耶麻郡小田付組稲田村

陸奥国 耶麻郡 小田付組 稲田(いなた)
大日本地誌大系第32巻 89コマ目

この村の鎮守白山社もとは大社にて総門の冠木(かぶき)巨大なりしにより冠木村といいしとぞ。

府城の北に当り行程5里8町余。
家数28軒、東西1町18間・南北5町18間。
散居す。四方田圃(たんぼ)なり。

東1町6間関柴村の界に至る。その村は寅卯(東北東~東の間)に当り8町40間余。
西30間上田村の界に至る。その村は戌(西北西)に当り2町40間余。
南10町45間熊倉組上勝村の界に至る。その村まで15町10間余。
北2町12間中田付村の界に至る。その村まで5町30間余。
また
辰(東南東)の方29間熊倉組平林村の界に至る。その村まで9町30間。
未(南南西)の方3町10間下台村の界に至る。その村まで4町20間余。

小名

原田(はらた)

本村の南7町30間にあり。
家数2軒、東西35間・南北30間。
田圃の間に住す。

水利

下台堰

上田村の方より来り田地に(そそ)下台村の方に注ぐ。

神社

白山神社

祭神 白山神?
相殿 山神 2座
   伊勢宮
   天神
   水神
鎮座 不明
村東にあり。
昔は社頭壮麗なりしという。然れども何人の勧請なることをしらず。
鳥居拝殿あり。熊倉村山口美濃これを司る。

寺院

萬蔵寺

村北にあり。
福樂山と號す。文禄元年(1593年)天台の僧州山開基すという。寛文中(1661年~1673年)に至り僧全國住してより曹洞宗となり、会津郡南青木組北青木村善龍寺の末山となる。
本尊弥陀客殿に安ず。




最終更新:2020年07月30日 20:09