ファミコン漫画/ゲーム漫画

登録日:2019/01/28 Mon 00:48:00
更新日:2024/04/13 Sat 21:17:24
所要時間:約 22 分で読めます




ファミコン漫画/ゲーム漫画とは、ファミコンを初めとした「テレビゲームを遊ぶ少年少女を主人公とした」漫画作品の総称である。
ゲームを原作にした漫画(いわゆるコミカライズ)ではないので間違えないように。


■概要

1983年に任天堂から発売されたファミリーコンピュータ、通称ファミコンは、小中学生を中心に大ヒットし、社会的とも言える大ブームを巻き起こした。
当然、コロコロコミックを始めとした児童誌・少年誌もこのブームに目をつけるが、初期のゲームはアクション(ACT)やシューティング(STG)が一般的であり、
その物語も説明書に書かれている数行程度のものでしかなく、漫画化する事は困難であった。
何しろオープニングはおろか、エンディングさえ無いゲームがほとんどだったのだ。
そのため、「テレビゲームを遊ぶ側」を主人公とする事で読者に親近感を持たせ、攻略漫画としての要素も加える事でさらなる販促につなげる、といったファミコン漫画が誕生したのである。
しかし、ただゲームをするだけではどうしても地味になってしまうので、この手の漫画には次のようなお約束が多くみられる。
  • 主人公は運動神経とゲームの腕だけが取り柄
  • 金持ちのライバルキャラは死闘の末、主人公の親友となる
  • 主人公に想いを寄せるヒロインがいる
  • ゲームを攻略するためにゲームとは直接関係ない特訓を行い、必殺技を開発する
  • 悩みや問題ごとはたいていゲームを攻略することで解決する
  • ゲームを悪用して悪事や世界征服をたくらむ悪の組織が存在する
など、少年漫画らしい荒唐無稽なものばかりだが、
  • ゲームの腕前で大金を稼ぐプロゲーマー(現在で言うところの「eスポーツ」)
  • 大画面での通信ゲーム対戦
のように、文化の成熟や技術の向上などで現実になったものも多数存在しており、21世紀現在の目線で読んでみると新しい発見があるだろう。

少年漫画として80年代に一ジャンルを築いたファミコン漫画であったが、RPGなどがゲームの主流となってゲーム独自の世界観が増してくると、その役目を終えて姿を消していき、
入れ替わるようにゲーム自体を漫画化したコミカライズ作品が増えていくこととなる。



■コロコロコミック連載作品

ファミコンブームの絶頂期には、コロコロ本誌で『ロッキー』『少年団』『高橋名人物語』、別冊で『CAP』が同時に連載されており、増刊号や『小学〇年生』の学年誌にも出張連載されていた。
他にも読み切りで攻略漫画などが多数掲載されており、当時の熱狂ぶり(とコロコロのファミコン推し)がうかがえる。

コロコロ連載作品のほとんどは、コミックパークのコロコロコミックアーカイブズ*1や他出版社から復刻されており、入手は比較的容易である。

◇ゲームセンターあらし

くらえ~~っ、月面宙返り(ムーンサルト)プラス炎のコマ~~っ!

作者は『仮面ライダー』のすがやみつる。全17巻。
テレビゲームの攻略を題材とした、ゲーム漫画の元祖。ここから伝説は始まった。
主人公・石野あらしが、ゲームセンターやゲーム大会で、「炎のコマ」や「エレクトリック・サンダー」といった秘技(必殺技)を武器に、全国、さらに全世界から集まるライバルたちと
熱戦を繰り広げる。
実はゲームセンターを舞台にした話は初期の数話だけだったりする。*2
どんどんパワーアップしていく必殺技、インフレしていく敵組織(異星人や邪神まで登場)など、ゲーム漫画のテンプレがすでに完成されている。
本作のキャラクターが登場するプログラミングの入門書『こんにちはマイコン』もヒットした。
2000年に太田出版から全4巻で復刻版が刊行された。


◇マイコン電児ラン

マイコン電児ランが相手だ~~~っ!

