カプコンが ファイナルファイト系のベルトアクションゲームを制作。
『X-MEN Cota』よりも前の、カプコン製マーベルコミックス系ゲームの第一弾である。
特筆すべきはその
行動力の高さ
(斜めジャンプの距離は短いが)。
彼一人で ガイ、 コーディー、 ハガーの能力を兼ね備え、それらを上回る行動力を持つ。
使えるものは何でも利用でき、ただのアイテムボックスに過ぎなかった 樽や ドラム缶までも武器にする。
また、武器の用途やステージのギミックも多彩。
ナイフを持って敵に掴みかかれば喉元を掻っ切り、バットで数回殴って折れた後は切断面を投げ付けて突き刺し、
列車の上で戦うステージでは
敵を先頭車両の前に突き落とせる
バイオレンスっぷりだが、
本ゲームでは残虐さよりもむしろ爽快感を押し出しており、敵を倒すと
"Oh!"
とノリのいい声を発するため
あまり凄惨な印象はなく、むしろトムとジェリー的なギャグっぽさすら感じられる。
バット持ったザコが歩いてる途中に見せてくれる華麗なバッティングフォームは
さすが野球の本場メリケン
と言わざるを得ない。
ただしボス相手では一緒に銃持ちやロボットのザコがいない限りは 素手で勝負せざるを得ない。
たとえ センチネルぐらいでかくて頭からレーザーも撃ってくるロボットだったり、
下半身がキャタピラで ミサイルを打ち上げて爆撃してくる奴だったり、腕が変形してロケット弾を発射してくる奴だとしてもである。
でも
手榴弾はいつでも使える
し、
拾ったマシンガンなら相手が丸腰だろうと撃てる
(共に弾数制限はあるが)。どういう基準だ。
同ゲームの2Pキャラは、なんと秘密諜報組織S.H.I.E.L.D.の長官である ニック・フューリー。
ある理由により不老になっている事を除けば彼もスーパーパワーを持たない常人で、
ゲーム中の性能もパニッシャーとほぼ同等である(微妙にパニッシャーよりクセはあるが)。
1面のボスに上司の居場所を聞き出した後、パニッシャーは撃ち殺してしまう所を、
ニックの場合は サマソで気絶させるだけ等、パニッシャーと行動や台詞の違いが出るのも特徴。
2人同時プレイの場合、終始マジ切れ状態のパニッシャーと、抑え役にならざるを得ないニック、という迷コンビを拝む事が可能。
ちなみにニックはヒーロー達と並んで悪党と殴り合いをする事は少ないが、
司令官・指示役・依頼者としては出番が多い人物で、『 アイアンマン』の映画にも登場している。
さらに、このゲームは攻撃を当てた時の「重さ」がかなり重視されており、鈍器や重火器系の攻撃の際は、
そのズシリとくる重さを実感できる調整となっており、格ゲー登場前にカプコンを有名にしたジャンルである、
「ベルトスクロール格闘アクション」の円熟期とも言える、非常に完成度の高いゲームである。
やたらキャラ能力が高く、敵もそんなに強くないのでジャンル内でも屈指の易しさなのも評価点
(ベルトスクロールアクションは難易度の高低が評価に響きやすい)。
しかし、このジャンルは「1コインで長時間プレイできる」というインカム率の悪さから、
次第にアーケードから撤退状態にあった頃でもあったため、この『パニッシャー』自身もあまり見かけなかった。
とはいってもプレイした人達の記憶には焼き付いており、メガクラッシュ発動時の奇声と、
奇怪なアクション(パニッシャーだけでなくニックにも該当)に魅入られた人多数。
「ファイオー!」
「オリャーマー!」
さらに2005年にはXboxで再びゲーム化される事になる。
こちらはパニッシャーの残虐さを全面に押し出したゲームで、ありとあらゆる方法で犯罪者達を拷問し、処刑する。
その拷問、処刑方法のバリエーションがやたらと豊富で、前述のゲームとは
別の意味
で使えるものは何でも利用できる。
具体的には、窓、換気扇、ドリル、棺桶、焼却炉、トラバサミ、(動物の)サイ、ピラニア、サメ、フォークリフトなど…
これ以外にも沢山ある。これらをどう使うかは…各自で調べてほしい。
ただ、その残虐さ故に日本では未発売になってしまったほどである。
ちなみに、重要な情報を持っている犯罪者は、 その頭上にパニッシャーマークが浮かび上がる。
そして、そのマークが出た敵の末路は……。
|