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サバイバルキッズ 孤島の冒険者 - (2018/01/20 (土) 21:22:31) のソース

*サバイバルキッズ 孤島の冒険者
【さばいばるきっず ことうのぼうけんしゃ】
|ジャンル|サバイバルシミュレーション(アクションRPG)|&amazon(B000069U0P)|
|対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~|
|販売・開発元|コナミ|~|
|発売日|1999年6月17日|~|
|定価|4,515円(税込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|ハードル低めだが、絶妙なリアルさを持つサバイバル|~|

**概要
コナミより発売された、無人島サバイバルを題材としたRPGシリーズの第1作。~
タイトル通り少年(少女)を主人公とし、低年齢層プレイヤーでも楽しめるようサバイバルの複雑な要素をかなり取り払ったシステムとなっている。

**ストーリー
>ある晴れた日、一隻の客船が大海原を進んでいました。その中には冒険家の父親とその子供が乗っていました。~
子供は父親にあこがれて、自分も冒険家になる事を夢見ていました。~
船旅もあと少しとなったある日、旅行の記念と子供の誕生日を祝って、父親は子供にナイフをプレゼントしました。~
子供は大喜び、その日は夜も眠れないほどでした。~
~
しばらくすると、突然海が荒れだしすさまじい大波が襲いかかりました!~
またたく間に客船は沈み、子供は海に投げ出されてしまいました。~
海に投げ出された衝撃で気を失った子供が、再び目を覚ましたところは…~
~
遭難して流れ着いたところは誰もいない無人島でした。~
そこにはあたたかい家族も、仲の良い友達もいません。~
頼れるのは自分だけです。~
無人島から脱出するまでは、ここで生活するしかありません!~
生き延びるためには、食べ物を集め、水を確保し、火を起こし……と~
父親から教わった冒険術を駆使しなければなりません。~
島を隅々まで探検して行けば、脱出の手段も見つかるハズ。~
さぁ、無人島でのサバイバルの開始です!!~
(攻略本より引用)

**特徴・ゲーム内容
-プレイヤーはゲームの開始前に、主人公を男の子(デフォルトネーム:コウ)と女の子(デフォルトネーム:ナミ)の二人から選択する。
--選択しなかった主人公にはシナリオを進めると出会うことになる。共に行動することはなく拠点の舟に留まっているだけだが、アイテムをプレゼントすることが可能。不可視の好感度が設定されており、エンディングに影響する。
--また、シナリオを進めると島で出会ったサル(デフォルトネーム:ラッキー)と仲間になり、一部イベントシーンで助けてもらったり、あるミニゲームが可能となる。
--セーブデータは三つ+中断セーブ一つまで作ることが可能。

-舞台は一つの大きな無人島で、主人公はここからの脱出の手がかりを求めて探索する。
--時間経過の概念が存在し、夜になると暗くなって視界が狭められる。ゲームボーイカラーで遊べば夕焼けや朝焼けなどの時間経過で画面の色も変化していく。
---朝まで活動するまたは寝ることで日数も経過し、アイテムによっては日数の経過で変化する物もある(食糧が腐る、など)。
--稀に雨が降り出し、このときには屋外で火をつけられず、対策を取らないと主人公の疲労速度が上昇するなどのペナルティがある。

-基本は『ゼルダの伝説』シリーズのようなトップビューのRPG式のゲーム画面を採用している。
--十字ボタンで移動、Aボタンで目の前を調べ、Bボタンで装備した道具(武器)で攻撃。セレクトボタンを押しながら十字ボタンで、その場から動かずに向きだけを変えることができる。動物はこちらの移動等の行動に合わせて動くが、方向だけの変更なら行動しないので戦闘時には役に立つ。
--スタートボタンでメニュー画面を開ける。メニュー画面からアイテムの使用や合成、マップ確認、中断セーブが可能。
--''拾ったアイテム同士を「ごうせい」(合成)することで新しいアイテムを作り出せる。''
---最大三つまで組み合わせることが可能。成功すれば新たなアイテムが作れ、失敗しても素材に使ったアイテムは無くならない。
---木の棒と木の皮を組み合わせる「ひつけどうぐ」や木の棒と鉄片で作る「おの」などの攻略に必要なアイテムを作るのみでなく、食材をスパイスに使える木の実や草と組み合わせて日持ちのよいものに変えるなどの使い方もある。

