がんばれゴエモン きらきら道中 ~僕がダンサーになった理由~

【がんばれごえもん きらきらどうちゅう ぼくがだんさーになったわけ】

ジャンル アクション
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 24MbitROMカートリッジ
発売・開発元 コナミ
発売日 1995年12月22日
価格 9,980円(税別)
書換 ニンテンドウパワー
1997年9月30日/1,000円/F×6・B×4
プレイ人数 1~2人(一部対戦ミニゲーム1~4人)
判定 バカゲー
ポイント 横スクロールアクションに回帰
極まったパロディとおバカネタ
世界一ノリノリなゲームオーバー画面
連打ゲーの多さとインパクト戦廃止は不評
がんばれゴエモンシリーズ


概要

SFC版『がんばれゴエモン』シリーズの4作目にして、SFCにおけるアクションシリーズ最終作*1。本作以降、タイトルからナンバリングが省かれるようになった。

アクションアドベンチャーであった前作から一転、再び過去作と同じ横スクロールアクションに回帰した。システム面は『奇天烈将軍マッギネス』をほぼ踏襲しつつ、前作にあった謎解きや探索の要素も盛り込まれている。

「タイムトラベル」というテーマでSF要素が濃かった前作に続き、今作では宇宙に進出する。


ストーリー

今日はものしりじいさん98歳のバースデー。伊賀の忍者屋敷では盛大なパーティーが行われていた。
馴染みの面々が屋敷を訪れるなか、そこにやって来た新客はなんと…
「こんにちはインパクトです。今日はお別れの挨拶にきました。」
「どしぇーーーっ!インパクトがひとりでにうごいとるぅーーーっ!!」

いままでからくりメカのフリをしていたゴエモンインパクトはなんと、「惑星インパクト」出身の宇宙人だったことを明かした上で、
「セップク丸」と名乗る悪いスポーツマンが故郷を荒らしているという報せが届き、惑星インパクトに帰らなければならなくなったことを語った。

「なに水くせぇこといってんでえ! 仲間じゃねえかっ!!」
ゴエモンたちはインパクトを助けるために宇宙へと飛び立った。
ついに地球を飛び出したゴエモンたちの運命やいかに…。


ゲーム内容

基本システム

  • 『奇天烈将軍マッギネス』と同じフィールドマップ・横スクロール式のアクションゲーム。
    町ステージを経由しつつ各エリア(惑星)の道中ステージをクリアし、城ステージにいるボスを倒すことで進めていく。
    • 計5つのエリアからなり、序盤に挑む4つのエリアを全てクリアすると、最終エリア「惑星インパクト」に行くことができる。
    • 本作では各エリアを任意に選択でき、自由なペースで攻略を進めていくことができる。
      • ただし、各エリアにはそれぞれ使用可能なキャラクターが事前に割り当てられており、4つのエリアを全てクリアしてからでないと別のエリアで使うことができない。
        また、前作の謎解き要素を受け継いでおり、アイテムや特殊能力を入手したり別のキャラクターが使えるようになってからでないと先に進めなかったりする場所も多い。
    • 旅日記の選択画面ではクリア率の表示があり、ステージをクリアしたり招き猫を集めたりするごとにクリア率が上昇する。
      • 100%になると隠し要素が解禁される。
  • 本作では城ステージクリア後のインパクト戦は廃止されており、ボスとのミニゲーム対決になっている。

    + ミニゲーム一覧

    以下、「ボタン連打」はA、Bボタンを交互に連打することを指す。

    • バンジー真剣白羽取り
      • インパクトめがけ、宇宙空間から刀を構えてバンジージャンプを繰り出す敵方のからくりロボを地上で迎え撃ち、タイミングよく十字ボタンの上を押して刀を受け止め、ボタン連打でゲージを最大まで溜めてへし折る。
        • 刀を受けるのが早すぎると腕が爆散、受け損ねると頭から真っ二つにされてしまい、受け止めた後のボタン連打が甘いとバンジージャンプの反動で宇宙空間に引っ張り出されてミス。2回ミスしたら敗北。
        • 遊技場では2回の試技で刀を受け止めてからへし折るまでの時間を競う。

    • ふすまのぞきクイズ合戦
      • 徐々にしまっていくふすまをボタン連打で押し止めつつふすまの向こうを高速で横切っていくものを見極め、十字ボタンの正解に対応する箇所を押して答えるクイズゲーム。
        • 正解毎に相手にダメージを与え体力を0にすると勝利で、ふすまの間隔が狭いほど高いダメージを与えられる。4回不正解で敗北で、3回までのおてつきの猶予あり。
          2プレイ時はどちらかが不正解してももう1人が正解すればその問題でのおてつきはノーカウントになる。
        • 遊技場では1問正解で1点、不正解ならマイナス1点。4点先に取った者が勝利となる。

    • からくりサバイバルレース
      • 横視点でのレースゲーム。自動で走るインパクトをボタン連打で加速させ、途中に存在するシャッターを対応する十字ボタンの入力で開けて回避させていく。
        • ボスよりも早くゴールすることでダメージを与え、すべての戦いを勝ち抜くことでボス戦勝利となる。
        • 遊戯場では、シャッターを開ける十字ボタンの組み合わせが固定されている*2「チャレンジ」と、組み合わせがランダムの「バトル」の2つで遊ぶことができる。

    • 超対戦ぱずるだま
      • コナミの有名パズルゲーム『対戦ぱずるだま』のゴエモンバージョン。ボス戦では敵との勝負になり、遊戯場でのプレイではメインキャラ4人を操作しての最大4人対戦となる。
      • ボス戦では連鎖を起こして相手におじゃま攻撃を送ることでダメージを与える。先に相手の体力を0にするか、2本先取で勝利となる。
        • 画面上部ではインパクトと敵のからくりロボが戦闘を繰り広げており、連鎖に合わせて攻撃をする演出になっている。沢山連鎖をするほど強力な攻撃を繰り出す(敵も同様)。
      • ゴエモンシリーズのぱずるだま化は後にも先にもこれのみ。また、現在でも4人対戦が出来る『ぱずるだま』は数えるほどしかない。
      • キャラ毎に勝ちポーズと負けポーズの両方が用意されており、エビス丸の勝ちポーズとヤエの負けポーズは必見。
      • オリジナルのぱずるだまに比べて、おおだまの消滅(連鎖のテンポ)が異様に早いのが特徴。

