会津郡和泉田組布沢村

陸奥国 会津郡 和泉田組 布沢(ふさは)
大日本地誌大系第31巻 135コマ目

府城の西南に当り行程15里30町。
家数19軒、東西3町25間・南北1町
山間に住し村中を布沢川流る。

東2里大沼郡野尻組野尻村の界に至る。その村まで3里3町。
西18町大沼郡大塩組山入村の山に界ふ。
南1里30町梁取村の山に界ふ。
北16町大沼郡大塩組大岐村に界ひ松坂峠と限りとす。その村まで33町。
また未申(南西)の方10町59間滝原村の界に至る。その村まで21町。

小名

浮島(うきしま)

本村の東4町40間余にあり。
家数5軒、東西1町・南北30間。
山間に住し北に布沢川あり。

田沢(たさわ)

浮島の東4町50間余にあり。
家数3軒、東西1町12間・南北30間。
山間に住し北に布沢川あり。

水無(みつなし)

田沢より丑寅(北東)の方1町20間余にあり。
家数3軒、東西30間・南北15間。
山間に住し南に布沢川あり。

夕沢(ゆうさは)

水無の東6町50間余にあり。
家数9軒、東西2町21間・南北15間。
綱木川を挟み山間に住す。

太田(おほた)

夕沢の南13町にあり。
家数3軒、東西1町45間・南北15間。
山中に住す。

毘沙沢(ひささわ)

本村の南23町20間余にあり。
家数5軒、東西1町26間・南北16間。
山間に住す。

川和具(かはわく)

本村の西10町30間余にあり。
家居1軒、山麓に住す。

端村

吉尾(よしお)

本村の東2里山中にあり。
家数3軒、東西30間・南北20間。

木地小屋

田沢

本村の辰巳(南東)の方2里18町にあり。
家数8軒、東西1町38間・南北2町20間。
四方に衆山連なり幽邃(ゆうすい)の村なり。

山川

松坂峠(まつさかとおげ)

村北より登ること16町、大岐村に往く路なり。
本村と界ふ

布沢川

水源2あり。
一を綱木川という。
村東山中鎌倉という処より流出て熊沢(くまさわ)これに注ぎ、西に流るること1里18町。端村吉尾に行くにこの川を渡ること凡数十回、(ゆえ)に俗に四十八瀬越という。
一を田沢川という。
村より辰巳(南東)の方愚見山(くみやま)という処より出て、戌亥(北西)の方に流るること3里余小名水無の前にて綱木川に合してより布沢川となり、村中に至り八窪沢(やくほさわ)又代沢(またしろさわ)西沢(にしのさわ)日影沢(ひかけさわ)毘沙沢(ひささわ)等の諸渓これに注ぎ、西に流るること1里10町滝原村の界に入る。

関梁

橋6

一は小名浮島にあり。長10間。
一は小名田沢にあり。長6間。
共に布沢川に架す。
一は小名水無の南20間余にあり。長6間。
綱木川に架す。
共に丸木橋なり。
一は小名夕沢にあり。長6間・幅1間。
綱木川に架す。
一は長11間・幅7尺。
一は長10間・幅6尺。
共に布沢川に架す。
総て府下の通路なり。

神社

白山神社

祭神 白山神?
鎮座 不明
小名毘沙沢にあり。
鳥居あり。界村渡部信濃が司なり。

山神社

祭神 山神?
相殿 山神 2座
鎮座 不明
小名浮島の北2町にあり。
鳥居あり。渡部信濃これを司る。

若宮八幡宮

祭神 若宮八幡?
鎮座 不明
村東2町40間にあり。
鳥居あり。小林村新福寺司なり。

日光神社

祭神 日光神?
鎮座 不明
小名太田の南40間にあり。
鳥居あり。村民の持なり。

山神社

祭神 山神?
勧請 不明
端村吉尾の東3町にあり。
鳥居あり。村民の持なり。

寺院

龍泉寺

村の戌亥(北西)の方3町40間余にあり。
曹洞宗迦王山と號す。天寧村の天寧寺の末山なり。
開基の年月詳ならず
何れの頃にか寒宗という僧、筑前国より来り草建せしという。
天正3年(1575年)壽珍という僧住して天寧寺九世仁菴を請て中興・開山とす。
本尊如意輪観音客殿に安ず。

古蹟

館跡

村南12町、山中にあり。
東西2町・南北1町。
天正の頃(1573年~1593年)布澤上野助俊勝という者住せしという。

観音寺趾

村東3町10間にあり。
如意輪山観音寺とて真言の道場あり。
天正中(1573年~1593年)廃せしという。