-主人公のパラメータは「ライフ」「満腹度」「水分」「疲労度」の4つで、メニュー画面で確認できる他、画面下にそれぞれ♡・F・W・Tで表示される(行動時は♡だけだが、一定時間止まれば全部出てくる)。
--パラメータはいずれも最大100。満腹と水分は100からスタートして行動で減少、疲労度は0からスタートして行動で増加する。満腹度と水分が0に、または疲労度が100になった状態で行動すると徐々にライフが減少、ライフが0になれば主人公が死亡してゲームオーバー。
---ライフは食べ物などから受けた毒や動物の攻撃などで直接減らされる場合もある。当然、それで0になれば他のパラメータが残っていようと死亡。
--満腹度は食べ物、水分は水(もしくは水分を多く含む食べ物)を摂取することで回復可能。
--疲労度は基本的に拠点で寝るまたは休むことで回復できるが、寝る時間があまりに遅かったり満腹度と水分が十分でないと満足に回復しない。ライフは寝ることで回復できるが、こちらも満腹度・水分が不十分だと却って減少することがある。
---疲労度・ライフともに回復する食糧は存在するが、数が限られているため入手がなかなか難しい。
--主人公は食べたものや動物の攻撃の影響で「毒」(ライフ減少)「マヒ」(行動不能)「混乱」(移動動作がおかしくなる)の状態異常に陥ることがある。いずれも時間経過で回復する。

-満腹度と水分の回復のため、常に食料と水を調達する必要に駆られることとなる。
--食料は島にある木の実・果物やキノコ、貝などを拾う他に、現れる動物を武器で倒して肉を得る、魚を釣るなどして調達する。
---肉と魚は基本的に生で食べられないので、火つけ道具で火を起こしてから、焼肉や焼き魚にしなければならない。
---キノコや果物は具体的な種類の名前が出ず、「カラフルなキノコ」「プニプニしたくだもの」のように分類されていて、どのような効果が出るかはセーブデータごとにランダム。たとえばデータ1で「カラフルなキノコ」が毒キノコだったとしても、データ2では何も起きず満腹度の回復だけ行える、ということもある。
--水分は川辺で水を飲めば回復可能。また水筒を初期装備で持ち歩いており、これに3段階までストックできる。1段階ごとに50の水分を回復可能。
---濁った色の川がまれにあり、ここの水を飲むと水分は回復するが、一定時間後に体調不良を起こしてライフが減ってしまう。あるイベントをこなせば回避できるようになる。

-島の中には拠点がいくつかある。メインとなるのは序盤に見つかる「小屋」で、他に大きな木の「野営所」がいくつかあり、シナリオを進めると「舟」が新たな拠点となる。
--普通のセーブは、拠点でないと行えない。
--拠点では「寝る」「休む」ことが可能で、上述の通り疲労度やライフの回復に必要。拠点で寝ると「生存日数 ○○○日」の表示が出て、日数が経過する。
---小屋と舟では疲労度をきっちり回復させられるが、野営所では最大70しか回復できず、さらに寝る直前に火をつけておかなければますます回復量が減る。
--小屋と舟のみ、アイテムを保管しておくことができる。保管したアイテムも日数経過の影響は受ける。

-以上のことから、朝に拠点で目を覚ます→食料や水の調達兼島の調査→拠点に帰還→セーブと回復で翌日に移行、の繰り返しで進んでいき、島からの脱出の手がかりとなるアイテムを見つけていく。
--エンディングは全部で8つのマルチエンド式。基本的に島から脱出するものがほとんどだが…。