    • 惑星インパクトを救え!
      • ラストバトルにおけるミニゲーム。宇宙空間からセップク丸が投げ込んできた衛星爆弾をキャッチして投げ返す。
      • 爆弾のキャッチのタイミングは十字ボタンの上、投げ返す角度の決定は十字ボタン上を離すタイミング、投げる速度はボタン連打で決まる。
        キャッチするタイミングや投げ返す角度が完璧だと「うまい!」と表示され、連打時のゲージが上がりやすくなりボスに多くダメージを与えられる(通常は2。キャッチするタイミングや角度が完璧だと4。ボスの体力は16)。
        なお、角度調整を大きく失敗すると、投げかえした衛星爆弾が 地球を中心として360度くるっと一周してインパクトの後ろから戻ってくる という、物理法則を無視した失敗演出(2回失敗すると敗北となる)は、プレイヤーの衝撃(笑撃)を誘った。
      • また、連打不足でセップク丸まで届かないと、なんと ビデオの巻き戻しのように衛星爆弾が地球に戻ってくる という演出になる。この世界の宇宙における物理法則の概念は一体どうなっているのだろうか*3
      • ボスの体力を0にすれば勝ちだが、ボスの体力が減るごとに距離が光年単位でどんどん開いていく。初期状態で既に 7000光年 *4で、最終的には10000光年になる。なお、「最初の一発を投げた後、地球に到達する前にもうゴエモン達が寿命で死んでいるのでは?」というツッコミは野暮である。
        • 遊戯場では衛星爆弾を投げた距離と、衛星爆弾の衝突で破壊された惑星の数を競うという形式にアレンジされている。

    • タイムパイロット
      • 達成率100%でクリアすることで解禁されるおまけのミニゲーム。往年のコナミの名作アーケードゲームからの移植。
        • グラフィックや敵のアルゴリズムなど一部のみ異なり、最終ステージのボスがインパクトに変更されているのを除いて内容は初代とほぼ同一。
  • 2人同時プレイ
    • 前作に続き「ひょうたんシステム」があり、片方がひょうたんになってもう片方のキャラにアクションを任せることが可能。
      • ひょうたんになっている間はダメージを受けないが、もう片方がミスしてしまうと同時にミスになる。
    • ライフやアイテムは再びキャラクター毎に個別になった。片方の残機がなくなってももう片方の残機が残っていれば、それをもらって復活できる。
      • ミス時の再スタート地点は、1Pプレイ時は中間地点からの戻り復活、2P同時プレイ時は両方の残機が0になるまでその場復活で継続となる。

キャラクター性能
前作で確立されたキャラクターの性能差を受け継いでおり、各々の特殊能力を活かして進む局面も多く存在する。

+ キャラ一覧
  • ゴエモン
    • 前作同様、主人公らしく平均的な性能。
    • メインウェポン:黄金キセル
    • サブウェポン
      • 小判投げ。1両消費。
      • 波動小判(ため撃ち)。貫通性能を持つ小判を前方に3発同時に打ち出す。5両消費。
    • 特殊能力:チェーンキセル。
      • Xボタンでキセルの先端を伸ばし、卍ブロックにひっかけてワイヤーアクションの要領で離れた場所へ移動できる。
      • 下方向を除く5方向への攻撃が可能。レバーニュートラルで撃つと自動的に斜め上に向けて撃つ。
  • エビス丸
    • 前作同様、機動力は最低。本作ではメインウェポンの攻撃方法が、攻撃の向きによって異なるという特徴がある。
    • メインウェポン:魅惑のリボン(横方向)*5、ピン(上方向)、ボール(伏せ攻撃)
    • サブウェポン
      • 正義の手裏剣。2両消費。伏せて撃つと地形に沿って飛ぶ。
      • 反射手裏剣(ため撃ち)。壁に当たると反射する。4両消費。
    • 特殊能力:バレリーナドリル
      • 特定のブロックを壊すことができる。使用中は攻撃不可能。
  • サスケ
    • 前作同様、機動力は最高。
    • メインウェポン:波動くない(横方向)。上及び伏せ攻撃はちょんまげ攻撃。
    • サブウェポン
      • 花火爆弾。2両消費。
      • 大花火爆弾(ため撃ち)。花火爆弾よりも広い範囲に爆発する爆弾を投げる。
    • 特殊能力:くない壁のぼり
      • 特定の壁に登れる。使用中は上方向にのみ攻撃可能。
  • ヤエ
    • 機動力はサスケに並ぶ。
    • メインウェポン:くのいちの剣。ジャンプ中に十字ボタン下+Yボタンの同時押しで下突き攻撃が可能。剣シールドは本作では未登場。
    • サブウェポン
      • ヤエバズーカ。1両消費
      • ロックオンバズーカ(ため撃ち)。ため中に付近の敵(最大3体まで)に自動で照準が合い、ボタンを離すと追尾性能付きの弾を放つ。
    • 特殊能力:人魚変化の術。
      • Xボタンで人魚に変身し、水中を自在に移動&高速突進で攻撃可能。
      • 変身は水面でのみ可能で地上で出すと身動きできなくなるのは前作同様だが、無敵にはならない。

特徴(バカゲー要素)

ネタ・パロディ要素が満載
ゴエモンシリーズおなじみのネタ・パロディ要素も豊富。今作はコナミが得意な「スポーツ」をテーマにしているためか、いつも以上に気合が入っている。
エビス丸の武器が新体操の道具になっていたり、各エリアがスポーツをモチーフにしたデザインになっていたりするのは序の口で…

