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バトルスタジアムD.O.N - (2017/06/07 (水) 08:34:25) のソース

*バトルスタジアムD.O.N
【ばとるすたじあむ でぃーおーえぬ】
|ジャンル|対戦アクションゲーム|&amazon(B000FJ56FU)|&amazon(B000FY7JUU)|
|対応機種|プレイステーション2&br;ニンテンドーゲームキューブ|~|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|~|
|開発元|エイティング|~|~|
|発売日|2006年7月20日|~|~|
|定価|7,140円(税5%込) |~|~|
|プレイ人数|1~4人|~|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント|劣化スマブラとしか言いようのない出来&br;相変わらずの鳥山明優遇&br;それなりに爽快感はある|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[少年ジャンプシリーズリンク>少年ジャンプシリーズ]]''&br;''[[ドラゴンボールシリーズ]]''&br;''[[ONE PIECEシリーズ]]''|

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#contents(fromhere)
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**概要
週刊少年ジャンプを代表するバトル漫画三本、『DRAGONBALL Z』『ONE PIECE』『NARUTO』が一堂に会した対戦格闘ゲーム。~
コンセプト的にはジャンプ版『[[大乱闘スマッシュブラザーズ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』と言えるだろうか(コンセプトだけでなく後述するが操作や一部演出も似通っている)。

#region(参戦作品・登場キャラ)
-DRAGON BALLZ
--孫悟空  
--孫悟飯(少年期)
--ピッコロ
--ベジータ 
--トランクス 
--フリーザ 
--セル 
--魔人ブウ 
-ONE PIECE
--モンキー・D・ルフィ 
--ロロノア・ゾロ
--サンジ 
--トニートニー・チョッパー 
--ナミ 
--ウソップ 
-NARUTO -ナルト-
--うずまきナルト
--うちはサスケ 
--春野サクラ 
--はたけカカシ 
--我愛羅 
--ロック・リー
#endregion()

**システム
-基本システムはオーソドックスな2Dアクションである。
--使える技に「通常攻撃」と「必殺技」があり、それぞれ方向キーとの組み合わせで何種類かに派生する、というシステムはスマブラと全く同じである。
---システム的に異なるのは必殺技に「技ゲージ」というゲージを使用すること。もちろんなくなると必殺技は使えなくなる。
---また、技ゲージが一定量以上ある場合は各キャラ最大の大技である「超必殺技」が使える。

-最大の特徴と言えるのが、ライフゲージの仕様。
--各キャラクターにライフがあるのは普通の格ゲーと同じだが、ダメージを受けたプレイヤーのライフはアイテムとなってフィールド上に飛び散る。このライフを回収することで自分のライフが回復する……つまり、「ダメージを与えることで自分のライフを回復させる」という異色のシステムとなっている。
---直接攻撃だと一定量を必ず攻撃したプレイヤーが得ることになるが、転落したりステージギミックでダメージを受けた場合はその全てがフィールド上に残ることになるため、これの奪い合いも戦略となる。
--体力がゼロになったキャラも負けとはならずそのまま動ける。ただし、特定のプレイヤー以外の全員の体力がゼロになったらその時点でKO勝ちとなり試合終了(つまりタイマンでは先に体力が尽きた方の負けである)。
---それ以外の場合は制限時間(デフォルトで3分)が経過した時点での体力残量が最大のプレイヤーの勝ちである。

-ライフゲージが一定量を越えると「バーストモード」になり、攻撃力がアップし必殺技の攻撃範囲が広がったりして強化される。
--制限時間はなく、相手からダメージを受けてライフが一定量を下回るまではバーストしたままでいられる。
--ライフが大幅に減少したキャラがバーストしたキャラに必殺技を当てると「リバースアタック」となり、バーストしたキャラからライフを大量に奪うことができる。

-リングアウトした時の演出はスマブラと非常によく似ている(光の柱が落下地点から立ち上る演出)。
--リングアウトすると、ライフの一定量をステージにばら撒いた後、任意のポイントに攻撃判定を伴って復帰することができる。