**評価点
-簡略化しつつも、「サバイバルを題材にしたゲーム」としての面白さをうまく表現した構成。
--どのような動物を倒しても得られるのは「にく」で鶏肉や獣肉などの区別なし、果物も「リンゴ」「ヤシの実」のような具体的な名称が出ず「プニプニした」「ゴツゴツした」などの感覚的な表現が用いられている。
---ともすればリアリティを奪いかねない方法であるが、これにより「にく=焼いて食べる」のように材料に応じた料理等のプロセスが省略可能で、ゲームプレイに必要なサバイバル知識を極力省けるようになっている。この点で「無人島サバイバル」という題材に感じられるハードルの高さを巧く緩和している。
--その一方で、草や果物や木の実などの効果はデータごとにランダムにしていることから、新しいデータで開始した場合には自分の経験で効果を確かめなければならない。具体的な名称を伴わないことで、未知の無人島を探検している楽しみを与える効果も担っている。
--実際のキノコ食に関しては''生半可な知識で行うのは非常に危険''であるが、本作では具体的な固有名詞の使用を避けてかつ効果の設定がランダムとしていることから、カラフル=毒キノコのような俗説が通用せず、食べる場合にはゲーム中での経験即ち命を賭する必要がある、という絶妙なリアリズムになっている。なお食べることがなくても攻略に支障がないようにできてはいるが、中にはライフ回復効果が一種類だけあるのでそれを求めて冒険するのもアリ。
---後のシリーズ(特にDSの『LOST in BLUE』以降)では実在の食材が多く取り入れられるようになったが、キノコに限っては本作同様「固有名詞がなく色で分類」「データごとに効果がランダム設定」とされている。
--果物やキノコや草は識別まで効果不明だが、貝は「生で食べるのは危険」という説明文が入り、肉を生で食べようとすれば主人公が「焼かないと」と躊躇するなど、一部についてはプレイヤーが危険を察知したり調理できるように作られているので、説明書がなくても食料の調達法が分からず詰む、ということはまずないだろう。
--拾った食料はしばらくの間復活しないので、同じ木の実や果物だけ食べていれば生き延びられる、ということもなく、たまには命がけで動物と戦い肉を得る必要がある、というシビアさもある。
--広いマップに対して拠点の数が限られており、1日で行動できる範囲には制約が生まれてくる。そこで考える余地も出てくる。
---疲労やライフ回復効果のアイテムはあれど数は限られており、洞窟を探った先に重要アイテムがありそうだけど満腹度や水分が0になるまでに帰れるだろうか、ライフと食料に余裕があるからいっそ突っ切ってしまおうか、しかし途中で強い動物に遭遇しないだろうか…と考えることはなかなかに多い。
---実際のところ、パラメータ関係は0(疲労は最大値)に達しなければ影響が出ないという作りなので、案外と勢いに任せた探索も可能なため難易度はそれほどでもないのだが、それでも満腹度や水分の減少等は主人公がメッセージで訴えてくることもあって不安の材料となり、初見で未知のエリアを探索に向かうのはなかなか勇気がいる。また動物との戦闘になれば必ず勝つとは限らず、運にも左右される部分は当然ある。
--アイテムを合成することで新アイテムを作るシステム。
---拾った道具を組み合わせて何かを作る、という要素がサバイバル生活を意識させ、三つまで合わせられることや素材アイテムの豊富さから組み合わせの数と合成アイテムの種類もかなり豊富。
---最初に「ひつけどうぐ」を作るときには、簡素なアイコンではなく大きな一枚絵で道具の映像が表示される(二回目以降はアイコン表示)。ほぼ確実に最初の合成道具になることからインパクトは強く、合成成功時の感動も大きい。
---前述した保存肉などの役立つ合成だけでなく、木の実とツタで首飾りを作ったり棒と石で野球道具のような、まったく攻略に影響しない道具も存在し、遊びの楽しさを広げている。
--広い無人島探索だけに、謎解き要素も多め。大きな岩を大きな棒をテコにして転がし道を開く、道をふさぐ樹をオノで切り倒す、暗い洞窟を進むためたいまつをつけるなど、複雑なものは少ないが合成やアイテムの活用が必要になる場面が多い。
---島の中には、足跡に罠を仕掛けたり開いている穴に蓋をして落とし穴にするなど、食糧を得るためギミックを活用できる場面もいくつかある。

