おねがいマイメロディ 夢の国の大冒険

【おねがいまいめろでぃ ゆめのくにのだいぼうけん】

ジャンル アクションゲーム
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 TDKコア
開発元 ハイド
発売日 2005年12月22日
定価 4,200円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:全年齢対象
判定 クソゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント ステージ少なすぎ
超・高難易度
アニメのカオス要素はない
サンリオキャラクターシリーズ


概要

サンリオのキャラクター「マイメロディ」のアニメ化作品「おねがいマイメロディ」のゲーム化。アニメ放送とのコラボ企画が行われ、CMも多数放映されるなど精力的な宣伝がされた。
パッケージには「マイメロとクロミが活躍するキュートでゆかいなアクションゲーム」と書かれているが…

あらすじ

マイメロディのおじいちゃんが、忘れられた「ユメのくに」の話を皆に聞かせている。ユメのくにには「にじいろのがくふ」があり、そこから奏でられる音色を聞くと皆が幸せになるという。大喜びでユメのくにに出かける支度をするマイメロたちだったが、これを盗み聞きしていたクロミとバクは先回りしてユメのくにの住人を「おじゃまくん」に変えてしまう。そしてユメのくにに隠された、夢を叶える「にじいろのがくふ」を探しに出かけるのだった…

ゲーム内容

はじめる/つづき

  • ストーリーモード。「はじめる」がニューゲーム。
  • 基本的にADV形式で物語が進むが、STARTボタンを押すことでスキップすることもできる。
  • オープニングが終わると「ゆめのくにわーるどまっぷ」が表示される。マップ上にはステージが配置されているが、最初は1つしか遊べない。
    • ステージに入ると会話を読んだ後ミニゲーム2つをプレイすることになる。敵に5回当たるか、水・穴に落ちるか、時間切れになるとゲームオーバーで、コンティニューすればそのミニゲームからやり直し(2回目なら2回目から)になる。コンティニューは何回でも可能。
  • 2つのミニゲームをクリアすると次のステージに行けるようになる。

おまけ

  • サウンドチェック
    • 本編中のBGM・SEを聴くことができる。
  • きせかえ
    • ミキ・ウタ・マナ・マイメロの4人をその場で着せ替えできる。人間キャラは15種類、マイメロは3種類衣装がある。
  • ミニゲーム
    • 本編中のミニゲームを遊べる。ただしゲームはエンドレスで、スコアアタック形式となる。

