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ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー - (2018/03/10 (土) 13:26:24) のソース

*ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー
【どらごんくえすと もんすたーばとるろーどびくとりー】
|ジャンル|カードバトル|&amazon(B003H9LKYG)|
|対応機種|Wii|~|
|メディア|12cm光ディスク 1枚|~|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|
|開発元|ロケットスタジオ、界グラフィックス、エイティング|~|
|発売日|2010年7月15日|~|
|定価|6,090円|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|周辺機器|携帯電話又はニンテンドーDSi(LL)でAC版のカードをスキャン可能&br()(『専用カラーコードスキャナ』のダウンロードが必要)&br()ヌンチャク、クラシックコントローラ/同PRO対応|~|
|通信機能|ニンテンドーWi-Fiコネクション対応(対戦、有料サービス)|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ関連作品リンク>ドラゴンクエストシリーズ]]''|

**概要
アーケード版『[[ドラゴンクエスト モンスターバトルロード>ドラゴンクエスト モンスターバトルロードシリーズ]]』の家庭用移植版。AC用のカードも使う事ができる。

**ゲーム内容
-筐体版の「完全移植」と銘打たれたアーケードモード。
-専用アプリを用いることでニンテンドーDSiや携帯がカラーコードを読み取るスキャナーになる。これでカードをスキャンし、データ転送を行うことで使用可能となる。~
前者はニンテンドーDSiウェアとして配信されており、価格は200DSiポイント(200円相当)。
--読み込んだカードは登録され、さらにデッキはアルバムに登録し一発でチーム編成が可能に、スペシャルカードはWiiリモコンの十字ボタンにショートカット登録しておく事が可能。
--戦闘用のユニットとは別に存在する主人公のアバターとおしゃれ着の追加。後者は戦闘に影響が起こる。

-操作方法はWiiリモコンの場合は赤ボタンはAボタン、青ボタンはBトリガー、ゆうきスロットルはWiiリモコンをひねる、つばぜり合いの際はWiiリモコンを振るという動作となっている。
-大会モードではキャラクターを移動させる場面があるので、ヌンチャクまたはクラシックコントローラが必要。

-追加要素
--バトルロード入門直前の小学生となり、バトルロードが大ブームとなっている街「竜神町」を舞台に大会王者を目指して邁進する「大会モード」が追加され、主人公ユニットを編成に組み込んだ様々なライバルと戦闘出来る。当然相手もゆうきゲージを持ちSPカードを使ってはつばぜりあいも仕掛けてくるため、対戦に似た感覚で遊べる。
--スキャナーでサントリーの『ドラゴンクエスト とろとろスライム ホイミサイダー味!?/メラトロピカル味!!』、ホリの『ドラゴンクエスト モンスターバトルロードコントローラ(後述)』とコラボした。
--Wii版ではAC版にいなかった、『IV』の女勇者・ソフィア、『I』のローラ姫、Wiiの『ソード』のセティアが参戦。
--またAC版では『剣神』のデザインだった『I』の勇者が、特定の演出のみであるが原作の鎧を纏うようになった。
--『IX』のロクサーヌが、Wi-Fiショッピングの担当している。更にWiiポイント必須の有料である。平均300~100ポイント(円で換算すると300円~100円)
--『IX』のレジェンドモードが追加された。

#region(店頭ムービー・ローラ、ソフィア、セティア参戦。おしゃれ着。有料ショッピング。)
&nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm11292080)
#endregion

**改善点
-キャラクターの表情に若干の変化がつき、一撃の背景にキャラクターが追加されるなど、演出面が強化された。

-DQIVキャラのとどめの一撃時に、キラーパンサーが曳いていた馬車を、原作通り馬が曳く様になった。

-一度見たスペシャルカードととどめの一撃を、鑑賞モードで好きなときに見ることが出来る。

-配信されるレジェンドクエストモードは新規作り直しで、アーケードとは別物。様々な演出が強化されたほか、新キャラや新モンスターの追加で、より原作に準じた内容となった。

-読み込みに時間が掛かるようになったものの、読み込んだ後の処理落ちが発生しにくくなっており、ゆうきボタンを押すタイミングなどは取りやすくなった。

**評価点
-歴代主人公vs歴代ラスボスの乱戦という、お祭りゲーであることを体現したような構図が途中で展開されるOPムービーは好評。
--一方でバトルロードの主役である筈のモンスターはカード含めて魔王陣以外全く登場しないため、本作のOPとして良いのかどうかは疑問である。
---ちなみに本作に収録されているアーケード版筐体のOPムービーにも言える事である。
--youtubeのスクウェア・エニックス公式チャンネルにて視聴可能。

