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エンドネシア - (2016/08/05 (金) 01:03:02) のソース

*エンドネシア
【えんどねしあ】
|ジャンル|RPG|&amazon(B00005OVWH)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|エニックス|~|
|開発元|バンプール|~|
|発売日|2001年5月31日|~|
|定価|6,800円(税込)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|南の島で過ごす10日間。やはり難易度高し|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
数々の「ゲームっぽくないゲーム」を世に送り出したラブデリック、そこから派生した開発会社バンプールの送るアドベンチャーRPG。~
燦然と輝く太陽。静かに寄せては返す常夏の海。~
都会の公園から少年が迷い込んだのは「エンドネシア」と呼ばれる島だった。~
同じく島に流れ着いた漂流者たちや原住民と出会い、そして石像と化した50体に及ぶ「カミサマ」の救出。~
パンツいっちょで奮闘する少年だけの扱える「エモ」のパワーでこれらの問題を解決しながら島を踏破する。

**システム
-舞台となるのは南海の孤島、エンドネシア。
--多くの自然と秘密を内包する小さな孤島が冒険の舞台。小さいと言っても少年(プレイヤー)の視点からすれば充分に広大。
--南海の孤島とはいえ、島には雪原があったり熱帯雨林があったりと季節的な概念は統一されていない。
--具体的には少年の最初に迷い込んだ&bold(){「エントランスゾーン」}、華やかな&bold(){「ファンシーゾーン」}、森林地帯&bold(){「森ゾーン」}、熱帯雨林&bold(){「ジャングルゾーン」}、砂漠と荒野の&bold(){「荒地ゾーン」}、墓地と雪原&bold(){「ロンリーゾーン」}、秘密がありそう&bold(){「山ゾーン」}。
-サイクルする10日間。
--『[[moon]]』でも見られたシステムとしてある一定の日にちをループする形で住人や生き物の生活や行動、事象やイベントの発生と消滅が繰り返される。
--しかしこれは自然に繰り返されるのではなく、10日目の0時(11日目)を迎えた時点で突然画面がホワイトアウトして一日目に戻される。
--これは序盤に解説されるが、少年が島で成すべき事を達成されない限り同じ時間がループするという仕組みであるため。
--一日目に戻っても住民や生き物の行動内容は変化がない。つまり、このループを知るのは少年だけということである。
-少年の役目は、エモの力で島のナゾを解き明かすこと。
--少年は唯一、エモ(エモーション)パワーと呼ばれる力を使いこなすことができる。
--エモパワーとは簡単に言えば&bold(){「今の自分の気持ちや体感している事を他人(物にも可能)に与える」}といったパワー。具体的には「クイスギ」や「サムイ」など。
--このエモパワーを適切な場所で活用することで少年の島踏破への道が切り開けるばかりか、どこかの誰かを救う意外な結果にもなったりする。
-50体のカミサマ救出。
--島には50体の神様が石像となって眠っている。これらの救出もまた少年の役目。
--救出には前述のエモパワーを駆使する以外にもさまざまな少年の行動が必要不可欠である。
--「まんだら」というメニュー画面から除ける電子掲示板風味の画面で各神様のコメントを見ることができ、それらが救出のヒントになっていたりする。
--神様救出を続けていくと大神様から「ごほうび」を貰うことができる。これも冒険には欠かせない必須品。
-食べ物は文字通りの意味で生命線。ベッドは見た目通りの意味で休息(とセーブ)の要。
--少年は小学生であり、年齢に合わせてのことか丸一日でも行動し続けると眠気メーターが満タンになり倒れてしまう。また、食べ物を食べず気力メーターがゼロになっても倒れてしまう。
--いずれの理由でも倒れてしまう前に食べ物を食べる or 島に点在するベッドで眠らなければゲームオーバーになる。
--ベッドで眠るとオートセーブ。南海の孤島にどうして西洋風ベッドがたくさんあるのかは別に解き明かさなくても良いナゾ。