オプション

  • BGM・SE音量を調節できる。

問題点

  • 基本的に『おねがいマイメロディ』は日常アニメなのに、何故かアクションゲーム。
    • しかもミニゲームの難易度が非常に高い。
      + 各ミニゲーム詳細
    • みずにぬれないとイイナ♪
      • 下から水が迫ってくるので、マイメロが水没しないように規定の高さまで敵を避けて昇る。2回目では地面がツルツルで滑るようになる。
        • 空中も陸地も敵だらけで、非常に繊細な操作を要求される。かといって休んでいるとみるみる水没していくのでとにかく忙しく、最初のミニゲームなのにかなり難しい。
    • とおくまでいけたらイイナ♪
      • 今度は横に進むが、途中には上下に移動する敵が配置されている。僅かな足場を除き下は水になっている。
        • 本ステージで牙を剥くのは鬼畜な制限時間。ノロノロ敵を避けているのでは全然間に合わない。かといって敵の配置は意地悪なことこの上なく、またもや繊細な操作が必要。3回ゲームオーバーになると敵の移動範囲が縮小する救済処置はあるが、制限時間は変わらないので焼け石に水。
        • また足場がとにかく少なく、30秒以上連続して息を吹く必要があり大変。
    • ブーケがつくれるとイイナ♪
      • マイメロディがホバリングしているので左右に操作し、下から高速で昇ってくる花をキャッチする。2回目では敵がいて、放置すると花を食べてしまう。
        • 1回目は割と簡単なものの、2回目は敵を倒すか避けないと花が取れないためやや難しい。ただし制限時間がないため、粘ればクリアできないわけではない。
    • きれいにおそうじできるとイイナ♪
      • 上からクロミたちが光る弾とゴミを大量に投げてくるので、ゴミだけを拾い集める。光る弾に当たるとダメージ。
        • 後述のようにルール説明がないうえ攻撃がアイテムのように見えるため、ゴミに当たってはいけないと勘違いしやすいのが難点。ただしゲーム性自体は面白く多少無-リスト 理も効くため、ステージ中では遊べる部類。
    • たくさんとれるとイイナ♪
      • タイトルで勘違いしやすいがたくさんとれるのはクマくん。クマくんにくくりつけられた風船を割って、落ちてきたクマくんをキャッチしていく。一緒に敵も落ちてくるので、うまくかわしていく(敵に攻撃を当てるとポイントが得られる)。
        • クマくんの速度が速く、非常にストレスがたまる。2回目ではノルマも高いため尚更である。
    • おはなばたけになるとイイナ♪
      • ステージ中に生えた悪い花を攻撃して綺麗な花に変え、それをキャッチしていく。
        • こちらも割と遊べる内容。ただしステージのループが非常に短く、見たことがある地形が何度も繰り返されて飽きやすい。
    • みんなのねがいかなうとイイナ♪
      • 時折出現する敵を避けながら、逃げるクロミを追跡する。
        • とにかく時間の余裕が大きく、最終ステージなのに一番簡単。ただ、ゲーム単体としてはなかなか面白い内容ではある。
  • おまけにどれも遊ぶ年齢層を考慮していないような難しさを誇るものばかりで、最初のステージからゲームを投げたプレイヤーが続出した。しかも後のステージほど難易度が低いという逆転現象が起こっている。
  • さらに追い討ちをかけるかの如く、操作・ルール説明がない
    • Aボタンでジャンプ、十字ボタンで移動。空中で再びAボタンでパラソル滑空。滑空中にマイクに息を吹くことで上昇。着地・滑空中にタッチでその方向に攻撃。
    • 以上のようにボタン・タッチ・マイクの3種類が混在する複雑な操作体系でありながら、ゲーム中に操作やルールの説明は一切ない。説明書を読めば分かる話ではあるが、いくら何でも不親切すぎる。
    • なぜか「おまけ」のミニゲームではルール説明が表示されるが、追加されるのはストーリークリア後なので意味がない。
  • 水や穴に落ちたら即ゲームオーバー。専用曲なんてものはなく、マイメロが敗北した一枚絵が無音で表示される。
  • ストーリーがつまらないうえに超展開で、原作ガン無視。
    • まずシナリオ上大事な部分が多数カットされているため、不可解な展開がとにかく多い。
      • 夢の国には皆一緒に入ったはずなのに、何故か離れ離れになっている。しかもマイメロとウタ以外全員体調不良
      • ピアノちゃんを捜している途中なのに何故か花摘みをし、摘み終わったらそこにピアノちゃんがいた。
      • 最終ステージに入るとクロミは既に虹色の楽譜を手に入れている
    • 流れも「行く先々でクロミに妨害されるのでうまくこなしていく」ことの繰り返しで、とうてい「大冒険」とは言い難いものである。
    • そしてアニメ版の設定の無視・改変。特にラストシーンで顕著。
+ ネタバレ注意
  • まず最終ステージを開始するとクロミはすでに虹色の楽譜を発見している。そしていきなり「虹色の楽譜でダークパワーを増やし願いを叶える」という野望を明かす。
    • ダークパワーとは噛み砕いて説明すれば「魔法の力」で、アニメ版ではこれを集めてマイメロへの復讐を狙っている。しかし「ダークパワーを集めれば願いが叶う」という設定は当時存在せず*1、原作を見ていても首を傾げる展開である。
  • しかしマイメロは全く危機感なしで、クロミの願いは何か尋ねる。するとクロミは「自分を捕まえられたら願いを明かす」と宣言、最後のミニゲームが始まる。
  • 追いかけっこで敗北したクロミはあっさり虹色の楽譜をマイメロに渡す。するとなぜかダークパワーを集めていないのに願いが叶うことになっており、皆の願いを叶えるためにマイメロはクロミにも願いを尋ねる。
    • クロミの願いは「みんなと一緒に遊びたい」 というもの。 幼児にとっては「は?」となること請け合いである。
      • これについては一応、遊ばされたミニゲームというのはクロミが皆と遊んでいたつもりだったものであると解釈もできる。
  • 願いを聞いたマイメロディはクロミを皆のところへ呼び出す。そして楽しく遊ぶ…のかと思いきや、「虹色の楽譜に希望の歌を歌ってもらう」と話が転換。そして当たり前の如く希望の歌のシーンはカット。
  • 結局「夢の国が人々に忘れられた理由」「虹色の楽譜の正体」「希望の歌とは」など、プロローグの時点で振られた意味深な設定はまったく放棄されてしまう。
  • 内容が薄い
    • たった7ステージのミニゲームとおまけがこのソフトの全てである。おかげで夢の国マップは空き地だらけでスッカスカ。
      • 具体的に言うと大人であれば1時間半程度でクリアできるボリュームである。
  • おまけも評価が低い
    • きせかえはドット数が極めて少なく、SFCよりマシな程度。服も15種類しかなく、まさに誰得である。
    • ミニゲームも難しいため遊びたいと思えるかどうか…
  • 演出・グラフィック面
    • プロローグ・エピローグと各ミニゲーム開始前には各キャラの立ち絵が出てくるが、この絵がおぞましいほどに下手。フラットくんは目が歪な形をしているし、ウタは顔のバランスが明らかにおかしい。
    • 規定の距離を進むミニゲームはエンドレスに同じ地形・敵の配置が続く。そのため折角距離を達成してもステージのど真ん中なので達成感が薄い。
    • マイメロが下画面にいるので、多くのミニゲームでは上画面がステータスを表示するだけのスペースになってしまう。
    • ボイスはマイメロの「あ、クロミちゃん」とクロミの「いっくよー」「ひらけ、ユメのとびら!」だけ。
      • しかもそれで何度も会話を行うため、もはやbotレベルのやり取りと言わざるを得ない。

