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ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ - (2012/08/29 (水) 12:55:57) のソース

*ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ
【だんじょんず&どらごんず しゃどーおーばーみすたら】 
|ジャンル|ベルトアクション|&amazon(B000069TE3)|
|対応機種|アーケード|~|
|販売・開発元|カプコン|~|
|稼動開始日|1996年|~|
//|ポイント|操作がとんでもなく複雑&br()必須知識をまとめるだけで本が書ける&br()体力回復アイテムの質と量が1人プレイ時と同じ&br()どのボスにもまともにぶつかれば簡単に死ねる&br()最初のボス自重しろ&br()火炎瓶強すぎ&br()ひたすら長い&br()パワードギアと『[[キンモン2>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/656.html]]』が合体しての再来|~|
//|分類|序盤からいきなり艱難、最初のボスから不条理な強さ→''ゲームバランスが不安定''&br()慣れないと無理ゲー、慣れればハマる→''賛否両論・・だがさすがに良作と言いがたい''&br()一覧では前者として扱う|~|

 TRPGの元祖である「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を題材としたベルトスクロールACTゲーム。前作「タワーオブドゥーム」に続く第二弾である。~
 新キャラ追加、RPG要素の強化など進化した部分も多いが、同時に難易度の高さも頂点に達し、ハマる人と断固拒絶する人とに評価が真っ二つに割れた。
//-難度過剰高騰で総スカンを喰らった[[パワードギア>パワードギア STRATEGIC VARIANT ARMOR EQUIPMENT]]とは別ベクトルで、複雑さの高騰が頂点に達しすぎてしまったためハマりすぎる人と断固拒絶する人に真っ二つに割れた作品。
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#contents
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*特徴・良点
-ゲームでは様々なアイテムが登場する。入手以降恒常的にパワーアップする装備品や、魔法が込められた指輪、ハンマーや投げナイフといった消耗品まで種類は豊富。その使いこなしは攻略難易度に直結する。
-魔法は原作と同じ名前のものが多数登場。クレリックが使える僧侶魔法と、エルフ・マジックユーザーの使える攻撃魔法があり、どちらも強力な効果を発揮する。原作同様レベル制による回数制限はあるが、敵が落とす魔法のスクロールを拾ったり、特定のステージクリアに行われるレベルアップで使用回数を回復できる。
--といってもバンバン使っていてはとてもじゃないがMPが足りないので、計画的に使用する必要がある。また、魔法の力が込められた指輪を使うことで、ファイターなど魔法が使えないキャラでも一部の魔法は使用できる。
-選択肢によるステージ分岐や、隠し通路発見によるルート分岐などRPGらしい展開が豊富。秘境の探索や地下洞窟、空に浮かぶ城などロケーションは多岐にわたり、各ステージは丁寧に作られている。
--ルート分岐、キャラ選択があるため繰り返しのプレイに向いている。またやりこんだ人なら100円で1時間近くは遊べるため、懐にもやさしい。
-協力型マルチプレイを搭載しており、最大4人同時に遊べる。各キャラには明確な個性が備わっており、マルチプレイで真価を発揮する要素も多い。
#region(協力プレイ動画)
|&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=AhlLHasc3P8)|
#endregion

**前作からの改良点、本作からの新要素
-新キャラ「シーフ」、「マジックユーザー」の追加。
--シーフは体力が低い上に盾が装備できないが、バックステップに無敵付加、施錠された宝箱を鍵無しで開ける、一部の罠が作動しないなどのオンリーワン性能を有する。攻撃力も十分高い。マジックユーザーは物理戦闘面では全キャラ中最低の性能だが、強大な魔法の数々がその欠点をひっくり返す。
--また、外観のみ異なる「2Pキャラ」が登場。((クレリックとマジックユーザーは習得できる魔法が一部異なる))好みの方を選んでプレイしたり、マルチプレイでも2人までは使用キャラがかぶっても遊べるようになった。
-前作ではやや癖のある操作性であったが、本作では特殊技の入力が格ゲーチックに変更((例えば前作の「ダッシュ斬り」は波動拳コマンドになった。(↓\+A)))され、格段に入力しやすくなった。ボタン同時押しによるメガクラッシュなど、新たなアクションも追加されている。
-アイテムの大幅な追加。
--特に武器と盾は複数追加され、「武器の持ち換え」という要素が生まれた。属性を帯びた魔法剣、呪われているが解呪できれば素晴らしい性能に生まれ変わる剣など多彩なバリエーションを誇る。攻略の多様性、RPGらしさの強化に一役買っているといえる。
-その他、新規モンスターの追加、操作性変更、細かいバランス調整など変更点多数。

*難点
//#image(影山.png,title=ありえん(笑))
//↑「ファイルが見つからない」と出るんですが、何かマズいものでも映っていたんでしょうか?
**辛口な難易度調整
-まず初心者がぶち当たる壁が「複雑な操作性」と「非常に強いボス」の2点。
--キャラ性能自体はベルトスクロールACTゲームを見渡しても高性能に分類されるのだが、複雑な操作性への慣れ、多様なアイテムやプレイにおける基礎知識の習得など、ハードルの高さも最高級。マルチプレイ時も敵ルーチンの変更とアイテム量の制限であまり難易度が下がらない。
---使用するボタンは4つで、いわゆる普通のベルトアクションゲーの「攻撃、ジャンプボタン」に加え「アイテム使用」「アイテム選択(リングコマンド)」の2つが付け加えられている。しかし、ゲームに慣れていないプレイヤーはとっさにアイテムを使えず、宝の持ち腐れとなる事態が非常に多い。特に魔法を使えるエルフ、クレリック、マジックユーザーは、魔法の選択もアイテム使用と同様に行わなければならないため非常に操作が煩雑となる。
--また、このゲームのボスはかなり強めに調整されているのだが、特に装備品やアイテムが揃っていない序盤のボスに苦戦を強いられる。ところが後半戦では強力な装備品やアイテムが解禁されているため、それらを上手く使えばボスを一方的にハメたり瞬殺することが可能。((特に、ボスをダウンさせた後超高ダメージの「大オイル」を連続で撒いて瞬殺する戦法が猛威を振るった。))そのため序盤のボスより楽に倒せることが大半で、難易度上昇曲線はいびつであると言わざるを得ない。ただしどのボスも気を抜いたりハメに失敗すれば一瞬でやられかねない強さではある。

