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マイティ・モーフィン・パワーレンジャー - (2011/04/26 (火) 12:23:55) の編集履歴(バックアップ)


マイティ・モーフィン・パワーレンジャー

【まいてぃ もーふぃん ぱわーれんじゃー】

ジャンル アクション
対応機種 スーパーファミコン
発売元 バンダイ
開発元 ナツメ
発売日 1995年11月24日
定価 9,800円

概要

  • 1995年にバンダイからリリースされた横アクションゲーム。元はSNES(海外版SFC)から発売されたゲームであり、日本に輸出されたローカライズソフトという経歴を持つ。
  • 人気特撮あるスーパー戦隊シリーズ「恐竜戦隊ジュウレンジャー」の海外向けリメイク「Mighty Morphin Power Rangers」が原作のキャラゲーである。原作版はジュウレンジャーの他に「五星戦隊ダイレンジャー」「忍者戦隊カクレンジャー」もベースとした三部作構成となっているが、本作はジュウレンジャー部分だけを題材としており、ダイレンジャー、カクレンジャー側は取り扱われていない。
    • 本作の過去にファミコンにて国産版ジュウレンシャーがゲーム化されているが、それと本作とは全く別の存在である。
  • 開発は良質アクションに定評のあるナツメが担当。ナツメは以前にFCソフト『鳥人戦隊ジェットマン』の開発に関わっていた経歴があり、本作はそれに次ぐ同社の戦隊シリーズゲーム化にあたる存在である。
  • 一人プレイ専用、全7ステージ構成。

主なルール

  • 本作はステージ1~5とステージ6~7にてゲームシステムが完全に別物となっているので、個別に紹介する。

【ステージ1~5のルール】

  • いわゆるベルトスクロールアクション方式だが、軸移動の概念がなく原則として前後移動のみでレンジャーを進めていく内容となっている。同じナツメ開発のSFCソフト『ザ・ニンジャウォーリアーズアゲイン』とシステムが非常に近い。
    • ステージ開始前に5人のキャラから1人を選び、各ステージを攻略していくという流れ。ステージをクリアすれば次ステージ前から再びキャラの選び直しが可能。以下選択可能なキャラの詳細(変身前/変身後)。
      • ジェイソン/レッドレンジャー - 赤の戦士。使用武器はパワーソード(剣)。恐竜イメージはティラノザウルス。
      • ザック/ブラックレンジャー - 黒の戦士。使用武器はパワーアックス(斧)。恐竜イメージはマンモス。
      • ビリー/ブルーレンジャー - 青の戦士。使用武器はパワーランス(槍)。恐竜イメージはトリケラザウルス。
      • トリーニ/イエローレンジャー - 黄の戦士。使用武器はパワータガー(短剣)。恐竜イメージ(?)は虎。
      • キンバリー/ピンクレンジャー - 桃の戦士。使用武器はパワーボウ(弓矢)。恐竜イメージはプテラノドン。
    • ステージ開始時は変身前のスタートで、この時点では専用武器や必殺技(下記)は所持しておらず、素手で戦う事となる。ステージの特定場所に進めばイベントにて自動的に変身を行い、変身前にはなかった専用武器などの強化がなされた状態となる。変身後はライフが全回復する恩威があり、そのステージをクリアするまではずっと変身効果が持続される。
  • 操作方法は主に、十字キーでレンジャーの移動、ボタンはそれぞれ、攻撃ボタン、ジャンプボタン、必殺技ボタンの3つを使用する。
    • 十字キー左右でレンジャーの移動、下でしゃがみを行える。
    • 攻撃ボタンはその名の通りの攻撃を行うが、十字キーとの組み合わせにより攻撃方法が変化する。以下その詳細。
      • 十字キーニュートラル(もしくは左右どちらか)と攻撃ボタンで立ち攻撃。
      • 十字キー下と攻撃ボタンでしゃがみ攻撃。
      • 十字キー上と攻撃ボタンで、ピンクレンジャーは飛び道具攻撃、他4キャラは敵をふっとばす効果がある大攻撃。但し、変身前状態ではこの攻撃はできない(入力しても立ち攻撃になる)。
      • ジャンプ中に攻撃ボタンでジャンプ攻撃。垂直ジャンプと斜めジャンプにて攻撃モーションに差がある。また、斜めジャンプ中に十字キー上と攻撃ボタンで、垂直ジャンプと同じ攻撃モーションで斜めジャンプ攻撃できる。
    • 敵に対して攻撃ボタンを連続で押せば連続技を食らわせる。また、立ち、しゃがみ、大攻撃の組み合わせで連続技を決める事も可能(一例として「しゃがみ⇒立ち⇒大」といった具合)。
    • 人型雑魚に近づいて攻撃ボタンで、そいつを投げ飛ばす。但し、非人型雑魚やボスに対しての投げはできない。
    • ジャンプボタンだけを押せば垂直ジャンプ。十字キー左右とジャンプボタンを組み合わせると斜めジャンプが行える。どのジャンプも飛ぶ距離は常に一定で、ジャンプ中の移動制御はできない。
    • レンジャーの上位置に特定のロープが設置されている場合がある。ジャンプを行いロープにレンジャーが触れた状態で十字キー上をすかさず入れるとそれにぶら下がれる。また、その状態でさらに十字キー上を押すとロープ上に乗る事もできる。
    • レンジャーの下位置に地形がある状態で、十字キー下とジャンプボタンを押すとそこに降りられる。
    • レンジャーの目の前に壁がある状態で、壁に向かってジャンプを行い、それに触れた瞬間にジャンプボタンを押せば三角飛びができる。
    • 変身後にて必殺技ストックがある状態で必殺技ボタンを押せば、ストック消費と引き換えに画面全体に大ダメージをあたえる必殺技が発動できる。なお、変身前では必殺技は一切出せない。
    • ベルトスクロールシステムを採用しているのでもちろん、連続技や投げなどで吹き飛ばした敵を他の敵にぶつけてダメージをあたえる事が可能。
  • ときおりオブジェを攻撃にて破壊でき、その中にアイテムが出現する事がある。アイテムの近くで攻撃ボタンを押すと取得できる(触れるだけでは取得不可)。以下その詳細。
    • 肉/救急箱…前者は変身前に、後者は変身後に出現。共にライフを全ゲージの半分回復(効果は双方とも同じ)。
    • 必殺技ストック…その名の通り、必殺技ストックが得られる。
    • また、オブジェ近くで攻撃ボタンを押すと、それを持ち上げて投げ飛ばせるものもある。敵に当てると巻き添えダメージを食らわせられるが、投げたオブジェは必ず大破してしまう。
  • 各ステージの道中戦を経て、控えにて待ち構えているボスを倒せばそのステージはクリアとなる。なお、ボス戦にて雑魚は一切出現せず、意外にも正々堂々と1vs1で戦うタイマンバトルとなっている。この辺は何故か多勢に無勢(?)な原作とは違っている。
  • ステージ1~5に関しては残機+ライフ制で、ミスすると戻り復活となっている。すべてのそれがなくなればゲームオーバー。ミス条件は「ライフがすべて尽きる」「落とし穴に落ちる」のいずれか。
    • 変身後の必殺技ストックは1しか所持できない。すなわち、ストックがなくなってしまうと、そのステージではストックアイテムを取得しない限りは補う手段はない。ストックは各ステージにて変身すると必ず所持されているが、ストックを消費した後にミスしても復活後のストック回復はされない。

