会津郡古町組

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会津郡古町組 - (2020/02/16 (日) 05:44:15) の編集履歴(バックアップ)


陸奥国 会津郡 古町組
大日本地誌大系第31巻 119コマ目、125コマ目


この地府城の西南に当り本郷の西南隅にあり。
東は高野組・熨斗戸組に隣り、西は黒谷組に及び本郷小出島組(小出島組は越後国魚沼郡に隷すれどもその地面本郷に跨る)及び日光神領下野国都賀郡に接し、北は和泉田組に交わる。
東西13里余(東は高野組針生村の界駒戸峠より、西は小出島組の界只見川に至る)、南北12里8町(南は戸倉村界小瀬沼より、北は和泉田村の界に至る)。
本郷西南の組これに至って(きわめ)り。

越後・上野・下野の三国に隣り、四方みな数山を経て他組に通ず。
寒暑府下に比するに大いに異なり盛夏にも霜隕て五稼*1熟せざることあり。冬雪最深し、年により1丈(約3m)余に至る。民々(そり)を著って往来す。また、「なで*2」「あひ*3」の患ありて行人往々に苦めり。

この組の村落多は桧枝岐川の両岸に連なり衆山四面に重畳(ちょうじょう)し嶺(けわし)く谷深し。魚猟採薪の便よく用水また乏からざれども山間の衆渓桧枝岐川に合し春雪消融(しょうゆう)するあいだ洪水の害あり。民居、蕎麦・苧麻(からむし)を植え蚕を養て生業を資く。

濱野村より南の方大桃村までの数村を俗に内川郷と称へ最山深く水田少なし。桧枝岐村はなおその奥三里余駒嶽の麓にあり。また、西南に燧嶽(そび)え人煙ここに尽き地勢深邃(しんすい)にして別境に入が如し。
寒気特に強く土地瘠薄*4なり。ゆえに専ら小羽板(こばいた)を割き曲物を製し仲附(なかつけ)馬にて府下に運送し五穀に交易す。

この組の諸村伊南郷を称す。



  • 古町組下十三ヶ村
    • 鴇巣(たのうす)
    • 大橋村
    • 青柳村
    • 小塩村
    • 宮沢村
    • 濱野村
    • 落合村
    • 朴木(ほほのき)
    • 耻風(はちかぜ)
    • 大原村
    • 小立岩村
    • 大桃村
    • 桧枝岐村
      • 端村:滝沢