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怒りの要塞 (SFC) - (2019/05/14 (火) 07:24:21) のソース

*怒りの要塞
【いかりのようさい】
|ジャンル|アクションシューティング||
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|8Mbitロムカセット|~|
|発売元|ジャレコ|~|
|開発元|K.K.DCE|~|
|発売日|1993年4月23日|~|
|定価|8,700円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|配信|プロジェクトEGG:2012年10月30日/500円(税別)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|機種をSFCに変えての第3作目&br()武器の使い分けが攻略の鍵&br()GBシリーズから削除された要素あり&br()ボリューム不足なのが難点|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-『[[怒りの要塞>怒りの要塞 (GB)]]』シリーズ第3作目。本作はプラットフォームを今までのゲームボーイから、スーパーファミコンへ変えての発売となっている。なお、タイトルの正式名称は第1作目と同じく『怒りの要塞』であるが、ゲーム内容は全くの別物である。
-敵も亜空間よりやってきた亜空間生物となっており、人間同士の戦いを描いた前2作とは趣きが異なっている。

**ストーリー
>近年、急速な進歩をとげた次元物理学は、その結晶ともいえる「物質転送」理論を確立した。「物質転送」実験には、莫大な経費と広大な敷地が必要とされたために、研究は国家単位で行われ、その研究施設は機密の漏洩を恐れるかのように岩山に隠れるように建設されていた。~

>しかし、研究が進み、実用化も目前となったある日、施設からの連絡が突然途絶えてしまう。~

>国防軍は直ちに精鋭の調査部隊を派遣したが、その部隊も施設に到着したという連絡を最後に消息を絶ち、上空の偵察機も、謎の光点が広がって行く映像を最後に、何者かの手によって撃墜されてしまう。~

>当初予期していたよりも遥かに重大な事態を向かえた国防軍は、会議によって1人の戦士の派遣を決定する。~

>彼の名は"HIRO"…強化手術によって高度な戦闘能力と情報解析能力を得た国防軍最強の戦士である。~

>静まり返った研究施設には殺気が漂い、見る者に不気味な要塞のイメージを与えている。~

>「ここには何かがいる!」~
"HIRO"の人間である部分が警告を発した。~
しかし、彼の肉体はすでに施設の扉をくぐっていた…~

>全ての謎を解くために"HIRO"の戦いが今、始まる。~
(※説明書のストーリーより抜粋)

**概要・システム
-前作、前々作とおなじく画面見下ろし型のアクションシューティングだが、ハードがスーパーファミコンへ変わった事により、1画面分の固定画面の端の方に行くと隣のマップと切り替わるものではなく、広大なマップをスクロールさせながら移動するものへと変わった。

-前作『[[怒りの要塞2]]』と同じく、HIROは通常兵器を様々なものに切り替える事ができる。通常兵器はゲームを進めていくと新しいものが手に入っていく。
#region(通常兵器一覧)
-マシンガン
--前方に切れ目なく弾を発射する。最も一般的な兵器。最初から持っている。
-3-WAY
--前方、斜め左右に弾を発射する。広範囲を攻撃でき、直進弾しか撃てない相手を死角から倒す時に有効。最初から持っている。
-反射レーザー
--壁に当たると反射するレーザーを発射する。敵の攻撃の届かない位置から攻撃を加える事ができる。ゲームの途中から入手。
-火炎放射器
--攻撃力の高い炎を放出する。射程はやや短め。斜め方向から壁に当てると、壁に沿って炎が進み、敵の死角から攻撃が可能。ゲームの途中から入手。
-ミサイル
--敵をホーミングするミサイルを発射する。隠し武器であり、ゲームの途中、やや分かりにくい所に置いてある。
#endregion
--通常兵器のほか、「指向性地雷」と「デコイ」という特殊兵器も登場。弾やレーザーを発射する通常兵器とはまた勝手の違うものとなっている。

-L、Rボタンを押したままにする事で、HIROの向いている方向を固定しながら移動する事ができる。これにより、特定の方向を攻撃しながら移動、回避ができるようになった。

-マップは前作までは簡易なオートマッピングだったが、本作では特定のコンソールを調べる事で、詳細なマップを入手する事ができる。

-ゲームの基本的な流れは、敵を倒しつつ各所にある「空間転移装置」を破壊する事にある。これを破壊する事で周りの敵は全滅し、次のエリアに行ける転送機(ワープ装置)が起動する。これを繰り返し要塞の最奥へと進む。

