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ルドラの秘宝 - (2018/10/17 (水) 23:34:29) のソース

*ルドラの秘宝
【るどらのひほう】
|ジャンル|RPG|&amazon(B000068HDL)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3636&file=rudra_boxfront.jpg]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3636&file=rudra_boxback.jpg]]|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|32MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|1996年4月5日|~|
|定価|8,400円|~|
|レーティング|【VC】CERO:B(12才以上対象)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2011年6月7日/800Wiiポイント&br;【WiiU】2015年12月2日/823円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
#contents(fromhere)
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**概要
『[[バハムート ラグーン]]』と並び、スクウェアのSFC末期を代表するRPG作品のひとつ。~
開発は『[[時空の覇者 Sa・Ga3 完結編]]』、『[[ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト]]』を開発したスクウェア大阪が行っている。~
スクウェアの自社開発作品に限れば、本作がSFC最後のRPG作品である((他社開発まで含めれば「トレジャーハンターG」が最終作である))。~

後述の「言霊システム」が非常に特徴的であり、特有のオリジナリティを形成している。~
『バハムート ラグーン』や『[[ライブ・ア・ライブ]]』に知名度は劣るものの、同時期のスクウェア単発RPGの傑作として同等の評価を得ている。~

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**ストーリー
4000年周期で異なる種族の滅亡・登場が繰り返されてきた世界。5番目の種族である人間が誕生してから、後18日で4000年が経とうとしていた。~
異なる土地で異なる生き方をしていた4人の主人公達は、ジェイドと呼ばれる宝石を様々な経路で体に埋め込まれる。様々な理由から、彼等は世界を救う戦いをする事になる。

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**長所
-カタカナで6文字以内の単語を自分で自由にネーミングして、魔法として用いる「言霊システム」が最大の特徴である。
--言霊には法則があり、それに沿う事で好きな属性・効果の言霊を作る事ができる。
---例:コント(威力増強)+イグ(火の攻撃)+ナ(複数)
---法則性に則るだけでなく、自分自身で独自に文字を追加して試行錯誤していくのも面白い。
--同社の[[ファイナルファンタジーシリーズ]]や、当時はまだ他社だったが[[ドラゴンクエストシリーズ]]に登場する魔法名を入れると、大筋で似たような効果が現れるようになっている。
---例:エスナ(状態異常回復)&br()パルプンテ(何が起こるか解らない)
---それ以外のゲーム(サガシリーズ等)のゲームの魔法名を入れてみるのも面白い。中には意外と名前に見合った効果が現れる事も…
--カタカナ6文字以内なら((中には漢字などが含まれる技もあるが、それは言霊で再現できない。))敵が使ってくる言霊をそのまま使う事もできるため、自分自身の手でラーニングするような楽しみもあり、法則が解らなくても強力な言霊を使う事ができる。
---また法則性はプレイヤー自身が覚えていくものなので、システム的な継続要素は無いが、二周目以降は非常に有利な状態で始められる。
---ただし強力な言霊ほど消費MPも大きめなので、ある程度はバランスが取れている。消費MPを1にする裏技も存在するが。
-SFC末期の作品のため、ドット絵中心のグラフィックはFFVI同様完成度が高く美しい。
--戦闘中の味方キャラのアニメーションが非常に細かく、滑らかに動きまくる。戦闘に参加するキャラクター数も総勢12人以上と多く、キャラ別に全く異なるアクションを見せる。
--更に敵全種が、パーツごとに複数のスプライトを重ね合わせた多関節制御で、待機中・通常攻撃・魔法攻撃と多彩にグリグリ動く。中には特殊技・食らいモーションで別の動きをする物まで。
--それでいながら戦闘はスピーディに展開し、ストレスを感じさせない。
-物語の流れを3つの視点で追い、4人の主人公が並行して様々に絡み合うシナリオはなかなかに優秀。
--ある主人公のシナリオで雨が降る時は、同じ時間軸の別主人公のシナリオで何故雨が降ったのか、原因がわかったりする。
//--ある主人公のシナリオで宝箱の中身を取ると、別の主人公のシナリオでは中身が空になっているといった、システム面でもリンクしている。
//宝箱はリンクしていないので、各主人公でそれぞれ入手可能。ただし最初から空のものもある。
--セーブデータは各主人公別に管理されており、最初の3人のシナリオはどのような順番で進めてもよい。
---一人ずつ順番に最初から最後までクリアしていくのも、均等に少しずつ進めていくのも自由。
---シナリオの全体的な進行度の目安として、「経過日数」の概念が存在する。シナリオ進行に応じて、作中の世界の時間(日数)が経過していく。3人の主人公はいずれも、クリアまでに要する経過日数は同じ。
--3人の主人公の各シナリオクリア後、4人目の主人公のシナリオとなり、4人の主人公が合流してラスボスに挑む事になる。
-笹井隆司氏が手がけるBGMは人気が高く、特に各キャラのボス曲は各キャラフィールド曲アレンジなので非常に印象深い。
 
