夜のない窓(短編集)

  • 分類:短編集
  • 初出:別記
  • 初刊:1990年/文藝春秋
  • 刊行回数:2回
  • 入手:古書のみ

解題

文藝春秋系の雑誌に発表された、やや長めの短編4編を集めた短編集。
この後『前夜祭』や『夏の最後の薔薇』へと続いていく、収録作が全て浮気の話である短編集の嚆矢である。
ミステリなのは表題作のみだが、全体を通しては〝操り〟テーマの短編集と言えないこともない。

午後だけの島」は「花衣の客」「白蘭」とともに米澤穂信が『連城三紀彦レジェンド』の収録作候補として挙げた作品。ミステリらしい話を優先しよう、ということで「白蘭」とともに落選となったようだ。

このアンソロジー、三編挙げてそこから一編が選ばれる形で編まれたのですが、せっかくなので私が挙げた三編をご紹介します。「白蘭」(『たそがれ色の微笑』所収)、「花衣の客」(『瓦斯灯』所収)、「午後だけの島」(『夜のない窓』所収)でした。
米澤穂信のツイートより)

収録作

今夜だけ

  • 初出:「週刊文春」1989年4月6日号~4月27日号
  • 雑誌時挿絵:宇野亜喜良

午後だけの島

  • 初出:「オール讀物」1988年9月号
  • 雑誌時挿絵:長尾みのる

夜のない窓

  • 初出:「オール讀物」1990年2月号
  • 雑誌時挿絵:宇野亜喜良

山雀

  • 初出:「オール讀物」1990年5月号
  • 雑誌時挿絵:村上みどり

刊行履歴

初刊:文藝春秋/1990年6月25日発行

男と女の情熱が殺意に変わる時
さまざまな情事を仕組むことにより、妻を自殺へと導く男の奇妙な心理を追う表題作ほか、男女の関係をミステリアスに描く最新作品集
(単行本初版オビより)

単行本/235ページ/定価1165円+税/絶版
装画/荒井冨美子 AD/竹内和重

文庫化:文春文庫/1993年6月10日発行

妻と別れる方法は離婚だけではない。情事を仕向け、妻を追いつめ自殺へ導く男の心理(「夜のない窓」)。別れた女が自分の親友と結婚する一週間前に、「もうひと晩、今夜だけ」といってきた。その夜の三人それぞれの思惑(「今夜だけ」)。ほかに「午後だけの島」「山雀」、男と女の間の奇妙な心模様を描く作品集。
(文庫裏表紙より)

文庫/254ページ/定価388円+税/絶版
解説/綾部伴子(脚本家)
装画/成田一徹 AD/木本百子

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最終更新:2017年03月27日 15:11