作者は『あらし』のすがやみつる。全2巻。
ゲームプログラマーである主人公・嵐ランが、マイコン*3の楽しさ、面白さ、素晴らしさを人々に伝えるために、自作のゲームでマイコンを悪用する同級生や闇の組織などとの闘いに挑む。
別冊コロコロコミック月刊化の目玉として始まり、第1話は『あらし』とのコラボも行われている。
しかし、当時の小学生(というか大人も含めて)には高嶺の花であったマイコンを題材としたためか、短命に終わってしまった。
2002年に英知出版から『こんにちはマイコン』全2巻と本作全話が『スーパーゲーム大戦 ゲームセンターあらし対マイコン電児ラン+こんにちはマイコン【完全版】』として発売された。



ゲーム拳・必殺五十連打ーーっ!!

作者は本作がデビュー作であるあさいもとゆき。全8巻。
主人公の轟勇気が独自に編み出したゲーム拳の数々を駆使して、強豪ゲームプレイヤーたちとファミコン勝負を繰り広げる。
続編に『ゲームボーイロッキー』『アクションロッキー』『大人のファミコンロッキー』、スピンオフ作品に『スケボーロッキー』がある。
本作の特徴は何といっても、現実では絶対に起こり得ないウソ技である。
スパルタンX」のシルビアとか、「ゼビウス」の魔の二千機攻撃とか*4*5。詳しくは該当項目へ。
これは作者の暴走ではなく担当編集からの指示であり、その担当がメーカーと交渉も行っていたらしく作者がメーカー側から文句を言われた事は無かったとのこと。
また、お色気要素も本作の魅力であり、ヒロインやゲストキャラの水着やレオタード、果てには下着などが目白押しで、当時の少年たちの股間をやきもきさせていた。
初期には普通に立っているだけでパンチラしていたが、後半ではお色気要素は控えめになっていった。チッ。*6
2001年に朝日ソノラマから全2巻で復刻版が刊行された。さらに、2009年にはコミックパークのコロコロコミックアーカイブズから、未収録話を追加した全9巻が復刊された。
未収録話は第9巻にまとめられている。
現在では、本作(復刻版)や『スケボーロッキー』が各種サイトで無料公開されている。


◇熱血!ファミコン少年団*7

こんなお金なんかで⋯、ファミコンを愛する少年団の魂を買えるもんかーー!!

作者は『ドラえもん』の学習漫画などを多く手がけているさいとうはるお。全3巻。
ファミコン少年団員・南大地が、様々な事件や出来事を通じて少年団員達とともに勇気や友情を発揮し、偉大(グレート)に成長していく姿を描いた作品。
当時の少年たちのスーパーヒーローだった高橋名人がメインキャラクターとして登場している*8
コロコロで企画されていた『ファミコン少年団』を設定の中心に取り込み、「ファミコン実録漫画」を謳っていた。
実際にコロコロの付録になっていた少年団の会員証やパスポートが重要アイテムとして登場する。
実録(という設定)であるため、ゲームを悪用する組織も非認可の攻略本を出したりインチキソフトを売りつけたりといった現実的で小悪党的なものが多いが、
高橋名人を拉致して窒息死させようとするなど、悪辣な連中もいる。


◇ファミコンCAP

ウイニングカセットだあーーーっ!!

作者は『実録サッカー戦士』『ドラゴン拳』の小林たつよし。全3巻。
「ファミコンキャップ」の異名を持つ主人公・天堂翔が仲間たちと力を合わせ、様々なファミコンソフトに挑戦する。
毎回の対戦相手が、ほぼ「ファミコン貴族」綾小路隼人に固定されているのが本作の特徴であり、ファミコンを悪用する組織などは登場しない。
キャップは、ゲームを攻略すると、攻略したゲームカセットを天高く放り投げる「ウイニングカセット」を行う。
ストーリー漫画の名作を多く手がけた作者の作品であることから、作中ではゲームの攻略だけにとどまらず、SF回やオカルト回、さらには当時の流行であったラブコメなども繰り広げられる。


◇ファミコンランナー 高橋名人物語

おれが高橋だーー!!

