「ファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアック・ジョブ・システム」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアック・ジョブ・システム - (2019/06/12 (水) 04:01:29) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

#contents(fromhere) ---- *ファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアック・ジョブ・システム 【ふぁいなるふぁんたじーとぅえるぶ いんたーなしょなる ぞでぃあっくじょぶしすてむ】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000QXV42O)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|スクウェア・エニックス|~| |発売日|2007年8月9日|~| |定価|6,800円|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |廉価版|アルティメットヒッツ:2009年5月11日/2,940円|~| |判定|なし|~| |ポイント|''インターナショナルだが、北米版ベースではない''&br()オリジナル版の難解な作りを抜本的に改める&br()遊びやすさ重視のコンセプト&br()倍速機能の快適さ、アッパー調整の爽快感&br()好みが分かれやすい調整|~| |>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>ファイナルファンタジーシリーズ]]''| ---- **概要 -『[[ファイナルファンタジーXII]]』のインターナショナル版。「FFXII IZJS」と略される。 --オリジナル版とは違った遊びかたを目指したため、従来に比べてオリジナル版からの変更点が非常に多い。 --またオリジナル版は難度やシステムなど遊びにくい部分が多いため、本作は『オリジナル版のイージータイプ』として遊びやすさが重視されている。 -なお、海外で発売されていたFFXIIは本作「IZJS」ではなく、オリジナル版(無印)準拠のシステム。~ 本作「IZJS」は、''タイトルこそ『インターナショナル』となっているが、英語音声以外は「国内限定の内容」である。'' --本来の海外版ではイベントが少し追加された程度でほぼ日本版無印と同様のゲーム内容だった。 --元々は『FFXII アネックス』という名前で発売予定だったが、大人の都合により『インターナショナル』名義に変更されたという。 --海外ではこの「IZJS」に準拠したものは以降も発売されず、そのタイトルに反して長らく日本限定のゲームとなってしまっていた。 **変更点 -ゾディアックジョブシステム --ライセンスボードを12種類のジョブ(ライセンス)から選べる。ただし一度選んだらジョブを変更することはできない。 --「モンク」「白魔道士」といった定番から、「ウーラン」「シカリ」などのよくわからない新顔まで、12の星座に当てはめられたジョブが揃っている。 ---ジョブ毎に特性がハッキリしているので育成の方針を迷わずにすむ。ただジョブ選択で迷いやすくなっている。 ---各ジョブには「飛び石」と呼ばれる離れた位置にあるライセンスが存在する。&br()これを習得するには召喚獣ライセンスを習得して掛け橋にする必要があるが、召喚獣ライセンスはオリジナル版同様1匹につき1人しか習得できない。 #region(本作のジョブ) -白羊宮(牡羊座)・白魔道士…武器はロッド、白魔法を使用できる、魔装備可能。回復と味方の補助に特化した後衛職。召喚ライセンス経由で両手剣を装備でき、火力の低さをカバー可能。 -金牛宮(牡牛座)・ウーラン…武器は槍、重装備可能。前衛でのたたかうに特化したスタンダードなアタッカー。 -双子宮(双子座)・機工士…武器は銃・計算尺、軽装備可能。相手の防御力を無視して攻撃できる後衛職。弱くてニューゲームでの必須ジョブ。 -巨蟹宮(蟹座)・赤魔戦士…武器はメイス、一部の白黒時空魔法と専用の裏魔法を使用できる、魔装備可能。様々な種類の魔法を使用でき、メイス+盾により接近戦も対応できる万能中衛職。 -獅子宮(獅子座)・ナイト…武器は剣・騎士剣、重装備可能。前衛職として攻撃力・防御力ともに高いが、行動時間は遅めで飛行タイプへの対抗手段に乏しい。 -処女宮(乙女座)・モンク…武器は棒、軽装備可能。全ジョブで最もHPが高く耐久力が高い前衛職。 -天秤宮(天秤座)・時空魔戦士…武器はボウガン、時空魔法を使用できる、重装備可能。主には高威力のボウガンで後衛を担当し、副として時空魔法で味方を補助するジョブ。 -天蝎宮(蠍座)・ブレイカー…武器は斧・ハンマー・ハンディボム、重装備可能。ダメージが不安定になるが、前衛・後衛ともに対応可能な万能ジョブ。ブレイカーの名の通り、唯一各種破壊を全て使用可能なのも強み。 -人馬宮(射手座)・弓使い…武器は弓、軽装備可能。スタンダードな遠隔攻撃の他、アイテムなどによる補助にも長けている後衛職。 -磨羯宮(山羊座)・黒魔道士…武器は杖、黒魔法を使用できる、魔装備可能。攻撃と敵への妨害弱化に特化した後衛職。 -宝瓶宮(水瓶座)・もののふ…武器は刀、魔装備可能。前衛として刀の連撃による高攻撃力が売りだが、防御力は低い。魔装備ジョブながら魔法の類は一切使えないが、わざ「無作為魔」を最も活かすことができるジョブである。 -双魚宮(魚座)・シカリ…武器はダガー・忍刀、軽装備可能。ナイトと似た攻防ともに高水準の前衛職だが、攻撃力に欠けている分行動時間の早さやアイテム強化でカバーするという特徴。専用武器「シカリのナガサF」は高確率で即死させる効果を持つ。 #endregion -ガンビット --初期からほとんどのものを購入可能になり、入手手段が緩和。これにより設定力の差が出にくくなった。 -ミストナック --専用のミストナックゲージが設けられ、これを消費して使用する。 ---MPは最初からオリジナル版のミストナック3つ習得した状態と同じになっている。 -ハイスピードモード搭載 --ワンボタンでゲームスピードを4倍速にできる。 ---大変テンポが良くなり、ガンビットシステムとの相性もいい。ただし慣れないとあっという間にピンチになる事も。 -ダメージ上限撤廃 --敵味方のダメージ・回復量の限界が無くなっている。 ---ちなみに理論上最高は後述の透明武器を使用して一撃&bold(){160万超ダメージ}。 -ゲストキャラクターの仕様 --ゲストキャラクターを操作できるようになった。 ---リーダーにできたり、レベルが上がったり、ガンビットの調整ができたり等、ほぼプレイヤーキャラと同じ感覚で使える。 ---アイテムはこちらのストック分から使うため、ゲストの回復アイテム無限使用はなくなっている。 ---ただし、強力な魔法・技が使用できるようになっていて、オリジナル版よりも頼れる。 -召喚獣の仕様 --ゲストキャラクター同様、自由に操作できるようになった。 ---オリジナル版だと条件を満たさないと発動してくれなかった高威力の召喚技が、コマンド入力でいつでも出せるようなった。 -音声 --従来のインターナショナル版のように英語音声だが、北米版ベースではない。 ---英語音声であり、通常版のようなヴァンの演技の拙さは感じられない。 -その他 --アイテム名が変更されている。(例、気付け薬→ン・カイの砂) **追加要素 -ガンビット --新しいガンビットが追加。より細かい指示が与えられるようになった。 -トライアルモード --本編のデータを使って次々敵と戦っていくモード。全100面。 ---出現する敵は雑魚、ボス、モブ、レアモンスター、さらには本編には登場しないものまで網羅している。 ---10ステージクリアするごとにアイテムを幾つか入手し、セーブができる。 ---全ステージクリアすると、初期レベルから一切レベルが上がらない「弱くてニューゲーム」がプレイできる。 -強くてニューゲーム --初期レベル90からスタート。本編をクリアするとプレイできる。 -装備品・アイテム --装備品はそれぞれの種類に1、2つずつ追加されている。 ---特筆すべきは廃人向けアイテム「透明武具」。入手率は異常に低いものの凄まじいバランスブレイカーである。裏技で量産法も確立されている。 -ストーリー --オリジナル版ではカットされた、パンネロの監禁シーンが追加されている。 -その他 --画面比率は従来の4:3に加え、新たに16:9にも対応している。 ---- **評価点 -上記の仕様で遊びやすい調整がふんだんに成されている。 --三重苦が解消され、ジリ貧の総力戦になりにくくなったので、稼ぎ量も少なくすむ。 -新モードの追加により、やり込みプレイヤーにも嬉しい調整となっている。ここから様々なやり込みも活発に行われた。 -遊びやすいゲームバランス --後述のようにゲームバランスの変化に対する賛否はあるが、「遊びやすさ」という観点から見れば、ゲームバランス的には(「ゾディアックジョブ」というシステム的な話を別にすれば)インター版のほうが遥かに取っ付きやすい。 ---戦術性の話もあくまでオリジナル版と比べれば低下したと言われるだけでRPG全体で見れば高水準なので、インター版の愛好者も依然多い。 **賛否両論点 -「どのジョブを選んでもクリアできるバランスにした」との事だが、大味であることは否めないため、賛否両論である。 **問題点 ***ゲームバランス -「ゾディアックジョブシステム」は、育成の方向性が極端なのに制約が大きい。 --能力アップのライセンスが倍以上に増え、装備の性能も万能化した。 ---特に火力の高さが問題点として挙がりやすい。ダメージ上限撤廃も拍車をかけている。 --リバースの強化とその魔片、攻撃破壊の強化、透明武具など、個々の要素で狂っている物もある。 -総力戦になるほどのジリ貧展開が減ったのはいい事ではあるが、ゴリ押ししやすいという点では問題点である。 --例えば状態異常が有効な場面があっても「使えるジョブが居ない」という場合も発生するため、ゴリ押しするしか手がないことがよくある。 ---パーティ内で敵対心管理をしようにも、使える魔法や技が限られるので難しい。 -戦術性の低下 --当初はゲームバランスや戦術性がオリジナル版から改善されたと言われていたが、研究が進むにつれ、オリジナル版の方がバランスの取れていた面が見えてくるようになった。 ---例えば盾役が敵の攻撃を引きつける上で重要な「デコイ((文字通り囮になる魔法。この状態になったユニットが敵からのターゲットを一身に引き付ける。))」という魔法が、オリジナル版ではゲームが半分過ぎる頃にようやく店売りされる。これが本作では最初から店売りされているため、組織的な戦術が序盤から組めると好評だった。 ---しかし本作では回復魔法の「ケアル」が範囲魔法になったため、敵の攻撃対象など気にせずに適当に散らしてダメージを分散させるほうが回復効率が良く、そもそも盾役を用意する必要性がオリジナル版ほどには無くなっている。 ---ついでに敵の範囲技を受けてもケアル1回で済むため、位置取りにピリピリする必要が薄くなっており、団子になって戦っても問題ない。しかもキャラクターのMP量が多いため魔法も使いやすくなり、後出しのケアルで何とかなる場面が増えている。 ---つまり被ダメージと回復の効率を考えなければMP切れ&金欠になりやすいオリジナル版と違い、比較的雑な立ち回りでも良くなっており、組織的な戦術を組むことに、無印版ほどの意味がなくなっている。 --一方のオリジナル版は、その後「デコイ」なしでも敵の攻撃対象を操作できる「ヘイトコントロール」というテクニックが確立、より自由度の高い戦略が組めるようになると評価が一転。 ---厳しい状況を戦術やテクニックで対応する緻密さや柔軟さに奥深さを見出すディープなユーザーが増え始め、その点においては、難易度が下がった事で緻密さが欠け、ジョブによる制限が入った事で柔軟さに欠けるインター版は逆に劣っているという見解が生まれている。 --中盤以降ややり込みではこういった粗が次々と出てくるが、逆に言えばそこまでこだわって初めてという粗でもあり、戦術性が下がったとは言っても決して楽に攻略できるゲームではない。そのあたりの微妙な具合も意見の分かれやすい部分である。 //-制約の大きさ。 //--ジョブを変えられないため、装備や魔法を入手しても使えない状況が発生する。そのため不必要なアイテムが多く発生し、探索の楽しみが損なわれている。 //--固定ジョブにより戦術にも制約がある。 //---基本システムの研究が進んだ現在、戦術的な不自由さが目立っている((敵対心の調整がかなりやりづらい(やる価値もなくなっているが)。また小技裏技にはインター版で使用するのが難しいものがある。))。 //--ダメージ上限なし、リバース強化など安易な調整も目立つ。制約を逆に戦術性に昇華させていたオリジナル版の楽しみは減っている。 //-キャラクターの個性の議論。 //--オリジナル版は「育成こそ自由だが、個性化をするほうがずっと楽に進められる」調整。&br()インター版は「個性化を強制されるが、細かい事を考えるよりガンガン押すほうがいい」調整。 //---この件については各プレイヤーで考えが異なる。ジョブで個性化されたという人、個性化の必要性が無くなっているという人など。 //---個性を誰がつけるのか(プレイヤーか制作者か)といった議論もある。 //-システムの重要性の低さ。 //--遊びやすさ重視ということでシステムの重要性が高くない。 //---オリジナル版で挙げたような「システムを利用した戦術」を取り入れにくいケースもあり、戦略を組む楽しみを期待していたやり込みユーザーにおいては痛い所となっている。 //どれも上記の記述と被っているのでコメントアウト ---- **総評 当初の評判は上々だったが、研究が進むと上記の問題点も指摘される様になった。~ オリジナルは''自由度と完成度''、対するインターナショナルは''快適さと爽快感''が重視されており、FFXIIファンでもオリジナル派とインターナショナル派で二分されている。~ どちらもそれぞれの良さがあるので、これからプレイしようという人にとっては、どちらを選ぶか悩ましい問題になっている。~ 重要なのは''ゲームをプレイする上で何を一番重視するか''である。~ 自由度の高さを好んでいた海外プレイヤーからは、制約の多さでオリジナル版ほどの評価を得られなかった。 ---- **余談 -作曲家である錦織健氏はインターナショナル版(と『FFT獅子戦争』)をやり込んでいた。 ---- *ファイナルファンタジーXII ザ・ゾディアック・エイジ 【ふぁいなるふぁんたじーとぅえるぶ ざぞでぃあっくえいじ】 |ジャンル|RPG|&amazon(B01N39862E)| |対応機種|プレイステーション4&br()Windows 7~10(Steam)&br()Nintendo Switch&br()Xbox One|~| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|Virtuos|~| |発売日|【PS4/Steam】2017年7月13日&br()【Switch/XboxOne】2019年4月25日|~| |定価|6,800円|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|インターナショナル版がベース・調整の方向性もそのまま&br()移植作品ながらオートセーブなど各種追加機能も&br()目玉はジョブの組み合わせ&br()システム・グラフィック・サウンド以外の追加や変更点は無し|~| |>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>ファイナルファンタジーシリーズ]]''| ---- **概要・特徴(TZA) 『ファイナルファンタジーXII』のHDリマスター版。~ オリジナル版ではなく上記のインターナショナル版をベースとしており、そこからさらにシステムの調整が行われ、IZJSともまた違う感覚でプレイできる作品となっている。~ 略称は『TZA』など。特徴・変更点は以下の通り。~ -グラフィックをHDリマスター。PS4 Pro ENHANCEDにも対応している。 -BGMを全編新録を行っている。7.1chのサラウンドにも対応している。 -音声は日本語と英語を収録。音声は流用だが、一部であるが新録が行われた箇所も存在する。 -シーンやモブハントの追加は無し。上記の新録はIZJSでの追加シーンのみ。 -2個目のジョブを選択する事が可能になった。これにより、1度の周回プレイで全12種類のジョブを使うことができる。 --習得したライセンスは同時に効果を発揮するため、「エクスカリバー+白のローブ」などのインターナショナル版では不可能になった組み合わせも可能になった。 -オートセーブ機能が追加。一度リセットしたりゲームオーバーになった場合でも、同じ状況でリスタートする事が容易になった。 -トライアルモードのデータを本編に持ち越せるようになった。それによりレアアイテムの量産も可能となった。 -4倍に加えて2倍のハイスピードモードを追加。使い分ける事でゲームテンポをより早めることができる。 -ゲーム画面中に透過マップを表示できるようになった。 -メモリ上の制限として存在していた「順番待ち」が撤廃。エフェクトの激しい上級魔法が使いやすくなった。 -トロフィーシステムに対応。これにより「空賊の隠れ家」は一旦廃止されていたが、後に世界累計出荷・DL販売100万突破記念でパッチにより復活した。 -本作は海外版も発売。ようやくIZJS準拠の作品が海外にて発売されることとなった。 --それに併せ、2018年2月2日にSteamでWindows PC版も配信。こちらは音声は日本語・英語両対応、テキストも各種言語対応となっている。 -後発のSwitch、XboxOne版では、以下の追加要素が存在する。 --ガンビットのセットを複数保存できるようになった。 --ジョブの選び直しができるようになった。特定のキャラ(モンブラン)に話しかけることで取得ライセンスをリセットしてジョブを選ぶことができる。 --「強くてニューゲーム」を始めると、前回クリア時のアイテムを引き継げるようになった。 ---- **評価点(TZA) -良質なリマスター移植 --移植で失敗しがちなバグ・不具合の増加や、BGMアレンジの不評などもなく、純粋にグラフィックやBGMのクオリティアップを果たしている。 -オートセーブの追加 --エリアを切り替えるごとに自動でセーブされるようになった。このおかげでアイテム収集のためのマラソンなどもしやすくなっている。 -ハイスピードモードの段階分け --元々4倍速では早すぎるという声もあり、2倍速モードの追加は好評。 -「順番待ち」の廃止 --リアルタイムバトルが売りのFF12だが、旧来のバージョンではエフェクトの派手な技を使うと画面処理が落ち着くまで行動の順番待ちをするという仕様が存在した。