMANIシリーズリンク

概要

2015年末リリースの新たなBEMANIシリーズ。SOUND VOLTEX?シリーズの影響を各所に受けており、同様に楽曲/イラスト公募を中核とし「音楽ゲーム×イラストの完全新作」というコンセプトを掲げて発表。
音ゲー部分は叩く・回す・踏むの3つのアクションを主体とし、イラスト部分はゲーム内で能力を発揮する仮想キャラクターカード「Grafica(グラフィカ)」として主に解禁アイテムやスコアなどの部分に影響を与えるようになっている。

ゲームシステム

音ゲー部分の仕様

  • 押して回せるボタンである「スピナー」が5個+「フットペダル」から構成されている。ノーツは全6種類。以下、各ノーツの説明。
    • ヒットオブジェクト:ひし形
      • 判定エリアに重なった瞬間にスピナーを叩く。
    • チャージオブジェクト:ヒットオブジェクトの後ろが長く伸びている
      • 判定エリアに重なっている間スピナーを押し続ける。
    • スピンオブジェクト:小さい竜巻
      • 判定エリアに重なった瞬間にスピナーを回す。
    • ディレクショナルスピンオブジェクト:スピンオブジェクトの上に矢印がある
      • 判定エリアに重なった瞬間にスピナーを矢印で指定された方向に回す。
    • ストームオブジェクト:縦長の竜巻
      • 判定エリアに重なった瞬間にスピナーを勢いよく回す。
    • キックオブジェクト:赤い幅広の帯
      • 判定エリアに重なっている間フットペダルを踏み続ける。
  • 判定は3種類あり、良い判定から順番に「CRITICAL」「NEAR」「ERROR」。他で言うところのコンボである「CONNECT」が繋がるのはNEARまで。
    • なおERRORは見逃しによるミスのみ。ノーツから大きくズレたタイミングでの操作による「空押しミス」は存在しない
  • 楽曲をクリアしたかどうかは「LIFE」が最後まで残っているかどうかで判定される。LIFEはERRORを出すと減少し、それ以外の判定を出せば回復する。LIFEが0になると途中終了(RESEARCH FAILED)となる。
    • 最初に持っているLIFEの量、ERRORを出した時に減少するLIFEの量は後述の「Grafica」に大きく影響される。
  • プレー結果の評価は、楽曲終了時のスコアにより決まる。評価は、良い順に「傑→秀→優→良→佳→凡→拙」。なお、途中終了した場合は「没」となる。
    • Graficaをセットしないでプレーした際に、全てのオブジェクトでCRITICAL判定を出した際の満点は1,000,000。
      • Graficaをセットしてプレーした場合、満点の上限が変化する(後述)。
    • スコアとは別途に、Graficaなどの要素が一切影響しない達成率「クリティカルレート」も記録される(最大100%)。