作者は『忍者マン一平』の河合一慶。全6巻。
ファミコンブームの立役者、少年たちのスーパーヒーロー高橋名人の半生を描いた怪作。
連載前半は名人の少年時代の武勇伝や伝説(を100倍ぐらいに膨らませた)を描く1話完結構成。後半からは現在の名人の活躍が中心となり、悪の組織との戦いや秘境での冒険など、
バトル要素の強い作風になっている。とりあえず札幌市民は怒っていい。
高橋名人がファミコンの広報から外れてしまったため、打ち切りとなってしまい、最終巻である7巻は発行されずじまいだったが、
2002年に単行本全巻と連載最終回を含めた未収録話をまとめた復刻版(全1巻、1000ページ越え!)が朝日ソノラマから発売された。


◇突撃!ゲームボーイ

必殺連打ーー、百八竜(ワンハンドレッドエイトドラゴン)!!

作者はこいしさとし。全2巻。
主人公である風間獣王拳の継承者・風間太陽が、獣王拳の奥義・必撃連打"百八竜(ワンハンドレッドエイトドラゴン)"を駆使して、ガールフレンドの南原サキとともに謎の組織MJ-12と激闘を繰り広げる。
"百八竜"は、本来は人体の百八の急所を一瞬のうちに突き、絶命させる暗殺拳である。
基本的に敵は態度が悪かったり買い占めやダイレクトアタックなどあくどい手段で勝とうとするプレイヤーや、自社の攻略本の広告目的でそういったプレイヤーを雇う会社だが、
最終回にはボンバーマンを参考にした軍用パワードスーツを作った組織が登場する。


◇電脳ボーイ

祭場一騎こと……、人呼んで"電脳ボーイ"とはおれのことだっ!!

作者は『がんばれ!キッカーズ』のながいのりあき。全5巻。
主人公の祭場一騎(さいばいっき)が次々に現れるゲーマー達と対決を繰り広げる。
当時発売されたばかりのスーパーファミコンだけでなく、まだまだ現役だったファミコンやPCエンジンも扱っており、クレーンゲームのようなテレビゲーム以外を扱った話もある。
超人的な必殺技や非現実的な悪の組織は登場せず、一騎たちの日常を舞台にゲームを通じた友情や努力の物語が中心となっている。
が、最終話の相手はなぜか


◇新世紀ゲーム王 巧

命技!!鼓動やぐら落とし!!

作者は主にホビー系の漫画を執筆しているおおせよしお。
2003年連載開始とこの系統の漫画としては非常に新しく、題材になるゲームもパワプロや太鼓の達人等、アニヲタ的にも馴染み深いゲームが揃っている。
ゲーム同好会所属の主人公・芸門巧が様々な達人とゲーム対決をするという2000年代にしては非常に珍しいド直球な内容が特長。
しかし僅か3話で終了したため、単行本未収録かつ前述のコロコロコミックアーカイブズでも未復刻と非情に不遇。



コミックボンボン連載作品

ボンボン連載作品のほとんどは復刊されておらず、現在ではプレミアがついている。
また、残念ながら最終話まで単行本化されていない作品も多い為、未収録話はボンボンのバックナンバーを探して読むしかない。

◇ファミコン風雲児

いくぞみんな ドットチェンジだ!!

作者は『ロックマンシリーズ』の池原しげと。全7巻。
コンピューターボーイズ(通称コンボイ)と呼ばれる天竜研(通称ケン) 、五代一馬、加藤卓也の3人が、ファミコンによる世界征服をたくらむ謎の組織「シャドウ」と、
ファミコンを使って激戦を繰り広げる。
他のファミコン漫画と本作が一線を画しているのは、当時の小学生にはほとんど理解できなかったであろうマニアックな知識である。
ファミコンのROM吸出しから始まってプログラム改造やゲームの解析まで作中では行っており、80年代当時は非常に高価で一般的ではなかったパソコンの専門用語なども頻繁に登場する。
コンボイたちが改造した「エキサイトバイク」や「バンゲリングベイ」で敵と戦っており*9、不正な操作を行おうとすると電流が流れるなど、
他の漫画なら敵側が仕掛けてくるであろうえげつない行為を主人公側が平然と仕掛けている。
それでも少年漫画としての完成度は非常に高く、ワイヤレスコントローラーや携帯型ファミコン、ファミコン通信など未来を先取りした夢のある小道具や設定が子供心をくすぐり、
特に主人公たちがゲーム世界に入り込む「ドットチェンジ」では、ゲーム世界が非常に雰囲気良く、丁寧に描かれている。


◇ファミ拳リュウ

ファミ拳法 宇宙爆(ビックバン)