【ステージ6~7のルール】

  • スーパー戦隊シリーズのお約束である、巨大ロボットと巨大怪人とのタイマンバトルで、ボス戦オンリーとなる(道中戦はない)。このステージのシステムは対戦格闘方式、もしくはFC版ジェットマンのボス方式に近いものとなっている。
  • パワーレンジャー5人が力が集結した巨大ロボット「メガゾード」(以下ロボ)を操作し、相手のライフを0にすればステージクリアとなる。但し、ステージ7のボスに関してはライフを一旦なくしても一度だけ強化復帰し、二重分のライフゲージを0にしなければならない。
  • 操作方法は十字キーにてロボの移動、ボタンはステージ5以前と同様、攻撃、ジャンプ、必殺技の各ボタンに使用する。
    • 十字キー左右にてロボの移動、下でしゃがみができる。また、敵の攻撃時にキー後ろで立ちガード、後ろ斜めでしゃがみガード*1ができる。
    • 攻撃は、十字キーニュートラルで立ち攻撃、しゃがみでしゃがみ攻撃、十字キー上で大攻撃、ジャンプ中でジャンプ攻撃が出せる。この辺はステージ5以前と同様だが、どれも攻撃の隙が大きいので連続技はできない。また、投げは一切できない。
    • ロボ戦限定の必殺技ゲージがあり、時間経過と共にゲージが上昇する。必殺技ボタンを押すとゲージの溜まり具合によって専属の必殺技が出せる(ゲージが多く溜まっている程強力な技になる)。技を出すと、ゲージが全部消費して一からの溜め直しとなる。ステージ5以前とは違い、ゲージさえ溜まれば何度でも技を出す事が可能。
    • 敵のライフゲージを0にすれば、自動的にイベントの必殺技が発動して敵を倒し、そのステージはクリアとなる。
  • ライフ制でこちら側のライフが0になるとゲームオーバー。ステージ5以前と違い、残機の概念はなく負ければ即試合終了となってしまう。但し、ゲームオーバー後は無限コンティニューが可能(下記)なので、やり直しはいくらでも効く。

