*ファイナルソルジャー 【ふぁいなるそるじゃー】 |ジャンル|縦シューティング|~| |対応機種|PCエンジン|~| |発売元|ハドソン|~| |開発元|ナウプロダクション|~| |発売日|1991年7月5日|~| |価格|6,500円|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2007年4月3日/600Wiiポイント&br()【WiiU】2014年8月27日/617円|~| |>|>|CENTER:''[[キャラバンシューティングシリーズ]]''| **概要 -1984年にファミコンにて発売された『スターフォース』から始まり、『スターソルジャー(86年)』『ヘクター'87(87年、ここまでFCソフト)』『ガンヘッド(89年、ここからPCEソフト)』『スーパースターソルシャー(90年)』に次ぐ、1991年にPCエンジンにてリリースされたキャラバンシューティングシリーズの一角。 -PCEにおけるキャラバンシューティングは各作共に開発元がばらばらであるが、本作の開発は当時のハドソンなどのPCEソフト開発を手掛ける機会が多かったナウプロダクションが担当している。 --ちなみに各ソフトの開発元は、『ガンヘッド』はコンパイル、『スーパースターソルジャー』『スターパロジャー』は金子製作所/インターステイト、『ソルジャーブレイド』はハドソン内製となっている。 //作りの当たり外れが激しい微妙なメーカーとして複雑な位置に属しているが、本作もまた、主にシリーズファン層から幾らかの批判を受けてしまう事に。 //カタログ向けの概要に変更している為、批判的な文章はCOしました。ちなみに元のこの記事(クソゲーwiki時代)の執筆を行ったのはこれを追筆している筆者自身です。 -一人プレイ専用、メインモードは全7ステージ構造で三段階の難易度調整が可能。それに加え、2分間ステージと5分間ステージのキャラバンモードも搭載されている。 **主なルール -ゲーム開始前に「SET UP」という項目にて自機のショット性能や難易度設定をカスタマイズできる。以下その項目の詳細。但し、どの項目も反映されるのはメインモードのみでキャラバンモードには反映されない。 --「LASER」…青アイテムのショットを「SPEAR」「SHORT」「BUBBLE」の3種類から選べる。 --「E-BEAM」…緑アイテムのショットを「U-SHOT」「WIPER」「SPIN」の3種類から選べる。 --「FIRE」…黄アイテムのショットを「FLARE」「BURNER」「SOL」の3種類から選べる。 --「MISSILE」…サブショットであるミサイルを「FRONT」「HOMING」「BACK」の3種類から選べる。 --「LEVEL」…ゲームの難易度を「NORMAL」「HARD」「EXPERT」の3種類から選べる(NORMALが低難易度、HARDが中間、EXPERTが高難易度)。 -十字キーにて自機の八方向移動、メインとなるボタンは各自、ショットボタンとウェーブボタンに使用する。またSELECTボタンも使用対象となっている。 --ショットボタン押しっぱなしで、メインショットとサブショットであるミサイル、及び補助オプションのショットを同時に撃つ(オートショット)。ミサイルとオプションに関しては専用アイテム(下記)を取得しないと放つ事はできない。 --ウェーブボタンはオプションアイテム(下記)にて補助オプションを付けている状態限定で使用可能。ボタンを押せばオプションを1つ消費し、一定時間、自機の無敵化と画面全体に総攻撃を放つ特殊技「ウェーブ」が放てる。 --SELECTボタンにて自機の移動スピードを三段階にて調整が可能。また、ボタンを押す度に、自機後方に攻撃判定が発生するバックファイヤーにて敵にダメージを食らわせる事も可能。 -アイテムキャリアーや特殊ブロック(キャラバンモードのみ)を破壊すると専用アイテムを落とす。以下その詳細。 --「ショット系アイテム」…このアイテムを取得すれば、メインショットをそのアイテム専属の性能に切り替える。計4種類あり、同色のアイテムを取得すれば最大二段階までパワーアップできる(別色アイテム取得はショットが切り替わるだけでパワーアップしない)。青、緑、黄アイテムに関しては、SET UPにて設定されたショットが適応される。なお、キャラバンモードは赤アイテムしか出現しない。 ---「V」(赤)…バルカンショット。赤を主体としたショットで、種類は「VULCAN」のみ。 ---「L」(青)…レーザー。青を主体としたショットで、種類は「SPEAR」「SHORT」「BUBBLE」の3種類がある。 ---「E」(緑)…エナジービーム。青を主体としたショットで、種類は「U-SHOT」「WIPER」「SPIN」の3種類がある。 ---「F」(黄)…ファイヤー。黄を主体としたショットで、種類は「FLARE」「BURNER」「SOL」の3種類がある。 --「その他アイテム」 ---「M」…ミサイル。サブショットであるミサイルが撃てるようになる。種類は「FRONT」「HOMING」「BACK」の3種類がある(どれが適用されるかはSET UPの設定による)。キャラバンモードではこのアイテムは出現しない。 ---「オプション」…補助オプションを最大2体まで付けられる。キャラバンモードでは5分間ステージ限定で1個だけ出現する(2分間ステージでは一切出現しない)。 ---「クリスタル」…キャラバンモードのみに出現するアイテムで、特殊ブロックを破壊すると出現。スコアアップの効果。 -自機のショット、ミサイル、オプションに関する性能の以下詳細。 --「赤アイテム/バルカンショット」(メインショット) ---「VULCAN」…連射力、広範範囲共に優秀な万能バルカンで、パワーアップすれば最大前後6方向の攻撃が可能。プレイ初期、及びミス復活時は必ずこのショットでの開始となる。また、キャラバンモードにおいてもこのショット固定である。 --「青アイテム/レーザー」(メインショット) ---「SPEAR」…自機前方に太長いレーザーを放つ。 ---「SHORT」…自機前方に連射の効くレーザーを放つ。 ---「BUBBLE」…自機前方にバラバラにばら撒かれるバブル状のレーザーを放つ。パワーアップすれば後方にも放てる。 --「緑アイテム/エナジービーム」(メインショット) ---「U-SHOT」…自機前方に斜め二方向のエナジービームを放つ。パワーアップすれば後方斜め二方向にも放てる。 ---「WIPER」…自機前方にリング状のエナジービームを放つ。自機を左右移動させながらショットを撃てば、エナジービームがその方向へしなる動きをする。パワーアップすれば後方にも放てる。 ---「SPIN」…自機前方に攻撃範囲の広いバブル状エナジービームを放つ。パワーアップすれば後方にも放てる。 --「黄アイテム/ファイヤー」(メインショット) ---「FLARE」…自機前方周りに射程制限のあるファイヤーを放つ。パワーアップするとファイヤーがうねるような動きをする。 ---「BURNER」…自機前方に動きの鈍いファイヤーを放つ。パワーアップすれば前方斜めにも放てる。 ---「SOL」…自機前方に発射され、一定距離にて攻撃判定がその場に留まるファイヤーを放つ。 --「ミサイル」(サブショット) ---「FRONT」…自機前方にミサイルを同時4発放つ。 ---「HOMING」…自機周りの敵をホーミングするミサイルを同時4発放つ。 ---「BACK」…自機後方にミサイルを同時4発放つ。 --「オプション」(オプション)…自機周りに補助オプションを最大2つまでつ付ける。オプションは自機の動きに対してトレースするような感じで動き、自機と一緒に簡易なショットを放ってくれる。オプション自体は原則として無敵だが、オプションを食ってしまう敵((グラディウスシリーズでいうところのオプションハンターのような敵。そいつを倒すと食っていたオプションを落とし、それを取得すればオプションを再確保する事ができる。))が出現する場面がある。オプション取得時にてウェーブボタンを押すと、ウェーブが放てる代償としてオプションを1つ消費してしまう。 -残機制の途中復活ですべてなくなるとゲームオーバー。 --メインショットがパワーアップしている状態でダメージをもらうとパワーランクが1つ下がってしまい、初期パワー状態にてダメージでミスとなる。 --ミスすると復活時においては、いかなる状態であろうと、必ずバルカンショットの初期パワー状態に戻され、ミサイル、オプションが消滅してしまうペナルティがある。但し、オプションに関してはミスすると周囲にオプションアイテムがばら撒かれ、それを画面内に逃さずに取得すればオプションを再確保する事は可能。 -キャラバンモードの詳細。 --主なステージ内容は以下の通り。 ---「2分間ステージ」…制限時間2分間内にてどれだけのスコアを稼げるのかを競う。制限時間を越えると強制的にゲーム終了となる(このステージは必ず強制終了となる)。 ---「5分間ステージ」…上記同様制限時間5分間内でのスコアをを競う。もちろん制限時間を越えると終了となるが、制限時間を残したまま最後のボスを倒せば、残った時間分がスコアボーナスとして加算される他、残機数分もスコアボーナスが入る。 --出現するアイテムは「赤アイテム」「クリスタル」「オプション(5分間ステージ限定)」のみで、それ以外のアイテムは一切出現しない。 --ステージ中にポーズをかけても、制限時間が通常通り経過してしまうという仕様がある((おそらくはPCEのハード性能の問題だと思われる。))。もちろん、ただ損をするだけなので、ハイスコア狙いでポーズをかけるのは自殺行為以外の何者でもない。 --それ以外は大方は上記のルール通りなので割愛する。 -他詳しい事は[[バーチャルコンソールオフィシャルサイト>http://vc-pce.com/jpn/j/title/finalsoldier.html]]を参照の事。 **問題点、及び賛否の分かれそうな点 -メインモードにおける、ステージ道中の敵の間延び。まずこの辺が大きく批判されやすい要因となっている。 --主に「雑魚を片付ける⇒しばしの間⇒雑魚を(略)」というパターンが多く、やや展開が単調気味である。 --他のキャラバンシューにおいてはそういった間伸びが比較的少ない為、歴代シリーズの中でも本作の間の長さが気になるシリーズファンが多い傾向にある模様。 ---次回作『ソルジャーブレイド』ではその比較的少ない間伸びすらうまく演出に活用しているため、間伸びを気にさせにくい作りとなっている。 -キャラデザインが他シリーズと比べて格好悪い点が目立つのも批判材料になりやすいところ。 --二作前のキャラバンシューである『ガンヘッド』も自機デザインがかなり格好悪いと批判されやすかったが、本作においては敵デザインも格好悪いものが多い。『ソルジャーブレイド』のデザインが極めて硬派で格好いい外見であるが故に、本作におけるデザインの格好悪さがさらに目立つ結果になってしまった感がある。 --しかし、「これは''ダサかっこいいデザイン''」として評価する者もいる。要は好みの問題であるのだが、残念ながら本作のデザインのセンスの悪さは多くのプレイヤーから指摘されているのが現状である。 --あくまでも批判されやすいのはデザイン関係が主で、グラフィック自体はむしろ同期のPCEソフトの中でも丁寧な書き込みの部類に入る。よって、グラフィックが汚いと批判するのはお門違いといえる。 -SET UPで設定できる難易度選択の調整がかなり大雑把。明らかに水増しで難易度を増やした感が丸見えである。 --難易度が3つあるといっても、各レベルの違いは難易度に応じて敵の耐久度を上げ、敵弾スピードを早くしただけである。敵の種類や攻撃に差異があるような作り込みは一切なされていない。 --特にEXPERT(最難関)でプレイすると雑魚が硬すぎて破壊する事すらも困難に陥る程で、単に難しいというよりは、撃ちこぼした敵を逃がす(避ける)機会が多くなり、キャラバンシューの核である「撃つ楽しみ」が大幅にスポイルされやすい。ボスに至ってはほぼ確実に長期戦と化し、ステージクリアするのも辛くなってくる。 -ショットを敵に撃ち込んだり、破壊した時の効果音がやたらとショボい。とても硬いものに弾を当てているとは思えない。 -ステージ7(最終)の背景が紫をメインとしたビビッドな色使いで、プレイヤーの目にきついものがある。また、このステージの敵(ラスボス含む)のデザインが結構グロく、耐性のない人には少々気持ち悪く感じるかもしれない。 --ちなみに、他のキャラバンシューティングにおいても、グロデザインの敵はほとんどの作品に存在する。よって、本作だけが特別という訳ではない点は誤解なきように。 **評価点 -キャラバンモードの完成度が極めて高く、ハイスコアを目指したくなるやりがいを多く持つ。歴代のキャラバンシューティングに搭載されているキャラバンモードの中でも、本作の完成度は歴代最高の出来という声が多い。 --破壊可能弾稼ぎ(しかも残り時間ボーナスより点効率が高い)が可能なボスが前半の最後に登場するため「破壊可能弾での稼ぎ」と「後半での残り時間」とのトレードオフが重要な要素となっており、ハイスコアを伸ばすためのパターン構築が非常に熱かった。 --単純にシューティングとしてみても、ガンガンと敵などを破壊する爽快感に富み、初心者プレイヤーでも十分に入り込める楽しみを持っているのも評価に値するだろう。 -BGMのクオリティも高く、ゲームを盛り上げる事に一役買っている。透明色の強い音源を主体としたBGMで幻想的な雰囲気が強く、他のキャラバンシューティングとはまた一風違った楽曲が堪能できる。 --裏技でサウンドテストが可能。今のご時勢だと動画で気軽に聞く事も容易い。いい時代だ。[[参照>http://dic.nicovideo.jp/v/sm7916041]] -メインショット10種類、ミサイル3種類と、ショット関連の種類の多さは歴代シリーズの中でも最大級な部類に入る((参照までに比較すると、前作『スーパースターソルジャー』はメインショット4種類とサブショット2種類、次回作『ソルジャーブレイド』ではメインショット3種類のみ。))。 --とはいっても、必然的に使いやすいショットで固定されてしまいがちで、あまりゲームのバリエーション化には結びついていないのだが…。 **総評 -同時期にリリースされた他のキャラバンシューに比べると若干ガッカリ部分が目立つものの、別にシューティングとしての出来が壊滅的なわけでもなく、普通にプレイする分には特に不具合は無い。実際、一般シューターからの評判はそこそこ上々である。 --但し、メインモードにてEXPERTでプレイした場合の敵の硬さは大分酷いので、程よい硬さのであるNORMALでプレイするのが好ましい。しかし、NORMALだと少々難易度が緩く感じてしまうかもしれないが…。 -キャラバンステージの熱さは本物で、「こっちの方がメインモードではないのか?」と思える程である。 **その他 -キャラバンモードのみを収録したHuカードソフト『ファイナルソルシャー スペシャルバージョン』が存在する。これはキャラバン会場などで20000枚配布された非売品で、今現在はプレミアが付き入手困難となっている。 -単体の他機種移植はされていないが、2008年9月25日発売のプレイステーション・ポータブルソフト『PCエンジンコレクション ソルジャーコレクション』にて、本作と上記のスペシャルバージョンが収録されている。 -Wii/WiiUのバーチャルコンソールに配信されている。 --かつてはi-revoゲームにも配信されていたが、サービス終了した。