作者は『ナイトガンダム物語』のほしの竜一。全5巻。
「竜拳法」を操る天才カンフー少年・大神竜が、持ち前のカンフー技を駆使してファミコンゲームを攻略し、敵対する組織「蛇の穴」と闘っていく。
同時期に連載されていた『風雲児』とは対照的な肉体派の作品で、バトルものの要素もあり、回を重ねるごとにグロ描写*10が増していく。
ボンボン初のヒロインとのキスシーンを描いた作品らしい。
ボンボン連載作品の宿命か、連載終盤は単行本化されておらず、5巻は最終章である「魔凶拳編」の冒頭で終わっている。


◇ファミコン風雲児対ファミ拳リュウ

うらぎり者の手などかりるか!

『風雲児』と『リュウ』のクロスオーバー。全2巻。
頭脳派のケンと肉体派のリュウが、時にぶつかり、時に協力し合いながら、様々な悪の組織とファミコンゲームで闘っていく。
電脳化された街を救う戦いや武器商人の陰謀を砕くストーリーなど、舞台もクロスオーバーにふさわしい大規模なものとなっている。元から大規模とか言ってはいけない。



おれはロックンG.B.(ゲームボーイ)だ!

作者は『風雲児』の池原しげと。全5巻。
日本一のゲーマーを目指す少年・南波一が、兄の南波翔を誘拐した謎の秘密結社「BUG(バグ)」とのゲーム対決に挑む。
『風雲児』と同様に、ゲーム世界が丁寧に表現されているのが特徴だが、『風雲児』のようなマニアックな知識はほとんど登場しない。
作中で「ロックマンワールド」を題材にした回があり、作者は本作の連載終了直後にロックマンシリーズの漫画の執筆を開始している。
BUGの正体は、ゲームのコントローラーで操縦する兵器を擁する世界征服を企む組織。


◇少年探偵ジュンの事件簿

どうせやつの人生もこれでゲームーオーバーなんだ

作者は『ボンボン餓狼』の細井雄二。全1巻。
刑事の兄を持つ少年・村越純が様々な事件に巻き込まれながら、それらを解決していく。
タイトルからは想像できないが、3話まではファミコンを題材にした殺人事件や誘拐事件を扱っていた。
しかし、ネタ切れになったのかその後は普通の少年探偵ものになり、それもネタ切れになったのか最終的には忍者ものになった。
作品の大部分は単行本未収録だったが、未収録話の一部を収めた2巻が電子書籍として近年発行された。


◇ゲームウルフ隼人

めくり強キック!しゃがみ強キック!突き上げアッパー!食らえこれが……乱舞波動拳!!

作者はきのした照司。全3巻。
プレイするゲームはストリートファイターⅡシリーズのみという珍しい漫画。最終回だけは唐突に闘神伝
ゲーム内容自体は割と普通の部類だが、プレイヤー側は他のゲーム漫画に負けず劣らず濃い。
悪の組織は存在しないが、父への当てつけで大規模なゲーム大会の会場そのものを大改造する主催者の息子とか、自分は大ヒットRPGを作っているのに
ストⅡと主人公にやたらこだわる億万長者とか、とんでもない敵には事欠かない。


◇コマンドー明”(バキラ)

確かに俺は……ゲーム以外は何の取り柄もないただのバカさ……
だからこそその最後の砦――ゲームから逃げるわけにはいかねえんだ!!!

デラックスボンボン晩期の作品。作者は島本和彦。
各人が独自のキャラを作り、消滅をかけて勝負する架空の2D対戦型格闘ゲームが題材。
組織を裏切り暗殺されかけ重傷を負ったゲーマーから彼のキャラダイナモを受け継いだ凄腕の小学生コマンドー明”(バキラ)が主人公。
なお、良い大人が大真面目に頭の悪いことを熱弁する島本和彦らしい作品だが、島本は同誌で直前までサムライスピリッツのコミカライズを連載しており、その作風しか知らないボンボン読者が困惑したとか。



■その他の雑誌連載作品


◇ファミ魂ウルフ

「野生のカン」がわいてきたぞーーーっ!!