-その他、フィールド上にアイテムが降って来ることなどはスマブラと同じ。攻撃系アイテムは手に持つことで通常攻撃が変化することも同じである。

**問題点
-隠し要素解放の仕様。本作を語る上で大抵真っ先にやり玉に挙げられる問題点。本作は初期12キャラしかおらず、隠しキャラが8人存在するのだがこの解放が''完全に運ゲー''。
--シングルプレイモードである「ひとりでバトスタ」をプレイすると、プレイヤーは様々な「ミッション」を''ランダムで''指示される。クリアすると後述のスロットで使えるコインがもらえる。
---まずこのミッション自体内容が理不尽の塊。ミッションは難易度で三段階に区別されており、もちろん高難易度のものほどクリアした時もらえるコインは多い。簡単なものは「KO勝利しろ」「ガードを使うな」と比較的楽なのだが、高難易度だと「60秒以上しゃがめ」という試合時間中ほぼずっとしゃがんでいなければまず達成困難なものや、ジャンプだけでなく吹っ飛ばし技を食らってもアウトな「地面から離れるな」など面倒なものが多い。「リバースアタックを決めろ」や「攻撃相殺しろ」に至ってはほぼ完全にAIの気まぐれ依存である。
---さらにミッションは試合開始時にしか提示されず、これを見逃すと以降どうやっても確認不可。さらに、そのミッションをどれだけ達成できているかも体感でしかわからない。「100回ジャンプしろ」など、「これぐらいで十分だろう」と思ったら97回だったりすることもザラなのでこの仕様は非常に痛い。~
総じて言うと、ミッションそのものが''単に面倒なだけで試合を盛り上げるものには全くなっていない''。
--そしてクリアするかゲームオーバーになると、獲得したコインを使ってスロットをプレイできる。
---スロットの絵柄を揃えてもらえるのは基本的に「ハチャチケ」(後述)のみ。まずはこのスロットから「ジャンプマーク」を揃えることから始まる。~
ジャンプマークを揃えると「ボーナスゲーム」に突入。このボーナスゲームで「?」マークを揃えることでようやく新キャラにお目にかかれるのだが、''ここにも罠が''。~
「?」マークには3種類あり、ボーナスゲームを始めるか「?」を揃えるごとに別の種類に入れ替わる。「?」の内訳は「隠しキャラ」「隠しステージ」「''レアハチャチケ''」の3種。~
隠しキャラ、隠しステージ目当てでもレアハチャチケしか回っていないことはザラにある。
---一応スロット自体は目押し可能な範疇だが、だからと言って面倒さが薄れるわけではない。普通に「ひとりでバトスタをクリアしたら解放」で良かったのでは?
--根本的な問題として、''隠しキャラと言ってもオープニングに平然と出ている上ひとりでバトスタモードでは普通に乱入してくる''ため、目新しさは全くない。頑張って出しても、あまり新鮮味はない。

-キャラクター選出の疑問点。
--キャラゲーとして見た場合、一部キャラクターの選出に明らかに不満が残る。
---最もよく言われるのが''ロビンがいない''こと。このゲーム発売時点での麦わらの一味メンバーでなぜか彼女だけが不参戦である。
---ワンピースキャラに関して言えば、初期キャラが「ルフィ、ゾロ、サンジ、チョッパー」という妙な面子であることもしばしば不満にあげられる。~
ナミとウソップが隠しキャラと言うワンピースのゲームとしてはまずありえない事態である。他作品も初期4キャラなので公平を期しているにしても、4人選ぶなら登場した順番で「ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ」辺りが妥当なところだろう。
--女性キャラが全くと言っていいほどいない、サクラとナミのみ。ドラゴンボールは戦える女性キャラが非常に少ないので仕方ないが、ヒナタや前述のようにロビンなどもう少し入れられるキャラはいただろうに。
--明らかなドラゴンボール優遇。ナルトとワンピースが各6キャラなのに対し、ドラゴンボールは''8キャラ''。さらにナルト、ワンピースは味方陣営からのみの参戦なのに、ドラゴンボールはフリーザ、セル、ブウと敵陣営からも参戦。~
またひとりでバトスタのボスキャラもセルorブウで固定であり、ここでもドラゴンボールが優遇されているように感じられる。
---バーストモードでの演出も、他作品のキャラはオーラを纏うだけなのに孫悟空や孫悟飯はキッチリスーパーサイヤ人に変身する特別待遇。ナルトが九尾になったりは一切しない。
--そもそもこの時代の格闘アクションで全20キャラというのもかなり少ない。「もう少し出せるキャラいただろう」と各作品のファンなら必ず思うところ。

-世界観やシナリオは全く存在しない。ラスボスは全員セルかブウ、エンディングも全員共通である。
--せっかくの共演作品なのだから、少しぐらい掛け合いなどがあっても良かったのではないだろう。

-ひとりでバトスタの試合内容は対戦場所や対戦相手など完全にランダム。さらにチーム戦などのイレギュラーもない。

-サクラは「内なるサクラ」を自在に操る''スタンド使い''と化している。必殺・超必殺含めてすべてがこの「内なるサクラ」を使った技であり、医療忍術や体術などの原作要素がまるでない。キャラクターとしては個性的で動かしていてなかなか楽しいのだが。

-プラクティスモードはあるが、敵のデフォルト状態がなぜか「オート」になっており勝手に殴りかかってくる。もちろんオプションから動きは止められるが、プラクティスなのにそれはどうなのだろう。