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**短所
-ストーリー
--何故か最後にラスボスより強大な敵の存在が明らかとなり「俺たちの本当の戦いはこれからだ!」で終わる。間に合わなかったのか、続編を考えていたのか。
--4人目の主人公に感情移入しにくい。4人目のシナリオは、時系列で他3人のシナリオが終了した所から始まる。それ以前の行動は他のシナリオで断片的に描かれたり、想像したり察する事はできるが、明確な説明はない。にも関わらず、合流後メインの主人公は彼である。
---なので今まで脇役だったキャラが突然でしゃばって主人公面したとも見れる。能力的にも、速さを活かしたアイテム係くらいしかやる事がなく微妙な立場。
-ストーリー上仕方ないことともいえるが、自由度が殆どない。なのでファイナルファンタジーのような感覚でプレイすると、非常に窮屈に感じる。
--ストーリーを進めると二度と後戻りが出来なくなる、という箇所が多い。空を飛ぶ乗り物で自由に世界を行き来したりはできないし、一度訪れたことのある街に自由にテレポートできる言霊なども存在しない。
--特に4人目のシナリオは全編ほぼダンジョン攻略しかやることがなく、寄り道などはできずフィールドに出たり街に行くといったことも不可能。
--パーティメンバーの人数は全部で12人以上もいるが、パーティを自由に編成することはできない。また主人公ごとにパーティメンバーはほぼ固定されており、途中で変わることはほとんどない。
//--ストーリーの都合上、同じダンジョンを3キャラ分探索させられ、同じボスと戦うはめになる。
//同じダンジョンや同じボスもいないことはないが、むしろ全体的には別のダンジョン、別のボスが用意されている。その主人公で行く必要のないダンジョンは「探索させられ」のうちには含められないだろうし。
//-一度ラストダンジョンに突入してしまうと、二度と後戻りが出来なくなってしまう。まぁ無料回復ポイントが存在するし大量の経験値も稼げるので、詰む危険は無いのだが。
-エンカウント率がやや高め。しかしエンカウント率を減少させる言霊は無い。
-属性のある防具を装備すると同じ属性に耐性が出来ると同時に、相反する属性に対する弱点も出来てしまう。
//--ゲーム中では属性により耐性を得る事が重要と言われるが、戦闘中に防具を変える事が出来ないため、結局属性なしで進んだ方が万能かつ安全である。
//ボス戦で属性で装備を選ぶことは攻略サイトでも推奨されています
-雨宮慶太によるキャラクターデザインは良いのだが顔が濃く、パッケージで人を選ぶ。
--作中で顔グラを拝む機会は、オープニング以降エンディングまでは無い。オープニングを飛ばす場合は、パッケージ絵を見ない限りエンディングまで見ることはないので、人によってはエンディングで突然ヒロインの濃い顔に衝撃を受ける事も。
-言霊システムは優秀だが、回復の言霊は作中ではなかなか教えてくれない。
-バグなのか、MPの最大値を増やすアイテムを無尽蔵に入手できる場所がある。
//--HPの最大値は増えないので多少楽になる程度ではある。
//補助言霊が使いたい放題になり結構役立つ。
--ただしこれができるのは終盤の、4人の主人公が合流してからである。
 
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**総評
ストーリーが一直線、イベント設計にやや粗は見受けられるものの、~
並行する3人の主人公の物語と、文字の組み合わせが魔法になる言霊システムが斬新かつ面白い試みである。~
全体的に少しクセはあるが、ゲームバランスも良好なほうなので、斬新ながらも多くのユーザーに楽しめる作品と言える。
//うまく書けているかどうかわからず申し訳ありませんが、ひとまず総評を作ってみました。
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**その他
-発売数ヶ月前に『ドラゴンクエストVI』『風来のシレン』『ロマンシング サ・ガ3』、発売同年に『ポケットモンスター』『クロックタワー2』『女神異聞録ペルソナ』と様々な年代の話題を掻っ攫う作品が多く、それ故に対象年齢のはっきりしない本作の知名度は低い。
//-本編とは関係ないが、ネット上でこのゲームの話題になると、主人公の一人のファンが元で場が荒れる。
//--このことが原因でその主人公やシナリオに関する話題がタブー視されることがある。←ここに書く必要性がない。このゲームをネットで語ることがタブーという勝手なレッテルを貼ってるようにしか見えない
-本作の攻略本はファミ通から出た公式ガイドブック一冊のみだが、マップが書かれておらず、ゲーム内で手に入らないアイテムが入手できるかのように書かれている、など出来はあまりよくない。
-Wii Uバーチャルコンソール版において、Miiverseに画像投稿ができない。
--遊び心で入れた他社製ゲームの魔法が再現されると厄介だと危惧したためだろうか…