「Grafica」の仕様

  • 本作では、ゲーム内で入手できる仮想キャラクターカード「Grafica(グラフィカ)」を装備することで、様々なGIFT(ギフト、いわゆる能力)が発動する。
  • 曲・難易度を決定するとGrafica選択画面に移行し、最大で3枚までGraficaをセットすることができる。ここで選択したGraficaが決定した曲の演奏中に効果を発揮するGraficaになる。
    • Graficaを装備しないこともできるが、その場合も演奏中にキャラクターが登場しないわけではなく、渦巻状のデフォルトマスコットキャラが登場する。当然ながらギフト効果は何も無い。
  • 曲の演奏中に特定の場所(ギフテッドエリア)まで譜面が進むとGraficaが発動し、一定時間プレイに関わる様々な効果をもたらす。
    楽曲ごとにGrafica発動ポイントは3つずつ配置されており、1つ通過するごとにセットしたGraficaが1つずつ発動する。発動の順番はGrafica選択画面で決定しておく。
    • 発動中の時間もその楽曲ごとに決められている。この発動ポイント及び発動中の時間は同じ曲であれば難易度を変えても同じである。
  • 演奏終了後、使用したGraficaは「HOLDER」と呼ばれるものに保存され、次の曲を決定後に同じGraficaを同じ順番で使うことができる。
    次の曲で別のGraficaを使いたい場合は別のHOLDERに変えるか、そのHOLDERのGraficaを1つずつセットし直すかのどちらかになる。
    • どのHOLDERにも使いたいGraficaが保存されていないが1つずつ選ぶのが面倒なときは、オートセット機能を利用することである程度自分の目的に合わせたGraficaを自動で選んでくれる。
    • 保存できるHOLDERの数は初期で1個。ゲームを進めていくともう1個もらえる。それ以上増やしたい場合は後述のCOLORISかMUESEを使って購入する必要がある。
  • Grafica発動によるプレイへの影響は以下の通り。
    • VIEW RISK(発動中の譜面表示の一時変動)
      • 譜面のレーンの並び方:変動する場合、主に「W字並びの段差増加」「並びが一直線化」のどちらか。
      • 譜面のうねり方:変動する場合、「さらに大きくうねる(CURVE+)」「通常より小さくうねる(CURVE-)」「全くうねらなくなる(NO CURVE)」のどれか。
      • 譜面のスピード:スコア倍率を上げるGraficaは、譜面のスピードが速くなるものが多い。逆に遅くなることは基本的にない*1
    • スコア
      • Graficaをセットすると、対応する発動エリア内のノーツそれぞれにスコア倍率がかかる。このため、Graficaの組み合わせ次第では、満点の値が変動する。
      • スコア倍率を上げるGraficaには、発動中にERRORを出してしまうとスコアが減点されるものがある
        また、「W字の段差増加」「CURVE+」「ハイスピード増加」など、VIEW RISKでもデメリットを持つものが多い。
      • 逆にスコア倍率が下がってしまうGraficaは、LIFEを大きく補強してくれるものが多い。
    • LIFE
      • まず、事前に決定したGraficaによって、プレイ開始時のLIFEの量=最大LIFE量が決まる。
      • Grafica発動ポイントを通過した瞬間、ERRORなどに関係なく発動したGraficaによってLIFEが回復または減少することがある。