-グラフィックやデザインも良好。
--キャラクターデザインはアニメ調で、主人公二人と相棒のサルはかわいらしいデザインに作られている。命がけのサバイバルながら陰鬱さを感じさせず、とっつきやすい。
--ゲームグラフィックは当時のGBCのゲームとしては並といったところだが、主人公やサルの感情表現、動物のダメージモーションなどキャラのパターンは割と多め。
--イベントシーンや攻略必須アイテムの入手・合成成功には一枚絵が表示されることがある。これらはいずれも良質。
---島のある場所には温泉が湧いており、これに入ると''入浴シーンのカットが見られる''という要素も。
--上述通り、ゲームボーイカラーなら夕方にオレンジ色のかかったグラフィックになるなど、時間と天候の変化をカラーで表現している。

-音楽は藤尾敦氏が担当。良質な曲がそろっている。
--探検の欲求を駆り立てる森林地帯の曲や、不安をあおる洞窟や迷いの森の曲、安らぐ小屋のBGMや日付を跨いだ時の安心感を与えつつもどこか不安も感じさせる独特のジングルなど、印象に残る曲が多い。

-マルチエンドで、ボリュームがそこそこにある。
--多くのプレイヤーが一番最初に見ることになるだろうエンディングが「初期の所持品のラジオを動かし、それで捜索継続中の放送を聞いて浜辺にSOSサインを描き、助けに来てもらう」というものだが、その時点ではスタッフロールが流れず「エンディング1」「真のエンディングの道ははてしなく遠い」と表示され、他にエンディングがあることを示すようになっている。
--エンディングごとに一枚絵のピースが徐々に埋まっていき、全て見れば絵が完成、2周目に移行できる。2周目では動物の毛皮の入手などさらなる追加要素がある。

**賛否両論点
-主人公の性別選択がシナリオに影響しない。
--性別で変化するのはグラフィックと口調ぐらいで、シナリオの内容そのものは全く同一。
--もっとも、プレイヤーの対象年齢として想定されている層を考えると主人公に自分と同じ性別(かつ自分の名前)を選ぶ可能性が高く、性別ごとに大きく性能やストーリーが変化するのは不都合が生じると言えるだろう。
--%%入浴のために女の子を選ぶいい年の男性プレイヤーはいるかもしれない%%

-一部の動物がやたら強い。
--熊は得られる肉も多いが、体力も攻撃力も高く、ナイフで正面からやり合うのは非常に危険。そのほか、イノシシやヤマネコ、オオカミといった現実でも危険な動物はどれも手ごわく、好戦的である。
--見た目に対してやけに強いのがキツネ。こちらも熊ほどではないが攻撃力が高く好戦的で、回避率もそこそこあるので接近戦は難しい。おまけに肉を一個しか落とさず(カエルや蛇と同じ)、リスクに対してリターンが少なすぎるので逃げる方がいい。
--動物全てと戦う必要はなく、時には逃げる選択肢も必要ということだろうが、中にはどうしても逃げられないような状況に追い詰められることもあり、その時にキツネなどが相手だと本当に厳しい。

-キノコや草など、食材アイテムの識別方法が基本的に「自分で食べて確かめる」しかない。
--先に書いた通りデータごとでランダムなので、毒を持つのがどれかを確かめるには新しいデータで始めるごとに食べる必要がある。スパイスに使える草やライフ回復のキノコなど、上手く使えば攻略に有用なものもあるので、できれば識別をしておきたいところ。
--前述通りサバイバルのシビアさを示す演出としての機能もあるが、毒やマヒの危険に突っ込んでいくのは厳しいものがある。
--とはいえ、スパイスに使えるのは木の実もあり、こちらには毒のある種類が存在しないこと、ライフ回復は焼肉などでも行えることなどから、リスクの高いこれらを使わない攻略も不可能ではない。