  • サッカーボール渡りに本作屈指の強さを誇る中ボス、捕まったら即ミスのカバディとトラウマだらけのクバーサ城。
    • 同じくクバーサ城の野球をモチーフにしたステージにあらわれる、ちゃぶ台をひっくり返すオヤジ。しかもBGMはどこかのGiantSを彷彿させるアレンジという念の入れよう。
    • ボス戦のミニゲームは「バンジー真剣白刃取り」。タイミング良く刀を受け止め、ボタン連打で刃をへし折るというものだが、タイミングが遅すぎて頭から真っ二つにされ爆発するインパクトの姿はプレイヤーにかなりの衝撃(と笑撃)を与えた。
  • アクアン城では画面の手前から何者かが拳銃でこちらを狙撃してくるのだが、その銃を握った手が某有名FPSのものによく似ている。
    • また、道中の一部のエリアの雰囲気がまるで魂斗羅』そっくり。卵からバッカー*6…ではなくニワトリが飛び出してくる。
  • スポーツとは一切関係ないが、ヤエに おつかい をさせる「スキ♡焼き」のイベントも忘れがたい*7
  • エンディングの展開も昭和アニメ版『鉄腕アトム』の最終回のパロディになっている。
  • 今回の敵は「宇宙一のスポーツマン」こと「ハラキリ=セップク丸」。
    • 側近の「辻斬り四人組」を従え、宇宙に存在するあらゆるスポーツを極めたという男性宇宙人なのだが、唯一、挑みあぐねている最後にして究極のスポーツ「セップク」を極めなければ正真正銘の宇宙一のスポーツマンには至れないと考えているトンデモナイお人。言うまでもないが「切腹」はスポーツではない。
    • そのギリギリを通り越してアウトなネーミングが示す通り、なにかにつけてセップク未遂を繰り返しているのだが、あろうことか、体内に宇宙をこっぱみじんにするほど強力な爆弾が埋め込まれており、その爆弾はセップクによって起動する仕組みになっている。そのため、この「セップク・ちゃれんじ」は辻斬りたちの手で全力で静止させられている。
    • 現実の選手宣誓のシーンではよく「スポーツマンシップ*8に則り~」と述べられるが、彼は説明書にて「複合スポーツ型宇宙戦艦スポーツマンシップ号を乗っ取りあらゆるスポーツを極めた宇宙人」と記述されており、前述の宣誓を「乗っ取り」と微妙にもじることでよりぶっ飛んだ設定を付加している。
    • 色々とふざけたボスだが、「生身で宇宙空間に耐える」「衛星サイズの爆弾を片手でぶん投げる」「光年レベルの投擲」「投げ返された爆弾をたやすくキャッチし極めて短い制動距離で抑え込む」など、身体能力に関してはシリーズ中トップクラスの輩である。
      • 外見も前作ラスボスの重禄兵衛に続いて美形だが、ラストバトルからエンディングにかけての最終局面ではイケメンが台無しな凄まじい形相も見せてくれる。このシーンは初見では爆笑する事請け合いであり、やはり彼のキャラも濃い。
  • 前作の未来の大江戸から更に発展し、今回は異例の宇宙(他惑星)が舞台となっているため、世界観も従来とは一線を画している。
    • 各惑星の街並みや文化は基本的には従来と同じSF時代劇と言った様相だが、町を歩く町人や役人は異星らしく人外の宇宙人ばかり。
      • しかし民家には地球人と変わらない人間がいる。従来通りの江戸時代風の町人や、銀髪の美少女と言ったシリーズではあまり見ないようなキャラもいたり、一方で分かりやすいタコ型の異星人もいたり、かと思えばタヌキに化かされて町人全員が幻覚を見せられている町があったり…と、ゴエモンならではの何でもありな世界観がより一層の奇天烈さでもって極まっている。
    • 異星だけあり、飯屋のメニューも普通の寿司や蕎麦がある一方で「こすも・うなどん」「うちゅうにく」などというよく分からないものがある。中には言葉を話す「くだものきんぐ」という料理まで。
    • その極め付けが最後に訪れる惑星インパクトの都市「セクター17」。外にいる一般人の顔が全てインパクトの顔であり、民家の中にいる住人も多くがインパクト顔。惑星インパクトだけに、「衝撃」という意味のインパクトも絶大である*9
      • なお、他の街と異なりセクター17にいる町人には当たり判定が存在せず、攻撃しても素通りするのみ。それに従って役人も出現しない。
  • どういうわけか仕込まれたウ〇コネタ
    • クバーサ城の中間地点で小判や団子などと一緒に回転している*10。その他、偽ゴールを通った時にも出現する。破壊したゴールたぬきの中から大量のウ〇コが飛び出してくる光景は、偽ゴールをつかまされたという事実と相まって中々にショッキング。汚物が盛大にばらまかれてる傍でキャラが通常通りのクリアリアクションをとっている様が余計にシュールである。
      • FC版『ゴエモン2』のマイナスアイテム「う〇ち」以来の下ネタである。*11

意味不明なサブタイトル

  • 真相はエンディングで明らかになる。詳細は伏せるが、如何にもゴエモンシリーズらしいオチになっている。

評価点

アクションゲームとしての面白さは健在

  • マップチップの使い回しも少なく、1ステージごとの仕掛けも凝っている。
    • スポーツをテーマにしているだけあって、武道や球技はもちろんバンジージャンプからカバディに至るまであらゆるスポーツがモチーフになっており、バラエティ豊かで飽きさせない。
    • 宇宙が舞台になっているだけに、背景に惑星や浮いている島といった幻想的な風景が広がっていて中々美しい。場所によってはインパクトの顔をした建造物など、思わず笑ってしまうような背景も見られる。

ミニゲームが充実

  • 前作ではミニゲームの類はなかったため、久々の収録となった。
    • ラスボス戦以外のミニゲームは「遊技場」でゲーム開始前から自由に遊ぶことができる(一度クリアするとラスボス戦も追加される)。マルチタップを使えば最大4人まで対戦が可能。
  • 本編中にもミニゲーム的なイベントが存在する。下手をするとトラウマになりかねないエビス丸のナンパ対決、悪戦苦闘必至なサスケの瓦版配達は「ちゃーいきまひょ」「ちょうかんでござる」といった特徴的なボイスも相俟って印象的。
    • ヤエは専用ボイスは無いが、上記の「スキ♡焼き」のイベントでミニゲームがある。ゴエモンはミニゲームこそ無いものの、エビス丸の葬式ゴエモンとおみっちゃんの結婚式場など凝った小ネタを仕込んだ特殊イベントがある*12