わんぱっくコミックに掲載。作者は『ウルトラ兄弟物語』のかたおか徹治。全4巻。
狼に育てられた少年・野生命知狼(やおいちろう)が野生のカンを武器に、命知狼を山奥から連れ出してファミコン部門のマスコットにしてひと儲けしようとする“剛田コンツェルン”と
数々のファミコン対決に挑む。
マイナー誌ゆえか、扱うゲームが「ゲイモス」などB級感あふれるものが多いのも特徴。
掲載誌の休刊してしまったため、最終巻である5巻は発行されていなかったが、2019年に電子書籍で最終回まで含む5巻が発表され、一部サイトで無料公開されている。*11


◇ファミコンまりクン

マリオってTV画面を走ってるとむぉーっとかぁーいんだぜいっ

ちゃおの付録冊子であるマイラブコミックスに掲載。作者は『YOU&ゆう』のうえだ未知。全7話。
『ちゃお』は本作以外にも多数のファミコン漫画を掲載しており、少女漫画にまでファミコンブームの影響が及んでいることから当時の熱狂ぶりがうかがえる。
1~4話は「スーパーマリオブラザーズ」編、5~7話は「マイティボンジャック」編となっており、1~3話は同作者の『みらくるミミkun』の3巻と4巻、
5~7話は『YOU&ゆう』の4巻の巻末に収録されている。*12
ファミコンが大好きな中学二年生の数田まり子が、ひょんなことからテレビ画面に吸い込まれてゲームの世界を冒険することになり、
まり子が想いをよせている同級生のファミコン名人・桃木くんの言っていた攻略法や裏技を思い出しながらゴール目指して進んでいく。
「マイティボンジャック」編からは恋のライバルであるひろみも登場し、ぶつかりながらも協力し合ってゲームを攻略していく。
桃木に想いをよせながら素直になれないまり子の恋心がメインの少女漫画であるが、ファミコンにまだなじみの少なかった当時の女の子向けに基本操作の説明から始まり、
攻略法や裏技の紹介も行っており、少女漫画としてもファミコン漫画としても丁寧なつくりとなっている。


◇われらホビーズ ファミコンゼミナール

われら三人ホビーズはいまファミコンに夢中なのだ

月刊少年ジャンプに掲載。作者はあおきけい。全4巻。
月刊少年ジャンプの増刊であった「HOBBY's JUMP」に連載されていた『われらホビーズ』*13が前身で、月刊少年ジャンプにスピンオフされる形で連載された。
ファミコン漫画としては最長の連載期間(前身の『ホビーズ』をふくめると5年以上)を誇る。
連載初期はホビーズの三人(タカ、シゲ坊、マコ)が繰り広げるショートギャグ漫画で、ファミコンというホビーそのものを題材としたものと、
登場人物がゲームキャラクターに扮したゲームの世界観を題材としたものが混在していた。
中盤以降はゲームの世界を舞台とした一話完結のパロディ漫画となり、ゲストキャラクターであったゴージ*14が実質的な主人公となり、タカ以外のホビーズはほとんど出番がなくなってしまった。
本編終了後に読み切りとして『スーパーマリオワールド』を題材とした『われらホビーズ スーパーファミコンゼミナール』が掲載、単行本未収録となっていたが、
マンガ図書館Zにて同じく単行本未収録となっていた『われらホビーズ・ファミコン編』全6話、『われらホビーズ・ヴィザードリィ編』と合わせて
『われらホビーズ ファミコンゼミナール Ex』として2018年に電子書籍化された。


◇ファミコン探偵団

日本のあるとこにそれはそれは自由で平和な学校がありました その名も必勝学園!

月刊少年チャンピオンに掲載。作者は『おジャ魔女どれみ』などのアニメーターとしても知られる佐藤元。全2巻。
自由で平和な必勝学園を舞台に探偵部の岸田流星 (通称コスモ) が学園で起こる事件をファミコンゲームにたとえて解決する。
アイドル漫画としての側面ももっており、探偵部員は実在のアイドルグループ・少女隊のメンバーをモデルにしている。
80年代らしいギャグ満載の作風だが、単行本で描き下ろされた後日談はとてもシリアス。おまけに主人公はジゴロ化する。