-バトルシステムが練り込み不足。
--明らかに理不尽なのがバーストモード。''有利なプレイヤーをより有利にしているだけ''。タイマンなら、バーストモードになった時点で相手は瀕死なのでそこから2、3発殴ればあっという間にKOである。
---リバースアタックも狙って当てるのは難しく、初心者救済には全くなっていない。パーティーゲームを謳いながらそれはどうなのだろう。
---チーム制ではチームメンバー全員が体力を共有する関係上、''チーム全員が一斉にバーストする''。こうなったらあとはリンチである。
--体力が尽きたキャラの復帰が早すぎる。もっと言うと、''KO勝ちが確定する状況でない限り体力がゼロになるリスクが皆無''。他3人の体力をほとんど奪っておきながら、全員同時に倒せないばかりに時間ばかりがかかるという状況が特に対CPU戦でよく起きる。

-ステージは「全くギミックがない無個性なもの」か「ギミック過剰で逆にストレスを感じるもの」の両極端。ステージ総数も11ステージと多くない。
--何のギミックもなく、広さと足場の数だけで差別化されているステージが多い。天下一武道会会場は両端に落ちると電撃のお仕置きがあるが、これも地味。
--逆に後者は「異様な高速で上下スクロールする上、どちらの向きにスクロールするかが頻繁に切り替わる」ジャイアントジャック、「一定速度だがやはりスクロールし、大ダメージ確定の噛み付き攻撃を正確に放つ大蛇や高速で飛来するので回避困難な丸太が頻繁に飛んでくる」死の森が非常に面倒なステージになっている。
---ジャイアントジャックは終始スクロールに振り回され続けるため、まともな試合展開が困難な格ゲー屈指のクソステージと名高い。

-様々なルールをバトルに付与できるシステム「ハチャチケ」がお粗末極まりない。
--「ハチャチケを使って君だけのオリジナルルールでバトルを楽しめ!」が売り文句だが、「常時巨大化」「全員和道一文字所持」などの特殊ルールに「制限時間設定」「サドンデス」など明らかにオプションで設定すべきような項目が平然と紛れ込んでいる。
--そもそも「チケット」ということでわかるように、''消耗品''である。ルールを設定するだけでアイテムを消費するということでレアなチケットはなかなか使いにくい。逆に低レアのチケットは隠しキャラ解放の副産物で腐るほど手に入るが、余りまくっても特に使い道はない。
--一度バトルを終える度にチケット選択画面に戻され、一からルールを設定し直すことになる。非常に面倒。
--実は「オートセーブをオンにしてメインメニューに戻る」操作をしない限りセーブはされないため、オートセーブをオフにしておき、バトルを一通り終えたらロードし直すことでチケットの枚数制限などあってないものにできる。''こんな簡単な穴にすら気づいていなかったのだろうか''。

-AIがあまり強くない。最強のVERY HARDにしても手ぬるい。
--ただし、ラスボスであるブウに関しては異様な巨体からのリーチ・こちらの数コンボを一撃で取り返すバ火力・絶望すら感じる耐久力とAI以外の面で優遇されており結構手ごわい。

**評価点
-人気の高い3作品が一堂に会し、アニメ同様の声優で喋る。
--キャラゲーとしてはこれだけでOKという声もあるだろう。それだけに掛け合いなどがないのが本当に残念だが…。

-簡単操作も相まって爽快感は高い。とりあえず何も考えず無心にプレイする分にはそれなりに楽しい。
--システムが根本的に破綻しているわけではなく、バーストモードで一気呵成に攻めたてる快感は十分。
--パーティーゲームとしてはいずれも有名作品からの参戦ということもあり、盛り上がることは間違いないだろう。逆に一人でやり込むとなると底の浅さも見えてくるが。

-ハチャチケは上手く使えばカオスな戦いも創出できる。
--「スクロール速度アップ」に「重力倍」を付けてジャイアントジャックをプレイしたりすると、あまりの理不尽さに逆に笑えるレベル。

**総評
本作以前に発売された[[JUMP SUPER STARS>JUMP SUPER STARS / JUMP ULTIMATE STARS]]とは別アプローチのジャンプ版スマブラ。~
ただキャラゲーとしても対戦格闘としてもどうにも練り込みが足りない印象はぬぐえない。~
誰でもお手軽にそこそこ楽しめる出来ではあるが、クソゲーに近い評価も散見される。

**余談
-「GC・PS2同時発売のスマブラっぽいゲーム」こと[[ドリームミックスTV ワールドファイターズ]]のタカラトミーが開発に関わっている(メインではないようだが)。
--「ライフを奪い合う」というシステムが酷似している。どれだけタカラトミーがシステム面に口を出したかは不明であるが。

-GC版はGC最後の店頭販売ソフトとなった。