        減少する場合でも、LIFEが一定値以下にまで減少はせず、Grafica発動の瞬間にゲームオーバーになることはない。
      • Grafica発動中にERRORを出した場合、発動中のGraficaによってLIFEの減少量が変化する。
      • 基本的にLIFEを回復したり、ダメージを軽減するものは、スコアの倍率が下がるものが多く、VIEW RISKのデメリットも起こりにくい。
  • また、曲を完走できると、プレイ内容と使用したGraficaに応じて、新しいGraficaの解禁ポイントである「COLORIS」、楽曲の解禁ポイントである「MUESE」を獲得する。また、Graficaの深化(後述)時に用いるアイテムNISを入手する場合がある。
    Graficaを使用しないよりは、とりあえず何でもいいのでセットしておいた方が入手量は増える。ただし、COROLIS・MUESEを他より多く稼げるGraficaはVIEW RISKで不利になる傾向にある。
  • 以上の要素を踏まえ、各Graficaと一部楽曲には10種類の「世界」(要するに属性)が設定されている。同じ世界のGraficaは、ほぼ同じ特徴を持つ。
    • 〈然〉〈機〉〈魔〉〈電〉〈月〉〈神〉〈愛〉〈闘〉〈煌〉の9つの世界と、そのいずれにも属さない〈未〉の世界が存在する。
    • 全てのGraficaはいずれかの世界に割り振られている(ゲストキャラは「未」扱い)が、移植楽曲や版権曲は世界が設定されてない。
    • 楽曲とGraficaの世界が一致するとCOLORIS・MUESE入手量が増加する。
  • Graficaの主な入手手段は「STORY(後述)のミッション達成」「プレー時に得るスタンプを一定数集める」「Graf. HOLE(Grafica選択画面で当該項目を選択する)でCOLORISを消費して入手」となっている。
    • Graf. HOLEで既に所有しているGraficaが生成された場合、代わりにOVERLOADというアイテムを1個入手する。OVERLOAD10個を消費することで、所持していないGraficaを1体入手できる。
  • 入手した直後のGraficaは「散失」状態であり、本来持っているスキル「ORIGINAL GIFT*2」を発動できない。
    • COLORISを消費しGraficaを「復元」することで、ORIGINAL GIFTを発動できるようになる。
      • なお、入手した一部Grafica("G"のマークがついている)は、復元することでSOUND VOLTEXのカードジェネレーターで印刷できる。
  • 復元したGraficaはさらにCOLORISを与える「深化」によって、追加スキル「EXTEND GIFT」を獲得できる場合がある。
    • 深化は、「成功」「失敗」「大失敗」の3つの結果に分かれる。
      • 成功時は、EXTEND GIFTを獲得しGraficaに与えることができる。成功率は高め。
      • 失敗時は、EXTEND GIFTを獲得できない。
      • 大失敗時は、EXTEND GIFTを獲得できない上、Graficaが所持しているEXTEND GIFTの中で最後に獲得したもの1つを失ってしまう。
    • 基本的に追加されるEXTEND GIFTの種類はランダムだが、深化の際NISを使用することでNISに記されている世界の効果が付与されやすくなる。
  • 各Graficaには、レアリティを示すSEGMENTが設定されている。全5段階。
    • SEGMENTごとに、ORIGINAL GIFTの数と、Graficaが持てるEXTEND GIFTの数が決まっている。

