Earthpedia

【あーすぺでぃあ】

ジャンル 地球体感
対応機種 ニンテンドー3DS
メディア 3DSカード
(外部メディア:QRカード)
発売元 学研教育出版
開発元 ニトロ
発売日 2012年4月19日
定価 4,743円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:教育・データベース
判定 なし
ポイント 意欲的な演出とギミック
図鑑としての機能が弱い


概要

「地球体感」をキーワードに、今までにない新しい発見と驚きを体験させることをねらいとした図鑑ソフト。

世界観とあらすじ

外宇宙にいる知的生命体との交流を目的に、GEO(Global Earthpedia Organization)は『Earthpedia』プロジェクトを立ち上げた。プレイヤーはエージェントとなり、プロジェクトのオペレーティングシステムであるソフィアとプレイヤーの任務を補佐するロボットNAVI-Oの補助を受けながら、地球に関する様々な情報を収めたデータベース「Earthpedia」を作成に貢献することとなる。

ゲームシステム

  • ゲームの流れ
    • 基本的にはGEO search で発見したEarth pointから、地球や宇宙に関する情報を収集していくことになる。
      • デジバグという情報寄生ウィルスに冒されている情報は、ミニゲームをこなして修復する必要がある。冒されている情報は赤のEarth pointで表示される。
    • すべての情報が好きな順番で得られるというわけではなく、段階的に入手していく形となる。
    • GEO searchで得られる指定情報を一定数集めると 、Earth trialという試験が受けられるようになる。これに合格することでプレイヤーのランクが上がり、新たな情報を集められるように(研修期間中は例外)。
      • ランクアップによって得られる情報の質に差は存在しないが、ランクアップまでに必要な情報数は増加する傾向にある。同時に、デジバグの除去の難易度は上昇し、デジバグに対する武器もアップデートされていく。
  • ページ
    • 自然、文化、科学技術、宇宙、超常現象の5ジャンルに振り分けられている。
    • ページに付属するI-Gearは特典資料としての立ち位置であり、ジャイロセンサを利用した見回し、音の再生、QRカードを使う立体投影といったギミックが付加されている。
  • デジバグ除去のミニゲーム
    • 見回せる空間に数匹隠れており、FPSの要領でアームを発射して掴み除去することに。
      • シールドに隠れていたり守られているケースが多いが、ソナーで大まかな位置は把握可能。制限時間内に全部除去できないとやり直し。
    • デジバグが巣食う空間に巨大な奥行きがあるケースや、アームの動きに影響をもたらす重力場や横風が働いていることがある。
    • 最後の1匹になると、デジバグ自身の動きやフィールドに働く力場の様子が変化する。
    • ランクを上げることで、壁を破壊できる「ザッパー」、デジバグと障害物の動きを止める「スタナー」、壁の後ろに隠れているデジバグを透視できる「シーカー」といった機能が随時解放されていく。
      • これらの特殊機能は連射不可能でリロード期間を必要とする。
      • 「ザッパー」でも破壊できないタイプの硬い壁に隠るデジバグも存在する。その場合は、大抵近くのブロックをアームでたたくと壁の外に出てくる。
  • Earth trial
    • 過去のから出題される文字穴埋め形式の試験。
      • 問題は文字を入力させる形式。答えは必ずEarthpediaに載っておりカンニングもOKだが、比較的マニアックなところから出題されることもある。
      • どこを調べるべきかわからない時は、回数制限のあるヒントに頼ることもできる。特にページ数が増えてくる終盤では頼りになる可能性が高い。
  • QRカードによるページ
    • ゲームを最後まで進めるためにはQRカードによるページ入手も必須となっている。
    • 方向キーかスライドパッドで捕獲用ロボットを操作し、デジバグのところまで移動し捕まえることになる。
      • 途中の障害物はザッパーで破壊できる。
      • 捕獲用ロボットが扇風機のようなオブジェに捕まると失敗。しかし残機というシステムは無いので何度もチャレンジ可能。

評価点

  • 多彩な情報
    • 本作は、地球上の出来事をジャンルを選ばずに一挙に収録しにかかっている。
    • 多少の下地は必要となる場合もあるが、基本的には収集した情報によるページ説明は親切。そのため本作をプレイすれば、いままで興味のなかった分野にのめりこむことも可能かもしれない。
  • 演出効果
    • ビデオやジャイロセンサを利用したパノラマスライド、QRカードによる投影といった3DSの機能をフルに活用してある。
    • こういった視覚情報が一括りにされている点は、ネットや紙媒体の図鑑に対しての大きな強みと言える。

賛否両論点

  • 収録情報のジャンルが広い
    • どうしようもない点ではあるが、幅広いジャンルの情報を収録しているため、情報1つ1つの専門性はそこそこ高いものの、ジャンルそのものをあまり深いところまで掘り下げられてはいない。
    • 文科系の知識よりも、生物・理工系の知識が占めるウェイトが多い。
      • QRカードで大きな昆虫を画面に登場させるギミックもある。好きな人には優れた演出になるが嫌いな人には(わざわざ見ることはないだろうが)きびしいだろう。
    • どうしても専門用語を挟まなくてはならないケースがある。文科系説明は簡潔であり同時に、そのあたりはどうしてもプレイヤーの基礎知識に左右されやすい。
  • ロマンのある設定
    • 外宇宙の知的生命体との交信を図るという小さなテーマを据えることで、単調になりがちな図鑑ソフトに華を添えられている。
    • メインである図鑑作成に添えられるストーリーがオカルトじみている。ストーリー図鑑として楽しみたい人には異質に映りかねない。

問題点

  • データベース機能の弱さ
    • 情報のジャンルは5つに分類されてはいるが、そのジャンルがどのような定義で分けられているのかが不明瞭。
      • 文化に「エジソンとの特許に関する裁判と和解」というテーマのページが載っていたり、科学技術に「宇宙開発に役立つ有機化合物」のことを紹介している例も存在する。
    • ジャンル内の情報にもいろいろな類のものがあるのだが、それらをさらに見やすく順番整理することもできないため、どこにどんな情報が載っているのかがはっきりとは分からない。
  • ゲーム構造
    • 300ほどもある情報をしらみつぶしに1つずつ閲覧していくことになるので、単純作業化は避けられない。特にLevel 5,6あたりがダレやすい。
    • デジバグの捕獲やEarth trialの導入により単調性を少しでも減らす努力は見られるのだが、根本的な解決には至ってはいない。かといって情報量を減らせばよいわけでもないので難しいところではある。
  • デジバグの捕獲
    • 序盤こそいいが、デジバグの捕獲の難易度が異様に高いケースがある。
    • 特定のブロックをわざとアームで叩かないと外に出てきてくれないケースもあるが、そういった場合はだいたい試行錯誤が必要となる。
  • アーストライアルの設問
    • 理不尽な難易度をもたらしているわけではないが、解答となっている内容を覚えたところで意味のない場合も多い。
    • 実際に起こる確率は低いと思われるが、過去のランクの出題がそのまま再出題されることもある。

総評

どうしても「地球すべての情報」を1つのゲームソフトに収めることは不可能であり、「浅く広い」の典型例となってしまった。しかし3DSの機能の有効活用した多彩な演出により、教育ソフトとして独自の地位を確立することには成功している。知らない情報には出会えることはほぼ確実なので、興味があればやってみるとよいだろう。

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最終更新:2022年05月13日 20:44