今回のリマスターで修正されようやくあるべき姿になったと言える。 --ただし戦略の根幹部分に関わる仕様でもあったためゲーム性はやや変化した。原作のバランスを重視するプレイヤーも存在するがあくまで好みの問題であるため、改良点である事に違いはない。 ---- **賛否両論点(TZA) -1キャラにつきジョブを2つ選べるようになった点。 --このおかげで、パーティの6キャラで全12つのジョブを網羅する事が可能に。 ---ZJSでの「ジョブごとの制約の多さ」や、「せっかく手に入れた魔法や装備品が使えない事態」「それによる戦略性の狭さ」といった問題を大幅に解消する事が出来る。 ---もちろん仲間内での同ジョブ被りも可能なので、プレイスタイルによってはその限りではない。一長一短はあれど選択肢としては被りも十分アリである。 --また、2つのジョブを組み合わせる事で、ZJSでは組み合わせる事が無理だったライセンスや装備品のシナジー効果も期待でき、組み合わせ次第では役割や立ち回りがガラッと変わるため、選択肢は非常に豊富。 ---堅実に攻略できるキャラを作ったり、ロマン火力重視のキャラを作ったりと、キャラ育成の遊びの自由度はかなり増強されている。 ---1キャラ毎に出来る事が増えたおかげで、ヘイト集めの盾役やサポーター・アタッカーなど、役割分担が作りやすくなっているため、組織的な戦略を考える楽しみもZJSと比べ復活してきている。 ---パーティ内での装備品やジョブのやりくりに悩んだりする、ゲーム全体を通しての戦略を考える楽しみも生まれている。 ---このシステムを楽しむことが出来るユーザーであれば、ジョブの組み合わせによるシナジーを予想し、実際のプレイで実験するなどの遊び方も出来、周回のモチベーションになりやすい。 --一方で、ZJSの時点で既にオリジナル版よりも難易度が低下していたのに、そこからさらにプレイヤー側にできる事が増えた事でますます難易度が下がったという指摘もある。 ---今回もZJSと基本的な敵の強さは変わっておらず、どれだけシナジー効果の無いジョブを組み合わせようが攻略できる程度の難易度になっている。 ---ZJSでは能力アップのライセンスが増えたことが難度低下の要因の一つだったが、今回はそれらを2ジョブ分も取得できるので素のステータスがさらに高くなっている。 --また、一度選んだジョブはその周回中ずっと固定という仕様は変わっておらず、各ジョブを最後まで育てるにはかなり終盤までやり込む必要もあるため、組み合わせを気軽に試してやり直せない事については時折不満の意見も見られる。 -トライアルモードの仕様変更 --ZJSではただの腕試し+「弱くてニューゲーム」の開始のみだったが、ここで得たアイテムの本編持ち込みが可能((ただし、そのエリアの敵を倒して次のステージに移らなければならない。))になったことで、ゲーム攻略のためにも挑戦する価値が生まれている。 ---しかも希少品が豊富に入手できるため、個数限定品を複数のキャラに装備させたり、「本来終盤に手に入るため活躍の場があまり無かった装備品」を早いうちから活躍させられるなども出来、本編で採れる戦略の自由度が大幅に増加している。 ---ただしそういった「本来手に入るはずのタイミングや入手個数」を無視できるようになっているために、やはりヌルゲー化しているという意見もある。 -本作で発生している評価の多くはこれらの「出来る事が増えた事による自由度の向上と難易度の低下」に集中している。 --が、ヌルくなったのではないかと言いつつも、割り切って本作の特色を満喫しているユーザーも多く見られ、どちらかと言えば好評寄りと言える。 --また、難易度が低下したとは言え、隠しボスなどは準備を怠れば易々とこちらを全滅させてくるような敵も多く、あくまで「以前と比べて」である。 ---本作で増えた要素に関しては封印も容易であるため、ZJSと同じ感覚で遊びたければ自力での調整も可能。 ---自由度自体はZJSから向上しており、「弱くてニューゲーム」の存在もあるため、プレイスタイル・難易度に関してはある程度各々の好みで選ぶ事はできるようになっている。 //-とある最強武器が裏技で入手しやすくなった。 //--本来なら入手するのに骨が折れるほどの難度を持つ最強武器が乱数調整とトレジャーを空けるタイミングを掴むことで確実に入手できてしまう。 //---具体的なやり方としては「最強武器の入ったトレジャーの入ったゾーンに入ってオートセーブ→ゲームを終了する→別のデータをロードしてケアルで乱数調整をする→先程のオートセーブした最強武器の入ったトレジャーの入ったゾーンのデータをロードして特定のタイミングでトレジャーを開ける」と手順を踏むことで確実に入手できる。 //---序盤から難易度が低下するのは勿論、多くのトライアルモードで手に入れた装備品の価値が薄れてしまう。これを利用したRTAもちらほら見かける程。 //入手しやすくなったも何も乱数調整法そのものはオリジナル版からずっとあったでしょう?透明武器のバランスブレイカーぶりが問題だという話はZJSのほうにも既に記載されてるので変化してない部分は省いていいかと ---- **問題点(TZA) オリジナル版やIZJSから継続している問題点については割愛。 #region(アップデート前の問題点) -当初は「空賊の隠れ家」が廃止されていた。 --先述したようにトロフィーに置き換わったため、発売当初は実装されていなかった。 ---しかし元々あった要素がなくなっているのは寂しいという意見が多かったためか、その後、世界累計出荷・ダウンロード販売本数が100万本突破したことを記念して、パッチ配信により復活した。 #endregion ---- **総評(TZA) IZJS版をベースにしているという点ではやや好みが分かれるものの、そのベースからは順当かつ大きく進化しており、HDリマスターという点においては非常に優れていると言える。~ IZJSと比べて単純に出来ることだけ増えており((厳密に言えば「順番待ち」のみ狙えなくなっている。IZJSではあまり狙う意味も無かったが。))、今からFF12をプレイしてみたいという場合は十二分にオススメできる作品である。~ だが、やはりオリジナル版とはシステムに差異が多く、元の遊び方は再現できない。一方で、快適性の面ではさすがにオートセーブや倍速機能を持つ本作のほうが遊びやすいため、購入の際はそのあたりも含めて考えたい。~