//ボス戦に関してはもっと簡潔にまとめたうえで、差別なく全て載せた方が良いのでは?
//-「詰む」という表現が多用されてたけど、絶対に倒せないなど本当に「詰む」状況はないので修正。
//あの長ったらしい文章じゃとても"一部"じゃないだろ。それどころかボスとは関係ないプレイヤーのことも載せるとか、やっぱ頭おかしいんだな。

**バグ、不具合が多い
-このゲームは出荷時期によりいくつかのバージョン違いが存在するのだが、バージョンを問わずバグが多い。不利なバグも多いのだが、大半は事前に知っていればなんとか対策は可能となっている。
-中でも有名なのが初期版ROMの「ジャーレッドバグ」((海外版ではドワーフとシーフで同様のバグが発生するが、ジャーレッドほどの驚異ではない))。ただし、このバグはフリーズ誘発ないし基板損傷の恐れがあるため、ゲーセンで使用するのはマナー違反。使用禁止の張り紙をするゲーセンも多い。

//一つのバグ技をまるまる載せるなんてどうなんだ?
**1プレイにかかる時間が長い
-前述したとおり、このゲームは通しでクリアするなら1時間近くかかる。これを「1クレジットで長く遊べる」と取るか「1時間はさすがに長すぎる…」と取るかは人次第。
--ただし、上級者に居座られてしまうと「それなりに人気はあるのにインカムはサッパリ」という事態が発生する。そのため店側では「他のゲームを入れていた方が売上は上がるけど、それなりに人気もあるし撤去したら不満が出るだろうなあ…」という板挟みに悩むことになった。

*総評
 カプコン製のベルトスクロールACTゲームの中でも、良くも悪くも最強クラスのガチガチのパターンゲーム。~
 序盤から全力で殺しに来るそのゲームバランスには疑問符がつくのもやむ無しだが、その一方でゲーム性や攻略法を理解したプレイヤーからは「(一連の作品群で)この作品だけは1コインクリアできた」、「色々プレイしたがこの作品が一番!」との声も聞かれ、またコストパフォーマンスに優れる(同時にオペレーター泣かせという問題もあるが)という点などから好意的な評価も数多い。リバイバル稼動が行われているゲームセンターが現在でもちらほら見られることがその証拠であろう。~
 また、原作を尊重しながらも上手くオリジナル要素を取り入れた点や、((例えばボスの「ダークウォーリア」はカプコン独自のデザインなのだが、それを見たTSR社のスタッフが絶賛、1発OKが出たという。))当時のアーケードシーンにおいて「協力型マルチプレイ」というスタイルを提示し、その後様々な形で多くのフォロアーを生んだ点においては十分に評価されるべきものである。~
//相変わらず「○○同様の難易度」と、関係ないジャンルのゲームを参考に持ってくるな!

*家庭用移植
-唯一セガサターンに前作『タワーオブドゥーム』とのカップリング作、『D&Dコレクション』として移植されている。~
拡張4MRAMカートリッジ専用ソフト(『SOM』のみ)ではあるのだが……
--最大同時プレイ人数が4人から2人に減った(ハードの性能上仕方ない面もあるが)。
--画面サイズ・レイアウトが違う。
---このためAC版では回避できた罠や攻撃が一部避けられなくなっている。
--あるボスの攻撃で、本来スクロールする画面がドワーフ、エルフ、シーフのみスクロールしない。このため普通に回避できた攻撃が、アイテム・魔法使用の無敵時間やメガクラッシュを使わないと回避困難になってしまっている。
--一部の魔法の効果が下方修正されている。
-など、サターン移植のカプコンゲーとしては珍しく移植度の低い作品となってしまっている。
--カップリング作の前作『TOD』はさらに移植度が低く、劣化移植といっていい出来になってしまっているので、それに比べればまだマシではあるが。


*余談、その後
-本作の次に製作された「バトルサーキット」は現時点でのカプコン製ベルトスクロールACTゲーム最終作品なのだが、既存のベルトスクロールACTゲームのオマージュだけで構成されているに等しい内容((攻撃やシステムはほぼ全て過去作品のものであり、新要素がほとんど無かった。))であり、「卒業製作」と呼ぶべき悲壮感溢れる内容にファンは涙した。ただしゲーム自体はよくまとまっている良作。
-IGS(台湾のゲーム会社)のベルトスクロールACTゲーム全般((「三国戦紀」シリーズ、「オリエンタルレジェンド」など。))はもれなくこの作品に影響されたような作り。完成度の高さと異様なハードルの高さを維持し、毎度毎度客を豪快に選ぶ作品群でオペレーターもプレイヤーも困らせ続けている。