-カードアルバムから合体モンスターをはじめとした地域や職業相性ボーナス、必殺技の組み合わせ等の様々な情報を確認出来る。モンスターを指定しての逆引き確認も出来るため、好きなモンスターを中心としたデッキ編成にも一役買ってくれる。
--しかしダブルスキャンによる合成武器や武具セットによる技の変化については触れられていないため、結局はネット等での情報収集が必要となる場合もある。

-協力プレイではひとつのリモコンで二人分の操作が出来、カードアルバムを全てのセーブデータで共有する都合一人二役も難なく可能なため、超必殺技やレジェンド大魔王カードの使用も気兼ねなく行える。
--対戦では流石に人数分のリモコンが要求されるが、そちらでは2vs2、つまりモンスター12体による大混戦という家庭版ならではのプレイが可能である。


**問題点
-移植要素で大きく外している印象こそ無いが、様々な箇所で細かなストレスを感じる部分が多く、残念ながら快適性が低い。
--8秒程度の長いロード画面が頻繁に挿入される。
--カード図鑑が見辛い。本作にはバージョン違いの同じカードが複数存在するのだが、それらが一つのリストに一緒くたに表示されるために整合性が感じられないほか、表示自体も小さく分かり辛いためである。
--おしゃれ着の着替えが大会モードでしか出来ない。おしゃれ着はチームの能力に直結する要素で、他のモードなどでも当然効果が反映される。が、全モードで着替えたり、着替えをチームごとに保存したりすることが出来ないため、いちいち着替えの為に大会モードに移行する必要がある点が面倒。

-ひとつのセーブデータでカードアルバムに登録されたカードは他のセーブデータとも共有される。新規のデータでスムーズにゲームを進行できる一方でゲーム内でカードを集める楽しみがなくなるとの批判点もある。下記のカードスキャナーを使用してしまった場合は特に被害が大きく、実質的に真っ新な状態でゲームを始められるのは文字通りセーブデータが全て真っ新な場合のみである。

-ニンテンドーDSi等で実物のカードのカラーコードを読み込む事ができるのだが、ゲーム中に随時読み込んで使用するものではなく、一度読み込んだら登録され、今後読み込む必要がなくなってしまう…。
--PC等ネット環境が整っていればオークションサイトの画像やカラーコードを公開している個別サイトも存在しており、そこからも読みとれてしまうため、人によっては実物のカードが使用できる意義が感じられない。

-カードによって入手可能な時期が大幅に異なる
--本作ではアーケードモードと大会モードのどちらでもカードを入手出来、アーケードモードはモード終了時に進めたステージに応じて選ばれたカードが1枚、大会モードでは購入やイベント、町人とのフリーバトルで勝利した際に入手可能となる。しかし購入出来るカードは大会モードを進めないと増やすことが出来ず、それまで大半のカードはカードマシンやフリーバトルでのランダム入手に頼る事となる。アーケードモードで入手出来るSPカードもその時に撃破した魔王(戦で用いられたステージ)の引用元の作品から選ばれ、登場する魔王はこれまた大会モードの進行状況に左右されるので序盤は後期ナンバリング作品のSPカードを入手しにくい。
---上記カードスキャナーの使用、ひいてはアーケード版のプレイヤーに優位性を作るためだと思われ、そう考えると一概に否定は出来ない
---この影響により、上級職の特徴であるダブルスキャンでの新武器生成も中々行えない。大会モードの途中で「天空の三神器」といったような武具セットカードのみ手に入り、歯がゆい思いをすることも。
---アイテムに関しては高性能な物を手に入れてしまうとそれ以外の物はあまり使わなくなるため、ある程度ならばバランス調整の一環として受け入れられるだろう。しかし半数近くのアイテムカードは大会モードクリア後というほぼほぼ一人プレイの目的を終えている頃に販売される(詳細は後述)。
---ちなみに大会モードの攻略途中で資金が大量に手に入るため、余程無駄遣いをしなければ全カードが購入可能となった段階で欲しいカードを買い逃す事はない点、好きなカードの入手に運を要する事が無い点は長所と言える。

