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スマイルプリキュア! レッツゴー!メルヘンワールド - (2012/11/07 (水) 22:26:45) のソース

*スマイルプリキュア! レッツゴー!メルヘンワールド
【すまいるぷりきゅあれっつごーめるへんわーるど】
|ジャンル|絵本体験型ミニゲーム集|&amazon(B00856WTPU)|
|対応機種|ニンテンドー3DS|~|
|発売・開発元|バンダイナムコゲームス|~|
|発売日|2012年8月2日|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|定価|5,040円|~|
|ポイント|本来の対象年齢層向けに薄いゲーム&br()&b(){大きなお友達はプリキュアの絵本朗読にお金を払えるか?}&br()キュアピース優遇?|~|

**概要
2004年から続いている&s(){大きなお友達と}少女向けバトルヒロインアニメ『プリキュアシリーズ』。~
その9作目・7代目である2012年放映作品『スマイルプリキュア!』のゲーム作品である。~
プリキュアのゲームは『ふたりはプリキュア Max Heart』からDSで出されていたが、本作より3DS作品となった。

**特徴
-いわゆるミニゲーム集。プレイヤーはふしぎ図書館にて最初に選んだプリキュアとともにバッドエナジーで話がゆがめられてしまった絵本の世界へ飛び込んで、ミニゲームをクリアすることでバッドエナジーを浄化する。絵本を浄化するごとに新たな絵本が追加される。
--絵本の内容は『シンデレラ』『ピーターパン』『赤ずきん』など、童話として広く知られているものがほとんど。ただし、子供向けということを考慮して話の内容が大分マイルドにされてはいる。
--一つの絵本につきミニゲームは二種類。ミニゲームの種類は絵本ごとに異なり、いくつかのパーツに分かれている絵のパーツの向きを変えて正しい絵にする、タッチペン操作で部屋の中に隠されたものを探す、部屋の掃除をすませる、キャラクターを最初に指示されたルートに進ませて出口に導くなど。
---ゲームに使うのは下画面のみで、ボタンも一切使わない。上画面はプリキュアが映され成功するたびにほめてくれる。
--ミニゲームクリアごとにキュアデコルを入手する。デコルは全部で91個で、入手したデコルはふしぎ図書館で確認可能。
--共に戦うプリキュアは最初のうち変身前の素顔の状態だが、二つ目のミニゲーム開始時にプリキュアに変身、さらにクリアで必殺技を使ってバッドエナジーを浄化する。変身時のキュアデコルのセットと必殺技の気合いチャージはタッチペン操作で行う。
-また、一度クリアした絵本のミニゲームは単体でプレイすることが可能になる。難易度調整も可能。
-ミニゲームの他にふしぎ図書館ではプリキュアと会話することが可能。
-クリアした絵本を&b(){プリキュアに朗読してもらう}こともできる。
-ファッションショーとして絵本クリアで手に入れた衣装をプリキュアに着せてダンスさせることができる。ダンス用BGMも選べる。
--さらに、ある条件を満たすと強化フォームである「プリンセスフォーム」の衣装も見られる。
-プリ手帳というモードではARカメラによる撮影機能が付いており、プリキュアのフレームで撮影した写真に文字や入手したデコルの飾りつけを入れることができる。
--フレームの内容もクリアした絵本などに合わせて変更可能。
-パスワード入力(6個のアイコンの組み合わせ)による追加コンテンツの解禁機能あり。
-データごとに誕生日を設定する必要がある。その日に起動すると誕生日を祝ってもらえる。

**評価点
-OPムービーが本作オリジナルのアニメーションであること。出来もなかなかいい。
-『スマイルプリキュア!』のイメージがしっかりと作られている。
--ゲーム開始時にはふしぎ図書館に入るための本を動かす動作が挟まれる。
--プリキュア達との会話の内容は非常に簡素だが、種類は結構ある。時間帯によっても変わる。
---青木れいか(キュアビューティ)の父など、中にはアニメ本編ではほとんど話されることのない設定などが出てくることもある。
--プリキュアと妖精・キャンディは3Dモデルで作られているが、デザイン面で特に問題はない。
--絵本の内容についての反応もキャラごとに異なっている。
---星空みゆき(キュアハッピー)が『ピーターパン』について「いつ来てもいいように窓を少し開けて寝ている」と話したり((みゆきは絵本好きで、中でもピーターパンは理想の男性と思っているという設定がある。))、特撮やヒーロー好きの黄瀬やよい(キュアピース)は『ウサギとカメ』のカメについて「きっと変形して猛スピードで動く」と言いだすなど。
--「ゲームを終わる」を選んで終了すると、&b(){キュアピースが出てきてじゃんけんをする}。
---ただ、&b(){この影響でエンドカードは常にピースになってしまう}のだが。ちなみに出す手はタッチで選ぶのだが、勝敗にかかわらず台詞は変化しない。
---ピースは絵本での変身もちゃんとじゃんけんに合わせて三種類用意されている((これは原作通りで、アニメ本編では変身バンクがある話は毎週じゃんけんするため同じく日曜放送の『サザエさん』とじゃんけん勝負というネタが放映開始時ネット上で話題になった。))。
-プリキュア達とともに絵本を読み進めるパートはフルボイスである。絵本朗読も同じくフルボイス。声優のファンにはたまらないだろう。
--プリキュアを演じるのは福圓美里氏(星空みゆき/ハッピー)、田野アサミ氏(日野あかね/サニー)、金元寿子氏(黄瀬やよい/ピース)、井上麻里奈氏(緑川なお/マーチ)、西村ちなみ氏(青木れいか/ビューティ)。田野氏は声優デビューしてからそれほど時間はたってないが、他は中堅からベテランの豪華な声優陣である。
--絵本の登場人物の老若男女をしっかりと演じ分けるあたり、声優の演技力が光る。