ゲームオーバー画面が秀逸

  • どういうものかというと、金ピカに彩られた「げえむおーばー」の文字や紙吹雪が飛び交い、やたらノリノリな音楽が流れる中、筋肉質な鬼がフラフープを回しながら「ヘイ、ブラザー!?ギブ・アップかい!?」とプレイヤーに問いかけるというもの。とてもゲームオーバーには見えないテンションの高さである。
    • これは当時放送されていたバラエティ番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」の中で行っていた、「よっ! ご陽気もの」というコントが元ネタである。
    • このゲームオーバー画面にも小ネタがあり、ABボタンを交互連打すると鬼のフラフープを回す速度が上がる。「さらばっ!」→「 !! で爆笑したプレイヤーも多いことだろう。
      人気があったのか、以降の作品でもたびたび採用されている。
    • ちなみに、ここで登場する鬼は、SFC版第1作・2作目のミニゲーム「鬼退治」「対戦バズーカ」と第3作のイベントで登場した鬼(3作目で鬼六と名付けられた)。
      また、BGM自体は第3作での登場シーンが初出で『ネオ桃山幕府』のサウンドトラックにて「オニオニランデブー」という曲名が付けられている*13
    • そして、コンティニューした際に鬼六が発する「オッケーィ!!」の掛け声のボイス担当はなんと八奈見乗児氏。スタッフロールの「友情出演」枠で氏の名前を確認することができる*14

BGM

  • 相変わらずのハイクオリティな曲の数々
    • SFC以降、純邦楽をベースに様々な音楽ジャンルの成分を取り込むという特徴を確立してきた本シリーズの楽曲だが、本作ではラテンミュージックからオールディーズまで非常に幅広いジャンルの成分が取り込まれており、これまでに築かれてきた「なんでもあり」な世界観が極まっているが、それでいてゴエモンらしいカラーをしっかりと踏襲している。
    • 今作の道中・城ステージのBGMは全て町ステージBGMのアレンジなのだが、全て異なるアレンジが施されており「1曲をここまでバリエーション豊かにアレンジできるのか」と感心してしまうほどに出色の出来栄えとなっている。
    • PCM音源のサンプリングの質も極めて高く、SFCとは思えないほどの音質に仕上がっている。
  • 前作で一部のNPCのみついていたボイスが、4人全員についた。
    • 正規の声優による音声が全員分、新規収録されており、ダメージボイス以外にも攻撃時やステージ開始時、クリア時など様々な場面でキャラクターが喋るようになっている。
      • また、ゴエモン一行のみならず今作の大ボスであるセップク丸にもボイスが振られており、最終決戦ではアクションに応じたボイスを発してくれる。

その他

  • グラフィック流用によるステージ全体の見通しの改善
    • キャラクター及びマップチップのテイストが前作『3』からの流用となっているため、マップ全体の見通しがよくなり、『1(ゆき姫)』『2』での欠点であった「サイズの大きいキャラグラフィックによる敵への接触・被弾し易さ」も改善された。

問題点

インパクト戦廃止&ボス戦が別ゲー

  • 『2』『3』でおなじみだったインパクトでの巨大ボス戦が廃止され(インパクト戦という名目の)ミニゲーム対決に変更された。
    • 『2』『3』の巨大ボス戦は非常に好評な要素でファンが多く、これを一番の楽しみとしてプレイする人も少なくないほどの目玉要素であり、その廃止だけでも多くのシリーズファンが不満を抱いた。
    • そのうえ、全てのボス戦がなぜか直接のバトルではなくミニゲーム対決となっており、その内容もパーティーゲームのような一発アクションやパズルゲームなどの完全な別ゲーとなっている。
    • このミニゲームはシナリオ外で個別にプレイ可能なオマケ要素「遊技場」の内容と共通だが、そのようなオマケに近い内容のプレイをシナリオ内で何度も強要される仕様はあまり歓迎されなかった。
  • ラスボス戦以外のミニゲームについては、遊技場でいつでも自由に練習できるのがせめてもの救い。
    ただ、それはそれで事前にボス戦の内容がわかってしまうので興が削がれるという意見もなくはないが。
    • また「超対戦ぱずるだま」については、ボス戦におけるルールの都合上2人プレイで挑めば難易度を大幅に軽減可能。
  • なお、この仕様はプロデューサーの蛭子悦延氏の意向で、「今までのシリーズでは2人プレイが限界だったため、大勢で一緒に遊んで楽しめるゲームにしたかった」との理由から来るものであったという(アーカイブ)。
    • プレイヤーからの評価の中には氏の狙い通り「みんなでミニゲームで楽しめた」という意見もあるにはあるのだが、そうしたユーザーの中にも「インパクト戦の廃止はやっぱり残念」という声が多くあったのも事実。
    • ミニゲームそのものはゴエモン恒例のお楽しみ要素でありその充実自体は評価点ではあるものの、それをゲーム攻略上の根幹に据えてしまったこと、そしてそのせいでシリーズで大好評だった要素が削除されてしまったことが結果的に大きなマイナス点になってしまった。