**問題点(賛否両論点)
-時間の概念が拍車を掛ける、これまた高めな難易度設定。
--神様救出はヒントもあって難しいものは割と少ないが、それ以前に救出するための「エモパワー」を集めるのが非常に大変。
--「ネムイ」などすぐに分かるエモはともかく、「キレイ」「カッコイイ」など特定の時間の特定の場所で特定の何かを見たり聞いたりしないと得られないものが多い。
--この「特定の時間で~」というものは『moon』でも見られたシステムではあるが、島が広大であるためそれに輪を掛けて難しいイベントになっていると言える。
--故に、「ごほうび」にある「しるべ石ワープ」は最初の段階で必ず取得しておきたいものになっている。
-見逃したら次の10日間まで待たされる。やり逃したら次の10日間まで待たされる。
--神様救出、住民関係含めて大抵のイベントは「10日間のうちのたった一日、それも僅かな時間帯」でしか発生しない。
--更にこれらはほぼノーヒントである。まんだらのヒントや見かけること自体が奇跡的なほど少ない住民のセリフから推し量れる域を超えている。
--とうわけでたった一瞬を見逃しただけで次の10日間まで無為に時間を過ごすハメになる。「ごほうび」の目覚まし男爵が無いとかなりツラい。
--多くのイベントや謎解きには時間経過が必要であるパターンが多いのも一因。
--少年はダッシュが使えるが物凄い勢いで気力メーターが減るので乱用できないのもやはり一因。
-少年の活動時間は一切増えることはない。つまり最大の敵は眠気だった!
--『moon』ではレベルアップで活動時間が増えていったが、『エンドネシア』の少年の活動時間はゲーム開始時から一定(一日間)のまま変化しない。
--そのため、住民などとの会話が意外と長かったりするとそれだけでゲームオーバーになるなどもザラ。人を見かけたらまず活動時間を見なければならないという事態に。
-エンディング及び物語の真相部分が『moon』と似ており、ファンとしては意外性や新鮮味が薄い。

**評価点
-住民のあれこれを観察すると……
--エンドネシアには漂流者と原住民とが存在し、原住民はエンディング以外ではほとんど出てこないが漂流者は島の至るところで見かけることができる。
--漂流者とは船が難破して云々とかではなく、少年と同じく別の国や別の時間軸(?)から突然このエンドネシアにワープさせられた、という人間たちである。
--彼らの協力がなければ達成できないイベントはもちろん、その会話内容から神様救出のヒントを得られることも少なくない。
--日本以外の国の人間らしい人物も多く、なぜか寺院に住んでいる王子モレイラや雪原で寝転がるギター弾きのマサノフなど良く分からない住民の行動観察もまた面白し。
--少年に"男"を教えてくれるポリスマンのロジャー、(本人は気が付いているのか不明だが)少年の協力をしてくれる新聞記者ジェシー、少年と同じく島を歩き回っている中世騎士のランス。
--一方では地雷原を設置して勝手に戦争している兵士イッヒややられ役系通せんぼキャラのイー、神様というものを何か別の意味で勘違いしているサイバダッタなど危険(?)な人物も。
-神様の元ネタは多岐に渡る。
--50体の神様や漂流者たちはいずれも元ネタらしきものが多方面に散らばっている。これを解き明かすのもまた別の意味で楽しいかもしれない。
--元ネタ、というよりパロディにジョーク要素を多方面から取り入れること自体は『moon』『[[UFO -A day in the life-]]』などでも見られた。

**総評
ラブデリック、バンプール系のゲームソフトをプレイする前に言えることは「心に余裕を」である。短気プレイはダメ絶対。~
これらのシリーズはゲームクリアや攻略に傾倒し、早解きをしてもまったく面白くはないのが特徴なのである。~
「島から早く出てぇぇぇええ!」ではなく、「おーし、この島の住民になっちゃうかー?」くらいにずっしり構えてプレイしよう。~
時間はいくらでも無駄にできる。いくらパンツ取られて恥ずかしくなっても、島は笑って少年を迎えてくれるのだ。