10秒走 RETURNS
【じゅうびょうそうりたーんず】
ジャンル
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10秒アクション
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売元
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ブループリント
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開発元
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カエルパンダ
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配信開始日
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2017年12月21日
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定価
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500円
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プレイ人数
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1~4人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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人気DSiウェアソフトの続編 ダッシュと壁ジャンプの操作が追加 安定した面白さ、対戦プレイも可能に
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10秒走シリーズ 10秒走 / RETURNS
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概要
2010年にニンテンドーDSのDSiウェアとして配信され、絶大な人気を誇っていたランニングアクションゲーム『10秒走』の続編にあたる。
かつてはDSiウェア版(以下:前作)同様にGモードが発売を行っていたが、現在はブループリントが発売元となっている。開発はカエルパンダが担当。
前作との相違点
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モードの種類
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1人プレイは各ステージ10秒以内のクリアを目指す「チャレンジモード」のみが収録され、前作にあった複数の1人プレイモードは省略されている。
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画面の向かい合わせで2人対戦を行う「VSバトルモード」と、画面分割で最大4人対戦を行う「バトルロイヤルモード」の各モードが追加された。
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ステージ内容
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ステージ数が100に倍増され、ステージ内容もほぼ一新されている。なお、スタッフロールは50ステージ分をクリアする度に発生する。
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チャレンジモード限定で、各ステージに配置された3つの「星アイテム」を獲得しながらゴールを目指していく二次的な目的がある。
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仕掛けや障害物などの種類は前作とさほど変わらないが、前作にはいなかったものが時折配置されている。障害物に触れると即ミスである事には変わりはない。
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前作では全ステージ通して直進右方向のスクロールだったが、本作では上下及び斜め方向へとスクロールするステージもある。
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新操作
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新操作「ダッシュ」と「壁ジャンプ」が追加された。この操作により前作にはなかった操作テクニックを要する局面が非常に多くなっている。
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その他の変更点
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ステージ開始前のカウントが速くなっている。前作では3秒かかっていたところが、本作は約1秒でカウントが切れる。
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プレイヤーキャラである棒人間を複数のうちから選べるようになった。全30キャラが存在。キャラ別の性能差はないが、使用キャラによってはBGMが専属のものになる。
ゲームルール
本記事ではチャレンジモードを中心としたルール説明を行っているが、基本的なルールは大方全モード共通である。
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操作体系
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使用する操作は主に棒人間の移動・ダッシュ・ジャンプとなる。
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アナログスティック左右で左右徒歩移動。ダッシュボタン押しっぱなしで移動させるとダッシュ。ダッシュ中はいわゆるBダッシュ効果が発生する。
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ジャンプボタンでジャンプ。ジャンプ中の移動制御やジャンプ力調整も可能。ダッシュで助走をつけた状態でジャンプすると通常よりも長距離のジャンプができる。
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棒人間がジャンプ中に壁に接している状態で、対となる方向のアナログスティックとジャンプボタンを押すと壁ジャンプ。連続で壁ジャンプを行う事も可能。
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星アイテムについて
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チャレンジモードの各ステージには必ず3つの「星アイテム」が配置されており、獲得しておくと累計に応じて様々な恩恵が受けられる。
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後のステージはあらかじめ特定数の星アイテムを溜めておかないと選択できない。そのため、星アイテムの累計獲得数が少ないと先のステージ選択が詰む恐れがある。
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星アイテムの累計に応じて選択できる棒人間の種類が増える。棒人間全員を解禁するには全ステージの星アイテムをすべて獲得する必要あり。
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ステージクリアとミス条件について
