がんばれゴエモン ~星空士ダイナマイッツあらわる!!~
【がんばれごえもん せいくうしだいなまいっつあらわる】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ゲームボーイカラー
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発売元
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コナミ
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開発元
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コナミコンピュータエンタテインメント神戸
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発売日
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2000年12月21日
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定価
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5,040円
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プレイ人数
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1人(ミニゲームのみ2人)
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判定
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良作
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ポイント
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携帯機ながら据置機とほぼ変わらない完成度 ゲームバランス等、様々な面で完成度高し BGMは全て過去作のアレンジ
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がんばれゴエモンシリーズリンク
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概要
ゲームボーイ版「がんばれゴエモン」シリーズの1作。
カラー専用ソフトで、SFC版『奇天烈将軍マッギネス』を踏襲した、ステージクリア型横スクロールアクションゲームとなっている。
本作はKCE神戸による外部開発であるが、本家開発チームの中心人物の1人であった蛭子悦延氏がプロデューサーとして関わっている。
ストーリー
ある日のこと。江戸の上空に謎の宇宙人「星空士ダイナマイッツ」が駆る巨大なUFOが現れた。
ダイナマイッツは地球征服を宣言し、その手始めにと配下のからくりネコ軍団を使って日本の各地を荒らし始めた。
別々の目的ではぐれ町を留守にしていたゴエモンとエビス丸は、
騒動が原因で楽しみにしていたイベントが中止になってしまった怒りを思い知らせるべくダイナマイッツに立ち向かうのであった。
(Wikipediaより引用)
システム
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基本的なシステムは上述の通り『マッギネス』にほぼ準拠。
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マップ上からステージに入り、クリアするとマップ上を進んで新しいステージに挑戦できる。マップ上には町や村もあり、回復やアイテム購入もできる。
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なお町の中で女性キャラに触れるとお金をもらえたり、道行く人を叩くと役人が現れて攻撃してくるのも『マッギネス』準拠。
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本作ではゴエモンとエビス丸のみ使用できる。この二人に基本性能の差はない。
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ゲームスタート時、南国エリアにいるゴエモンか北国エリアにいるエビス丸か、どちらからスタートするか選ぶことになる。一度選ぶと途中変更は出来ない。
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特定の地点まで進むともう片方に交代する事になり、ゲーム中盤で二人は合流。以降はいつでも変更できるようになる。
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サスケとヤエはゲスト参戦に留まり、特定エリアのシューティングステージでのみ使用できる。
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但し1周目ではクリア後の再プレイは不可で、全面クリア後に占い屋に行くと再挑戦できるようになる。
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ゲーム後半ではインパクトに乗っての巨大ボス戦もある。
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『マッギネス』『3』でおなじみのコックピットからの主観視点でのバトルが繰り広げられる。
お馴染みの必殺技「百烈パンチ」と「んが砲」も使用可能。
インパクトの特殊技
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コマンド
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キック
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↓↓B
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百烈パンチ
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↑↓↑B
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スタン弾
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BBBA
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んが砲
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ゲージMAX時に↑→↓←B
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本作では『3』の招き猫システムが形を変えて搭載されている。
金の招き猫
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15個存在し、5個集めるごとに体力の上限が上がる。
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銀の招き猫
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5個存在し、全て集めるとゴエモンの武器がパワーアップする。特定の壁を破壊できるようになり、攻撃力も上がる。
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黒の招き猫
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5個存在し、全て集めるとエビス丸が「ちびエビスン」の術を使えるようになる。この術は、攻撃は出来ないが狭い通路に入り込める。
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ゲームをクリアすると招き猫をいくつ集めたかが表示される。
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コンプリート時の特典も用意されており、全て集めてクリアするとボスラッシュ用のステージが追加される。
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本作独自の要素として「わるもの図鑑」が存在。倒した敵は自動的に図鑑に登録される。中には特定の場面でしか出てこないキャラもいて、コンプリートはかなり大変。
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ミニゲームも存在。これのみ通信を利用して二人対戦が可能となっている。
