大沼郡高田組西勝村

陸奥国 大沼郡 高田組 西勝(にしかち)
大日本地誌大系第33巻 16コマ目

この村昔は今の地より1町計北にありて月ごとに6度の市ありしかば西河市と書しとぞ。

府城の西南に当り行程2里18町余。
家数47軒、東西4町20間・南北1町。
西は富岡村の端村新屋敷に続き三方田圃(たんぼ)なり。

東4町本郡橋爪組橋爪村の界に至る。その村は寅(東北東)に当り6町。
南34間本郡橋爪組領家村の界に至る。その村は未(南南西)に当り3町。
北9町本郡橋爪組下中川村の界に至る。その村まで11町。
また戌(西北西)の方9町竹原村の界に至る。その村まで11町。

村の戌亥(北西)の方下野街道に一里塚あり。

山川

津島清水(つしましみず)

村北1町余にあり。
周6間。
乳の出ざる婦人この水にて粥を炊き食すれば乳出るという。

土産

質厚く堅強にして(むしば)まず。
手形證文の用に秀つ。
続に西勝紙という。

神社

熊野宮

祭神 熊野宮?
鎮座 不明
村北1町50間余にあり。
鳥居幣殿拝殿あり。
安楽寺これを司る。

寺院

安楽寺

村中にあり。
榮壽山と號す。上野国世良田長楽寺の末山天台宗なり。
昔西林寺善宗寺とてこの地に2宇の道場あり。湯本村東光寺の住僧春盛という者、その圯廃せるを悲しみこの寺を建立すという。何の頃の僧にか詳ならず。
本尊弥陀客殿に安ず。

正覺寺

村北にあり。
浄土真宗西派府下徒町浄光寺の末山なり。
元和2年(1616年)宗善という僧建立す。
本尊弥陀客殿に安ず。

古蹟

館跡

村北1町40間にあり。
何の頃にか佐瀬若狭(諱を失う)というもの住せりとぞ。
今は畠となり内城(うちしやう)という字残れり。

光福寺跡

村北にあり。
浄土真宗にて文禄3年(1594年)道清という僧の開基なりとぞ。
何の頃にか廃して今は畠となる。