#contents(fromhere) ---- *ファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアック・ジョブ・システム 【ふぁいなるふぁんたじーとぅえるぶ いんたーなしょなる ぞでぃあっくじょぶしすてむ】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000QXV42O)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|スクウェア・エニックス|~| |発売日|2007年8月9日|~| |定価|6,800円|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |廉価版|アルティメットヒッツ:2009年5月11日/2,940円|~| |判定|なし|~| |ポイント|''インターナショナルだが、北米版ベースではない''&br()オリジナル版の難解な作りを抜本的に改める&br()遊びやすさ重視のコンセプト&br()倍速機能の快適さ、アッパー調整の爽快感&br()好みが分かれやすい調整|~| |>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>ファイナルファンタジーシリーズ]]''| ---- **概要 -『[[ファイナルファンタジーXII]]』のインターナショナル版。「FFXII IZJS」と略される。 --オリジナル版とは違った遊びかたを目指したため、従来に比べてオリジナル版からの変更点が非常に多い。 --またオリジナル版は難度やシステムなど遊びにくい部分が多いため、本作は『オリジナル版のイージータイプ』として遊びやすさが重視されている。 -なお、海外で発売されていたFFXIIは本作「IZJS」ではなく、オリジナル版(無印)準拠のシステム。~ 本作「IZJS」は、''タイトルこそ『インターナショナル』となっているが、英語音声以外は「国内限定の内容」である。'' --本来の海外版ではイベントが少し追加された程度でほぼ日本版無印と同様のゲーム内容だった。 --元々は『FFXII アネックス』という名前で発売予定だったが、大人の都合により『インターナショナル』名義に変更されたという。 --海外ではこの「IZJS」に準拠したものは以降も発売されず、そのタイトルに反して長らく日本限定のゲームとなってしまっていた。 **変更点 -ゾディアックジョブシステム --ライセンスボードを12種類のジョブ(ライセンス)から選べる。ただし一度選んだらジョブを変更することはできない。 --「モンク」「白魔道士」といった定番から、「ウーラン」「シカリ」などのよくわからない新顔まで、12の星座に当てはめられたジョブが揃っている。 ---ジョブ毎に特性がハッキリしているので育成の方針を迷わずにすむ。ただジョブ選択で迷いやすくなっている。 ---各ジョブには「飛び石」と呼ばれる離れた位置にあるライセンスが存在する。&br()これを習得するには召喚獣ライセンスを習得して掛け橋にする必要があるが、召喚獣ライセンスはオリジナル版同様1匹につき1人しか習得できない。 #region(本作のジョブ) -白羊宮(牡羊座)・白魔道士…武器はロッド、白魔法を使用できる、魔装備可能。回復と味方の補助に特化した後衛職。召喚ライセンス経由で両手剣を装備でき、火力の低さをカバー可能。 -金牛宮(牡牛座)・ウーラン…武器は槍、重装備可能。前衛でのたたかうに特化したスタンダードなアタッカー。 -双子宮(双子座)・機工士…武器は銃・計算尺、軽装備可能。相手の防御力を無視して攻撃できる後衛職。弱くてニューゲームでの必須ジョブ。 -巨蟹宮(蟹座)・赤魔戦士…武器はメイス、一部の白黒時空魔法と専用の裏魔法を使用できる、魔装備可能。様々な種類の魔法を使用でき、メイス+盾により接近戦も対応できる万能中衛職。 -獅子宮(獅子座)・ナイト…武器は剣・騎士剣、重装備可能。前衛職として攻撃力・防御力ともに高いが、行動時間は遅めで飛行タイプへの対抗手段に乏しい。 -処女宮(乙女座)・モンク…武器は棒、軽装備可能。全ジョブで最もHPが高く耐久力が高い前衛職。 -天秤宮(天秤座)・時空魔戦士…武器はボウガン、時空魔法を使用できる、重装備可能。主には高威力のボウガンで後衛を担当し、副として時空魔法で味方を補助するジョブ。 -天蝎宮(蠍座)・ブレイカー…武器は斧・ハンマー・ハンディボム、重装備可能。ダメージが不安定になるが、前衛・後衛ともに対応可能な万能ジョブ。ブレイカーの名の通り、唯一各種破壊((わざ「~破壊」。成功すると敵の能力を低下させるわざで、攻撃・防御・魔攻・魔防の四種類がある。))を全て使用可能なのも強み。 -人馬宮(射手座)・弓使い…武器は弓、軽装備可能。スタンダードな遠隔攻撃の他、アイテムなどによる補助にも長けている後衛職。 -磨羯宮(山羊座)・黒魔道士…武器は杖、黒魔法を使用できる、魔装備可能。攻撃と敵への妨害弱化に特化した後衛職。 -宝瓶宮(水瓶座)・もののふ…武器は刀、魔装備可能。前衛として刀の連撃による高攻撃力が売りだが、防御力は低い。魔装備ジョブながら魔法の類は一切使えないが、わざ「無作為魔」((ランダムで黒魔法のどれかを発動するわざ。オリジナル版では発動する魔法が下位に偏っていたため使いづらかったが、ZJSでは全ての黒魔法が等確率で発動するようになったため強力な魔法を期待しやすくなっている))を最も活かすことができるジョブである。 -双魚宮(魚座)・シカリ…武器はダガー・忍刀、軽装備可能。ナイトと似た攻防ともに高水準の前衛職だが、攻撃力に欠けている分行動時間の早さやアイテム強化でカバーするという特徴。専用武器「シカリのナガサF」は高確率で即死させる効果を持つ。 #endregion -ガンビット --初期からほとんどのものを購入可能になり、入手手段が緩和。これにより設定力の差が出にくくなった。 -ミストナック --専用のミストナックゲージが設けられ、これを消費して使用する。 ---MPは最初からオリジナル版のミストナック3つ習得した状態と同じになっている。 -ハイスピードモード搭載 --ワンボタンでゲームスピードを4倍速にできる。 ---大変テンポが良くなり、ガンビットシステムとの相性もいい。ただし慣れないとあっという間にピンチになる事も。 -ダメージ上限撤廃 --敵味方のダメージ・回復量の限界が無くなっている。 ---ちなみに理論上最高は後述の透明武器を使用して一撃&bold(){160万超ダメージ}。 -ゲストキャラクターの仕様 --ゲストキャラクターを操作できるようになった。 ---リーダーにできたり、レベルが上がったり、ガンビットの調整ができたり等、ほぼプレイヤーキャラと同じ感覚で使える。 ---アイテムはこちらのストック分から使うため、ゲストの回復アイテム無限使用はなくなっている。 ---ただし、強力な魔法・技が使用できるようになっていて、オリジナル版よりも頼れる。 -召喚獣の仕様 --ゲストキャラクター同様、自由に操作できるようになった。 ---オリジナル版だと条件を満たさないと発動してくれなかった高威力の召喚技が、コマンド入力でいつでも出せるようなった。 -音声 --従来のインターナショナル版のように英語音声だが、北米版ベースではない。 ---英語音声であり、通常版のようなヴァンの演技の拙さは感じられない。 -その他 --アイテム名が変更されている。(例、気付け薬→ン・カイの砂) **追加要素 -ガンビット --新しいガンビットが追加。より細かい指示が与えられるようになった。 -トライアルモード --本編のデータを使って次々敵と戦っていくモード。全100面。 ---出現する敵は雑魚、ボス、モブ、レアモンスター、さらには本編には登場しないものまで網羅している。 ---10ステージクリアするごとにアイテムを幾つか入手し、セーブができる。 ---全ステージクリアすると、初期レベルから一切レベルが上がらない「弱くてニューゲーム」がプレイできる。 -強くてニューゲーム --初期レベル90からスタート。本編をクリアするとプレイできる。 -装備品・アイテム --装備品はそれぞれの種類に1、2つずつ追加されている。 ---特筆すべきは廃人向けアイテム「透明武具」。入手率は異常に低いものの凄まじいバランスブレイカーである。裏技で量産法も確立されている。 -ストーリー --オリジナル版ではカットされた、パンネロの監禁シーンが追加されている。 -その他 --画面比率は従来の4:3に加え、新たに16:9にも対応している。 ---- **評価点 -上記の仕様で遊びやすい調整がふんだんに成されている。 --三重苦が解消され、ジリ貧の総力戦になりにくくなったので、稼ぎ量も少なくすむ。 -新モードの追加により、やり込みプレイヤーにも嬉しい調整となっている。ここから様々なやり込みも活発に行われた。 -遊びやすいゲームバランス --後述のようにゲームバランスの変化に対する賛否はあるが、「遊びやすさ」という観点から見れば、ゲームバランス的には(「ゾディアックジョブ」というシステム的な話を別にすれば)インター版のほうが遥かに取っ付きやすい。 ---戦術性の話もあくまでオリジナル版と比べれば低下したと言われるだけでRPG全体で見れば高水準なので、インター版の愛好者も依然多い。 **賛否両論点 -「どのジョブを選んでもクリアできるバランスにした」との事だが、大味であることは否めないため、賛否両論である。 **問題点 ***ゲームバランス -「ゾディアックジョブシステム」は、育成の方向性が極端なのに制約が大きい。 --能力アップのライセンスが倍以上に増え、装備の性能も万能化した。 ---特に火力の高さが問題点として挙がりやすい。ダメージ上限撤廃も拍車をかけている。 --リバースの強化とその魔片、攻撃破壊の強化、透明武具など、個々の要素で狂っている物もある。 -総力戦になるほどのジリ貧展開が減ったのはいい事ではあるが、ゴリ押ししやすいという点では問題点である。 --例えば状態異常が有効な場面があっても「使えるジョブが居ない」という場合も発生するため、ゴリ押しするしか手がないことがよくある。 ---パーティ内で敵対心管理をしようにも、使える魔法や技が限られるので難しい。 -戦術性の低下 --当初はゲームバランスや戦術性がオリジナル版から改善されたと言われていたが、研究が進むにつれ、オリジナル版の方がバランスの取れていた面が見えてくるようになった。 ---例えば盾役が敵の攻撃を引きつける上で重要な「デコイ((文字通り囮になる魔法。この状態になったユニットが敵からのターゲットを一身に引き付ける。))」という魔法が、オリジナル版ではゲームが半分過ぎる頃にようやく店売りされる。これが本作では最初から店売りされているため、組織的な戦術が序盤から組めると好評だった。 ---しかし本作では回復魔法の「ケアル」が範囲魔法になったため、敵の攻撃対象など気にせずに適当に散らしてダメージを分散させるほうが回復効率が良く、そもそも盾役を用意する必要性がオリジナル版ほどには無くなっている。 ---ついでに敵の範囲技を受けてもケアル1回で済むため、位置取りにピリピリする必要が薄くなっており、団子になって戦っても問題ない。しかもキャラクターのMP量が多いため魔法も使いやすくなり、後出しのケアルで何とかなる場面が増えている。 ---つまり被ダメージと回復の効率を考えなければMP切れ&金欠になりやすいオリジナル版と違い、比較的雑な立ち回りでも良くなっており、組織的な戦術を組むことに、無印版ほどの意味がなくなっている。 --一方のオリジナル版は、その後「デコイ」なしでも敵の攻撃対象を操作できる「ヘイトコントロール」というテクニックが確立、より自由度の高い戦略が組めるようになると評価が一転。 ---厳しい状況を戦術やテクニックで対応する緻密さや柔軟さに奥深さを見出すディープなユーザーが増え始め、その点においては、難易度が下がった事で緻密さが欠け、ジョブによる制限が入った事で柔軟さに欠けるインター版は逆に劣っているという見解が生まれている。 --中盤以降ややり込みではこういった粗が次々と出てくるが、逆に言えばそこまでこだわって初めてという粗でもあり、戦術性が下がったとは言っても決して楽に攻略できるゲームではない。そのあたりの微妙な具合も意見の分かれやすい部分である。 //-制約の大きさ。 //--ジョブを変えられないため、装備や魔法を入手しても使えない状況が発生する。そのため不必要なアイテムが多く発生し、探索の楽しみが損なわれている。 //--固定ジョブにより戦術にも制約がある。 //---基本システムの研究が進んだ現在、戦術的な不自由さが目立っている((敵対心の調整がかなりやりづらい(やる価値もなくなっているが)。