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ストリートファイターZERO - (2014/12/03 (水) 13:51:34) のソース

*ストリートファイターZERO
【すとりーとふぁいたーぜろ】
|ジャンル|対戦型格闘ゲーム|&amazon(B000EXKNZK)|
|対応機種|アーケード(CPシステムII)|~|
|販売・開発元|カプコン|~|
|稼動開始日|1995年6月27日|~|
|分類|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[ストリートファイターシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/655.html]]''|

#contents(fromhere)
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**概要
対戦格闘ゲームブームを作った『[[ストリートファイターII]](以下『ストII』)』シリーズが、マイナーチェンジを重ね五作目のスーパーストリートファイターIIXにてひとまず完結とし、新たなストリートファイターシリーズとして開発されたのが本作である。~
物語の時系列としては『ストリートファイター』と『ストII』の中間。だが若干設定の変遷などもあり、開発側は「パラレルである」とも言っているが、原則的には世界観はストI、ストII、そして姉妹作といえるファイナルファイトと共有している。~
また、本作発売前年に公開されたストIIの劇場アニメ映画を一部ゲームでも再現している。


**特徴
-ドット絵の一新
--細かく書き込まれたドット絵が売りのストIIでもあったが、アニメーションに要する膨大なドット絵を描く作業はスタッフへの負担が大きかった。そこで、ヴァンパイアでも採用された「アニメ絵」による描画タッチに統一する事((このスタイルの発案者は岡本吉起氏で、あきまん氏はこの方向性に反対だった。本人のTwitterによると、今でもZEROはアニメ塗りではなかったほうが売れたと考えている。))で、一枚絵としたらかなり簡略化した状態だが、その分動きのなめらかさやキャラクターの数を増やす方向に割り振る事ができた。また、この絵柄に統一する事で、後に始まるタイトル越境のクロスオーバーも容易になった。

-キャラクター
--キャラは10人+隠しキャラ3人。ストIIからは大幅に入れ替えられているが、後の『ストIII』のように全く一新されているわけではない。
--ストI・IIに登場したリュウ、ケン、サガット、ストIIの人気キャラである春麗、「ガイルの復讐のきっかけになった戦友」のナッシュ((ガイルと同様「ソニックブーム」「サマーソルトキック」で戦うタメキャラ。))、『ストリートファイター』に登場したバーディー、アドン、『ファイナルファイト』に登場したガイ、ソドム、完全新キャラであるローズ。隠しキャラについては後述。
--ボスキャラはストIIと同様にベガだが、スリムだったストIIのものよりも大型になっている。これ以外にも隠し乱入キャラが2人存在。これについては後述。

-スーパーコンボ
--今回からレベルゲージがつき、スーパーコンボがゲージ量に応じて三段階のレベル制になった。また、本作から複数のスーパーコンボを実装できるようになった。

-ZEROコンボ
--いわゆるチェーンコンボだが、『ヴァンパイア』のようにどのボタンでも繋がるということはなく、それ以上繋がらない弱・中攻撃も存在する。

-ZEROカウンター
--いわゆるガードキャンセルだが、『ヴァンパイア』のように無制限で使えるということはなく、スーパーコンボゲージを消費する必要がある。

-オートガード
--『[[X-MEN CHILDREN OF THE ATOM]]』で実装されたオートガードモードが本作でも採用された。初心者に対してハードルが上がりつつあった格ゲーに対するカプコンの回答のひとつ。
--オートガードの初期回数は8回でラウンドを取ると-2回、取られると+2回(ただし最大8回)される。また、オートガードモードに限り同威力のPK同時押しでスーパーコンボが発動する((ボタンの弱中強で発動するスーパーコンボが異なる。))が、スーパーコンボゲージを1Lvまでしか溜められないという制限がかかる。
//オートガードが搭載されてるのはZEROシリーズは2ALPHAまでだし、ヴァンパイアシリーズでもハンターだけ。スト3に至っては端から搭載されてない。「標準搭載」なんて大嘘

