*探偵神宮寺三郎DS きえないこころ 【たんていじんぐうじさぶろう でぃーえす きえないこころ】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B0012GEAUM)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|アークシステムワークス|~| |開発元|ワークジャム|~| |発売日|2008年4月24日|~| |定価|3,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[探偵神宮寺三郎シリーズリンク>探偵神宮寺三郎シリーズ]]''| ---- **ストーリー 神宮寺の元に訪れた松田武史は、妹・沙織が20年前に自殺した原因の調査を依頼する。 調査を進める中、神宮寺は沙織が生前書いていたという詩に秘密があると突き止めたが、松田は突然依頼の取り消しを申し出る。 やむなく申し出を受ける神宮寺のもとに、今度は学校の備品が傷つけられるという別の事件の調査の依頼が入る。 ---- **概要 コマンド選択式の探偵物アドベンチャーゲーム『神宮寺シリーズ』の第12作目。~ 前作同様、本編はモバイル版5作とタイトル作品『きえないこころ』の6作品、謎の事件簿も同数が収録されている。~ 『きえないこころ』では、捜索システムとTPS(トークプロファイルシステム)が復活した。 ---- **収録作品 -『6枚の犯行』 -『亡煙を探せ!』 -『アオイメノリュウ』 -『キトの夜』 -『四角の罠』 -『きえないこころ』 -他、謎の事件簿6話分。 -ライターは、『6枚の犯行』『亡煙を探せ!』『キトの夜』『四角の罠』の4作が小高和剛氏、『アオイメノリュウ』が坂本豊和氏。モバイル版神宮寺三郎シリーズの初期は、この二名が脚本を務めることが多かった。 --その後、小高氏は『[[ダンガンロンパ>ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生]]』シリーズなどのライターとして活躍している。 --表題作・新規収録作である『きえないこころ』はスタッフロールからライターが読み取れず、作者は不明。 ---- **評価点 -シナリオ全体は安定の神宮寺クオリティ。 --新作も小学校を題材に複数の事件を扱っており、20年前の事件が起きた学校には当時の関係者の子供が通っている等、多重に重なった事件の様相を見せる。 ---一見単純なような事件の背景にも別の意図が隠されており、最後まで二転三転する。 --また『キトの夜』はモバイル作品の中でも一際評価の高い作品。 ---たまたま立ち寄ったバーで知り合ったエクアドル人「ホセ・レアスコ」と何故か気が合って一晩飲み明かした神宮時だが、翌日の事件捜査中にホセと再会し、なし崩しで一緒に捜査をすることになる。~ 二人の友情とハードボイルドな展開から、他のゲームにはなかなかない「神宮寺らしい」作品として仕上がっている。 --他にも犯人の告白から始まる『6枚の犯行』、神宮寺が行方不明になり洋子・熊野視点で話の進む『亡煙を探せ!』、神宮寺とは正反対な相棒と組むことになる『アオイメノリュウ』、物語の締めが素晴らしい『四角の罠』と、バラエティに富んだラインナップである。 -本作でもパスワード機能は搭載。 --いつも通りのジュークボックス(サウンドテスト)やヒント機能、物語に絡んでくるエクアドルや大阪の紹介などこちらも楽しい。 -セーブデータのリセット機能の追加 --前作はパスワード解禁後はそのままだったが、DS版では本作からセーブデータのリセットが出来るようになった。 ---- **問題点 -やはり新作が少々短め --本編『きえないこころ』は他の短編シナリオよりは長めなもののやはり短めな作品。全部合わせれば値段からすれば十分すぎる量ではあるのだが。 -セーブファイル数は3つのまま --普通にプレイする分にはあまり困る事はないが、シナリオ数と比べるとやはり少ない。 ---- **総評 過去作のリメイクばかりとなってしまった前作と異なり、本作はモバイル新作シナリオ+完全新作シナリオのみとなっている。~ モバイル版もプレイしている熱心なファンには新要素が少なめで少々物足りないが、そうでなければ神宮寺が好きなプレイヤーには是非お勧めしたいシナリオ集となっている。 **余談 -本作に収録されている『キトの夜』は2011年にAndroidアプリとしても無料配信されている。気になる人はそちらで触れてみるのも良いかもしれない。 --ただ携帯アプリを単純に移植しただけなので、画面が小さかったり、音量調整に不具合があったり、操作性が悪かったり、使い道のないパスワードが残ってたりと、ちょっと残念な移植になってしまっているが。