#region(以下大会モードクリア後のネタバレ有)
-一部カードの入手が面倒
--上記のカード販売時期もさることながら、最高級のカードであるレジェンドクラスの入手となると輪をかけて面倒になる。まず、前提条件とし全真・大魔王撃破を終わらせてゲームクリアする必要があり、入手は全て大会モードで行う。
---いずれもアーケード版の実物カードとしても希少な物かつ非常に強力なため、カードスキャナーの存在もあって入手時期の遅さに関してはあまり問題とならない。ナンバリング作品別にカテゴライズされたSPカードの効果をランダムに発動出来るレジェンドSPカードは店頭に並ぶので簡単に入手できるが、同時期に全SPカードが購入可能となるので需要は低い。
-レジェンド大魔王カード
--ある人物たちが使用する大魔王カードと戦い、それに打ち勝てば譲ってもらう、あるいは捨てた物を拾うという形で入手可能。なのだが戦闘する魔王は全てアーケードモードで登場する敵仕様と全く同じ。戦闘する順番も1~9(大魔王はその後にエスタークと戦闘)の魔王と戦っていくため、好きな大魔王カードだけを得るという事は出来ない。さらに大魔王に関しては全て真版であり、真大魔王ラッシュの流れはゲームクリア直前、人によってはつい一戦前までやっていた事である。通常版大魔王ラッシュは無いとはいえ、大変な作業をもう一度行う事に変わりはないので気が滅入る。
---ダークドレアムに関してのみ、ストーリーで真版を倒した後に入手可能。だが後述する別の場所で再度戦う事となる。
---カード版の仕様だと魔王は技が2つのみとなり、いてつくはどうでこちらにHP的猶予を与えてくれない点もあるので止む無しか。
---魔王群に関しては入手前に「使えない」と吐き捨てて捨てられた物を拾うため、その魔王が好きでなくとも気分を害する。一方で基本的にどの魔王も次の作品の魔王と戦わせても勝てるだけのスペックを有するため、試用とリベンジを兼ねて「使い手次第でいくらでも輝ける」といった風に扱う事も可能。
-レジェンド勇者カード
--伝説の戦士と伝説の魔女、伝説の勇者に関してはそれぞれの所有者と戦い、勝利する事で譲ってもらえる。大魔王と異なりカードの性能そのままかつSPカードも使用する。どのキャラもストーリー中盤で上級職に就く前に戦っているため、その時にはなかったカードや新たな戦法で戦うといった事も可能だが、他二種のカードは厄介な入手方法を設けられている。
---伝説の魔物使いは、ストーリークリア後に挑戦可能となる特定条件を設けられたバトル「モリーミッション」を全てクリアした後、モリーとの対戦に勝てば入手可能。このモリーミッション、事実上制限のない条件下で真ダークドレアムを倒すという物から相手を3回以上眠らせて勝利する物など、一戦一戦が難しい。話は逸れるが、一部ミッションはデッキ貸し出しを行っていて間接的にモンスターの耐性について学べる物となっており、どのミッションもクリア報酬として(クリア後には別バージョンを数枚所持していても不思議ではない)SPカードを貰えるため、ストーリーをクリアする前から開放していても良かったのではないだろうか。
---伝説の商人は、町の公園に存在す噴水に投げ込んだゴールドの総額が一定値を超えれば入手可能。しかしゲーム内の時間で一日に入れられる金額は最高1000Gであり、それを何十回も行う必要がある。大会モードにて一気に時間を進める方法は大会場で選べるモードをプレイする事のみであり、それ以外はフリーバトル等で地道に1時間ずつ進めていくのみ(実質10時間で日が変わる)。どちらにせよどう効率的に動いても一日変えるだけで数分かかるため、ストーリー進行と並行して定期的に貢がないとかなり時間がかかるうえに作業的。
#endregion


-Wi-Fi対戦の仕様に不満点が多い。
--勝率や階級等プレイヤーの実力が考慮されてない為、階級の低い初心者のプレイヤーがいきなり階級の高い熟練プレイヤーに平気にマッチングすることもよくあり、そうなるとまるで勝負にならない。
--とどめの一撃をだされた等、負けそうになった際の切断行為が横行した。切断行為が発生した場合は無効試合となり切断した側には負け数が1増える。一応、切断回数も対戦相手の情報に載ってはいるが切断回数が多いからといって対戦拒否できるわけでもないので特に意味をなしてない。とどめの一撃の際はカードノースキャンでやらないと相手プレイヤーのモラルにもよるが高い確率で切断行為をくらう。
--上記の似たような状況がDQMJ2でも発生していた。この事を反省してかDQMJ2プロフェッショナルでは相手モンスターのランクを指定したりして相手の強さをある程度指定できるようになった他、切断対策においてもAIプレイに自動的に切り替わるようになりバトル続行できるようになった。
--特定の条件下で回線が切れると''BPが0になる''バグの存在。2011年9月現在、公式ではこのバグの存在を否定しており公表していない。