評価点
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GBCでほぼ忠実に再現されたSFC版シリーズのゲーム性。
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ハード性能の都合上、規模が縮小したり演出が簡素になってはいるものの、基本的な部分はSFC版と遜色ない。
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特にインパクト戦が秀逸な出来。ハード性能の都合で原作のようなスピード感や拡大・縮小機能で表現されていた派手な演出こそないが、遠近法を活かして大小のパターンを用意することで敵弾の飛来を表現したり、カラー専用ハードであることを活かした残像表現やエフェクト等、地味さを逆手に取った演出が盛り込まれており、作り込みのレベルはかなり高い。更に処理落ちも皆無。
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グラフィック面も非常に良好。
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GBCの鮮やかな色遣いと限られた解像度の中で味方から敵までしっかりと描かれており、アクションもバッチリと再現している。デモシーンにおける1枚絵も限られた解像度でしっかり書き込まれており、キャラデザインの再現度も非常に高い。
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ステージ総数はベースとなった『マッギネス』と比べて減少しているが、ハードがGBであることを考えれば十分及第点と言える。ステージ1つ1つの密度が高いため、極端な物足りなさも感じにくい。
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ゲームバランスも良好で簡単すぎず難しすぎず、初心者でも十分楽しめる出来。
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ゴエモンとエビス丸、どちらからスタートするかで合流時の会話イベントの内容が少し変わる。
両者の個別プレイが強制されるため自由度こそ低いが、この仕様のおかげで2周目のやり込みの余地にも繋がっている。
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合流以降の会話イベントも、ゴエモンとエビス丸とで二通りあるという芸の細かさ。
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ゴエモンらしいバカバカしさも健在。最初から最後までコメディ調で楽しませてくれる。
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今作の敵ダイナマイッツも緊張感のない敵で濃いキャラをしている。
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敵方のからくりメカも旧作に劣らず個性的で、猫型ロボット達にサイボーグ町娘など、相変わらずのカオスな面々が目白押しである。
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ボス登場時、64シリーズ以降でお馴染みとなった名称付きカットインが入るため、盛り上がる事請け合いである。
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サスケとヤエの操作機会が限定的ながら用意されている。
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シューティングステージという毛色の違うシチュエーションではあるが、プレイヤーキャラが刷新されたPS版『アコギング』では両者とも出番はあるもののチョイ役程度の扱いで操作機会が皆無であったことが不評だったため、この点は配慮されていると言えよう。
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やり込み要素が充実している。
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旧作でお馴染みの招き猫集めに加えて、「わるもの図鑑」等シリーズとしては珍しくやり込み要素が豊富。
賛否両論点
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BGMの大半がSFC版シリーズのアレンジ曲。
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アレンジ自体はとても良好でありファンサービスとしても充実しているが、新曲がないのはやはり物足りない。
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この点はPS版含めた外部開発作品の傾向でもあり「手抜き感が否めない」とする意見も少なからず存在していた。
難点
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全体的に挙動が重くなっており、旧作に慣れていると違和感がある。
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また、しゃがみ移動が削除されているため、アクションの多彩さでは本家に少々劣っている。
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仕様ゆえの若干の不自由さ。
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『きらきら道中』同様にキャラ毎のエリア割り当て制になっているが、そちらと異なり、攻略の途中でエリアを自由に選択することはできない。そのためやや不自由さはある。
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インパクト戦の回数が減っており2回しかない。
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ハード性能や容量の都合を考えれば仕方ないが、やはり物足りなさは否めない。
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シューティングステージの最中は、途中にある招き猫を取れない。
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入手するためには1度ゲーム本編をクリアしてからステージに再挑戦する必要があるので二度手間感はある。
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シューティングステージのテンポが悪い。
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スクロール速度がかなり遅いため、テンポが悪く爽快感もイマイチ。
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「わるもの図鑑」のコンプリート難度が高く面倒臭い。
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一部の無敵で倒すことができない敵については規定回数の攻撃を当てれば図鑑に登録される仕様だが、この点について全く説明なし。
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又、他にも特定のボス戦で出てくるのを待たなければいけない敵も存在する為、真面目にこなそうとすると作業的になってしまう。
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特定の街でないと達成状況の確認が行えないのも面倒臭い。
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完全なおまけ要素でありコンプリートを達成しても特に何もないので、関心がなければ無視しても問題ない。
総評
SFC版シリーズで確立されたゴエモンのゲームシステムをある程度簡略しつつ、単純な劣化に至らせずにGBCというハードに落とし込んだ意欲作。
アクションゲームとしても完成度が高く、スーパーファミコンのシリーズに親しんだ人、本作が初プレイの人でも十分に楽しめる良作である。
惜しいのは知名度の低さ。2001年にニンテンドウパワーの書き換えソフトとして発売されてはいるものの、以降に移植や配信はされておらず、2021年現在ではレアなソフトとなっている。
旧作に劣らぬゴエモンらしさを内包した良作なので、もし機会があればプレイしてみてほしい。
最終更新:2024年06月04日 08:41