*ぷよぷよクロニクル 【ぷよぷよくろにくる】 |ジャンル|アクションパズルRPG|CENTER:&amazon(B01KL1UYO4)&br;&amazon(B01KL1UYTY)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売元|セガ・ゲームス|~| |発売日|2016年12月8日|~| |定価|通常版:5,490円&br;限定版:9,490円&br;(いずれも税別)|~| |プレイ人数|1人(オンライン2~4人)|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[魔導物語・ぷよぷよシリーズ関連作品リンク>魔導物語・ぷよぷよシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『ぷよぷよ』シリーズ25周年の記念作品。 -クロニクルという名前の通り、本作のメインとなるのはRPGモードで、3Dモデル化されたキャラクターを操作して異世界を冒険することとなる。 --異世界、ということで『[[フィーバー>ぷよぷよフィーバー]]』や『[[7>ぷよぷよ7]]』とも異なる世界という設定である。 -『[[15th>ぷよぷよ! Puyopuyo 15th Anniversary]]』や『[[20th>ぷよぷよ!! Puyopuyo 20th Anniversary]]』と同様にバリエーション豊富なルールで対戦することも可能。 -近作のコンシューマー版ぷよぷよシリーズにしては珍しく3DSのみの展開となっている。 -コンシューマー版ぷよぷよシリーズとしてははじめての有料DLCが登場する。 **新要素 ''RPGモード'' -本作のタイトルからも想定される通り、本作のメインモードである。 --アルルを主人公とし、絵本の異世界に取り込まれたところから物語は始まる。 -アルルを操作し、一般的なRPGのようにクエストをクリアしながら世界を冒険することになる。 --クリアに必須ではないサブクエストも存在する。 -RPGということでモンスターも存在する。モンスターと接触すると「スキルバトル」という本作の新ルールに基づいて戦闘を行うことになる。 --戦闘に勝利すると経験値やお金を入手することが出来る。 ''スキルバトル'' -本作の新ルールであり、RPGモードにおける戦闘で利用される。ぷよぷよを用いた戦闘の方式と言えば良いだろう。 --ちなみに2人対戦でこのルールで勝負することも可能。 -キャラクターを3人でチームを組んで戦う。このキャラクターによってHPやMPが設定され、HPが0になると負けである。 --HPは「自分のフィールドの×印のところまでぷよが積み上がる」か「おじゃまぷよが降ってくる」と減少する。ぷよが積み上がってもHPが残っていればフィールドがリセットされるのみで敗北にはならない。 --MPを消費することでキャラクター毎に設定されたスキルを利用することが出来る。スキルを利用することでぷよを変化させたり、HPを回復したりといった特殊な効果が発動する。 ---スキルはぷよが落下しているときでも利用出来、即時に発動する。スキルを発動したことでぷよが4つ並んだ場合は、現在落下中のぷよを置いた時点で消える。 -ぷよぷよカードという装備アイテムが存在し、装備することでHPや攻撃力などのパラメータを増やすことが出来る。 -RPGであるためレベルの概念があり、経験値を一定量獲得することでレベルが上がり、パラメータが増える。 -RPGモードの場合は、敵は一定時間毎に攻撃を行い、こちらのフィールドにおじゃまぷよを降らせてくる。 ''採用されているルール'' -「[[ぷよぷよ]]」「[[通>ぷよぷよ通]]」「[[SUN>ぷよぷよSUN]]」「フィーバー」「なぞぷよ」といった旧作でおなじみのルールと『15th』『20th』から「でかぷよラッシュ」「ブロック」「ちびぷよはっくつ」「よんてさき」「アクティブ」「カルテット」「はっくつ」「こおりづけ」「だいかいてん」「でかぷよ」「ずっとフィーバー」のルールが『[[ぷよテト>ぷよぷよテトリス]]』から「ビッグバン」のルール、そして、上述の通り、「スキルバトル」のルールが収録されており、全部で18種類。 --『15th』にあって『20th』になかったルールは収録されておらず、『20th』からは「ちびぷよフィーバー」「とっぷう」「スロット」「クロスかいてん」「ペアでぷよぷよ」が削除されている。 --『20th』同様に『7』の「だいへんしん」ルールは採用されていない。 ''登場するキャラクター'' -初代『ぷよぷよ』シリーズ:アルル、カーバンクル、ルルー、シェゾ、すけとうだら、ドラコケンタウロス、ウィッチ、サタン --上記に加え、スキルバトル限定のキャラクターとしてセリリ、ハーピー、ラグナス -『フィーバー』シリーズ:アミティ、ラフィーナ、シグ、リデル、クルーク、ユウちゃん&レイくん、さかな王子、レムレス、フェーリ、アコール先生&ポポイ --上記に加え、スキルバトル限定のキャラクターとしておにおん、どんぐりガエル -『7』:りんご、まぐろ、りすくませんぱい、エコロ -これらに加えて新キャラとしてアリィと隠しキャラクターが存在する。 **評価点 ***キャラクターが可愛い -旧作までと異なり、キャラクターが3Dで描かれるようになり、過去シリーズをプレイした人からは違和感があるとの声も聞かれるが概ね好評である。 --3Dで描かれたキャラの演出での動きも綺麗に表現されている。 ***ハンデ設定のハンデ内容が分かりやすくなった -対戦時のハンデ設定では、ハンデ内容(激甘~激辛)による変化が具体的に表示されるようになり、分かりやすくなった。 -また、ハンデ設定によってCPUのレベルを変化させることが可能となった(難易度を上げるとCPUのレベルも上がる)。 --『20th』のようにオプションによる難易度の設定はなくなっている。 ***その他の評価点 -対戦時にカスタマイズしたルールが保存されるようになったため、毎回カスタマイズする必要がなくなった。 -必要な勝利数を最大100にすることが出来る。 **問題点 ***RPGモードに関する問題点 -本作のメインであるRPGモードであるが、これが本作の最大の問題点となっている。 -フィールドは広めであるが、仕掛けは単調である。「進路が妨害されているので行けない場所がある」→「スイッチを押して進路を確保する」を繰り返していく形といえる。 -RPGモードの戦闘では敵は一定時間毎におじゃまぷよを送ってくるが、敵は同時に3体まで出てくることがあり、速攻を仕掛けないと、すぐに邪魔をされることになる。 --結果としてゆっくり大連鎖を組むことはまず出来ない。最初から連鎖の種が積まれているのでそれに少し上乗せが出来る程度である。 -ザコ敵はそれほど強くないとはいえ、テンポはそれほどよくない。 --初心者でもレベルを上げて消し続けていれば勝てるバランスであるのは良いのだが、ぷよぷよそのものの練習になるのか、というと微妙なところ。 -たくさんの個性的なキャラクターが存在するシリーズであるが、主要なキャラクターを除くとほとんど会話なども存在しない。 -ストーリーもよく言えばぷよぷよらしいノリであるのだが、『ぷよテト』でも問題となっていたりんご優遇の流れは本作でも続いている。 --特に本作はアルルが主人公であると明言されているのでこの扱いについては特に旧作のファンからは批判が多い。 -キャラクターの解放には本モードのプレイが必要なので、避けて通れない部分もある。単純にパズルゲームとしてのぷよぷよを楽しみたい人にとっては面倒であろう。 ***スキルバトルに関する問題点 -本作の唯一の新ルールであるスキルバトルであるが、このルールはRPGモードか、''2人対戦限定''でしかプレイ出来ない。 --ここでいう2人対戦限定とは「ひとりでぷよぷよ」でCPUと対戦することが出来ないという意味である。 --RPGモードでは特殊ルール(敵側は定期的にこちらにダメージを与えてくるのみ)であるため、CPU相手に練習をするといったことは出来ない。 -スキルバトルでのみ使えるキャラクターが5キャラいる。 --『15th』『20th』で使えなかったセリリ、ハーピー、ラグナスが久しぶりの復活となったが、これらのキャラクターはスキルバトル限定である。 ***『20th』と比べ劣化した点 -選べるルールは18種類(内1つはスキルバトル)であり、『20th』の21種類と比べると減少している上、スキルバトル以外の完全新規のルールはない。 --『20th』にないルールは「スキルバトル」と「ビッグバン」のみ。「ビッグバン」はルールそのものは「ずっとフィーバー」のアレンジであり、それほどの新鮮味はなく、『ぷよテト』からの収録でもある。 -キャラクターは24キャラ(スキルバトル限定を除く)で『20th』と一緒だが、デザイン違いが6キャラ存在した『20th』と比べると実質は減少といえる。 --ただ、『20th』でもぷよの落下パターンなどはデザイン違いでも共通であったため、パターン数が減っているわけではない。 -自由にぷよを配置して練習することが出来る「れんしゅうノート」が廃止された。 -8人対戦(ワイヤレス対戦限定)が廃止された。 ***その他細かい問題点 -追加ルールや追加ボイスなどは『20th』と同様対戦で獲得できるポイントを集めて購入出来るが、RPGモードでは一切貯まらない。 --『20th』ではストーリーモードでもポイントを貯められた。 **総評 25周年記念作品として、RPGモードをウリとして出された作品であるが、当のRPGモードが本作の評価の足を引っ張ってしまっている。~ そもそも、ぷよぷよにRPGモードを求めているぷよラーがどれだけいるのか((確かに、ぷよぷよの元となった魔導物語はRPGだが))、という点も疑問で、仮にRPG部分がもっと作り込まれていたとしても評価が高くなったかは微妙なところ。~ 肝心の対戦部分については『20th』と比べ、ルールの減少は見受けられるものの、概ね問題点はない。~ 要するには、RPGモードを作る労力をルールの追加や『20th』までのようなストーリーモードにあてていれば良作となりえるポテンシャルは十分であり、需要を完全に見誤ってしまった作品といえる。