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サイキック5 - (2023/07/30 (日) 13:22:04) のソース

*サイキック5
【さいきっくふぁいぶ】
|ジャンル|アクション|
|対応機種|アーケード|
|発売元|ジャレコ|
|開発元|NMK|
|稼働開始日|1987年|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|
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#contents(fromhere)
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**概要
『[[ボンジャック]]』製作スタッフが独立したNMKの作品。そのため、キャラクターの空中制御は『ボンジャック』同様、独特の浮遊感がある。

**システム
-サイドビュー探索型2Dアクション。縦画面。8方向レバーとジャンプボタン、攻撃ボタンの構成。
-自機が空中にいる際、レバー上を入力する事で落下速度を低下させ、そのままレバー横を入力すれば滑空する事ができる。
--自発的に攻撃できる点が『ボンジャック』との違いだが、その点以外は『ボンジャック』と同一。

-各ステージにおいて、制限時間内にボスの魔王を撃破するとステージクリア。全8ステージ。

-自機選択システム搭載。ステージ開始時に5人から1人を任意で選択。ステージ中に点在する電話ボックスでも交代できる。
--自機となるエスパーは最初2人しかおらず、他の3人はステージを進めて救出する事で使えるようになる。
--5人のエスパーはそれぞれ移動・攻撃力・ホバリング能力・プッシュパワーなどが異なる。

#region(5人のエスパーたち)
-NAOKI
--12歳。最初から使用可能。体格がAKIKO同様最小で移動が2番目に速く、その他パラメーター(攻撃力・ジャンプ力・ホバリング力・プッシュパワー)は平均的で目立った欠点が無い。
-AKIKO
--10歳。最初から使用可能。ジャンプ力とホバリング力に秀でた紅一点。空中で攻撃を連打すると「完全な空中静止」も可能で、各面のトラップ踏破に最も向いている。パンツの色は白。
-BUNTA
--13歳。高い攻撃力を持ち、他4キャラとは桁違いに高いプッシュパワーを持つ力自慢。機動力に欠けるが要所で活躍するナイスガイ。専用BGMがカッコ良いと評判。
-MAKOTO
--15歳。移動とジャンプ力が最強で、彼でないと到達できない場所がある。背が高く当たり判定が大きいという欠点があり、扱いにくい。が、スコア稼ぎには欠かせない存在であり玄人向け。
-GENZOH
--88歳。最強の攻撃力とAKIKO以上のホバリング力を持つ。ただし、移動速度が最も遅い為彼一人ではステージ攻略は間に合わない。最終兵器のようなおじいちゃん。ふんどしの色は赤。
#endregion()

-ステージ中に中に出現する壷や「?」の書かれた箱を破壊すると中から様々なアイテムが出現する。
--「?」の箱の中身は固定だが、画面右上に表示されているアイテムと交換される。右上のアイテムは時間経過と共に変化し、空白になると本来の中身が出現する。

#region(アイテム一覧)
--食べ物:スコアアイテム。連続して同じ種類を獲得すると得られるスコアが増えていく。回収率に応じてステージクリア時にボーナスが加算され、さらに「全種類全て連続獲得」を達成させると超破格のボーナスが加算される。
---アイテムの出現法則は「攻撃した回数」等に依存しており、完璧に把握し続ける事は非常に難しい。
--顔:スコアアイテム。増加するスコア量は微々たる物。
--赤い球体:残り時間が増加する。設定時間が短めの本作においては重要アイテム。
--宝石:スコアアイテム。1,000点単位で増加する。
--P:ミスするかステージクリアするまで全能力が上昇する。キャラによっては必須アイテム。
--EXTRA:一文字ずつ出現。全ての文字を集めると残機が1上昇する。
--×2:スコアが二倍になる。
--青い球体:全ての敵の動きが一定時間止まる。
#endregion()