◇ノー技(テク)ファミンライダー

テレビマガジン1986年9月号~1987年2月号に連載。作者は成井紀郎。全6話。
19XX年、人々がファミコンの裏技をやり過ぎたために狂い出した世界を元に戻すべく、正義の組織「ガマテレ」に所属する正義のヒーロー、ファミンライダー1号が立ち上がる。
…という設定だが、実際には様々なゲームが入り混じった世界を舞台に、金と女が好きな駄目ヒーロー・ファミンライダー1号が事件解決に乗り出しては失敗するギャグ漫画。
「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」「世界まるごとHOWマッチ」「わくわく動物ランド」といった、当時の人気バラエティ番組のネタも見られた。
ちなみにファミンライダー2号も存在するが、いつも出動させてもらえずじまいで終わる。
1話は「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境」の妖怪達が本当に出現し、肝心の鬼太郎はまだ1面もクリアできなかったために、代わりにライダーが出動するという話で、
「スーパーマリオブラザーズ」「風雲!たけし城」ネタを挟みつつ、結局は1面の妖怪城にたどり着くも、ページ数切れで攻め落とせず、世界が妖怪に支配されて終了。
2~3話は「ドラゴンクエスト」のラダトームで「魔界村」のプリンセスが大魔王*15にさらわれ、ラダトーム王の使者でかつて「ポートピア連続殺人事件」の捜査をしていたという
ヤスって、出所したのか?から、自分がロトの子孫だと聞かされた(実は嘘で、誰でも良かった)ライダーが出動する。
途中でうっかりヤスを攻撃して倒してしまい、ゾンビ化させるというアクシデントに見舞われたり(そのまま仲間になってレギュラー化したが)、
「ゼルダの伝説」「スーパーマリオブラザーズ」「世界まるごとHOWマッチ」「わくわく動物ランド」のネタも挟みつつ(1ルピーが9ゴールドという設定も登場)、
大魔王の城にたどり着くも、大魔王と手下達の勢揃いに怖気づいたライダーは大量のゴールドを差し出してプリンセスを返してもらう。
だが城に戻ると、プリンセスの帰りを首を長くして待ち過ぎた王が、首の長いドラゴンと化して暴れており「らいだの あらたなる たたかいが はじまる」で終了。
4~6話は「ゲゲゲの鬼太郎」のユメコちゃんが大魔王クッパにさらわれ、マリオとルイージは毒キノコに当たって寝込んでいるため、ボーナスコイン取り放題に釣られたライダーが出動する。
今度は「ワルキューレの冒険」「忍者じゃじゃ丸くん」「マリオブラザーズ」「グーニーズ」「バベルの塔」「がんばれゴエモン」「ドンキーコング」「ドンキーコングJr.」
「レッキングクルー」「クレイジークライマー」「マッピー」のネタが次々と登場し、それまで以上にカオスな展開が続いた末、事件の黒幕がクッパに変装した鬼太郎で、
ゲームの女の子達を集めて楽園を作ろうと企んでいた事が発覚するも、ライダーは「ぼくちゃんなかまにはいりたい!」と答え、世界中のゲームから女の子達が消えてしまって連載終了。
単行本化はされていない。


◇ファミロボ ボロッ太の ファミコンひみつわざ道場

テレビマガジン1985年10月号~1988年8月号に連載。作者は槙村ただしとダイナミックプロ。
ファミコン本体がモチーフのロボット・ボロッ太が、様々なファミコンソフトを紹介する漫画。
一部の裏技等も紹介している。だが一部の敵キャラの名前を間違える等のミスも目立っていた*16
連載終盤ではPCエンジンやセガ・マーク3のソフトも紹介する方針になったが、実際に紹介されたのはそれぞれ「パワーリーグ」「天才バカボン」のみだった。
連載初回に紹介されたソフトは「エキサイトバイク」「スターフォース」「ゼビウス」の3本、最終回はFC版「イース」である。
単行本化はされていない。


◇キミとピコピコ

ウチは鬼咲アゲハね アゲハって呼んで♡ よろぴく~♪
講談社系漫画アプリ『マガポケ』で2021年より連載開始の、令和の時代のゲーム漫画。作者はゆずチリ。2022年12月現在で既刊4巻。
コンセプトは、ゲームオタクとオタクに優しいギャルによるラブコメ。
主人公の太田太一は、入学した学校でテレビゲーム部を見つけ、そこに在籍していた同じクラスのギャル鬼咲アゲハと出会い、ゲームを通じて学校生活でもプライベートでも仲を深めていく……といった内容。
このヒロインであるアゲハは、巨乳ギャルで特にレトロゲームが好きでなぜか太田に好意的でグイグイくるが妙なところで純情、とまあ、そういうラブコメである。
登場するゲームは、基本的には架空のタイトル(ただし、元ネタはかなりあからさま)だが、一部タイトルは実名で取り扱っている。