評価点

  • 新規の楽曲はクオリティが非常に高い。
    • 特にBlackYの「Paradission」はBEMANIサイトの2016年1月の楽曲投票で1位に選ばれるという快挙。
  • キャラクターについてはおおむね好評。
    • 作品のイメージキャラ兼ナビゲーターを務める「イリル(CV:内田真礼)」は外見やキャラクター性に問題はなく、好評を得ている。
    • 採用されたGraficaのデザインは個性があって魅力的。モチーフも多く、稼働初期時点で総数93というキャラクターの多さ。
  • プレイヤーからの意見を主にTwitter上で積極的に募集し、それに基づいたアップデート及びイベントの開催などを行っている。
  • モチーフがスタイリッシュ。画面のデザインやクリア時のエフェクトなどは演出過多なこともなく、概ね好評。ただし使い勝手が良くない。(後述)
  • 音楽ゲームでありながらイラストをもう一つの柱とし、「イラストと音楽を融合させる」という新機軸に挑んだこと自体を評価する声もある。
  • 完全に実力主義な音楽ゲームに戦略性の概念を持ち込み、実力を戦略で補える状態を目指したという点自体は評価すべきだろう。

賛否両論点

  • 操作系統に関する賛否
    • 先述のようにノーツの種類が計6種類と多め。操作自体は「押す(叩く)」「回す」「踏む」の3パターンであるが、派生パターンのノーツが多い。
      • 高難易度ではこれらの複合処理を要求される結果、最近の音ゲーでも稀に見る複雑な操作体系に。
      • スピナーの長押しやフットペダルは始点で見逃しても終点までに押せばNEAR判定でコンボが繋がる・終点まで押し続けなくてもある程度押す時間を作れば途中で離してもコンボが繋がるという仕様。
        そのため他のBEMANI作品のロングノーツよりかなりミスが出にくいのだが、そういった仕様の説明は公式には無い。
    • スピナーの配置は「上段3つ・下段2つ」。同じ横並びで下段の方がボタン数が多いbeatmaniaシリーズやpop'n musicシリーズ経験者は、本作の逆のボタン配置であり、「やりづらい」と意見も多い。
      • しかしそれ自体がMUSECAの特色なのでその部分が他と違うから批判するのはおかしい・SDVXからのプレイヤーは「特に気にならない」という意見も出ている。
  • 画面表示に関する賛否。
    • デフォルトの設定ではレーンが上下左右にややうねる。これは演奏開始直前のオプションでうねらないようにすることが可能
      • このため「わざわざレーンがうねる設定でプレイする必要性がない」という意見が多く出ている。
      • ただし使用するGraficaによってはオプションに関わらずレーンが強制的にうねる(通常デフォルトより更にうねる)ため、この時に普段うねらない設定だと譜面が突然見にくくなるのに対応できない、という意見も若干だが出ている。
    • デフォルトの設定ではレーンがW字。これは演奏開始直前のオプションで横一直線にすることが可能
      • こちらも「他のBEMANI機種の大半は横一直線のレーンなのにわざわざW字の設定でプレイする必要性がない」という意見が出ている。
      • しかしこちらは「W字だと同時押しノーツがそのままスピナーを押す手の形として出てくるため、直感的に押せるためやりやすい」という意見も多い。
      • こちらも使用するGraficaによってレーンが強制的にW字になる(逆にW字設定でも横一直線になることもある)。
  • Graficaの仕様の複雑さ。『CHUNITHM』におけるスキルの比ではない複雑な仕様としてゲームに関わってくる。
    • ただし『CHUNITHM』におけるスキルとは違い、MUSECAではどのようなGraficaを配置しようと、Graficaをまったく使わなかろうと、プレー中にERRORさえ出さなければ必ずクリアできる。
      • クリア重視でLIFE量の多いGraficaを使うことで、自分の実力より多少高難易度の曲でもクリアできるという初心者救済の効果は非常に大きい。1、2レベル程度なら特攻してもそうそう落ちることはなくなる。
    • その一方、使用するGraficaによってスコア倍率が違うため、同じ実力でも獲得できるスコアに差が出ることがある。当然スコアの理論値も変化する。
      • 今後のGraficaの追加によって最高スコア倍率が上昇した場合、今まで達成した理論値はすべて無駄になるため、モチベーションが上がらない、という点が指摘されている。
      • そもそも理論値に挑戦するためには最高倍率のGraficaを3枚揃えなければならない。一応ゲームを進めれば1枚は確定で入手できるが…。
    • 高スコア倍率のGraficaには、それ相応のリスク(譜面が見にくくなる、ERRORを出すとスコアが減るようになる、LIFEが減りやすくなる)がある。
      そのため半端な実力で高スコア倍率のGraficaを使っても、ERRORを多く出してしまえばスコアは増えるどころかむしろ減り、途中落ちしてしまうこともある。
      このため、スコアを実力の指標とすることにはそれほど問題ないという声はそれなりに大きい。
  • Graficaキャラクターのゲーム内での扱い
    • Graficaキャラクターと楽曲が直接的には関係していないため、Graficaキャラがやや浮いてしまっている。
      • 例として、同じく多くのキャラクターが登場する『pop'n music』や『SOUND VOLTEX』では元々各楽曲と密接に関係したキャラクター*3であったためゲーム内にきちんと溶け込んでいた。
    • 曲との関係を抜きにしても、ゲーム内でGraficaキャラが単体で目立っているかというとそうでもなく、単に任務達成の報酬やボーナス等で獲得したGraficaがポッと出てくるのみ。
      • ゲーム内のストーリー任務でもナビゲーターのイリルは各Graficaのキャラクターについては特にコメントなどはせず、実際にGraficaキャラが絡んでくるわけでもないため印象に残りづらい。
    • そのため、ゲーム上では単に世界観がバラバラなキャラクターが多数居るだけという状態になってしまっている。
    • 一部のGraficaは復元すると声優が付くものもあり、装備しているとゲーム内の随所で喋ってくれるのだが、それもほんの一握りだけである。