-ミステリアスファクト
--隠しキャラや隠しモードを総じてこう名付けられた。
--ドラマティックバトル
---アニメ映画のクライマックスである、リュウ&ケンVSベガの戦いを再現した隠しモード。プレイヤー2人でCPUベガをボコボコにできる。『[[餓狼伝説1>餓狼伝説 宿命の闘い]]』の協力モードに近い。~
二人同時にゲームを始めた上で、特殊なコマンドを同時に入力しなければプレイできない。ベガを倒すと通常の2P対戦(リュウVSケン)へ移行し、その後は勝った方がCPU戦を続行できる。
--隠しキャラ
---ボスキャラのベガ、隠し乱入キャラの豪鬼・ダンは、『X-MEN』同様、キャラクターセレクト画面で隠しコマンドを入力する事で選択する事が可能。
---豪鬼は『スパIIX』の隠しキャラ。『スパIIX』でベガを瞬殺した瞬獄殺は本作でスーパーコンボとして使えるようになった。
---ダンは本作初登場だが「なにかに似てる」「隠しなのに弱い」と早くも話題に。

**評価点
-新鮮な画風
--キャラのドット絵に合わせ、背景もややアニメ調に。
--旧キャラクターはスタイリッシュに、より洗練されたデザインにリファインされた。
--リュウやケン、春麗は若返り、ベガはすさまじくマッチョになった。
---ベガがマッチョなのは「そもそもストII時代とは違う肉体で、さらにZERO時代のベガが最もサイコパワーが強い時期で、肉体が限界に達しかけている」と言う設定がある((実際、ZERO3のエンディングで半ばサイコパワーの暴走のような形でこの肉体は崩壊している。))。
-軽快な操作性
--気持ちよく自キャラを操れる。
-クロスオーバー
--ストI、ファイナルファイトとのクロスオーバー。元々同じ世界観の話ではあったが、公式に初めて一堂に会した。
-ドラマティックバトルが楽しい
--何しろ相手は片方しか向けないから、相手を二人で挟むと「常にノーガード」という状態になり、一方的に攻め立てられる。
--ただこちらは二人で体力ゲージを共有しており、ベガは強力なので気を付けないとすぐ返り討ちにされる。
--BGMはストIIMOVIEの主題歌「愛しさと切なさと心強さと」のインスト版が流れる。

