このページでは【ゲームボーイ】のゲーム、
星のカービィ
を解説する。
同名のアニメ版は【星のカービィ(アニメ)】を参照。
さくま良子の同名の漫画版は【星のカービィ(さくま版)】?を参照。
高瀬美恵の小説シリーズは【星のカービィ(高瀬版)】?を参照。
概要
【ゲームボーイ】向けに発売されたアクションゲーム。星のカービィシリーズの1作目。
【ファミリーコンピュータ】のアクションゲームが門前払いの難易度だった事から、本作は初心者向けのゲームを作るというコンセプトの元に設計されており、主人公である【カービィ】はバイタリティ制の高体力・ほぼ全てのザコを一撃で吸い込んで処理できる・空を飛べるといった形で、基本部分からライトユーザーに向けてのフォローがされている。
ステージ数も非常に少ない代わりに、EXモードという2周目的な高難易度モードが存在する。
シリーズの世界観はまだ固まっておらず、カービィらしき人物が大量に登場したり、地球から遠く離れた場所にカービィ達の星(ポップスターという名前も出ていない)があると示唆される、デデデ大王がプププランドの王では無いように書かれている等、現在の設定と異なる箇所がある。
ストーリー
それは、地球からずっとずっと遠く離れた小さな星の、そのまた小さな国のお話です。
その国のひとたちはあきれかえるほどの平和な生活を楽しんでいました。
その国の名前は「プププランド」といいます。
しかし、長く続いたプププランドの平和も、おしまいの時がやってきました。
ある日の晩、丘のむこうの「デデデ山」から、くいしんぼうで有名な「デデデ大王」とその手下たちがやってきて、一晩でプププランドの食べ物という食べ物をドロボウしてしまったのです。
そしてそれどころか、その国に伝わる空飛ぶ秘宝「きらきらぼし」までも奪いさってしまったのです。
宝物を奪われたひとびとは悲しみましたが、それよりも、おなかがすくのはもっと困ります。
みんなどうしようかなとなやんでいる時、ひとりの若者がプププランドにやってきました。
その若者は旅の途中でした。
しかし、プププランドのひとびとが困っていることを聞くと、みんなの食べ物をぼくが取り戻し、みんなおなかいっぱいごはんを食べられるようにしてあげようと、ひとりでデデデ山にむかっていきました。
はるかぜとともに現れたゆうかんな若者。その名は「カービィ」。
プププランドのみんなのおなかを満たすため、それいけカービィ、がんばれカービィ!!
ゲームシステム
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すいこみ/はきだし
カービィの基本攻撃。ほとんどの敵を吸い込んで即死させ、更に吐き出す事で武器として使用できる。
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ホバリング/空気弾
上キーを押すと身体が膨らみ、Aボタンを連打する事で無尽蔵に飛行が行える。ただし敵を吸い込んでいる状態だと飛べない。
ホバリング中にBを押すと空気弾を吐いて攻撃する。
後の作品と異なる点
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一方通行の扉
本作では扉に入って次のエリアに切り替わった後、前のエリアに戻る扉があるように見えても実際は入れないという一方通行の扉が数多くある。分かりづらいため、後の作品では扉があるのに入れないという一方通行の扉は無くなっている。
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食べ物を吸い込むと飲み込む
本作では吸い込みによって「元気ドリンク」「マキシムトマト」「カレーライス」「1UP」を取った場合、敵を吸い込んだ時と同じようにいったん口に含んで膨らんでから飲み込むという動作をする。ボタン操作に関係なく飲み込む動作までするため、一緒に敵を吸い込んだ場合は勝手に敵も飲み込んでしまう。
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マイクの効果
本作にはアイテムとしての「マイク」があるが、この効果は「画面内の敵を全滅」であり、シャッツォであっても例外ではなく倒せる。(ステージ3で確認できる)
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水中の仕様
水中を泳ぐ事は出来るが(但しモーションはジャンプ)、攻撃する事は出来ない。
キャラクター
主要キャラクター&ボス
敵キャラ
エクストラモード限定の敵
その他のキャラクター
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【クジラ】
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カービィと似た姿の住民(正式名称不明)
ステージ5に登場。触れると画面内の敵を全滅させてくれる。
エンディングではたくさん出てきて食べ物が降ってくるのを喜んでいる。
アイテム・武器
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マイク
口に含んだ後吐き出すと「コケコッコー」の効果音と共に画面内の敵を全滅させる。
誤って飲み込んでしまうと何の効果も無いので注意。
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爆弾
口に含んだ後吐き出すと貫通する爆風が横一直線に飛んでいき、爆風に巻き込まれた敵を倒す。
誤って飲み込んでしまうと何の効果も無いので注意。
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キャンディー