■番外


一九九×年、核戦争によって人類は滅亡の危機に瀕していた

ファミコミックNo.1(創刊号)に掲載。作者は安田タツ夫(現・安田達矢)。
ファミコンゲームの腕の優劣によって階級が決められてしまう近未来、弱者を解放し、ファミコンの素晴らしさを伝えるためにファミコマンド竜が立ち上がる。
…というストーリーだけを見れば、ファミコン漫画の王道のように見えるが、実態は似て非なるもの。
詳細は該当項目を参照。
なお「挙士」は誤字ではない。


◇新世紀エヴァンゲリオン ピコピコ中学生伝説

ゲームが上手な人は友達がいない人が多いからよ!!

ヤングエース2014年5月号~2018年9月号に連載。作者は原作・カラー、シナリオ・河田雄志、作画・行徒。
新世紀エヴァンゲリオン』のスピンオフ作品。
世界中から有能なゲーマーを集めた国立防衛中学『NERV』で、碇シンジ達はエヴァのパイロットを目指す。
…うん、奇妙奇天烈さを感じたあなたは正しい。

寧ろ、原作の「自らのいびつさを自覚しながらも、大人として足掻く大人キャラ」が本作では「自らの若気の至り・痛い過去をも武器にして、厚かましく振舞う大人キャラ」となっており、
そこにシンジ達おなじみ中学生のメインキャラがどう結束して立ち向かっていくのか、が主軸になっている。
そもそも作者自身も「ゲームを掲げておきながら、それを主軸にしたエピソードが少なかった」と反省している。
しかし、ギャルゲー・格闘ゲーム・RPG・音楽ゲーム・モンスター収集ゲーム等のお約束・システムに鋭いツッコミを入れるエピソードを要所要所で入れてくるため、ゲーム漫画としての体がないわけではない。
時にはゲーム機が絡まない遊びにも、切り込んで来るが。

シナリオつながりで『北斗の拳 イチゴ味』との公式コラボも見れるぞ!



必殺技でゲームを攻略した人が追記・修正をお願いします。

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最終更新:2024年04月13日 21:17

*1 2022年9月20日をもってサービス終了。

*2 当時小学生がゲームセンターにたむろして不良化するという現象が社会問題になっていたため。

*3 マイクロコンピュータの略。現代でいうところのパソコン(パーソナルコンピュータ)だが、1980年代初頭まではマイコンの名称が一般的だった。

*4 ただし「チャレンジャー」の1面→4面ワープのように、あからさまにウソ技と見せかけて現実に実装されているものもあった。

*5 ただ最近になって、ゼビウスに(プログラムのバグではあるが)二千機攻撃のような猛攻撃が仕込まれていることが明らかになった。

*6 これはデビュー前の作者が生活のために18禁の同人誌を出しており、初期にはその作風が強く出ていたため。

*7 単行本では「ファミコン少年団」

*8 当時日本中を駆け巡った都市伝説である高橋名人逮捕を題材にした話もある

*9 当然敵側は未プレイ。

*10 ライバルが生首だけになったり、主人公のクローンが内臓ぶちまけたり…。

*11 電子書籍版4巻の楽屋落ち漫画で「賛同者がいればネットで無料配信も…」と作者自身が述べていた。

*12 4話は攻略がメインのためか収録されておらず、電子書籍版では権利関係のためか全話未収録である。

*13 ラジコンや自転車などといった様々なホビーを題材としたショートギャグ漫画で、テレビゲームを題材としたファミコン編6話とウィザードリィ編も掲載されている。

*14 同時期に月刊少年ジャンプに連載されていた『マンモス』のパロディキャラ。

*15 もちろん「魔界村」の大魔王だが、漫画内では「ゼルダの伝説」の大魔王ガノンの名前で呼ばれている。

*16 例えばスーパーマリオの紹介では、クリボーをノコノコ、ノコノコをメット、パックンフラワーを人食い花と記載していた。