大沼郡橋爪組藤田村

陸奥国 大沼郡 橋爪組 藤田(ふちた)
大日本地誌大系第32巻 169コマ目

府城の西南に当り行程3里。
家数35軒、東西3町8間・南北1町16間。
四方田圃(たんぼ)なり。

東15町田蠃岡村の界に至る。その村は辰(東南東)に当り15町20間。
西30間領家村の界に至る。その村まで2町。
南18町東尾岐組市野村の山界に至る。その村まで1里18町。
北2町高田組西勝村の界に至る。その村は亥(北北西)に当り4町。
また巳(南南東)の方12町福光村の界に至る。その村まで13町。

この村下野に通る裏街道にて、慶安元年(1648年)より駅所とす。
府下よりここに継ぎ、ここより1里15町54間市野村駅に継ぐ。
村中に官より令せらるる掟条目の制札あり。

小名

梅津(うめつ)

本村の東8町にあり。
家数2軒、東西25間・南北14間。
下野に通る裏街道の南頬に住し北は領家村の小名成田に向う。
三方は田圃なり。
寛政2年(1790年)肝煎梅津林之助という者廃田をおこし民居を構ふ。

山川

小川

村西1町にあり。
領家村の境内より来り、北に流れ東に折れ、凡12町計流れて橋爪村の界に入る。
広10間。

水利

堤3

一は村南4町にあり。
東西30間・南北50間。
一は村南13町山中にあり。
東西1町・南北1町。
一は村より13町未申(南西)の方にあり。
東西50間・南北30間。

神社

稲荷神社

祭神 稲荷神?
相殿 伊勢神
   山王神
   羽黒神
   水神
鎮座 不明
村南にあり。
鳥居幣殿拝殿あり。
福永村山口越後これを司る。

御手洗

境内にあり。
1間半に1間。
炎旱にも涸ず。

寺院

大光寺

村中にあり。
常照山と號す。天台宗南青木組湯本村東照寺の門徒なり。
開基詳ならず。
天正元年(1573年)圓識という僧再興す。
本尊薬師客殿に安ず。

石塔

客殿の西にあり。
高5尺・幅2尺3寸、野面石なり。
上に梵字を彫り下に『延應一年二月十九日』と彫付けあり(延應元年:1239年)。
里老伝て。藤原秀衡女の墓はかなりという。いかなるゆかりにてこの所に葬りしか詳ならざさども、橋爪村薬師寺の縁起に藤田村領主何某は秀衡の支族にて秀衡の尊崇せる薬師佛を持来りしという。さらば秀衡の女そのゆかりによってこの村に来り終わりしにや。
橋爪村薬師寺の条下と併せ見るべし)