ボス戦(ミニゲーム)の大半が似たような連打ゲー

  • しかも「超対戦ぱずるだま」を除く全てのボス戦=ミニゲームが、相当量のボタン連打を要求される非常に癖の強い内容となっている。
    • それもただの連打ではなく「ABボタンを交互に」という他作品であまり類を見ない複雑なもの。そしてボス戦のクリアにはかなり高速なガチの連打が求められる。
      • 黒船党』と違って人力ではクリア不可能とまではいかないレベルだが、この箇所以外の作中では全く要求されない特殊な操作である。慣れずに何度もやり直すことになりがちで、小学生などではそもそもクリアが難しかった人も少なからずいた。
      • また対人対戦においても「連打の得意不得意が影響しすぎて、友人間でやっても、連打がうまい人にはさっぱり勝てず楽しめない」という意見も少なくない。
    • なおかつ、ボタン連打に前後してタイミング良くボタンを押す、表示される矢印と同じ十字ボタンを押すなどの追加操作も要求される。
      • この連打以外の操作の難易度自体はさほど高くないが、連打で消耗したまま間髪を入れずに正確な操作が要求されるため不意のミスは起きやすいうえ、これを失敗することによる減点幅は連打不足よりも大きい。ちょっとしたミスによりいくら連打を頑張ってもカバーしきれない状況に陥り、その試合は捨てて最初からやり直したほうが良くなることも多い。
      • 特にラスボス戦はタイミング良くボタンを押す→タイミング良く離す→連打という複雑な操作を最短でも4回繰り返すことになるため、緻密なボタン操作が苦手な人にとっては地獄そのもの。
        その上、一連の操作をどれか1つでも失敗するとミスとなり、2回ミスすると残機が減って最初からやり直しになってしまう。
    • どのゲームも一回成功しただけではクリアにならず複数回の成功が要求されているため、ボスを倒すまでひたすら連打の継続を繰り返し強いられる。
      • プレイヤーのリアル体力の消耗により徐々に連打不足や不意の操作ミスが起きやすくなってくるが、それによってより苦戦しやすくなり、更に疲労がたまり…という悪循環に陥る。しかしボス戦においては当然コンピュータ側がリアル体力を消耗するはずもなく、また救済措置の類も一切ないため、リアルプレイヤーにとっての一方的な消耗戦になりやすい。
    • そもそも、「超対戦ぱずるだま」以外のミニゲーム4種はどれも同じABボタン連打が成否判定の中心であり、建て付けこそ多少違えどやっていることが大差なく、ゲーム全体で見れば単調と言わざるを得ない。
  • ちなみに連打ゲーだらけにした理由については蛭子氏曰く「 連打が好きだから 」とのこと。要するに趣味。
    • 単純に連打一辺倒だけではなくゲーム内容毎にルールに変化は着けられているとはいえ、単調さは否めないだろう。
    • 連打そのものが一時ブームを博したジャンルで一定のファンを保っていたのは当時の事実だが、もはや時代の大勢には背いていたのが現実だった。SFCの純正コントローラーボタン(いわゆる中のゴム)は押下耐用面で優秀ではなかったので、その寿命を縮める連打自体が嫌厭につながっていたのである。
    • 実際、主要スタッフの山内円氏曰く「でもけっこう賛否両論やったですよ」とのことである。

ボス戦のパズルゲームの難易度

  • 「超対戦ぱずるだま」は本作のミニゲームの中で唯一連打が要求されないが、『ぷよぷよ』に近い純粋な落ち物パズルという完全な別ゲーで、しかもその難易度も高め。
    • おおだま・こだまの落下スピードが遊技場とボス戦とで異なっており、遊技場では一段一段止まりながら比較的ゆっくり落ちてくる初心者向け仕様だが、ボス戦ではなぜか無停止で連続的に速く落ちてくる上級者向け仕様で、スピードの調整は不可能。
      • 遊技場であればゆっくりな分落ち着いてどこに置くかを考えやすいが、ボス戦だとただでさえ体力の削り合いというルールで相手のペースに押され易いうえに落下まで速いため、苦手な人には非常に辛い。
    • そのうえ、ボス戦の攻略においては連鎖が必須(連鎖なしで消しても敵にノーダメージ)となっているため、パズルゲーム未経験者や苦手な人にとっては非常にキツい。
    • ただ、ルール上は劣勢からでも一発逆転の大連鎖を起こしやすい*15ようになっており、苦手な人でも偶然の大連鎖の発生によって形勢逆転できる場合はあり、何度もプレイすれば偶然クリアできる可能性はある。
      • しかし裏を返せば敵側も同じ仕様で、一度大連鎖に成功したたからと言って油断しているとより大きな連鎖を返されてあっさり逆転負けしてしまうこともあるため、相手のフィールドを「こだま」で埋めつくして封殺する位の勢いで積極的に攻めていかなければ安定したクリアを狙えない。
    • また、ルールは敵味方共に連鎖攻撃による体力の削り合いで、2ラウンド先取した側もしくは先に相手の体力を0にした側の勝ちとなるため、たとえ優勢であっても試合が長引くと逆転負けする場合もある。

キャラチェンジに制限

  • 前作では序盤から可能だったキャラチェンジだが、今作では最初の4エリアをクリアしないとキャラチェンジが行えない。
    • 2人同時プレイの場合は色違いの同キャラを操作する事になる。
      • ちなみに、前作では「クロベエからものまね変化の術を教わった」と理由付けされていたが、本作では特に理由付けがなされていない。

キャラ間のバランス

  • 前作でも見られた難点だが、本作でもやはりキャラクター間のバランスはよくない。
    • ステージ攻略における性能はサスケが極端に優遇されている。
      • サスケは元々移動速度やジャンプ力などの機動力が高く、ただステージを駆け回るだけでも最も有利である。
      • しかもサスケの特殊能力「くない壁のぼり」は、猫収集などのやり込みに必須となるステージも多いうえ、そうでないステージでも敵をやり過ごせたりショートカットできたりと非常に便利である。そのためら普通にプレイしているとキャラチェンジの解放後は常にサスケが出ずっぱりになりがち。
      • 当時のコミックボンボンに掲載された招き猫収集の攻略記事でも、帯ひろ志氏のイラストで「堂々と立つサスケと、その足元でひれ伏す他3人」という構図が描かれる始末であった。
  • 唯一水中移動が可能なヤエにも固有の活躍の機会があるが、ゴエモンとエビス丸は能力を必須とする局面が少なく、キャラチェンジの解放後はあまり使われなくなる。
    • ゴエモンは癖のないサブウェポンとリーチの長い特殊能力により戦闘の面で使っていけるが、特殊能力がただ特定のブロックを破壊するしか使い道のないエビス丸は特に不遇である。一応終盤で反射手裏剣を使うことを想定されている場所もあるが、サスケの壁のぼりで問題なく突破可能というあんまりなことになっている。

アクションステージの難易度が高い

  • その理由の1つは、体力ゲージの最大値を増加させる招き猫取得のタイミングの悪さ。
    • 金銀銅の招き猫を揃えると最大体力を増やすことができるが、キャラチェンジせずに揃えられるのはゴエモンが担当する惑星クバーサのみ。
      他の惑星ではそのエリア担当のキャラでは進めない場所に必ず1つは招き猫が配置されている。序盤の4エリアをクリアしてからでないとキャラチェンジが行えず、ゲームの大半は初期体力5のままで進めることになる。
  • 敵の密度が多いにもかかわらずステージが上下に広いため、「高所から降りてみたら敵の上」と言う、不可避かつ理不尽なダメージを負う事が多い。
  • 動く壁などの即死トラップが多く、ミスが多発しやすい。
    • そのためか、道中に大入り袋(1UP)が配置されるようになった。
    • ゲームオーバーになっても中継地点からリスタートできるのが救い。
  • 歴代の中でも格段にジャンプ力が低い
    • これも本作が高難度化している原因のひとつで、前作までと同じ感覚でプレイしているとすぐ穴に落ちてしまう。
      • 特にゴエモンが担当する惑星クバーサは足場のないステージが多く、それが余計に目立つ。