-絶えずステージ中を上下に飛び回っている魔女を倒すと魔女の箒を奪い、一定時間空中浮遊が可能になり無敵になる。
--ステージボスは例外で、ステージボスの攻撃に接触するとミスになる。

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**評価点
-設定で消されている事が多いものの、アトラクトデモで流れる曲や、NAOKI、BUNTAのテーマなど、BGMの評価は高い。
--作曲者は当時日本マイコン開発(NMK)に所属していた坂本慎一氏。『アーガス』や『バルトリック』の作曲者と同じ。
---後にウエストンに入社し、そこでも『ワンダーボーイ モンスターランド』の曲を手掛けている。チップチューン(いわゆる電子音)を活かした曲風は評価が高く、このゲームでもそれは遺憾なく発揮されている。名前は知らなくても「ああ!あの曲の人なのか!」と納得のいくオールドゲーマーも多いだろう。
-アクションゲームとしては操作が簡単で、アーケードゲームとしてもルールが単純。わかりやすくとっつきやすく、誰でにでもお勧めできる。
--やや難易度が高めではあるが、理不尽と言うほどではない。
--ステージ展開に応じてキャラクターを変更し、計画的に攻略する事で難易度は更に下げえられる。プレイヤー自らの手で攻略パターンを作っていく類のゲーム。
-古臭い印象を抱かれがちだが、ステージが変るごとに外見や敵グラフィックががらりと変るので、見た目にも楽しめる。
--コミカルなトラップ、独特の浮遊感など、触っているだけでも楽しい。

**問題点
-ピーキーすぎる性能を持つMAKOTOの使い道が乏しい。
--ただし、本気でハイスコア稼ぎを始める場合はMAKOTOに頼りっきりになる部分もある。(主に魔女の箒稼ぎ)
--ゲームに慣れてくるとNAOKIも平凡すぎて徐々に出番が減ってくるが、最初のステージでは使ってもらえるので、MAKOTOほどではない。

-MAKOTOは専用BGMがやたらコミカルだが、他のキャラの曲から浮いてしまっている。

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**総評
世に「隠れた名作」と呼ばれるゲームは多い。その中でも特に隠れている本作だが、レトロアーケードゲーマーには広く知られている傑作アクションゲームである。

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**余談
-ファミコンに『[[エスパ冒険隊 魔王の砦]]』としてアクションRPGにアレンジ移植されている。
--原型は留めていないものの、純粋なゲームとしての評価は高い。

-2023年7月27日にNintendo Switchでリメイク作の『サイキック5 エターナル』が発売された。
--オリジナルステージのクリア後に新ステージを新キャラで挑む第2部的な展開が追加された。((旧作の主人公達が敵に敗れ(うち一人は死亡)した形で新主人公達と交代する。 ))
--タイムアタック等の新モードが追加された他、2人同時プレイが可能になった。
--グラとBGMはオリジナル版とリメイク版をワンボタンでいつでも変更可能。
--開発はレトロゲームのリメイクを専門とする韓国のゲーム会社CRT GAMES((過去には東亜プランの固定画面アクションゲームである『スノーブラザーズ』のリメイク作である『スノーブラザーズ スペシャル』(Switch)を手掛けている。))。&br()社長が基板を持つほど好きな『サイキック5』のリメイクをシティコネクションに提案した事で開発が始まり、ソースコードが無いため目コピでオリジナルの部分を再現したという。((そういう経緯もあって新主人公達は全員韓国人という設定になっている。))([[参考>https://automaton-media.com/articles/interviewsjp/20230721-256578/]])

//-『ボンジャック』の続編を製作したが、完成度の低さからテーカン(後のテクモ、現:コーエーテクモゲームス)は販売を拒否、それがきっかけでNMKは離反したという説がある。
//↑『ボンジャックツイン』のことと思われるがこれは1993年頃の話であり、テーカンからの独立とは無関係。
//--その割にはNMK処女作は極悪STGの『[[アーガス]]』。
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