一定時間無敵になる。シャッツォも倒せる。
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カレーライス
一定時間火炎を吐き出す。効果時間中は吸い込みを行えない。(ホバリングはできる。)
水中に入ると即座に効果が切れる。
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さつまいも
一定時間常にホバリングになり空気弾を吐き出す。効果時間中は吸い込みを行えない。
ステージ3のボス前に置いてあるさつまいもは特殊で、ボス戦の間はずっと効果が続く。
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1UP
残り人数が1つ増える。そのまんま「1UP」という文字のアイテム。
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きらきらぼし
ステージ1~4のボスを倒すと出現し、これを取るとステージクリアになる。
デデデ大王を倒した直後のデモで、5個目が出てくる。
ゲームモード
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ノーマルゲーム(仮)
ストーリーモード。全5ステージを冒険する。
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EXTRA GAME(エクストラゲーム)
敵の動作が異なったり、差し替えられた敵が出てくるモード。差し替えられた敵の本体に当たると、2ダメージを受ける(ハーリーは除く)。
ノーマルゲームをクリアするとコマンドを知ることができる。
クリアすると通常のエンディング後に敵の紹介があるエンディングが追加される。
コマンド:十字ボタンの上、Aボタン、セレクトボタンを同時に押す。再入力してもノーマルゲームには戻せず、コンティニューせずゲームを終了するか電源を切ると元に戻る。
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CONFIGURATION MODE(コンフィグレーションモード)
カービィの体力(1~6)や残り人数(1~9)を設定できる。残り人数は実際のプレイでは0~8からスタートになる。サウンドテストもここにある。
カービィがダメージを受けたら即ゲームオーバー、という設定にも出来る。
エクストラゲームをクリアするとコマンドを知ることができる。
コマンド:十字ボタンの下、Bボタン、セレクトボタンを同時に押す。
本作にはセーブ機能が無いので、タイトル画面で入力できる隠しコマンドさえ知っていれば、エクストラゲームやコンフィグレーションモードを利用する事が出来る。
地名
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地球
説明書にのみ登場。本作の舞台はここから「ずっとずっと離れた小さな星」である。(本作の時点では「ポップスター」という名称は使われていない。)
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プププランド
本作の舞台。小さな星にある小さな国。あきれるほど平和な国だったが、デデデ大王によって食べ物を奪われつくされてパニックになってしまう。
旅の途中だったカービィが訪れてこの国を助けるために冒険に出た。
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デデデ山
デデデ大王の出身土地。「丘の向こう」にあるらしい。後述のマウントデデデと同一と思われる。
本作の時点ではプププランドとは異なる地名のような扱いをされている。
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STAGE 1 GREEN GREENS (グリーングリーンズ)
最初のステージ。草原から森へ駆ける。難易度は低い。
中ボスはポピーブロスSr.、ボスはウィスピーウッズ。
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STAGE 2 CASTLE LOLOLO (キャッスルロロロ)
城ステージ。行き先が若干入り組んでいる。
中ボスはロロロ、ボスはロロロ&ラララ。
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STAGE 3 FLOAT ISLANDS (フロートアイランズ)
水ステージ。海の上を飛んで進む。
中ボスはいない。その代わりなのかどうかはわからないが、ステージギミックとして大きな【クジラ】はいる。ボスはカブーラー。
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STAGE 4 BUBBLY CLOUDS (バブリークラウズ)
空ステージ。雲の上を渡って進む。
中ボスはクラッコJr.、ボスはクラッコ。
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STAGE 5 Mt. DeDeDe (マウントデデデ)
最終ステージ。各扉から今までのステージを模したミニステージを攻略していく。4体のステージボスとの再戦がある。
ボスはデデデ大王。
BGM
2024/10/31より【Nintendo Music】で配信。
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タイトル