惑星ごとの難易度バランスが歪

  • ゲーム開始時には主人公ゴエモンのいる惑星クバーサが選択されており、ここが初めてクリアするのに適切な惑星であるかのような印象を受けるが、実際にはここが最も難しく、ここからスタートすると躓きがち。
    • 簡単なのは最初の1ステージだけで、他のステージは先述の通り落下死を招く奈落のオンパレード。惑星の最終ステージである城も他の星より明らかに高難易度。プレイヤー側の慣れの要素を抜きにしても最後の惑星より高度な操作を要求される場面も多く、この惑星だけでコンティニューが2桁を超えたプレイヤーも少なくないであろう難易度。
    • 逆に、初期状態の並び順的には4番目で最後ということになる惑星アクアンは大半のステージも拍子抜けするほど簡単。惑星間で各ステージの難易度があまりに偏っており、その理由は不明。
      • ただしその惑星アクアンも最初の道中ステージであるサッカスの森に限り非常に高度なジャンプアクションを求められ、アクション初心者やジャンプアクションが苦手なプレイヤーにはそれなりに難しい内容であるなど、惑星内でのステージ難易度の並びにも疑問符がつく。
      • 最終エリアの惑星インパクトも、最後だから特別難しいと言われるとそうでもない。ラスボス戦とスノーウォールなど一部の面は苦戦必至だが、クバーサやスーイアをクリアできる実力があれば、他は難なく攻略できると言っていい範疇である。
    • ゲーム終盤に、これまでに登場した城ステージのアレンジ版と言えるステージが4種類登場するが、こちらもクバーサ城をモチーフにした「クバーサタワー」の難易度が突出して高い。
      • 逆に、フォレス城をモチーフにしたフォレスタワーだけは、誰の目にも明らかなレベルで難易度が低い。ステージギミックもフォレス城とほとんど変化がなく、終盤ステージだからと身構えていると肩透かしを食らうこと必須である。

敵を倒しても小判やアイテムが出ない

  • 正確には、出るには出るが「伏せ攻撃で敵を倒したときに出るボールを叩く」という手順を踏む必要がある。
    詳細を説明すると「叩いたボールが別の敵をホーミングして倒してから初めてアイテムを出す」というまどろっこしい仕様である。
    • 説明書ではこれを「ノック攻撃」と表記しているため、テーマであるスポーツにちなんだ仕様変更だとは思われるが、この仕様となる必然性が作中だけでは不明で、プレイヤーとしてはただ煩雑なばかり。
      • ボールを叩き損ねるとその場で消えてしまう上、敵が単体でしか出現しない場合は全く活用できない。また、ジャンプ攻撃を多用する必要があるマップなどでは、アイテムを得るのはほぼ不可能である。
      • ただ、このボールは画面にいる敵全てに攻撃してくれるので実用性はある。
        また、敵から出にくくなった分、道中ステージに配置された団子や大判の類は従来に比べて増えており、町ステージでもボーナス効果を持つ通行人(触れると体力回復やお金入手)が『マッギネス』に比べて頻繁に出現する。
        更に今作ではステージ進行上高額なアイテムの購入が必要な場面がなくなっているので、よほど偏ったプレイをしない限り金欠で困ることは無いだろう。
      • 上手く敵を巻き込んで一掃するのは中々の爽快感がある。敵からアイテムを得る手段をノック攻撃に限定さえしていなければ評価は違ったことだろう。

ゴールたぬきの仕様変更

  • ゴール地点のたぬき像(ゴールたぬき)を破壊することでクリアになるのは『マッギネス』と同様だが、『クリア時点の制限時間の残り量に応じて小判の量が変化する』仕様から『回転するタヌキ像を壊した瞬間の像の向きで小判の量が変化する』という仕様になった。
    • 正面だと大量の小判が手に入る代わりに正面以外の向きだと極端に少なくなるため、狙って壊さないと稼ぎ難くなった。
      ただし、前述のように金欠で困る要素はある程度解消されているので、そこまで困ることはない。

説明不足過ぎる終盤のストーリー展開

  • 惑星インパクトに到達してからは、ラストバトルまで大したイベントがない。
    • ラストバトルを除く惑星インパクトでのイベントと言えば、町での敵幹部との会話だけ。あとはただひたすらステージをクリアしていくだけ。
    • ラストダンジョンの一つ前のステージでは、唐突に敵の戦艦から自動車の屋根に乗ったまま落下し、落下中に襲い来るザコ敵達との空中戦にもつれ込むという、完全に意味不明な展開がある。
    • ラストダンジョンも、今までの惑星の城を模した4つの塔から成るいわくありげな構造にもかかわらず、その意味に関する説明は皆無。
  • そしてそれをクリアするとなぜかラストバトルに突入するが、それも特に説明のないままラスボスと衛星爆弾を投げ合うというトンデモ展開。
    • 戦闘前や戦闘中にラスボスの台詞は少しあるが、その展開に至った経緯などを説明する描写がまるでなく、いくらバカゲー要素が多い作品だと言ってもさすがに理解に苦しむ展開で、置いてけぼりを食らう可能性が極めて高い。
      • 前作までならラストダンジョン突入時やラスボス戦前などにきちんとストーリーを表現するイベントがあっただけに、本作の終盤はとにかく唐突で説明不足感が否めない。
  • 惑星インパクト到達後のシナリオを説明すると「町で敵幹部からラスボスの秘密を聞かされ見つけて止めるよう頼まれ、ステージをクリアしていくと4つの塔があったので攻略する。すると何千光年も離れた場所でラスボスが怒りだし、惑星インパクトを破壊しようと宇宙空間から衛星爆弾を投げてきたので投げ返して倒す」。端折っているだけかと思うかもしれないが、冗談抜きで本当にそうだから仕方ない。
    • 町で助けを求めてきた敵幹部たち4人が「ゴエモン達との戦いのせいで監視が疎かになった隙にラスボスが宇宙船でどこか行ってしまい、行方がわからなくなった」という旨の説明をしている。ゴエモン達も宇宙に出る自体はゴエモンインパクトですぐ可能なので、その後のステージ攻略の目的は「ラスボスが乗っている宇宙船スポーツマンシップ号の行き先を探るため」と解釈することも可能ではあるが、これも必然性は弱く憶測の域を出ない。
      ラスボスが怒りだした理由についても具体的な描写がないので、なぜ怒っているのかがいまいちよくわからない。