**問題点
-一部の攻略がヒントなしでは難しい。
--例を挙げると、ワニが泳いでいて渡れない川があるのだが、これを通るためにワニをどかそうにも普通の攻撃は一切通用しない(代わりにワニも攻撃してこない)。対処法は''毒またはマヒ効果をもつ食材を食べさせる''こと。ゲーム中に一切ヒントがない。
--シナリオを進めると登場する選ばなかった方の主人公に関連したアイテムがある場所に落ちているが、これもノーヒント。その場所に行くと光が目印になってはいるが。
--ハチの巣を取る方法。普通に攻撃するとハチが一度に多数出現し袋叩きにされる。ではどうするのかというと、ハチの巣の前に火をつけて枯草を燃やし、煙でいぶすとハチが全滅して巣を取れる、というもの。攻略必須ではないがもちろんノーヒント。

#region(シナリオネタバレ)
-マルチエンドであるが、一部の内容が後味が悪い。全体的に作風が明るいだけにギャップがきつく、エンディングのコンプリートに必須なのが辛い。
--エンディング2……捜索打ち切りを知った主人公が自力での脱出を決意し、自分でイカダを作る。このとき、嵐で崩れた小屋に下敷きとなったサルを助けないか、助けても出発時に食料と水の準備とパラメータの値が不十分だとこれに進む。
---大海原に漕ぎ出した主人公は、どの方向に進めばいいのかわからないまま何日も海を漂い続け、食糧も水も無くなってそのまま力尽きてしまう、という救いも何もない完全なバッドエンド。
--エンディング5……上記の自力脱出に準備万端で挑むと、脱出に失敗して元の島に戻される。そこで古代の遺跡らしき舟を発見、さらに焚き火の跡の発見からこの島に流れ着いたもう一人の存在(選ばなかった主人公)を知り、発見することに。舟の鎖を外す宝石が最後の一つになった段階で、もう一人の主人公が体調を崩し、それからゲーム内で14日経過後にラストダンジョンをクリアして脱出する。
---脱出後、もう一人の主人公が倒れ、主人公が何度も呼びかけるが、そのまま目を開くことなく、脱出後のことも語られないままスタッフロールが流れる。一応主人公が生存しているが、もう一人の死亡で話が切れてしまうので後味が悪い。

-マルチエンドの条件自体も、結構面倒くさいものがある。
--「島から脱出せず100日生存」というのがあるが、これが選ばなかった主人公を見つけるか見つけないかでエンディングが変わる。当然それぞれ見ないとエンディングのコンプリートは不可能。
--舟での脱出は「一人での脱出(エンディング4)」「もう一人の主人公が病気になって2週間経過(エンディング5)」「病気になって2週間以内(エンディング6)」「6の条件でかつもう一人の主人公の好感度一定以上(エンディング8)」の4種類。フラグ分けがやたら細かく、一つのデータでは難しい。
---エンディング4と8の条件は特に厳しく、4は2の直前にサルを島に置いていくと達成不可能になり、8は逆にサルを置いていかないと難易度が跳ね上がる。

-島には古代の遺跡や人が住んでいた跡(白骨死体が登場する場面もある)がいくつも見つかるが、その正体については何も明かされないままに終わる。
--あくまで未知の島を探検しているという雰囲気を作るためのアクセントであり、そこまで細かい設定を組み込んでいないのかもしれない。とはいえ、スタッフロールが出るエンディングは全てその遺跡を使っての脱出なので、何らかの説明が欲しいところ。
--公式ガイドブックのあるページにはローマ字表記の日本語で後年の主人公の記述らしき文体で「後年いくら探しても見つからなかった」という旨の記載があり、ますます謎に包まれている。

