- 分類:人生相談集
- 初出:「ミセス」1998年1月号~1999年12月号
- 初刊:2000年/文化出版局
- 刊行回数:1回
- 入手:古書のみ
解題
婦人誌「ミセス」に「十二人の淑女と十二の質問」(98年分)、「明日を待つあなたの手紙から」(99年分)として2年間連載された、読者投稿の手紙とそれに対する連城三紀彦の回答を載せた人生相談集。
単行本では掲載順ではなく、テーマ別に並び替えられている。
人生相談を受けるようになって、最近は、推理作家として返事を書いているなと思うことがよくあります。
これまで受けとった手紙のほとんどが悩みの相談というより、一方的に相手を責めたてた怒りの手紙でした。いつも相手の言いぶんも聞きたいと思うのですが、手紙ではそれが叶わず、相談者の書いた文章の中から矛盾点を見つけだし、相手の言いぶんを想像したり、自分でも気づかずにいる過ちを推理して、いくつかの証拠を積み重ね、「犯人はあなた自身だ」と指摘するほかないのです。
「犯人」が言い過ぎなら、「共犯者」と言い直しましょう。あなた自身も今の不幸を作りだしている一番の共犯者なんです。
「怒りにわれを忘れる」という言葉がありますが、相談者が忘れてしまっている「われ」を、手紙の文面から捜しだして指摘するのですから、実際、推理小説の探偵さんと似た作業をしていることになります。
(単行本127ページより)
基本は相談者と同じような立場の女性のための本だが、上記のように「安楽椅子探偵・連城三紀彦」として読む楽しみ方もあるだろう。
刊行履歴
初刊:文化出版局/2000年4月10日発行
人生は幾つになっても「これまで」ではなく「これから」です。
これまで何をしてきたかよりもこれから何をするかを考えて――
(単行本オビより)
単行本/236ページ/定価1400円+税/絶版
あとがきあり
表紙カバー・挿画/望月通陽 装丁・レイアウト/池上岐子(文化出版局)
最終更新:2016年03月14日 06:18