評価点

  • アクションゲーム中のマイメロのグラフィックは好評。
  • BGMは評価が高いものが多い。アニメ版オープニングテーマの「オトメロディー」もDSにしては頑張っている。
    • ただし第1ステージのBGMに限り、間の抜けたメロディーがやる気を削ぐと不評。

総評

対象年齢を考えていないような難しさに加えて貧相すぎる演出も評価を下げており、キャラゲーとしてもアクションゲームとしても落第点以下である。言うならば「マイメロもクロミも大して活躍しない、キュートではあるが不愉快なアクションゲーム」だろうか。
ストーリーにも見るべき点はなく、これをプレイするくらいなら原作アニメをいちから見返した方が何倍も有意義な時間を過ごせるだろう。

余談

  • アニメ本編の「おねがいマイメロディ」は商業的に成功しており、全4シリーズにわたって放送された。
    • 現在はdアニメストアで全話視聴することができる。
    • このアニメ版、本来のターゲットである女児層やサンリオのキャラクターファンへの人気もさることながら、不条理かつ毒気の強いストーリーやパロディネタを連発したことから、好事家向けのカルトアニメとして大人のアニメファンの支持層も結構多い。本作の高難度はそうしたファン層も意識したのかもしれないが、その割にその手のファンに受けたアニメ版のカオス要素は本作ではほとんど見られなくなっている。
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最終更新:2023年06月17日 17:12

*1 実はアニメ第2期の「くるくるシャッフル」でこの設定が逆輸入されている。2006年度以降に本作をプレイした人なら理解できる…かもしれない。