#endregion

-パラメータ表示が若干ややこしい。
--ライフ・満腹度・水分は100を最大として減少していくのに、疲労度だけ0を最低として増加する設計になっている。「疲労度」という言葉の意味としては間違っていないが、一つだけ統一されていないのは謎。
--次回作からは「元気」や「スタミナ」などに名称が変更され、満腹度などと同じように100を最大として減少するものに統一された。

-役に立たないアイテムが多すぎる。
--合成でネタ的なアイテムを作り出せるが、もう一人の主人公の好感度上げに使う以外は無駄なものばかり。ネタとしてもテキストだけなので、一回使ったら終わり。初見のネタとしてはともかく、何周もプレイすると完全に死に要素と化す。
---プレゼントする場合も必ずしも好感度を上げるとは限らない(アイテムごとに好感度の上昇値が決まっている)ので、その面でも役に立たないアイテムは本当にどうしようもない。
--何故か毒アイテムと肉等の食材を組み合わせて「どくにく」「どくざかな」などを作れるが、もちろん全く意味はない。
---その最たるものが「なまゴミ」。腐った食材同士を合成するものでこうすると''捨てることができない''。基本的にやることがない組み合わせとはいえ、完全な罠アイテムである。

-2周目を開始すると、''それまでのセーブデータがすべて消去される''。
--開始前に注意はされるが、2周目を開始すると今度は1周目の仕様に戻すこともできないので、若干ためらうところはあるかもしれない。

-主人公の名前は最大4文字だが、それ以下だと後に空白が入って表記される。
--つまり、ゲーム中のテキストではデフォルトだと「コウ  」「ナミ  」のようになってしまう。当時のGBのRPGなら、名前の空白の処理ぐらいできて当然レベルのはずだが…。

**総評
「少年少女の無人島サバイバル」を題材とした、携帯機のみならずゲーム全体でも意欲的な作品。~
一部暗い部分を見せつつも、主人公を少年少女として対象年齢を低く見たこともあってか、題材の重さに対して全体的に明るく入り込みやすい雰囲気となっている。~
絶妙にシビアな食糧調達や合成で試行錯誤し、謎を秘めた島を自分だけの手で切り開いていく楽しさは、なかなか他に替え難い。~
実際のサバイバル知識としては役に立たないが、無人島生活気分を味わえるゲームとしては第1作にして高い完成度を持っていると言えよう。

**余談
-主人公二人のデフォルトネームは続けると「コウナミ(=コナミ)」になる。

-発売当時はコロコロコミック等で特集記事も組まれており、エンディングの分岐条件や簡単な内容紹介のような攻略情報開示も行われていた。
//記憶の上ではエンディング8の条件は紹介されてなくて7までだったと思いますが、当時の記事を所持していないので確認できる方がいたら詳細を追記してください。

**その後の展開
-コナミネットDXで携帯電話用移植版が配信されていたが、現在はサービス終了。現在、他に移植や配信は行われておらず、実機でのみプレイ可能。

-シリーズの続編としては翌年に同じくゲームボーイカラーで『サバイバルキッズ2 脱出!!双子島!』が発売された。
--主人公選択は兄弟で両方男となり、合成だけでなく分解・加工が登場。さらに通信機能にも対応している。

-その後長らく音沙汰がなかったが、『2』から5年後の2005年、ニンテンドーDSで新作『サバイバルキッズ -LOST in BLUE-』が発売。グラフィック等の向上により現実の動植物が登場、タッチペンやマイクを活かした動作を取り込むなど大幅な進化を遂げた。反面主人公の年齢が上がるなど、初期シリーズから作風が大きく変化したと言える、
--こちらは別にナンバリングされてその後2007年に『-LOST in BLUE2-』が発売、さらにシステムを引き継いだ『小さな島の大きな秘密!?』へと続いた。

-2008年にはWiiで据え置き初のシリーズ作品『サバイバルキッズWii』が発売されたが、それを最後にシリーズは止まっている。