萩の雨(短編集)

  • 分類:短編集
  • 初出:別記(全て「小説現代」)
  • 初刊:1989年/講談社
  • 刊行回数:2回
  • 入手:古書のみ

解題

「小説現代」誌上で書かれた、萩、柳川、会津若松、盛岡、北京、輪島と各地を舞台にした旅情恋愛短編集。
講談社の連城恋愛作品は総じて影が薄いが、本作も連城作品の中では語られることの非常に少ない一冊である。

そもそもあまり売れなかったようで、1992年に出た講談社文庫版は、1997年に出た『花塵』の講談社文庫版では既に既刊リストから消えている(他の講談社文庫作品は『残紅』も含め全てその時点では生き残っている)。

収録作のうち「会津の雪」は「雪の宿」として1989年に単発ドラマ化されている。脚本は文庫版の解説を書いている丸内敏治、主演は奥田瑛二。
また「北京の恋」は田中芳樹夫妻と中国旅行をした経験がベースになっているようだ。

現在、新品では「輪島心中」のみ『落日の門 連城三紀彦傑作集2』で読むことができる。

収録作

萩の雨

  • 初出:「小説現代」1986年5月号
  • 雑誌時挿絵:村上みどり

柳川の橋

  • 初出:「小説現代」1986年10月号
  • 雑誌時挿絵:村上みどり

会津の雪

  • 初出:「小説現代」1987年5月号
  • 雑誌時挿絵:宇野亜喜良

みちのくの月

  • 初出:「小説現代」1988年1月号
  • 雑誌時挿絵:宇野亜喜良

北京の恋

  • 初出:「小説現代」1989年7月号
  • 雑誌時挿絵:宇野亜喜良

輪島心中

  • 初出:「小説現代」1989年5月号
  • 雑誌時挿絵:村田要

刊行履歴

初刊:講談社/1989年10月13日発行

椿のかわりに
萩を抱きません?
22年の歳月をくぐりぬけ、一夜の間に母と娘二人の花が入り乱れる。
恋愛短篇小説集
(単行本初版オビより)

単行本/208ページ/定価971円+税/絶版
装画/荒井冨美子 装幀/石川勝

文庫化:講談社文庫/1992年12月15日発行

二昔も前に愛した女と旅先きで待ち合わせた男。だが、その彼の前に現れた〝その女〟とは? 「椿のかわりに萩を抱きません?」と言い寄るその女の真意は果たして何か(表題作)。
萩、柳川、会津、盛岡、異国北京、能登、と六つの地を舞台に展開する愛の虚実を、詩情豊かに描く秀作短編六編。
(文庫裏表紙より)

文庫/227ページ/定価388円+税/絶版
解説/丸内敏治(脚本家)
カバー装画/荒井冨美子 カバーデザイン/岸顕樹郎

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最終更新:2018年12月23日 21:59