問題点

  • UIの作りが悪い。選曲に限らず各種選択はスピナーの回転で行うが、選択物に対する明確な縁取りが存在しないため、「どこをどう回したら何が選択できるか」が非常に分かりづらい。
    一応フットペダルを踏んでいる間は操作説明が表示されるが、逆に言えばフットペダルを踏まないと操作説明が出てこない。
    • アップデートによってペダルを踏まずとも画面上に操作説明が表示される場面が増えたが、「操作説明にどのスピナーが対応しているか」も直感では分かりにくい。
  • 専門用語が多すぎる。ここまで読んでいてお分かりだろうが、特にGraficaシステムまわりの専門用語が多い。
    そのうえ意味を直感的にイメージしにくい字が当てられている場合もあるため、UIと合わさってよりシステムの理解を妨げている(いわば厨二病に片足だけ突っ込んだ状態)。公式ページに用語集があるがこれでは本末転倒。
    • この弊害で、複雑な仕様のGraficaシステムに関する説明が十分とは言いがたいものになっている。
      一応、ゲーム内において受注できるSTORYにおいてGraficaシステムに関する説明が行われるが、その説明を見るにはある程度プレー回数を重ねる必要がある。
  • スピナーコントローラーの作り自体もあまり良好とは言えない。軽い力で押してもボタンの打音が響きやすく、筐体の状態によってはかなり深く押さないと判定されないことがある。
  • Graficaを希望に合わせて自動的にセットしてくれる機能は、レーンの見にくさ(ゲーム内ではVIEW RISKと表記)を考慮してくれないため、オートに任せると譜面が一気に見にくくなると言う事例が発生する。加えてこの自動セッティングの方法も分かりにくい。
  • このゲームではSPEED設定が同じならどの譜面(どのBPM)でも同じ速度でノーツが飛んでくる(Grafica発動によって変動することはある)仕様なのだが、演奏開始直前のSPEED設定ではその楽曲のBPMが同一画面内に表示されているため、誤解を招きやすい。
  • スコアの最高判定を獲得できない場合がある。
    • 最高判定は1,100,000点以上の「傑」。通常の理論値は1,000,000点なので「傑」達成には高スコア倍率のGraficaが必須だが、一部のGrafica発動中のノーツの比率が少ない曲では、最高倍率のGraficaを使って理論値を出しても「傑」を取れないことがある。

アップデート前の問題点

+ アップデート前の問題点
  • 譜面が見にくい。またレーンの形やうねりも変更できなかった。Graficaの能力発動時はキャラ絵が大きく背景に表示され余計に見づらくなる。
    • アップデートによりレーンが横一直線に変更できるようになった。また、レーンの後ろが暗めの色に変更され、譜面が見やすくなった。
  • 新規曲は28曲とそれなりに存在していた。ただしほとんどが隠し曲で、デフォで大部分を占めるのは既に他機種で使われたボカロ版権と東方アレンジ、BEMANI機種から寄せ集めたひなビタ楽曲、SDVXからFLOOR旧曲の移植が大多数。独自性のある面々が埋もれる羽目に。
    • 音ゲーでは操作性はもちろん機種独自の新曲もユーザーを引き寄せる重要な存在であり、それらの新曲の魅力が初期に伝わらず、「BEMANIなのに版権の寄せ集めしかない手抜き機種」というレッテルを貼られた点が痛かった。*4
    • アップデートにより新規曲は47曲とかなり増えた。また、全ての翠(このゲームでのイージー)譜面が全て、橙(このゲームでのミディアム)譜面はレベル7以下が無条件解禁されたため、STORYでの解禁曲(MUSECA新規曲)6曲、イベント解禁曲(MUSECA新規曲)2曲とひなビタのイベント解禁曲5曲以外はデフォルトで遊べるようになり初期選択可能な楽曲は大幅に増加した。
  • 選曲画面のデザインが非常に悪かった。他音ゲーであるようなリスト型表示ではなく、1画面中に確認できる曲数が少なめな部類なのに、ギザギザにジャケットが並ぶ表示(真横から見た階段、といえばイメージしやすいか)のために順番を直感的に把握することが困難。カーソルが合っていない曲はこの変則的なジャケット表示のみ。
    ひなビタやオリジナル曲ならともかく、東方アレンジは関連アルバムアートが当てられていて楽曲の内容と一致していないことも多いので、選曲のしづらさに拍車がかかっている。
    • アップデートにより他と同じようなリスト型表示に変更され、だいぶ見やすくなった。
  • Grafica選択の制限時間が30秒という短さ。組み合わせを考えるどころか選択するだけで使い切ってしまうほど短い。ただし1回のみ、選曲からGrafica選択をやり直せる
    • アップデートにより75秒に延長された。選曲時間自体も50秒から70秒に延長。
  • Graficaの復元・深化に関して
    • 使用するCOLORISに比して、どう考えても効果が見合わない。せっかくGraficaを強化しても、一定回数そのGraficaを使うと強化は取り消され散失状態(入手直後の状態)に戻ってしまい、再び復元・深化を行わなければならなかった。
    • アップデートによりこの「強化の取り消し」が撤廃。一度復元・強化されたGraficaは永続的に強化されたままになった。