**問題点
-ゲームとしては破綻しているところは何一つないのだが難易度が非常に低く、薄い。そして単調。
--対象年齢層を考えると難易度が低いのは仕方がないとも言えるが、ミニゲームを単体で遊ぶときに難易度を難しいにしても大きなお友達には非常に簡単である。
--絵本ごとにミニゲームの内容は違うが、プリキュアごとでは変わらない。同じ絵本ならプリキュアを変えてもミニゲームは同じである。変わり映えしないので飽きやすい。
---また、絵本ごとに違うと言っても結構な頻度でミニゲームは使い回される。一応背景とキャラクターは変えるのだが。特にカードシャッフルや絵合わせの頻度は多い。
--難易度の低さもあって91個のデコルもすぐ集まる。デコルをコンプリートできるなら収集要素は他にはないし、集めきっても特に特典はなし。
--ファッションショーは音ゲーのような要素があるのだが、時々画面外から出てくる二つのマークが重なった時に下画面のタンバリンをたたくというもので、これも単純。本格的なリズムゲーのような内容ではないどころか、曲のリズムに合わせてマークが重なるわけではないのでそもそもリズムゲーとも呼べない出来。
-演出面でもところどころ粗が見られる。
--絵本のテキストをタッチでスキップしても、絵本の登場人物が動き切ってからでないと場面が変化せず、次のテキストに移行しない。スキップの意味は?
---しかもこのスキップ、ゲーム中の他の操作同様にタッチでしかできない。
--ミニゲームも「掃除を手伝う」で掃除のゲームをすることや「花束を作る」で花摘みのゲームをするのはいいが、魔法や呪いの解除のために絵合わせやカードシャッフルのゲームをするなど「どうしてそうなるんだ?」と言いたくなるものがある。
--絵本を読み進める場面と図書館での個別会話ではキャラの表情が一切変化しない。台詞に関わらず無表情なのはシュール。
---ゲーム全体で表情が変化しないのではなく、ミニゲーム中やファッションショーではちゃんと笑顔を見せてくれる。もっと表情のパターンが欲しかったところ。
--変身バンクや必殺技バンクは静止画の連続で、アニメーションではない。
---ピースの必殺技はアニメ本編だと自分が出した雷に驚くシーンが入るのだが、本作では省略されてしまっている。((一応、本編でも一話だけ耐えてみせた話はあるのだが、その話はピースが物語の中心且つ全体的にシリアスな雰囲気だったため凛々しい表情で耐えるピースの姿に高い評価がされていた。その後の話では普通に驚くバンクに戻っているため、特に説明もなく省かれてしまうのは微妙なところである。もちろん、代わりに凛々しい表情のカットが入っているわけでもない。))
--ファッションショーの動きも大胆ではなく、リズムに合わせた大きな動きをしてくれるわけでもない。非常に地味。せっかく3DSで立体視で見れるのにもったいない。
---また、ファッションショーの衣装も「赤ずきんなのになぜか頭巾をかぶらない」など微妙なものがある。OPのやよい赤ずきんはちゃんと頭巾をかぶっているのだが…。
---プリンセスフォームは特定の条件を満たしたときのみで、かつ短時間限定のため、じっくり見ることができない。
---選べる音楽も二種類(OP&ゲームオリジナルBGM)+パスワードで解禁される一つ(後期ED)の三種類しかない。&b(){前期EDテーマに至っては無い。}
-&b(){本作の悪役・バッドエンド王国の面々は一切登場しない。}バッドエナジーに侵された本など明らかに話の核心に関わっているであろうはずなのに、である。
--『スマイルプリキュア!』という作品は「公式が病気」「プリキュア版カーレンジャー((『激走戦隊カーレンジャー』のこと。スーパー戦隊シリーズ初のコメディ戦隊で、徹頭徹尾コメディ路線に走ったことで賛否が分かれる作品。詳細は各自で検索してもらいたい。))」等と言われるほど全体的にコメディ要素が強く、非常に明るい作風である。悪役もそれに合わせて全体的に間抜けなところを見せる様子などが原因で非常に人気が高く、幹部の一人「ウルフルン」はプリキュアシリーズ男性悪役として初めて公式で関連商品が発売されるほどの人気となっている。にもかかわらず本作には幹部の影も形も出てこない。
--OPには敵を思わせる巨大な影が現れるが、実際のゲームにはラスボスのような存在はなく、いまいち達成感に欠けるようになってしまっている。

**総評
対象年齢層が低いことを考えると、難易度の低さやマイルドな表現の絵本は仕方がないことだと言える。~
「本来の対象年齢層がプレイするプリキュアのゲーム」としては特に問題の無い出来で、バグの類なども特にはないしゲーム内容も一応は整っている。~
しかし(このWikiを利用するような)大きなお友達としては歯ごたえの全くない、演出面も粗の目立つ微妙なゲームとしか映らないだろう。~
『スマイルプリキュア!』ファンにとって楽しい部分はあるが、それと同等かそれ以上に首をかしげるような部分も多い作品である。~
プリ手帳なども子供向けのモードという印象が強く、厳しい言い方になるが結局は「子供が遊ぶゲーム」から脱却しきれていないのがネックである。

&b(){君はプリキュア(の声優)が朗読してくれる絵本のためにお金を払えるか?}~
大きなお友達が本作を購入するには、そのあたりが重要になってくる……かもしれない。

//蛇足だが、初稿編集者はピース押しで金元寿子氏のファンだったので十分満足した。