**評価点
-様々な武器を駆使しながら、ステージを進めていくゲーム性。
--一般的な武器のマシンガンだけでなく、広範囲を攻撃できる3-WAY、敵の死角から攻撃できる反射レーザー、射程は短いが攻撃力の高い火炎放射器と、様々なものが揃っている。これらの武器の特性を把握し、敵や場面に応じて使い分ける必要がある。前作『怒りの要塞2』のように、グレネードだけ使っていればOK、というバランスではなくなった。
--3-WAY、反射レーザー、火炎放射器は、うまく使えば敵の攻撃の当たらない死角から一方的に攻撃を加える事が可能。有利な位置を探し出し、敵を攻略していく楽しさがある。
--通常兵器だけではなく、第1作目にあったような特殊兵器が登場、使いこなす事でより戦法が広がる。
---「指向性地雷」は、設置していた時に向いていた方向へ一定時間後に爆発を起こすというもの。威力が高く、ボスや中ボスといった耐久力のある敵に有効である。
---「デコイ」はHIROのホログラムを映し出し、敵を引き付ける事ができるといういうもの。ハエのような敵やスライムのような敵のように、こちらに一直線に向かってくる敵に特に有用である。

-オープニングシーンや、各所のコンソールや敵の残骸を調べた時に流れるデモシーン。機械的な雰囲気がよく出ており、ゲームの世界観を形作るのに一役買っている。
--デモシーンでは会話などの台詞は一切出てこない。やや分かりにくいという問題点もあるが、映像のみで施設で何が起こったかを伝えようとしている。

-BGMは前作から引き続き鈴木康行氏が担当。曲数はそれほど多くはないが、ゲームボーイ作品からさらに進歩した良質なBGMが各所と、そしてボス戦で流れる。

-前2作と同じくある程度の探索要素も存在、進めない場所は新しく手に入れた兵器をうまく使う事で道が開かれる。一部、少し頭を使わないと進めない場面も。

**賛否両論点
-ゲームボーイ作品にあった数々の特徴の廃止。キャラクターの切り替えがなくなり、トゲ床や穴やコンベアーといった地形、カギといったアイテム、ジャンプといったアクション、真っ暗な部屋を手探りで探索するといった仕掛けもなくなっている。このため本作は、前2作に比べ、探索要素が薄くなり、アクション要素が強い作品と仕上がっている。
--前2作のゲームボーイ作品とはゲーム性が大きく異なるため、タイトルは一緒でも全く別物のゲームとして捉えた方がいいかもしれない。

-少々厳しめの難易度。
--敵から受けるダメージは一部ボスを除き控えめだが、体力を回復できる場所((本作では各所にある体力を回復するコンソールを調べる事で体力を回復できる。ただし、そのコンソールが機能を持つかは、調べてみるまで分からない。))が少なめなため、余計な被弾を重ねると厳しい事になっていく。きちんと敵の行動パターンを把握し、ダメージを極力受けないように立ち回らなければならない。
--ただし、難しすぎるといった難易度ではない。敵の出現場所や行動パターン、回復できる場所といったものをきちんと把握すれば、安定してノーコンティニュークリアできる程度の難易度である。

**問題点
-ボリュームが少ない。
--クリアするまで大体40~50分、ステージのバリエーションは施設その1、屋外、施設その2、敵空間である亜空間の計4つ、登場するボスキャラクターは3体といったボリューム。携帯機ならいざ知らず、どっしりと腰を据えてプレイする据え置き機だと物足りないと感じてしまう。
---このボリュームの少なさもあってか、ゲームボーイ作品にあったパスワード機能はなくなっている。
--それに関連して、ゲームボーイの前2作と同様にスコアや2周目といったものもないため、やり込める要素も少ない。

-敵の種類が少ない。
--雑魚敵は直進弾を放ってくる黄兵、3方向に弾を放ってくる赤兵、固定砲台が2種類、スライム、ハエ、無敵だが装置を破壊する事で倒せるケセランパサランのような敵、以上。ゲームボーイ作品ではステージによって敵の見た目やバリエーションが変わったりしたが、本作ではそういった事はない。
--中ボスも存在するが、カニのような敵とその色違いがいるのみで、かなり寂しい。攻撃パターンのほうもあまり変わらない。

-特殊兵器の入手時期が遅い。せっかく面白い機能を持っているのに、それを活かせる機会がやや少なめである。

-各所にあるコンソールや敵の残骸を調べるとデモシーンが流れるが、これは飛ばす事ができない。そのため、間違ってコンソール等を2回以上調べてしまった時や、2回目以降のプレイの時などは、かなりもどかしい思いをさせられる。

-コンティニュー回数が有限で、3回までしかできない。前述の難易度と相まって、ゲーム慣れしていないプレイヤーにはやや厳しいものとなっている。ちなみに、前2作では無限にコンティニューできた。

**総評
-スーパーファミコンという新たなプラットフォームで展開された本作。アクション性が強化され、様々な武器を使い分けていくのが楽しい。しかし、ゲームボーイ作品にあった数々の要素がオミットされ、またいくつかの問題点も存在する。特にボリュームの少なさは、一番目に付く問題点であろう。簡単な調整(受けるダメージが2倍になる、等)でもよかったから、2周目やハードモードが欲しかった、そういった思いが出そうになる作品である。

**余談
-エンディング曲は、日本国内バージョンとアメリカバージョンでは、若干異なる曲が流れる。また、未使用曲として、このエンディング曲の少々アレンジされたものも存在する。
--サウンドトラック、『SUPER ROM CASSETTE DISC IN JALECO』において、この3バージョン全てが収録されている。