弱点だが、火力が不足しやすい点と鈍足なせいで先手で弱点を突かれやすい点が挙げられる。
更に防御・特防も低く、高いHPの割に耐久を発揮できないこともある。
特に
フェアリータイプが4倍弱点であり、
カプ系・
ミミッキュ・アローラ
キュウコンを筆頭に様々なフェアリータイプが台頭している現環境では、鈍足なアクジキングは格好の的でしかない。
耐久を一切強化していない場合、性格補正無し・Aに努力値を100振ったちからもちルリリ(
マリルリではない)の「じゃれつく」で
確定一発で倒される。
そのため、使う際はフェアリータイプに強いポケモンと組ませる等の工夫が必要になるだろう。
とはいえ、H無振りでもH特化サザンドラと同程度の耐久力を誇り、「ヘビーボンバー」「ヘドロウェーブ」といった対抗手段も覚える。
中途半端な火力では倒し切れず反撃を許すことになるだろう。
悩みの種は何もフェアリータイプだけではない。メジャーなドラゴンタイプや
格闘タイプの存在も頭を悩ませる。
ガブリアスや
メガボーマンダのげきりんは勿論、
メガルカリオのインファイト辺りを容赦なく上から叩き込まれては何もできないままワンパンで昇天してしまう。
尤も、これは最大の比較対象となるサザンドラも条件は同じ。
それはアクジキングだから、サザンドラだからどうこうの話ではなく、悪・ドラゴン
複合そのものの欠点である。
むしろ上から叩かれるのが前提ならば、耐久が高いアクジキングの方が優位になる事すらある。
例えばドラゴン技を切っているタイプのメガボーマンダ(素早さ種族値120)であれば、サザンドラはHに180努力値を割かないと補正ありA252スカイスキンすてみタックルで乱数1発となってしまうが、アクジキングは耐久無振りでも確2なので、アクジキングの方が優位に立てる。
ただし1回舞われていたらサザンドラは確定で、アクジキングはB252でない限り上から叩かれてアウトである。
AorC種族値130級からの一致弱点でも、それが4倍のフェアリーでなく、かつ性格・アイテム・特性による補正がない場合なら話は違ってくる。
例えば、前述した天敵でありメジャーポケモンの筆頭格である
ガブリアスのげきりん。
サザンドラだとH252でも確1、ここからBに振らないと乱数にならず、Bに振るという事は自慢のCやSを必然的に犠牲にしなければならなくなってくる。
サザンドラにとっては
短所を潰そうとするあまり長所を殺すという本末転倒な事に他ならず、あまり褒められた調整ではないだろう。
だがアクジキングなら、
Bに補正ありで132・補正なしで204振れば確2、つまり
急所に当たらなければ耐える。
急所に当たった?残念だったね…
残り1匹からのタイマン等、サザンドラではほぼ負けてしまうが、アクジキングならワンチャン残る場面は間違いなくある。
(メガガブリアスだったり、
タスキや
ハバン・ドラゴンZ持ちだとノーチャンの負け確なので、あくまで
ワンチャンでしかないが)
勿論「サザンドラだったら安定で勝てていたのに…」なんて盤面になる事も多いが、いかにアクジキング優位の盤面に持っていくかが使い手の腕の見せ所だろう。
ただ、競技性が高いバトルでは「サザンドラでおk」という場面が多すぎる為、日々ポケモンの研究を重ねるレート環境勢・WCS勢からの評価は決して芳しくない。
そのサザンドラですらフェアリーの台頭で採用率を落としている事を考えると、今後の展望も決して良いとは言えない。
少なくとも対戦環境においては
カプ・コケコ、
カプ・テテフ、ガブリアス、
ミミッキュの使用率が極めて高いこのご時世では鈍足で火力も中途半端な悪・ドラゴンであるアクジキングに立つ瀬があるわけもなく、
生まれながらにして死にかけている、あるいは既に死んでいる…というのが現状である。
事実、他のウルトラビーストは軒並み使用率上位(最初はあまり注目されていなかった
カミツルギも、ダブルでは上位に位置している)。
にも関わらず、
アクジキングのみシングル・ダブル共にランク外。見直されるどころか、新フェアリーの台頭により前評判以上に状況が悪化しているとすら言える。
考察や研究が放棄されてレベリング・努力値稼ぎの道場にされたり(アクジキングを捕まえない限り捕獲に進めない
ネクロズマも哀れだが)、「マイナーチェンジで真の姿であるサザンドラにフォルムチェンジする」等と皮肉られているケースすら見受けられる。
確かに設定似てるけど
逆に言えば固定観念に捉われないで型を考えられる為、相手に読まれにくいのは利点ともいえる。
高い攻撃を活かす物理型にするもよし、劣化サザンドラを恐れず特殊型にするもよし、「ドラゴンテール」で耐久・積み型に起点を作らせない嫌がらせ型にするもよし。
「アクジキングを使って
ツリーを駆け上がり、本気の
レッドを撃破(50連勝)した」なんていう報告もちらほら。
仮にも準伝説は伊達ではないということか。