また小技裏技にはインター版で使用するのが難しいものがある。))。 //--ダメージ上限なし、リバース強化など安易な調整も目立つ。制約を逆に戦術性に昇華させていたオリジナル版の楽しみは減っている。 //-キャラクターの個性の議論。 //--オリジナル版は「育成こそ自由だが、個性化をするほうがずっと楽に進められる」調整。&br()インター版は「個性化を強制されるが、細かい事を考えるよりガンガン押すほうがいい」調整。 //---この件については各プレイヤーで考えが異なる。ジョブで個性化されたという人、個性化の必要性が無くなっているという人など。 //---個性を誰がつけるのか(プレイヤーか制作者か)といった議論もある。 //-システムの重要性の低さ。 //--遊びやすさ重視ということでシステムの重要性が高くない。 //---オリジナル版で挙げたような「システムを利用した戦術」を取り入れにくいケースもあり、戦略を組む楽しみを期待していたやり込みユーザーにおいては痛い所となっている。 //どれも上記の記述と被っているのでコメントアウト ---- **総評 当初の評判は上々だったが、研究が進むと上記の問題点も指摘される様になった。~ オリジナルは''自由度と完成度''、対するインターナショナルは''快適さと爽快感''が重視されており、FFXIIファンでもオリジナル派とインターナショナル派で二分されている。~ どちらもそれぞれの良さがあるので、これからプレイしようという人にとっては、どちらを選ぶか悩ましい問題になっている。~ 重要なのは''ゲームをプレイする上で何を一番重視するか''である。~ 自由度の高さを好んでいた海外プレイヤーからは、制約の多さでオリジナル版ほどの評価を得られなかった。 ---- **余談 -作曲家である錦織健氏はインターナショナル版(と『FFT獅子戦争』)をやり込んでいた。 ---- *ファイナルファンタジーXII ザ・ゾディアック・エイジ 【ふぁいなるふぁんたじーとぅえるぶ ざぞでぃあっくえいじ】 |ジャンル|RPG|&amazon(B01N39862E)| |対応機種|プレイステーション4&br()Windows 7~10(Steam)&br()Nintendo Switch&br()Xbox One|~| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|Virtuos|~| |発売日|【PS4/Steam】2017年7月13日&br()【Switch/XboxOne】2019年4月25日|~| |定価|6,800円|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|インターナショナル版がベース・調整の方向性もそのまま&br()移植作品ながらオートセーブなど各種追加機能も&br()目玉はジョブの組み合わせ&br()システム・グラフィック・サウンド以外の追加や変更点は無し|~| |>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>ファイナルファンタジーシリーズ]]''| ---- **概要・特徴(TZA) 『ファイナルファンタジーXII』のHDリマスター版。~ オリジナル版ではなく上記のインターナショナル版をベースとしており、そこからさらにシステムの調整が行われ、IZJSともまた違う感覚でプレイできる作品となっている。~ 略称は『TZA』など。特徴・変更点は以下の通り。~ -グラフィックをHDリマスター。PS4 Pro ENHANCEDにも対応している。 -BGMを全編新録を行っている。7.1chのサラウンドにも対応している。 -音声は日本語と英語を収録。音声は流用だが、一部であるが新録が行われた箇所も存在する。 -シーンやモブハントの追加は無し。上記の新録はIZJSでの追加シーンのみ。 -2個目のジョブを選択する事が可能になった。これにより、1度の周回プレイで全12種類のジョブを使うことができる。 --習得したライセンスは同時に効果を発揮するため、「エクスカリバー+白のローブ」などのインターナショナル版では不可能になった組み合わせも可能になった。 -オートセーブ機能が追加。一度リセットしたりゲームオーバーになった場合でも、同じ状況でリスタートする事が容易になった。 -トライアルモードのデータを本編に持ち越せるようになった。それによりレアアイテムの量産も可能となった。 -4倍に加えて2倍のハイスピードモードを追加。使い分ける事でゲームテンポをより早めることができる。 -ゲーム画面中に透過マップを表示できるようになった。 -メモリ上の制限として存在していた「順番待ち」が撤廃。エフェクトの激しい上級魔法が使いやすくなった。 -トロフィーシステムに対応。これにより「空賊の隠れ家」は一旦廃止されていたが、後に世界累計出荷・DL販売100万突破記念でパッチにより復活した。 -本作は海外版も発売。ようやくIZJS準拠の作品が海外にて発売されることとなった。 --それに併せ、2018年2月2日にSteamでWindows PC版も配信。こちらは音声は日本語・英語両対応、テキストも各種言語対応となっている。 -後発のSwitch、XboxOne版では、以下の追加要素が存在する。 --ガンビットのセットを複数保存できるようになった。 --ジョブの選び直しができるようになった。特定のキャラ(モンブラン)に話しかけることで取得ライセンスをリセットしてジョブを選ぶことができる。 --「強くてニューゲーム」を始めると、前回クリア時のアイテムを引き継げるようになった。 ---- **評価点(TZA) -良質なリマスター移植 --移植で失敗しがちなバグ・不具合の増加や、BGMアレンジの不評などもなく、純粋にグラフィックやBGMのクオリティアップを果たしている。 -オートセーブの追加 --エリアを切り替えるごとに自動でセーブされるようになった。このおかげでアイテム収集のためのマラソンなどもしやすくなっている。 -ハイスピードモードの段階分け --元々4倍速では早すぎるという声もあり、2倍速モードの追加は好評。 -「順番待ち」の廃止 --リアルタイムバトルが売りのFF12だが、旧来のバージョンではエフェクトの派手な技を使うと画面処理が落ち着くまで行動の順番待ちをするという仕様が存在した。今回のリマスターで修正されようやくあるべき姿になったと言える。 --ただし戦略の根幹部分に関わる仕様でもあったためゲーム性はやや変化した。原作のバランスを重視するプレイヤーも存在するがあくまで好みの問題であるため、改良点である事に違いはない。 ---- **賛否両論点(TZA) -1キャラにつきジョブを2つ選べるようになった点。 --このおかげで、パーティの6キャラで全12つのジョブを網羅する事が可能に。 ---ZJSでの「ジョブごとの制約の多さ」や、「せっかく手に入れた魔法や装備品が使えない事態」「それによる戦略性の狭さ」といった問題を大幅に解消する事が出来る。 ---もちろん仲間内での同ジョブ被りも可能なので、プレイスタイルによってはその限りではない。一長一短はあれど選択肢としては被りも十分アリである。 --また、2つのジョブを組み合わせる事で、ZJSでは組み合わせる事が無理だったライセンスや装備品のシナジー効果も期待でき、組み合わせ次第では役割や立ち回りがガラッと変わるため、選択肢は非常に豊富。 ---堅実に攻略できるキャラを作ったり、ロマン火力重視のキャラを作ったりと、キャラ育成の遊びの自由度はかなり増強されている。 ---1キャラ毎に出来る事が増えたおかげで、ヘイト集めの盾役やサポーター・アタッカーなど、役割分担が作りやすくなっているため、組織的な戦略を考える楽しみもZJSと比べ復活してきている。 ---パーティ内での装備品やジョブのやりくりに悩んだりする、ゲーム全体を通しての戦略を考える楽しみも生まれている。 ---このシステムを楽しむことが出来るユーザーであれば、ジョブの組み合わせによるシナジーを予想し、実際のプレイで実験するなどの遊び方も出来、周回のモチベーションになりやすい。 --一方で、ZJSの時点で既にオリジナル版よりも難易度が低下していたのに、そこからさらにプレイヤー側にできる事が増えた事でますます難易度が下がったという指摘もある。 ---今回もZJSと基本的な敵の強さは変わっておらず、どれだけシナジー効果の無いジョブを組み合わせようが攻略できる程度の難易度になっている。 ---ZJSでは能力アップのライセンスが増えたことが難度低下の要因の一つだったが、今回はそれらを2ジョブ分も取得できるので素のステータスがさらに高くなっている。 --また、一度選んだジョブはその周回中ずっと固定という仕様は変わっておらず、各ジョブを最後まで育てるにはかなり終盤までやり込む必要もあるため、組み合わせを気軽に試してやり直せない事については時折不満の意見も見られる。 -トライアルモードの仕様変更 --ZJSではただの腕試し+「弱くてニューゲーム」の開始のみだったが、ここで得たアイテムの本編持ち込みが可能((ただし、そのエリアの敵を倒して次のステージに移らなければならない。))になったことで、ゲーム攻略のためにも挑戦する価値が生まれている。 ---しかも希少品が豊富に入手できるため、個数限定品を複数のキャラに装備させたり、「本来終盤に手に入るため活躍の場があまり無かった装備品」を早いうちから活躍させられるなども出来、本編で採れる戦略の自由度が大幅に増加している。 ---ただしそういった「本来手に入るはずのタイミングや入手個数」を無視できるようになっているために、やはりヌルゲー化しているという意見もある。 -本作で発生している評価の多くはこれらの「出来る事が増えた事による自由度の向上と難易度の低下」に集中している。 --が、ヌルくなったのではないかと言いつつも、割り切って本作の特色を満喫しているユーザーも多く見られ、どちらかと言えば好評寄りと言える。 --また、難易度が低下したとは言え、隠しボスなどは準備を怠れば易々とこちらを全滅させてくるような敵も多く、あくまで「以前と比べて」である。 ---本作で増えた要素に関しては封印も容易であるため、ZJSと同じ感覚で遊びたければ自力での調整も可能。 ---自由度自体はZJSから向上しており、「弱くてニューゲーム」の存在もあるため、プレイスタイル・難易度に関してはある程度各々の好みで選ぶ事はできるようになっている。 //-とある最強武器が裏技で入手しやすくなった。 //--本来なら入手するのに骨が折れるほどの難度を持つ最強武器が乱数調整とトレジャーを空けるタイミングを掴むことで確実に入手できてしまう。 //---具体的なやり方としては「最強武器の入ったトレジャーの入ったゾーンに入ってオートセーブ→ゲームを終了する→別のデータをロードしてケアルで乱数調整をする→先程のオートセーブした最強武器の入ったトレジャーの入ったゾーンのデータをロードして特定のタイミングでトレジャーを開ける」と手順を踏むことで確実に入手できる。 //---序盤から難易度が低下するのは勿論、多くのトライアルモードで手に入れた装備品の価値が薄れてしまう。これを利用したRTAもちらほら見かける程。 //入手しやすくなったも何も乱数調整法そのものはオリジナル版からずっとあったでしょう?透明武器のバランスブレイカーぶりが問題だという話はZJSのほうにも既に記載されてるので変化してない部分は省いていいかと ---- **問題点(TZA) オリジナル版やIZJSから継続している問題点については割愛。 #region(アップデート前の問題点) -当初は「空賊の隠れ家」が廃止されていた。 --先述したようにトロフィーに置き換わったため、発売当初は実装されていなかった。 ---しかし元々あった要素がなくなっているのは寂しいという意見が多かったためか、その後、世界累計出荷・ダウンロード販売本数が100万本突破したことを記念して、パッチ配信により復活した。 #endregion ---- **総評(TZA) IZJS版をベースにしているという点ではやや好みが分かれるものの、そのベースからは順当かつ大きく進化しており、HDリマスターという点においては非常に優れていると言える。~ IZJSと比べて単純に出来ることだけ増えており((厳密に言えば「順番待ち」のみ狙えなくなっている。IZJSではあまり狙う意味も無かったが。))、今からFF12をプレイしてみたいという場合は十二分にオススメできる作品である。~ だが、やはりオリジナル版とはシステムに差異が多く、元の遊び方は再現できない。一方で、快適性の面ではさすがにオートセーブや倍速機能を持つ本作のほうが遊びやすいため、購入の際はそのあたりも含めて考えたい。~

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: