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機動戦士ガンダム Target in Sight - (2016/08/11 (木) 20:40:22) のソース

*機動戦士ガンダム Target in Sight
【きどうせんしがんだむ たーげっといんさいと】
|ジャンル|アクション・シューティング|&amazon(B0009RQKSU,image);|
|対応機種|プレイステーション3|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|ベック|~|
|発売日|2006年11月11日|~|
|定価|6,980円(税別)|~|
|廉価版|PLAYSTATION3 the Best&br;2008年3月19日/3,800円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|PS3を活かしたリアルな重力戦線&br;部位破損で状況は良くも悪くも揺れ動く&br;徹底的に史実路線|~|
|>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>ガンダムシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-PS3と同時に販売された宇宙世紀0079「一年戦争」をリアルタイムムービーで体感できる作品。

**特徴
-''再現された重力戦線''
--戦場は地球、遊撃部隊の隊長となり基地や山岳地帯など様々な場所で任務をこなしていく。
---地球連邦軍にMSの配備が本格化した宇宙世紀0079年10月3日からゲームが始まる。
---公式の時系列では10月3日はブルーディスティニー1号機が完成した日であり、10月4日はガルマが戦死した日となっているので、本格的な反攻作戦のはじまった日と見るべきか。
--オーストラリアではコロニー落としによる残骸が突き刺さっていたり、ワールドマップに大穴が開いている。
 
-''戦闘、部隊システム''
--戦闘では機体が部位ごとに破損していく、例えば手が破壊されれば持っていた武器も使えなくなる。
--破損部位は日数が経過すると修復される。あえて部位破損したまま無理やり出撃する事も可能。
--モビルスーツ、パイロットは任務報酬のポイントを使う事で要請していく。機体改造も可能。
---はじめはジムやザクしかないが、月日が進むにつれて高性能な機体がリストに追加されていくようになる。
---ただし、特定の期日までにある程度戦果をあげて(ミッションをクリアして階級を上げて)いないといけない。やはりエースへの道は厳しい。
--ロックオンで敵に狙いを絞って攻撃するのはもちろん、どの機体でもスナイプモードが搭載されていて、簡易的な狙撃が可能。
--最大3機で部隊を組み、出撃。十字キーで指示を出す事で簡単な指揮も取れる。~
 
--画面を二分割する事で2人で対戦する「VS MODE」もあり、機体解放さえすれば改造段階や装備は自由に操作可能。
 
**評価点
-''ガンダムゲー随一のリアルな描写''
--建物の崩壊やちぎれる部位等他のガンダムゲーには無いリアルな要素が非常に多い。
--歩き方も機械的で、動作もプログラムのような決められたモーションを行うだけとなっている。
--右腕を部位破損したときは、盾を捨てて壊れてない左手で武器を構えるような複雑なモーションも行える。
---ボタンごとに武器が割り当てられているため&bold(){同時打ちも可能}で、&bold(){08小隊でおなじみの「倍返しだぁーっ!!」を本当にやることができる。}これを可能にしたゲームは現在でもこの作品をおいて他には存在しない。
--スラスターの青い炎や、ロックオンする際にはカメラアイが発光したりと細かい点でも力が入っている。
--時には天候が荒れて霧や砂煙が発生したり、散布されたミノフスキー粒子((レーダーなどの電子機器を無効化する粒子。))で敵機が探しにくい事も。
 
-''マニアックなモビルスーツを取り揃えたラインナップ''
--ジオンの水陸両用機、通称水泳部はもちろん、モビルスーツでは無い為冷遇されがちなタンクタイプといったマニアックな機体も収録されている。
--自分で操縦はできないが重力戦線らしい戦闘ヘリや戦車も登場、素早い動きをする航空機は脅威。
--機体改造ではショットガンを持ったドムや、マシンガンを装備したガンキャノンといった原作には無い組み合わせの機体を使う事ができる。
--各地形に合わせたセッティングも可能、性能とカラーリングが大きく変わるのでなかなかユニーク。
--パイロットはアムロと言った有名所からMSV、0083のような外伝からも多数参戦している。~

-''良質なBGM''
--本作は緊張感や壮大さに溢れたBGMが多く。後のガンダムゲームに流用された楽曲も多い。
--またブリーフィング画面のBGMは月によって変わる仕様であり、11月には勇ましいBGMが流れるが終戦が近づく12月になると悲しげなBGMへと変化する。

-''救済措置''
--難易度が四段階に別れていて、低難易度では敵の装備や動きが弱体化、最強のモビルスーツも早い内から解禁される。
--一部のミッション以外は期日が設定されており、クリアせずとも日数さえ経過すれば消滅するので、どうしてもクリアできない場合は無視できる。
--デメリット無しで何度でもミッションの初めからリトライ、撃破された場合はコンティニューもしくはブリーフィングに戻る事が可能。

**賛否両論点
-''ガンダムゲーの中でもかなりハードな演出面''
--本作はアーマードコアシリーズのように人物の顔は表示されずボイスのみ。
--また他のガンダム作品ではよくある美人なオペレーターや仲の良い同僚や何度も刃を交える事となる敵エースパイロットという要素は''一切存在しない。''
--よくも悪くもただ黙々と任務をこなしていくだけである。
--これをつまらない、盛り上がりに欠けると感じるかこの方がゲームの雰囲気に合っていると感じるかは分かれてくるだろう。
--また音声設定はデフォルトでは英語となっている。勿論オプションで日本語に変更可能であり日本語音声なら永井一郎氏によるナレーションを聞くことが出来る。

--ドムや水陸両用モビルスーツといった原作では強固な装甲を持っていた機体が、今作では防御力を低く設定されている。~
ドム''は''装甲以外に強力な点がある為、弱体化された物と思われるが、ここは原作再現ができていないとも言える。
--機動戦士ガンダム本編や他の外伝にはあまり絡まない。例えばオーストラリア近辺にもいるが、地球上での一大決戦作戦であるオデッサ作戦には参加できない。
---原作リスペクト要素はいくつか見受けられる。例えばザクⅡのセッティングを切り替える事でシャア専用機のようなカラーリングになる。

**問題点
-''調整不足故の高難易度''
--リアル志向で史実に沿っている為か、連邦編と比べ軍備で劣っていたジオン編があまりにも難しい。
--連邦軍の機体は大抵副武装として航空機迎撃や火力の底上げがしやすいバルカン砲が搭載。強力なビーム兵器も多くの機体が装備できる。
--対してジオン軍は水泳部を初めとした癖の強い機体が多く、優秀な副武装持ちは非常に少ない。
--ジオン編のミッションは序盤から大量の敵が配備された基地に乗り込む作戦や、格上の護衛が囲む砲撃機体3機を''単騎''で殲滅する等、無謀すぎる物も多い。
--他にも手足がすぐちぎれてしまう事や、部位をほぼ確実に破壊してくるビーム、バズーカ持ちの敵がいやらしい位置に出現したりとゲームの難易度は全体的に高い。
--航空機が相手の場合に射撃武器が使えない、もしくは弾速が遅いと当たらず本当に何も出来ない。部位破壊され武器を落とす事も多く陥りがち。
--距離が離れると敵の発砲音が一切聞こえない。リアル故なのかもしれないが、無音で攻撃が飛んでくるのはどうにかならなかったのか。

-''かなり弱い水陸両用モビルスーツ''
--原作では水中戦で敵機を凌駕していたジオン軍の水陸両用機、通称「水泳部」が非常に弱い。
--コックピットのある胸部だけでは無く頭部を破壊された時点で撃墜となる。[[水泳部だけ擬似ガンダムファイト状態。>機動武闘伝Gガンダム]]
---頭部と胸が一体化しているズゴックやハイゴッグはわかるが、胸にコックピットがあるはずのアッガイも巻き添えを受けている。
--装甲がかなり薄い上、機体の大きさがそのまま再現されている為にヒットボックスが大きい。
---他のモビルスーツなら耐えたり、避けられる攻撃でも大ダメージになりうる。[[後に同じ問題を抱えたゲームも存在する。>機動戦士ガンダムオンライン]]
--通常のモビルスーツが水に浸かると機動力が落ちるが、水中用セッティングを施す事で''どの機体も克服できてしまう。''
---そもそも水中戦自体も殆ど無いし、中盤からは完全に消滅してしまう。
--特に酷いのはゴッグ。原作では強固な装甲にメガ粒子砲を売りとした機体だったが…
---フタを開けてみると射撃武器が胸に付いているので歩きながら撃てないわ、ガードしたら腕がすぐもげる欠陥機に。

-''役に立たない僚機''
--僚機は頭が悪く、とことん役に立たない。攻撃頻度も少なく、放っておくと敵を追いかけて前線に飛び出し撃破される。
---もちろん撃破されたら機体は長い間修理行き。これでは使い潰される為にパイロットを載せているような物である。
--障害物が認識できない。壊せない、乗り越えられない巨大な壁とぶつかった場合は完全に動かなくなる。
---対策として僚機は壁ごしにロックオンが可能という斜め上の対策が取られている。((これが原因で壁の向こうの敵に対して撃ちまくる事も))
--敵機や自機が使えるブースターでの高速移動を何故か行わない。常に徒歩で移動するので、とにかく遅い。
--さらにはこの僚機、原作キャラクターを乗せる事もできるがそれでも動きは残念なまま。せめて敵と同じぐらいの動きはできなかったのだろうか?
---この為殆どの戦闘がプレイヤー対敵多数となっており、後の[[機動戦士ガンダム戦記]]を思わせる。
 
-''システム面の問題''
--機体の性能を変更する「セッティング」が存在するが、殆どが局地に特化したカスタマイズとなっている。
---ストーリーが進むごとに戦場も変わっていくので、序盤でしか行けないエリアのセッティングは後半では無意味となる。
--操作のチュートリアルが無い。訓練モードも特定のミッションをクリアするまで解放されない。
---連邦編では最初に訓練のような物があるが、申し訳程度。ジオン編ではゲーム開始後すぐに実戦へと投入される。
--処理落ちが最後まで付きまとう。モビルスーツが6機程出現したり、海が表示されると若干重い。((これを利用して処理落ちが軽くなるとミッション終了を感知できる。))~
動作が軽いミッションは航空機しか出ないミッションのようなほぼモビルスーツが出ない物のみと物悲しい。
--僚機に対して最初に使える指揮が''「その場で待機」''と''「プレイヤーに追従」''のみ。犬同然である。~
階級が上がるごとに「集合」「散開」も追加されるが''こんな簡単な命令の権限すら最初から持ち合わせていない隊長ってどうなんだ。''~
最終的にようやく味方を本格的に攻撃に参加させる「一斉射撃」「一斉攻撃」が追加。せめてこれが最初から解放されていたら僚機も使い道があったのだが。
--味方にどんな指示を出したかわかりにくい。指示を出しても返答などはなく、突然動き出すだけ。
--特定のミッションで酷い音割れが発生する。治すにはゲームを再起動するしか無い。
--ダッシュ切りと高速移動の使い方が取扱説明書に載っていない。


 
**総評
戦闘面では一騎当千の活躍はできず、集中砲火を喰らえばすぐ撃墜の厳しいゲームバランスのガンダムゲーは他に無い。しかしそれが本ゲームをよりリアルに際立たせる。~
画質面では、リアルタイムムービーで織り成される美麗かつも汚れを帯びたモビルスーツは他のゲームには無い。~
PS3初期の作品だけあって粗も多いとはいえ、ガンダムゲーとしては十分遊べるタイトルであろう。
 
**余談
-取扱説明書には、没にされたであろうコックピット視点らしき画像が写っている。
-公式サイトに、搭乗できる機体と使用可能な装備が包み隠さず全て載っている。もちろんネタバレなので閲覧注意。

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