タイトル画面で流れるBGM。『20周年メモリアルサウンドトラック』では「星のカービィ:タイトル」として収録。
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GREEN GREENS
軽快なリズムの草原を思わせる曲。星のカービィシリーズにおいては基本中の基本のBGMとして、後の作品で様々なアレンジがされて使用されている。
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CASTLE LOLOLO
ちょっと怪しげで愉快な幽霊屋敷感のある曲。ロロロとラララ自体は登場しない作品でもこの曲のアレンジが存在する場合がある。
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FLOAT ISLANDS
南国風の曲。『星のカービィ2』などでも使用されている。
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BUBBLY CLOUDS
雲の上のようなゆったりとした曲。「GREEN GREENS」ほどではないが、後の作品でも空中や雲が中心のステージで多く使用されている。
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ボスゲームセレクト
ボスラッシュの1人目を撃破した後ボスの扉の選択の部屋に戻ってきた時に流れる曲の事。
本作のリメイク的な「はるかぜとともに」が搭載されている『スーパーデラックス』では、ボスラッシュのボスの扉が無くデデデ大王のテーマが流れたままになるので使用されていない…と思わせておいて実は「格闘王への道」の方で使用されている。
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ボスのテーマ
カブーラーとデデデ大王以外のボス戦で流れる曲。『コロコロカービィ』等では原曲に近い形で使用されている。
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Mt. DeDeDe
Mt. DeDeDe、デデデ大王戦で流れる曲。本作の時点では短いループの曲である。
後のシリーズでは「デデデ大王のテーマ」としてアレンジされる。
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きらきらぼし
デデデ大王以外のボスを倒した後、きらきらぼしが表示されている画面で流れる曲。
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カービィダンス
きらきらぼしを取った後トリオ・ザ・カービィが踊るときに流れる曲。
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無敵
キャンディーを取って無敵状態のときに流れる曲。以後の作品でも無敵の曲は『星のカービィ64』を除き、引き続きこの曲が使用されている。
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やきいもシューティング
カレーライス、さつまいもを取った時に流れる曲。カブーラー戦はさつまいもを取った状態で戦う事になるのでこの曲が流れる。
曲名の初出は【カービィのエアライド】。
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ヤラレ
ミス時に流れる曲。以後の作品でもミスの曲は『星のカービィ3』を除き、引き続きこの曲が使用されている。
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あしたはあしたのかぜがふく
エンディングで流れる曲。本作のリメイク的な「はるかぜとともに」が搭載されている『スーパーデラックス』でも使用されている。
関連作品
紹介動画
移植・リメイク
余談
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開発時は『ティンクル・ポポ』というタイトルだった。元々このままHAL研究所から発売する予定だったが、この頃HAL研究所は経営危機に陥っており、紆余曲折あって任天堂から発売となり、『星のカービィ』というタイトルになった。なお、この際ゲーム内容はほとんど変わっておらず、タイトル・パッケージの変更と販売戦略によって発注が増えている。
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NOMのインタビューによると、画面が白黒で色が定められておらず、カービィの体色は桜井政博がピンクに決定したが、宮本茂は黄色だと考えていた。北米のパッケージで白色になっているのは資料が存在せずに画面でしか判断できなかったため。
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製作はツインファミコンに専用の製作ツールを差し込んで製作されたと語られている。【ファミリーベーシック】を使用したとも言われている。
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容量節約のためにグラフィックを左右反転・前後分割して使用しているものが多く、左右反転して表示できるよう、マキシムトマトなどの一部デザインは左右対称になるように設計されている。
コメント
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最終更新:2025年04月27日 19:54