【共通事項】

  • ゲームオーバー後のコンティニューは無制限で、何度でもやり直す事ができる。なお、再開場所はステージ1~5は戻り復活場所から、ステージ6~7はステージ最初からとなっている。
  • オプション項目にて4文字の数字パスワードが入力できる。これに指定ワードを入力すれば、途中のステージからの再開が可能。パスワードはゲーム中にて、ステージクリアかゲームオーバーになる度に毎回表示される。
  • このページでは書かれていない操作方法や情報もある。詳しくはこちらのサイトで確認されたし。

評価点

  • SFC熟練期かつ、ナツメ製のゲームの例に漏れず、グラフィックは非常にしっかりと描かれている。流石に次世代機ソフトと比べるとドットの荒さは目立つが、それでも同期のSFCアクションの中でも職人的な書き込みっぷりとなっている。
    • レンジャー達のアニメーションがやたらとぬめぬめと動き、動かしているだけでも気持ちいい。また、各レンジャー毎に専用のアニメパターンが用意されており、流用で誤魔化しているなんて怠慢はほとんどない(但し、一部アニメパターンは流用、とはいえ手抜きといえる程のレベルではない)。
    • ゲーム開始前のイベントで、魔女バンドーラの上半身が表示される演出があるのだが、びっくりする位に原作そっくりな再現度がされている。きっとスタッフは相当なる曽我町子ファンがいるに違いないと思わせる程。
    • 変身前のキャラの個性がしっかりと表現されている。ちょっと肥満体で動きに重量感があるビリー(青)とか、ブレイクダンス風の動きが特徴のザック(黒)とか、お色気担当なのか動かす度におっぱい揺れ揺れなキンバリー(桃)とか。
    • ステージ5クリアにて、パワーレンジャーが力を合わせてメガゾードを発動させるシーンがあるが、これも超絶級のかっこよさ。ステージ中のメガゾードのロボらしい重々しい動きや、最終必殺技で敵を切断する技の重量感も痺れる位にかっこいい。
  • やはりナツメ製だけあってBGMのクオリティも高く、ゲームを大きく盛り上げてくれる。どの曲もゲームにぴったりとマッチした良曲ばかりだが、残念ながらサウンドテスト機能は非搭載。
    • タイトルデモとステージ5クリアにて原作のテーマソングである「GO GO Power Rangers」がボーカル入りで流される。流石にSFC音源なのでちょっと声がこもり気味ではあるが、ちゃんと曲のかっこよさは再現されている。
  • やはりナツメ製だけあって、操作性やゲームバランスもきっちりと練られている。ステージ1~5に関しては、とにかく軽快にキャラが動かせ、テンポ良く先に進め、どんな難関も頑張ればクリアさせてくれる絶妙な調整具合となっている。
    • 単に敵を倒すだけではなく、「障害物を避ける」「三角飛びで上に登る」といった操作が必要な場面もあり、ベルトスクロールにあちがちなマンネリさを感じさせない工夫も多く見られる。

問題点

【ステージ1~5の問題点】

  • 各ステージ毎にキャラが5人から選べるのはいいが、どのキャラもほぼ性能が同じで、誰を選んでも同じような攻略法になりがち。この辺はFC版ジェットマンと似た問題点を抱えている。
    • ピンクレンジャーが飛び道具を撃てる事を除けば、どれも差を全然感じさせない程の性能で、ベルトスクロールの楽しみの一つであろう「使うキャラによって得手不得手がある」という実感は皆無となってしまっている。
    • しかし、逆にいえば「極端に使えない外れキャラもいない」とも取れるので、あくまでも好きなキャラになりきってプレイすればさほど気になる問題ではないと思われる。また、評価点でも述べた通り、各レンジャーに違うアニメパターンが用意されているので、そういう意味では使い分ける楽しみが無い訳ではない。
  • カプコンのベルトスクロールアクションでいうところのメガクラッシュに該当する攻撃が存在しないので、敵に囲まれて袋叩きにされると厳しいものがある。唯一の緊急回避攻撃である必殺技も気軽にストックができないので、使い場所が大幅に限られてしまう。
  • ミスすると戻り復活なので、ごり押しでクリアする事は不可能で初心者にあまり優しい仕様とはいえない。しかも、消費した必殺技ストックが回復しない事も相まって、復活前よりもクリアが困難になる可能性も多々ある。
  • 雑魚敵の種類が極端に少ない。そもそも原作自体、戦闘員をなぎ倒した後にボス怪人との対決となるパターンがほとんどであり、本作もそれに準じた展開となっている影響で、人型の雑魚は戦闘員しかいない。
    • 非人型の敵も空中に飛行してレンジャー達にレーザー攻撃を仕掛ける類のものがほとんどで、全体を通しても敵バリエーションはベルトスクロールの中でも少ない部類に入ってしまう。一応は、シールドを持っているもの、飛び蹴りを食らわしてくるもの、などの戦闘員のバリエーションはあるが、それでもバラエティに富んだ敵種類とは到底いえない。
    • ボス戦に関しては1ステージにつき1体しか存在せず、中ボス的な敵が全く配置されていないのも物足りなさに拍車をかけている有様である。