総評

アクションとしての面白さは健在。ネタ、演出共に進化を遂げているのは間違いなく、ゴエモンシリーズの一作としては十分な完成度である。

惜しむらくは、過去作で好評を博していた巨大ボス戦の廃止と、連打要素の異様な多さ。斬新な試みではあり、ミニゲームとして見ればそれぞれの面白さもあるが、あまりの連打の過酷さは多くのプレイヤーを辟易させた。
この大きすぎるマイナスポイントが仇となり、SFCの前3部作ほどの評価は得られなかった。
この点さえ無ければ素直に良作としても推せたであろうだけに、惜しい作品である。

とは言え、前述したようにゴエモンシリーズらしい面白さはしっかり発揮されているので、ファンならプレイする価値は十二分にあると言えるだろう。


その後の展開

  • 今作の後、外伝作かつSFCシリーズ最終作『それ行けエビス丸 からくり迷路 消えたゴエモンの謎!!』」が発売され、それ以降、シリーズはプラットホームを64とPSに移した。
    • いずれも良作の評価を受けている64版に対して、PSで発売された外部開発作品がことごとくファンの反感を買う出来だったため、売り上げやシリーズのブランド価値を落とすことになり、2005年にDSで発売された『東海道中 大江戸天狗り返しの巻』を最後に開発チームが解散し、事実上のシリーズ終焉と言う憂き目を見ることになってしまった。
    • 一方で、新作の不評ぶりは名作として評価の高かった『ゆき姫救出絵巻』、元は賛否両論であった『奇天烈将軍マッギネス』両作の評価を更に引き上げることとなった。
  • バーチャルコンソールで配信されたのはFC時代から前作までであり、本作以降は結局配信されなかった。唯一の例外はよりによってあの悪名高い『黒船党』である。
  • 『ゆき姫救出絵巻』のグラフィックや『奇天烈将軍マッギネス』と『獅子重禄兵衛のからくり卍固め』と本作の企画・脚本・キャラデザなどに携わった小川公一氏はスクウェアに移籍。移籍後1作目は『ブレイヴフェンサー 武蔵伝』(企画・脚本・キャラデザを担当)。

余談

  • 今作で生まれた「ゴエモン・インパクトは宇宙人だった」という設定だが、『マッギネス』で物知り爺さんが「ワシが作った」と言ってしまっているため矛盾が生じている。
    • コミックボンボン連載の漫画版ではこの矛盾を解消するために「インパクトは過去に戦争兵器としてインパクト星で製造され、後に人工知能を与えられた正真正銘のからくりロボット」「地球に漂着して埋まっていたインパクトを発掘した物知り爺さんが勝手に自分が作った事にした」というオリジナルの設定までつけたのだが、肝心の本家の方では『ネオ桃山幕府』『でろでろ道中』の説明書で微妙に触れられている程度*16で、以降は設定がからくりロボに戻っている。*17。もっとも、公式サイトの座談会(アーカイブ)によれば、未だ物議を醸す『がんばれゴエモン2』におけるエビス丸の正体など含め、設定周りに関しては昔から行き当たりばったりだったらしいので、今更あれこれ言っても仕方なくはあるのだが。
      • このボンボン版の設定は作者の帯氏が「コナミからインパクト星人の設定を聞かされ、ぎょえーと驚き、今までの流れを考えながら作った」とのことである(参考)。
      • これらの設定を意識してか、ネオ桃山幕府とでろでろ道中の説明書におけるキャラ紹介では「いろんな意味で悲しい過去を背負ったからくりロボット」と書かれている。
  • 『コミックボンボン』で連載されていた帯ひろ志氏作の漫画版では、説明不足な箇所について詳細に補足されている。
    • 車で落下したのは「敵母艦から脱出しようとして車型宇宙船と思われる乗り物に乗りこんだが、実は本当にただの車だった為*18」。更に「ラストダンジョンの4つの塔は衛星爆弾の誘導施設である」などといった具合。
    • ラストバトルの衛星爆弾の投げ合いについても「ゴエモンが咄嗟に吐いた『真の宇宙一のスポーツとはお手玉である』と言う嘘を真に受けたセップク丸が、衛星爆弾を惑星に投げる事が『オテダマ』なのだと勘違いした為」と理由付けされている。
    • 漫画版独自のアレンジではなくゲーム版自体がこういう流れで展開すると違和感なく受け取れる内容になっているが、ゲーム版で説明がなかった理由については一切不明である(公式サイト座談会でも特に言及なし)。
    • ゲームではミニゲーム化したボス戦の扱いについては、「バンジー真剣白刃取り」「惑星インパクトを救え!」は違和感無くストーリーに組み込まれ、「からくりサバイバルレース」はかけっこ勝負として描かれているが、「ふすまのぞきクイズ合戦」は戦闘開始直後にボスが何故かクイズを仕掛けてきたという展開であり、インパクト側は最初こそ受けるもすぐにそれを無視してボスを一方的に殴り倒している。「超対戦ぱずるだま」に至ってはミニゲーム要素が全て省かれ、普通の戦闘になっていた。
    • 惑星インパクトの住人にこれといった重要人物がいなかった事もあってか、漫画版オリジナルの人物として惑星の歴史に詳しい「長老」や、SOSの送り主の少女「さえ」*19が登場する。
  • 本作のOP及びタイトル画面で用いられているBGMは「3」のスタッフロール曲のサンバ調アレンジ。
    • その後、そのアレンジに基づいてスタッフロール曲をフルアレンジしたものが「やったぜ天晴れ日本晴れ」のタイトルで以降の作品にも度々使用されている。
  • 本作のラジオCMはインパクトの告白が、妙な訛りで演じられている。
    • ちなみに演じたのは、ときメモのラジオドラマに出演していた小野坂昌也氏である。
  • 本作の悪役「ハラキリ=セップク丸」と「ツジギリ4人組」は後にTBS系列で放映されたアニメ版でレギュラーとして登場した。
    • ただし、セップク丸がレギュラーだったのは前半のみ。しかも最終的には日本の警察に逮捕されて牢屋にぶち込まれ、つじぎり四人組にも見放された挙句黒幕によって処刑され退場という、本作のラスボスを務めたキャラとしてはあんまりな扱いである。また、戦いに敗北する度に切腹しようとするという原作の設定を活かした描写はあるものの、アニメではインパクト戦が戦いのメインなので、原作で披露した身体能力の高さを披露することもほとんどない。
    • ゲーム版ではゴエモンを太田真一郎氏、エビス丸を緒方賢一氏、サスケを堀絢子氏、ヤエを小野綾子氏が演じている。このうち緒方氏のみがこのアニメにも続投。あとの3人は別の声優となった。
    • アニメ版で演じた声優のうち、ゴエモン役の松本保典氏とサスケ役の坂本千夏氏は後にゲーム本編の方でも担当するようになるが、ヤエは本作、アニメ版(久川綾氏)、次回作以降(笠原留美氏)と全て声優が違う。エビス丸は本作以降、一貫して緒方氏が演じている*20
    • ちなみにアニメ版の放映に合わせて『コミックボンボン』『テレビマガジン』『たのしい幼稚園』の3誌にてコミカライズ版も連載されていた。ただし作画は帯ひろしでは無く別人。
    • また、上記のアニメ版の放映と同時期に『がんばれゴエモン 地球救出大作戦』という教育アニメも公開されており、そちらにもセップク丸とつじぎり四人組が登場しているが、こちらはテレビシリーズとは関連のない独立した作品となっている。
      • こちらのゴエモン勢4人は、ヤエ役のみ笠原留美氏に変わっている他は、3人は本作と同じ声優が演じている。
  • ミス時のリアクションは『マッギネス』の時と同じで上に飛び上がって下に落ちていくが、サスケのみ、飛び上がった後に爆発してバラバラになるという微妙にエグいものになっている。
  • 惑星インパクトのステージ「デプスレイク」に、ステージを大幅に短縮できるショートカットがあることが有名。
    • スタート地点突き当たりにある壁をくない登りで越えて進むことができ、そのまま中ボスのいるエリアに辿り着ける。中ボスを倒した後に同じ要領でマップを隔てている壁を越えれば即座にクリアが可能。壁の奥に見える招き猫を取ろうとして偶然発見したプレイヤーも多かったようである。
    • バグか仕様かは不明だが、ゴール手前に通常ルートでは使う必要のない足場があったり、ショートカットを使っても中ボスとの戦いは避けられないことから、「意図して作られたのでは?」という声もある。
  • ダンサー繋がり故か、同社のアーケード音ゲー『Dance Dance Revolution X2』において、本作のラストバトルをベースとしたイベント専用ミニゲームが遊べた*21
最終更新:2025年01月06日 17:26