-一部のおしゃれ着の入手方法が非常に困難
--最大でBP''700000''要求する物もあり、おまけにBP70000以降はWi-Fi対戦でしか増やすことができず、BP70000以降は負けるとBPが下がるのを含め、切断も横行していることからコンプリートを諦めた人もいるだろう。おまけにおしゃれ着目的でBPを稼ごうとするとさらに作業感が増してしまう。((階級にもよるが一度の勝利につき増えるBPは数百程度。特定の階級以上になるとBP上昇値が少なくなってしまう。))
--期間限定のオフィシャル・バー「LUIDA'S BAR」やお台場合衆国限定のおしゃれ着もあった。
--現在、期間限定のおしゃれ着は公式サイトにて再掲載されているが、現在ではwii向けのWi-Fiサービスが終了に伴いWi-Fi対戦のサービス終了してるので改造でもしない限りおしゃれ着のコンプリートは不可能になってしまった。
-Wi-Fiショッピング有料に非難が出始めている。又、Wi-Fiショッピングでコンテンツを購入すると更にセーブブロックを圧迫する欠点まである。
--本編に絡まなければ良いのではないかと思う人もいるだろうが、ひとつめのエンディングを見た後には会話で「ダウンロードコンテンツ」という単語を出すキャラクターが居り、ふたつめのエンディングはDLCで購入するSPカードのキャラクターばかり表示されるので嫌でも目に付く。さらに言えば「開発段階でDLC用のキャラクターモデルは完成済みかつこの形式で売る予定だった」とも取れるため、僅かながらも未完成な商品を買わされているのではないかと不快に感じる可能性もある。
--レジェンドクエストは1タイトルごとに300ポイント(1ポイント=1円)。追加スペシャルカードは1枚200ポイント。追加おしゃれ着は1着100ポイント。これから配信予定のコンテンツも含め、全てを購入した際の総額は''7700ポイント''と、''本作の新品を定価で購入するよりも高額''である。因みに、一部のレジェンドクエストモードで最高評価を得るには、追加スペシャルカードが必須である((セット内容ともいえる高評価クリア時の特典カードは無くとも入手可能))。

**総評
手に持ったカードを随時スキャンして使用するという、カードゲームとしての魅力は少々薄れはしたものの、原作自体が良作であるゆえ、普通にドラクエの世界観を利用したバトルゲームを楽しむ事はできる。~
カードは現在入手困難であるもののゲームストーリー中でも入手できるゆえ、収集もゲーム内で楽しむと考えるとよい。

ACではじっくりと楽しむ事のできなかったビジュアルも家庭でほぼそのまま楽しむ事もできる。腰をすえてキャラクターたちの動きやコスチュームを楽しむのもいいだろう。

**その他

-推定三十万本と言われる出荷本数に比してあまりにも売れなかったため、あっという間に値崩れしてしまった。
--メディアクリエイトランキングでは『ファイアーエムブレム 新・紋章の謎』が1位((但し、13万6367本とこの作品と差は無かった。))、この作品は2位で13万5783本からスタートした。
--2010年9月末に、ヨドバシカメラでは期間限定で新品3,980円、11月末に期間限定で新品1,980円、2011年4月には期間限定で新品580円。ソフマップでは期間限定で新品2,580円、10月頭には新品1,980円まで落ちて完売。ビックカメラでは2010年10月末に期間限定で新品2,980円、2011年1月には新品980円まで落ちた。
-ホリからもACの操作感を模した[[専用コントローラ>http://www.hori.jp/items/detail.php?id=921]]が発売された。
--クラシックコントローラとして使用できる。しかし画面に表示されるボタンがACと同様になるわけではなく、クラコンと同様のボタン表示。
--価格も12,800円と、とんでもなく高く超マニア向けの商品。これを出すよりもいっそ随時カードスキャンが可能な専用カードリーダーを出した方がよかったのではないだろうか。~
手でカードスキャンするのも本作だけでなくコンピュータTCGの魅力のひとつなのだから。