前夜祭(短編集)

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前夜祭(短編集) - (2018/12/23 (日) 22:00:37) のソース

-分類:短編集
-初出:別記
-初刊:1994年/文藝春秋
-刊行回数:2回
-入手:古書のみ

*解題
「オール讀物」に発表されたものを中心にした8編を収めた短編集。
恋愛小説寄りではあるが、『[[恋愛小説館]]』『[[新・恋愛小説館]]』に比べると、だいぶミステリー色が強い。
なお唯一「別册文藝春秋」初出の「[[裏葉]]」は「[[恋愛小説館]]」シリーズの一作として発表されたもの。

> さて、本書の元版は、九四年十二月に文藝春秋から刊行された。九一年から九四年にかけて、同社の雑誌に掲載された短篇をまとめたもので、どちらかといえば、「推理小説の手法で書かれた恋愛小説」のほうに、比重の傾いた作品集である。本書には、ほぼ全作品に共通するモチーフがある。元版の帯には、「憎しみながら愛しながら繰り返される男と女の駆け引き」という、ややぼかした表現がなされているが、料理の素材ぐらいは明らかにしてもいいだろう。それは、〝浮気〟である。
>(文春文庫版 日下三蔵「解説」より)

全編が浮気の話ということで、『[[夜のない窓>夜のない窓(短編集)]]』や、この後の『[[年上の女>年上の女(短編集)]]』『[[夏の最後の薔薇>夏の最後の薔薇(短編集)]]』などに連なる作品集と言うべきだろう。

現在、新品では「[[それぞれの女が……]]」と「[[夢の余白]]」が『[[落日の門 連城三紀彦傑作集2]]』で読むことができる。

**収録作
***[[それぞれの女が……]]
-初出:「オール讀物」1992年9月号
-雑誌時挿絵:村上みどり

***[[夢の余白]]
-初出:「オール讀物」1993年4月号
-雑誌時挿絵:宮嶋康子

***[[裏葉]]
-初出:「別册文藝春秋」1991年6月号
-雑誌時挿絵:斎藤真一

***[[薄紅の糸]]
-初出:「オール讀物」1992年2月号
-雑誌時挿絵:三嶋典東

***[[黒い月]]
-初出:「オール讀物」1993年1月号
-雑誌時挿絵:村上みどり

***[[普通の女]]
-初出:「オール讀物」1993年8月号
-雑誌時挿絵:宮嶋康子

***[[遠火]]
-初出:「オール讀物」1993年12月号
-雑誌時挿絵:宮嶋康子

***[[前夜祭]]
-初出:「オール讀物」1994年2月号
-雑誌時挿絵:荒井冨美子

**刊行履歴
***初刊:文藝春秋/1994年12月10日発行
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>&bold(){やさしさの仮面の下に}
>憎しみながら愛しながら繰り返される男と女の駆け引き。
>精緻な筆でつづる八つの物語
>(単行本オビより)

単行本/237ページ/定価1262円+税/絶版
装画/荒井冨美子 AD/木本百子

***文庫化:文春文庫/1997年11月10日発行
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>亡き親友の未亡人・清江とたった一度だけの肉体関係を持った真山。妻の康子は夫の部下、白川との不倫に走った。そんなある日、真山の不意の失踪、そして白川の手に残された一枚の離婚届には真山の名前だけが書き込まれていた……。表題作など男と女のミステリアスな関係を描いた粒選りの短篇八篇を収録。
>(文庫裏表紙より)

文庫/282ページ/定価438円+税/絶版
解説/日下三蔵
装画/荒井冨美子 デザイン/木本百子

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