**問題点
-アニメ絵
--本作のキャラクターは『ストII』のようなグラデーションを駆使した描画ではなく、陰やハイライトが明確な線で区切られている、テレビアニメにも似た画風で描かれている。
--やはり「こんなのストIIじゃねー!」と言う意見はあった。すべてはストIIの、細かなグラデーションで書き込まれたドット絵の質の高さゆえに起こった問題である。
--逆に、同じ手法で描かれている『ヴァンパイア』が非常に滑らかな動きをしていたため、「ヴァンパイアのような動きのストIIキャラが見られる!」と言う期待の声もあったのだが、期待されていたほど動きが良くないのも難点。
---『ヴァンパイア』が怪物ならではの無茶な動きにより派手な見た目を実現できたのに対し、本作は描画方法こそ同じだが動作は『ストII』に準じて格闘家の常識的な範疇の動きに留まっているのもその一員であろう。
-ZEROコンボ
--やはり「こんなのストIIじゃねー!」という意見はあった。
--この頃にはSNKの格闘ゲームも多くなり、ようやくストIIから脱却したカプコンは違う形を模索していたのだろうが、『ZERO2』では一部キャラを除いて削除されている事から、カプコン側も失敗だと認めたと言う事だろう。
-キャラ数減
--文字通りゼロから作り直したから仕方ないのだが、プレイアブルキャラが8人から徐々に増えていって最終的に17人になったストIIからいきなり10人(+3)は少ないと言う批判があった。
-キャラのチョイス
--ガイはファイナルファイトの主人公のうち一人で人気も高いのだが、やはり主役格のコーディーを入れて欲しいとの意見もあった。一応、『[[ZERO3>ストリートファイターZERO3]]』では囚人服姿で参戦している。
--ローズは新キャラの一人だが、マフラーとソウルパワーを使っている姿は格闘技をやっているとはとても言い難く、微妙な立ち位置である。
-キャラの変化
--批判が集まったのは、春麗がチャイナドレスからジャージに着替えている事。『ZERO2』から隠しコマンドで変えられる事となった。
--当時の映画化の影響を受けてか、ベガがマッチョ化。さらに旧来に無かった飛び道具を使用するなど、イメージが大幅に変わりプレイヤーを当惑させた。また、バーディーが黒人になっている事についての意見は本人の人気から察して欲しい。
-ドラマティックバトル
--オマケの隠しモードなので仕方ないが、遊ぶためには二人同時にプレイ開始してコマンド入力しなければならないという条件の厳しさ。そのため、一度のプレイにつき一回のみしか遊べず、コマンドに失敗した場合や再度ドラマチックバトルを遊びたい場合は一度ゲームオーバーになる必要がある。
---ただしこのモードは完全に隠しであり、当時のスタッフによれば「隠しキャラの豪鬼やベガよりこのモードを隠しておきたかった、もしバレなかったらそのまま黙っていようと思っていた」と語られている。
--完全にリュウ&ケンVSベガ限定。他のキャラは選べない(後の移植版の一部では改善)。
--(処理の負荷を避けるためとされているが)常に万里の長城ステージ固定のため、背景がやや寂しい。

**家庭用移植
-本作アーケード稼働当時はちょうどハードの世代交代時期でありSS・PSが発売されていたが、当時ストリートファイターシリーズで発売されていたタイトルは、差し詰め外伝と言うべき『[[ストリートファイター リアルバトル オン フィルム]]』のみ。ストIIシリーズは古く、ZEROシリーズはまだという中間期で、満を持して本作が発売された。16ビット機ではそろそろ一杯一杯(ストIIのSFC移植ですらかなり無理をしている)で、ようやく大きな器に移すことができたため移植度は良好。読み込み時間はあるものの、ROMカートリッジと比べソフト価格の低下もあり、両ハードあわせ70万本を超えるヒット作になった。
--アーケード版ではリュウの加工だったダンのボイスが新録されている。
--ただし、ドラマチックバトルのBGMは版権のせいか通常のベガステージBGMになっている。
//『リアルバトルオンフィルム』を『ストリートファイター ザ・ムービー』の移植とするのは、ゲーム性がまるで違っていたりするのでちょっと苦しいかと思うので文面を変えました。

-何を思ったかゲームボーイカラー(専用)にも移植されている。タイトルは海外タイトルの『ストリートファイターALPHA』。このころ、カプコンはストZEROシリーズは「現行機種で出したあと、旧機種に移植する」というのを好んでやっており、ZERO2はSFCに移植されたりしている。
--ただしゲームボーイながらゲーム内容は(多少無理はあるものの)中々に再現されている。

-また、本作は『CPSチェンジャー版』というレアな移植版がある。CPSチェンジャーとはCPS1基板を家庭用ゲームとして再利用販売するためのシステムで、これに逆移植という形で出たが、元々出回りの悪いハードの末期の発売だったのでかなり本数は少ないと思われる。
--BGMがアレンジされている他、ドラマチックバトルでは好きなキャラを選んで戦えるという新要素が追加されている。

-後にPS2版コレクションソフト『[[ストリートファイターZERO ファイターズジェネレーション]]』にも収録。
--アーケード版ほぼそのままの移植である上に、ドラマチックバトルが独立した別モードとなって好きなキャラを選択する事が可能になっている。

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