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制限時間10秒以内にステージ奥のゴールに棒人間を到達させるとステージクリア。全100ステージ構成のステージセレクト制。
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各ステージは最速クリアタイムと星アイテムの獲得数が個別で記録される。さらにはクリア回数・総ミス回数・金と銀メダル達成回数のカウントもされる。
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星アイテムを全回収した状態でクリアすれば該当ステージに「金メダル」の印が付く。星アイテム2つ以下の獲得クリアではランクの低い「銀メダル」となる。
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棒人間が「障害物に触れる」「落とし穴に落ちる」のいずれかでミスとなる。制限時間10秒以内にクリアできなかった場合も同様のミス。
評価点
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前作譲りの安定した操作性と面白さ
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「簡単操作で複数のステージを攻略していく」という前作のコンセプトはそのまま受け継がれている。
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ダッシュや壁ジャンプといった新操作が追加されているが、操作体系としては至ってシンプルなものであり小難しい要因はほぼ皆無といっていい。
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前作はデフォルトの移動がダッシュ状態であったが、本作では徒歩移動とダッシュが別操作となっているため、移動の小回りが利きやすくなっている。
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一方で新操作を重心としたステージも数多く、やり応えという面では前作以上の増強がなされている。
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「徒歩移動とダッシュを使い分けが必須」「壁ジャンプの連続地帯」といったステージがあり、適当なプレイでまずクリア不可能な場面も多い。
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後半~終盤ステージは前作並みかそれ以上の鬼畜ステージが満載なので、ミスを繰り返しはまず間違いなく避けられない。この辺もシリーズの系譜といえる。
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ステージの増加と対戦モードの追加
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前作に比べ2倍にあたる100ステージが収録され、プレイボリュームが大幅に増している。
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上記でも述べた通り、操作体系の追加によりステージのバリエーションが増し、そう易々とはクリアさせてくれないであろう難関の割合も増している。
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VSモードとバトルロイヤルモードの追加により、パーティゲームとしての要素も強くなっている。
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元々がシンプル趣向なゲームなので、細かい事抜きで多人数でプレイするには適任な内容といえる。メーカー側もそれを大々的にアピールしている。
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棒人間の様々なものから選択できるようになったのも嬉しい要素。むしろ前作になかったのが意外と思える。
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センスよきグラフィックとBGMの大幅強化
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グラフィック関連は前作同様の白一色の簡素なものだが、その絵面に独特の芸術性を感じさせる。
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ハードスペックの高性能化や画面比率の拡大化に伴い、画面の見栄えがより向上している。淡泊といえばそうなのだが、そのグラフィックセンスはかなり高い。
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前作に比べBGMの曲数が大幅に増えており、その楽曲もゲームを大いに盛り上げてくれる。
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前作のBGMは地味寄りだったが、本作では大きなスケールアップが図られておりかなり熱い楽曲となっている。制限時間が迫るとBGMのテンポが上がる演出も健在。
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使用している棒人間によってBGMが変化する演出が何気に贅沢。なお、各BGMはスタッフロール中にサウンドテストが可能。
問題点
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1人プレイモードの減少
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前作では隠しを含め様々な1人プレイモードが収録されていたが、本作ではチャレンジモードのみに絞られている。
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残念といえば残念ではあるが、前作では存在意義が微妙なモードがいくつか存在したのでさほどの問題ではないと思われる。
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その代わりに対戦モードや棒人間の選択などの新要素も多く追加されており、総合的なボリュームは前作を上回る。価格を考慮すれば十分なボリュームといえる。
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隠し要素の解禁が詰む可能性
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先のステージを解禁するには特定の星アイテムを獲得しなければならず、プレイの腕前次第ではステージの解禁が詰む恐れがある。
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アクションゲームの腕前がそれなりにあればステージ解禁は格別に難しいものではないが、難しいステージが点在するため初心者プレイヤーには厳しいものがある。
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新たな棒人間の解禁にも星アイテムの累計が絡む。解禁しなくともゲーム本編への影響は少ないものの、空欄のままキャラが選べないのはもどかしい。
総評
前作の正当進化といえる安定した面白さに加え、ステージ数倍増や対戦プレイといったボリュームの増強が嬉しい一作。
近年のアクションゲームと比べてもシンプルさが際立つ内容だが、テンポ良くプレイできるお手軽さやとっつきやすさは大きな魅力といえるだろう。
最終更新:2021年10月28日 11:46