【ステージ6~7の問題点】

  • そもそもこのステージ自体があまり面白みのあるものではない。ロボ側と敵側の動きがかなりもっさりしており、ステージ5以前とは違いあまりテンポ良く攻略できるような軽快さではない。また、一方的に敵に近づいて攻撃すれば大体は勝ててしまうし、逆に敵に攻められると何もできずに負けてしまう恐れもあり、どうも戦略性に欠けた戦況になりやすい。この辺もFC版ジェットマンに近い問題点である。
    • 一応フォローしておくと、ロボと敵のもっさりとした動きは重量感を表現する為に、意図的に原作がそうしているので、好意的に解釈すれば原作忠実といえる。そういう意味ではこれも原作なりきりと割り切ってプレイすれば楽しめなくはないと思われる。
  • ステージ5以前とは違いボス戦しか存在しないので、こっちの方が圧倒的に短時間で終わってしまうあっけなさを多く感じるところ。しかも、ラスボスがこのバトル形式なので、いまいち最後に戦ったという気がしないのも微妙なところ。

【共通の問題点】

  • ステージ1~5でキャラが複数選べる割には、エンディングは1種類のみしかないのが残念ではある。
  • 難易度も1種類ぽっきりで、一度クリアしてしまうと、やり込みプレイ以外ではそれ以上の目標がなくなってしまう事となる。ちなみに他のナツメ製ゲームの大半は難易度設定ができるものがほとんどで、FC版ジェットマンも水増し気味とはいえ複数の難易度が用意されていた事を考えると、この辺は作りが浅いといわざるを得ないところ。
  • オプション項目が「モノラル、ステレオ切り替え」と「パスワード入力」しかない。パスワードはコンティニューの役割でオプションとしての意味合いが薄い為、実質の項目はモノステ切り替えしかない。まさかの充実のオプション状態である…
    • 最も、伝説のアレと違って、本作はクソゲーだなんて事は談じて無いがな…。

賛否が分かれそうな点

  • 明確なストーリー描写がなく、どういう経緯でステージが進んでいるのかが直感的に理解し難い。原作のストーリー面を追体験したいプレイヤーにとってはあまり魅力的な存在のゲームとはいえないだろう。
    • とはいえ、SFCの性能的に仕方がない事情もあるだろうし、逆に解釈すれば余計な演出を入れずにゲームに集中できるとも取れるので、一概に問題点とはいえないところ。また、評価点で述べた通り、キャラの動きやグラフィック、BGMに関しては職人的な作り込みなので、キャラゲーとしての魅力が全く無い訳でもない。
  • やはりというか、「国産版ジュウレンジャーとしてのゲーム化をして欲しかった」という意見も少なくなかったようだ。前にリリースされたFC版ジュウレンジャーの出来がアレだった事もあるだろうが…。

総評

  • 流石は信頼のナツメ製、非常に丁寧な作りでパワーレンジャーファンとアクションゲーマーの両者にお勧めできる良出来となっている。粗悪なキャラゲーを出すメーカーもこれ位の誠意を見せてくれと突っ込みたい位に。
  • しかし、その一方でボリューム的には類似システム繋がりであるニンジャウォーリアーズアゲインと比べると乏しく*2、FC版ジェットマンの問題点を完全には克服しきれていない部分もあり、良質ではあるが純粋なる良作と呼ぶには若干足りない面もあるように思える。
  • 元々国産におけるソフト生産量が少なかった事もあり、中古でもプレミア価格が発生している為に、ソフトを入手するのは困難を極めるのが現状。また、キャラゲーかつ海外からのローカライズという経緯を持っている為、バーチャルコンソール配信は極めて絶望的である。