耶麻郡熊倉組布流村

陸奥国 耶麻郡 熊倉組 布流(ふりう)
大日本地誌大系第32巻 77コマ目

府城の北に当り行程4里9町。
家数24軒、東西1町46間・南北1町38間。
四方田圃(たんぼ)なり。

東5町21間熊倉村の界に至る。その村は丑寅(北東)に当り20町10間余。
西2町18間堂畠村の界に至る。その村は申酉(西南西~西の間)に当り8町10間余。
南2町6間小沼組中目村の界に至る。その村は亥(北北西)に当り6町。
また
未申(南西)の方5町56間太田村の界に至る。その村まで12町10間余。
丑寅(北東)の方58間三城目村の界に至る。その村まで4町余。

端村

四屋(よつや)

本村の東2町30間余にあり。
家数4軒、東西54間・南北32間。
四方田圃なり。

山川

姥堂川

村西2町余にあり。
西中明村の境内より来り、南に流るること5町20間太田村の界に入る。

渋川

村西1町10間余にあり。
中里村の境内より来り、未申(南西)の方に流るること7町20間余姥堂川に入る。

水利

小塩堰

三城目村の方より来り田地に(そそ)太田村の方に注ぐ。

神社

稲荷神社

祭神 稲荷神?
相殿 伊勢宮 3座
   稲荷神 4座
   春日神
   諏訪神
   山神
   十二宮
   権現
   八幡宮
   若宮八幡
   三島神
   天神
鎮座 不明
村東1町余にあり。
鳥居拝殿あり。熊倉村山口美濃が司なり。

寺院

寶性寺

村中にあり。
真言宗、府下大町一桂院の末山なり。山號を護守山という。
天正2年(1574年)海圓という僧開基す。
文禄中(1593年~1596年)靈問という僧修補を加ふ。因て靈問を中興とす。
本尊如意輪観音客殿に安ず。

古蹟

館跡

村中にあり。
東西36間・南北32間。
何の頃にか手代木某という者ここに住せしという。
僅かに土居の形残れり。

古碑

村より未(南南西)の方1町50間にあり。
高3尺・幅2尺5寸。上に梵字3、下に『諸行無常是生滅法生滅々己寂滅為樂』の16字を4行に彫り、またその下に『延文六年辛丑二月九日孝子敬白為三拾三年』と1行に彫る(延文6年:1361年)。その余文字あれども剥落して読べからず。

坊壇

村西1町30間にあり。
高1間・周14間余、その謂を知らず。



最終更新:2023年09月06日 19:02