*1 のちにエビス丸を主人公にしたスピンオフ作品が出ており、SFC版シリーズ最後の作品となっている。

*2 組み合わせの順番をよく見るとコナミコマンドになっているのがポイント。

*3 現実の物理法則の概念では、宇宙で動いている物体は、自転している恒星などを除いて、その状態で他になんらかの力が加わらない限り、ずっと同じ方向に飛び続ける

*4 光の速度で7000年かかるほどの距離

*5 攻撃ボタン押しっぱなしでリボンを振り回し続ける

*6 『魂斗羅』に登場したザコ敵。「エイリアン」のフェイスハガーに似た、というかまるっきり同じ姿をしている。

*7 ゲーム版の時点で既にヤバい雰囲気を漂わせているが、後述する漫画版では児童誌にあるまじき描写まで登場する始末であった。

*8 スポーツマンとしての正しい姿勢、精神のこと。

*9 この街にいるタコ型宇宙人もインパクト顔になっている。怖いわ!

*10 小判・団子・大判が回っている輪の中に混じってウ〇コが配置されており、誤って触ってしまうと他のアイテムが消えてしまう。

*11 こちらは野外フィールドの茂みの近くでジャンプするとまれに出現し、取ると武器レベルが1段階下がってしまう

*12 また、このイベントに登場するキャラに関して、『ゆき姫救出絵巻』の事件との繋がりを示唆する台詞がある。

*13 でろでろ道中ではユーロビート調にアレンジされ、タイトルが「オニ127%」に変わっている。

*14 カバディメカのささやき声もよく聞くと氏が担当していることがわかる。

*15 同色の「おおだま」を3つ以上重ねて消した際にその傍に隣接している「こだま」が「おおだま」に変化する。同色が3つ以上そろった状態で「こだま」になればそのまま消えて連鎖に繋がる。そして連鎖が起きると相手方のフィールドに「こだま」がオジャマとして送り込まれるようになっている。この仕様上「こだま」が溜まれば溜まるほどピンチになると同時に、形勢逆転の可能性も高まる。

*16 ダンサー設定について言及ある程度で、宇宙人設定自体はノータッチ

*17 ただし、インパクト自身が引き続き自我を持っていたり、ゴエモン以外のキャラクターが「インパクトはん」「インパクトどの」「インパクトさん」と呼んでいるなど名残はある。

*18 ゲーム中でもよく見ると1つ前のステージが敵母艦に急接近したところでゴールするようになっており、「敵母艦に突入→脱出する」という展開自体がゲーム上の正式な流れと思われるが、説明なしではまずわからないだろう。

*19 SOSは地球にいたインパクトにFAXという形で届いた。名前の由来はおそらく、当時NTTFAXのCMに出演していた女優の一色紗英。

*20 『ゆき姫救出絵巻』発売時の購入者特典として配布されたOVA『次元城の悪夢』では梅津秀行氏がエビス丸役を担当している。また、ゴエモンの声優も異なる。

*21 現在はイベント終了によりプレイ不可