総評

  • 稼働当初はあらゆる点での視覚性や操作性の悪さはゲームのみならず、様々な分野で問題になりうる「見た目のみにこだわって使いやすさ無視」としか言いようがなく、製品のデザインとしては失格レベルであった。
    評価点で述べたように個性的な新規楽曲、魅力的な各種Grafica、イメージキャラのイリル等評価されている点もあるが、「音ゲーとしてまともに遊べるレベルに達していない」と見られることが多かった。
    • 結果、プレイヤーからは、製品版のコピーである「ついて、きて」をもじり「ついて、いけない」と酷評されてしまった。
  • 稼働初期における不評を受けたのか、Twitter上でプレイヤーの意見を募集しそれに応じたアップデートが急遽行われたことで、視認性の部分は大きく改善。操作性は既に慣れたプレイヤーへの配慮からか大きな変更はないが、操作説明が多く追加され、新規のプレイヤーでもついていけるレベル(音ゲーとして普通に遊べるレベル)にはなった。それでもなお、過去の音ゲーと比較しても非常に複雑なデバイス操作や難解なGraficaシステムにより、プレイヤーを選ぶ形となっている。
  • 一部の楽曲を無条件解放したことで、本作の新規曲に光も当たるようにはなってきている。楽曲追加も行われ、こちらも概ね好評を得ている。
  • しかし、依然として稼働初期の悪評が尾を引いており、癖の強いゲーム性そのものに加えて近年のアーケード音ゲー製品の増加によってプレイヤーが各機種に分散しているため*5、プレイ人口はそれほど増えていないのが現状である。
    • そればかりかタダでさえ細分化されているBEMANIユーザーの分散をさらに進める皮肉な結果も招いている。

余談

  • 初期ロケテスト版ではスマホのソーシャル音ゲーそのままに、Graficaが極めて直接的にプレイスコア・判定に絡む仕様だった。当然の如く課金ガチャ的な機能もあり、その見え透いた拝金主義もろとも槍玉に挙げられた。
    • この時点で製品版の出来も悲観され、ある種の見えている地雷になってしまっていた感もある*6
      • 一連の批判を受けたかどうか定かではないが、後に行われたロケテストにおいてこの仕様はだいぶ緩和され、最終的に課金ガチャを思わせる部分が削除された。しかし、この騒動が本作の評価に少なからぬ悪影響を及ぼした感は否めない。
  • ともあれ、そもそも”課金ガチャ”的な要素はSOUND VOLTEX IIIにすでに製品投入されていたのを踏まえれば、本作の意図に関しては推して知るべしと言える。