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*イナズマイレブンGO シャイン / ダーク 【いなずまいれぶんごー しゃいん / だーく】 |ジャンル|サッカーRPG|&amazon(B005O65PW8)|&amazon(B005O65Q3Q)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~|~| |発売・開発元|レベルファイブ|~|~| |発売日|2011年12月15日|~|~| |定価|各5,800円|~|~| |判定|なし|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[イナズマイレブンシリーズリンク>イナズマイレブンシリーズ]]''| **作品概要 『イナズマイレブンシリーズ』の第4作目。~ 前3作の主人公・「円堂守」達の時代から10年後の雷門中学校を舞台に、新主人公「松風天馬」らがサッカーを牛耳る組織『フィフスセクター』へ挑む。 対応ハードもDSから3DSへと移行し、システム等も一新と、色々と世代交代を図った作品である。 **特徴・過去作からの変更点等 -''化身システム'' --今作の目玉とも言える要素で、一部の選手は、試合中に化身を召喚(!)することができる。 --化身を召喚している最中は、コマンドバトルにおける能力の大幅な上昇や、化身独自が持つ能力上昇効果やファウルをとられなくなる等のメリットがある。 ---その力たるや、能力差がそれほどなければノーマルシュートで敵キーパーの必殺技を破ってしまったり、相手のブロック・オフェンス技も弾いてしまえるほど。 --化身の発動は全てKP(化身ポイント)というゲージで管理され、何らかの行動(シュートを撃つ、敵と組み合う)で減少し、0になると化身は消滅し、原則その試合では化身は使えなくなってしまう。 --デメリットとしては、召喚中は通常の技が使えなくなりその化身の技1つしか使えなくなってしまう事や、使いすぎる事によってGP(元気ポイント。体力のこと)を大幅に消費してしまう事。 --クリア後は条件を満たす事で化身の付け替えや、新たに化身を使えるようにする事もできる。 -端的に言えば、前作での「一定時間チーム全体の能力値を上昇させる」効果のバーニングフェーズを一極化したものと言える。ちなみに今作ではバーニングフェーズは廃止された。 -能力値の項目の変化。 --過去作のキック・ボディ・コントロール・ガード・スピード・スタミナ・ガッツからキック・ドリブル・テクニック・ブロック・スピード・スタミナ・キャッチ ラッキーへと変化。 --なお、キャッチはキーパー以外にもパスキャッチの成功率に影響するようになっているため、キーパー以外もグローブ系を装備できるようになった。 -監督システム。 --今作では、チームの監督を替える事も可能。試合中の能力値上昇ボーナスを得る事が出来る。但し、監督と選手の相性も存在し、逆に能力を発揮できなくなる選手がいたりするため、ただ能力値を見るだけでは駄目なのである。 --また、能力値上昇ボーナスがどれも半端だが、相性がどれも普通…というような監督もいる。 --ちなみに、シナリオ上で主人公チーム以外の監督は、何とアイテム扱いで入手する事となる。 -サッカーバトル関連。 --過去作の4人制から5人制になった。 ---これまで同様、主人公である天馬をメンバーから外すことは出来ないが、円堂のようにキーパーというオンリーワンのポジションではないため、そこまでメンバー選択が狭く感じられることはあまりない。 --ランダムエンカウントから、シンボルエンカウント制へ変更。また、一部を除いてこちらから話しかけない限り戦闘にはならない。 --敗北時のペナルティがなくなった。 **評価点 -お馴染みのアツいシナリオ。 --「本当のサッカー」を取り戻すために奮闘する主人公に感化され、次第にやる気を取り戻してゆく先輩たちの描写や、ライバルとの激闘や和解といった「イナイレらしさ」は今作も健在。 --また、円堂守ら多くの前作メインキャラ達も成長した姿で登場。様々な形で天馬達に影響を与えていく。 -きちんと立てられた雷門メンバーのキャラクター --今作では多少の差はあれど、初期からいる雷門メンバー全員のキャラクターが立てられている。 ---前作では初期メンバーはほんの数名を除き、たいした出番もないままどんどん追加キャラに枠を奪われついには入院、闇堕ち、世界大会編では日本に置き去りとストーリー上散々な目にあってしまった。更に、離脱したメンバーを再度呼び戻すには通信プレイ必須など、大変な苦労を伴った。 --今作では初期の雷門メンバーがサッカーに再び本気になる、という展開が序盤のストーリー中心軸になっており、各々がなぜサッカーをするのかといった背景が語られる。また、本気になったメンバーがかつての友人たちをサッカーで諭す展開があるなど、雷門メンバーそれぞれの変化とストーリーが、少年サッカー界全体に波紋を呼ぶ構造となっている。 --今作もストーリー中ごろからの追加メンバーはいるが、離脱するキャラはほぼ居らず、チーム内での関係も良好である。 -ハードの性能を活かした美麗なグラフィック。 --DS時代の過去3作から比べても、滑らかな動きや表情の変化等、格段な進化が見受けられ、据え置き機シリーズの『イナズマイレブンストライカーズ』シリーズにも勝るとも劣らない出来。 --ポリゴンのキャラクターたちがアップになって行う会話では、身振り手振りや表情までコミカルかつシリアスに動く。 --試合中のグラフィックも大きく向上し、大量に存在する選手全員を、試合中の引き画面から誰が誰か区別することが出来る。 ---画面の情報量が増えた分、選手が入り乱れると一見で敵味方を区別するのが困難なこともあるが、チームごとに色の異なるマーカー、名札などを付け区別することができる(前作までにもあった機能。もちろんオン/オフは可)。 --3DSの飛び出すグラフィックと必殺技ムービーの相性がとてもよい。特に画面に向かって打ち込むシュート技ムービーの迫力は必見。 -化身システムと言う新たな境地。 --いつ化身を召喚して攻めるか、もしくはどうやって相手の化身を削るかといったような駆け引きが出来るようになり、戦略性に深みが増した。 ---化身を発動すると、化身を持たないプレイヤーはほぼ太刀打ちが出来ない。しかし相手のKPを消耗させきれば試合中その選手は化身を呼ぶことが出来なくなるので、DFに化身持ちがいる場合、FWは点より相手のKP削りを優先して動かす、など新たな戦略を求められる。 --何よりも「それなんて○ョジョ?」と言わんばかりの馬鹿馬鹿しくもド派手な演出はファンを爆笑させた。 --これらももちろん3Dで飛び出すグラフィックを堪能できる。選手たちから画面に向かって飛び出すように現れる化身は、アニメとはやはり一味違う。 ---化身にはそれぞれひとつ専用技が用意されており、その強力さと格好良さはやはり超次元サッカー。切り札のシュートで決める決勝点は爽快の一言。 -ストレスのないマップ移動 --上記変更点に記述のとおり、エンカウントの大半がシンボルエンカウントとなり、望まない試合が発生しにくくなった。中にはこちらに寄ってきて強制バトルに入る敵もいるが、試合が終わればしばらくの間画面上から消える。 --また、街マップからフィールドマップへいつでも移動できるなど、移動させられることの多い本シリーズにおいてプレイヤーへの配慮がなされている。 --エンカウントがサッカーバトルである仕様上、戦闘をAボタン連打などでは済ませられない本シリーズにおいて、強制エンカウントがなくなったのは大きな前進と言える。 ---一方レベル上げしたいときは、倒した敵シンボルが一時的にいなくなる都合上、同じ場所に陣取って連戦などは難しくなった。 -シリーズ定番のアーティストであるT-Pistonz+KMCによるOPも好評。 --シャイン版のOPはアニメでも使われていたが、後にダーク版のOPも期間限定でアニメで使用された。 --このアニメーションも3Dで見ることが出来る。 -キャラカスタマイズの自由度の増加。 --前述したとおり化身の付け替え等も可能ではあるが、今作ではクリア後、自力習得技枠の上書きも可能になった。 **批判点・賛否両論点 -RPGとしての構造的問題 --今作に限らずDS時代からそうであったが、このゲームでは「次にプレイヤーがすべきこと」について、全てシステムから指示が飛んでくる。 ---例として、他校との試合が迫れば「河川敷で特訓しよう。河川敷に行け」、河川敷に着くと「まずはマネージャーに話しかけよう」、試合当日に雷門中に行けば「集合だ。監督に話しかけろ」、次は「バスに乗ろう。古株さん(運転手の人)に話しかけろ」、そのまま「他校グラウンドに集合」「みんなに話しかけろ」「試合開始。監督に話しかけろ」と言った具合。 --この方針はレベルファイブのゲームの多くにおける仕様でありライトユーザーに配慮されたもので、従来のRPGに慣れたプレイヤーは苦痛に感じるかもしれないが、普段ゲームをプレイしないがアニメを見て本作をプレイするといったプレイヤーには喜ばれているのも事実である。 -試合中に提示されるミッション --今作からの「誰にボールを持たせて指定のラインまで上がれ」と言った指示が試合中に提示されるようになた。しかもこの間時計は止まり、互いに点を入れられない(相手の必殺技シュートを低レベルキーバーが素で止めてしまう)。指示を達成しても何かプラスのポイントが入るわけではなく、ひたすら成功するまでリトライさせられて、成功すれば短い会話イベントの後即相手にボールを取られて試合再開という展開がちょくちょくある。ちなみにこの間消耗した体力などはそのまま消耗する。 ---ゲームが提示するストーリーを彩るためにプレイをひたすら強制されるのは中々の苦痛。もちろんフリーで行える試合ではそういった指示は一切なく、純粋に超次元サッカーが楽しめる。 -一部シナリオの説明不足な点。 --敵組織の先遣隊とも言える「黒の騎士団」というチームは序盤で雷門を圧倒していくという「1」の最初の帝国学園のような登場をするのだが、その試合以降姿を消してしまい、結局まともに決着をつけられないまま終わってしまう。 --また黒の騎士団の監督である黒木善三というキャラは、独自に自軍に接触してきたり、瞬間移動をしたり(?!)、ムービーシーンでもボス格キャラの側近的な描かれ方をしており結構目立つのだが、ある時を境に姿を消してしまい、以降どうなったのか全く説明が無い。またそのポジションにそれまで出ていなかった人物が据えられる。 ---この扱いに、「続編への伏線ではないか?」という声もあったが、特にそういうことは無かった。 ---ちなみに、剣城京介を除く黒の騎士団のメンバーは続編においてサッカー部以外の部活動に所属していることが明らかとなった。 --ラスボスチームのポッと出感が酷い。 ---その登場の仕方自体はある意味敵組織の横暴ぶりを象徴するような意表を突く登場をするのだが、如何せんそれまでの伏線が少ない事や、主人公側との因縁の薄さもあって印象が限りなく薄い。この前に戦ってきたチームは敵将などに自軍と因縁がある設定が多かったのだが… --イシドシュウジの正体や目的、黒幕の動機など、序盤から引っ張って期待させた割には拍子抜けなオチが多い。シナリオの竜頭蛇尾感はやはりイナズマイレブンシリーズの宿命か。また、大人たちが多くを語らず子どもたちに全てを任せてしまう点も前シリーズからのお約束そのままである。 -選手数・必殺技数の減少。 --特に必殺技については、前作メインキャラの一部の技を除き前作までの技は殆どが削除されている。これによって、前作キャラの大半がそのキャラの特徴とも言える必殺技を何一つとして持っていないと言う事態に陥ってしまっており、少々寂しい。 --具体的には、イナズマイレブン3では40近くあった火属性のシュート技が、本作では10程度しかないなど。属性によって差はあるが、前作と比較して1/3から1/4くらいの量になっており、単純にゲーム内の選択肢としても心許ない。ゲーム中の使用頻度が高いドリブル技も10種以上ある属性は一つもなく、使用キャラクター自体の選択と、その技の選択をきつく狭めている。 ---特にディフェンス、キーパー技は威力の波が大きく、最強クラスの技と最低クラスの技の両極端しかないなんてこともある。シュート技はそこそこバランス良く分布されているため、弱いキーパー技しか使えない属性のGKは最強クラスの技を覚えるまで、バランスよくシュート技を覚えるFW相手に手も足も出ない。 --更に、技数が少なくなった結果、出てくるチームがみな同じドリブル技、ブロック技で攻めてくる、というようなことも。前作3がDSシリーズの集大成として大量の技が出てきていたため、続けてプレイするとボリュームの足りない感が強い。 --しかし、DSから3DSにプラットフォームが移行したことや、化身のような新要素の導入など開発上の都合で仕方ないとも言える。ゆえに上記のように同じプラットフォームで開発してきた旧シリーズと比べるのは酷。 -新スカウトシステムである『キズナックス』。 --その選手を仲間にするために指定された選手・アイテム・情報を手に入れるというもの。入手方法は詳しく表示されるため、それで迷う事は無い。 --前作までのスカウトバトルが廃止され、人脈システムの発展型とも言えるものなのだが…とにかく面倒な点が目立つ。 --例えば、条件が選手になっている場合「●●を仲間にするためには△△と××が必要」「△△を仲間にするためには□□と◎◎が…」というように「欲しい選手のために特にいらない選手を仲間にしなければならない」という事例が多い。 ---例えば「1」のラスボスであるアフロディに至っては合計''26名''の選手を引き抜かねばならない。 --また、アイテムについては、試合のドロップアイテムを要求される事もあるが、基本アイテムドロップは運次第であるため、運が悪いと延々と同じ試合を繰り返す事になる。過去作でも試合のアイテムドロップ率は低かったが、ほぼ「取りたいなら取れ」くらいの要素であった。だが、今回は上記の通りスカウトにも密接に絡むようになっているので… --他にも、技の秘伝書を要求される事もあるが、ストーリー上で貰える非売品の秘伝書を使ってしまったりすると再入手に時間がかかり、おちおち秘伝書も使用できない。 ---これの例としては「2」の準主役級キャラである吹雪。吹雪を仲間にするために必要な起点部分に位置する選手・シャドウの条件に、''ゼロシューズ''というアイテムを入手していなくてはならないのだが、これは他バージョンとのプレミアム通信を行ったうえで登場するチームを撃破する事で稀にドロップするアイテムなのである。試合をするだけでもひと手間かかるのに、ゼロシューズがただでさえ出にくいため、心が折れるユーザーも少なくなかった。 ---しかも、極めつけに吹雪は劇場版での来場記念品にランダムで貰えるパスワード((鬼道、吹雪、壁山、不動、風丸という5パターン。))のどれかを入力しないとキズナックス表に表示もされない。つまり貰えるかどうか分からないパスワードを入力したうえで上記の条件を満たさなければならないのである。おそらくパスワードがすぐにネット上に出回る事を考慮しているのだろうがそれにしたって… --過去シリーズ(特に2や3)の引き抜きバトルも確かに難しかったが、それはあくまでも純粋にプレイヤーの力量を問われるものであった。だが上記の通り、今作のキズナックスはとにかくプレイヤーのリアルラック任せとプレイ時間の単純な水増しでしかない事もある。一方で強キャラの引き抜きバトルでは育成をしても相手が強すぎて満足に引き抜けなかったことや、3で追加されたガチャスカウトのシステムを経験しているプレイヤーからすれば、条件さえそろえることができればほぼ確実にお気に入りのキャラを手に入れられるのでキズナックスの方がいいという声もある。 -リプレイのスキップのしづらさ --本シリーズではシュートが決まったあとに、どのようにシュートが決まったかというリプレイがはじまるのだが、今回はそのリプレイのスキップが困難。 ---画面を2回タッチする必要があるのだがリプレイの中で必殺技が発動するとその間はタッチペンの入力を受け付けない。そのため、必殺技ムービーを見終わるまでスキップができなくなる。その上タッチの感度があまりよくないため必殺技がはじまる前にリプレイをやめようとしても必殺技ムービーが始まってしまい苦痛。自チームのリプレイならまだしも相手チームのリプレイでも同じであり、なおさら苦痛。 -バージョンで「円堂の奥さんが違う」 --前作主人公・円堂守が既婚者という設定で登場するのだが、シャイン版・ダーク版でそれぞれ別の女性と結婚している。 --本作発売前のある企画で奥さんが発表された時には一人だけだったが、後になって二人からの選択制であると発表した事や、ゲーム内の夫婦の描写や奥さんの扱いに差があったことから「無駄にキャラファン層の対立を煽った」と批判する声も多い。 --一方で、円堂を操作するプレイヤーが好きなヒロインを相手に選び一緒に行動する選択システムは前作シリーズからあったため、公式に決められてしまうよりは選べるほうが良い、という意見も少なからずある。 -良くも悪くも化身ゲー --代償はあるものの、効果自体は非常に強力な化身は、相手の必殺技の大半を打ち崩すことが可能であり、必然的に化身を想定した戦略になりやすい。 --逆を言えば、このゲームで化身を使わないで勝つのは非常に困難である。戦略もいかに相手の化身を打ち崩すかが重要ポイントになる。 --化身した選手と通常の選手と戦わせると、能力に圧倒的差が無い限りは化身側が勝つし、風林火山の相性より化身の方が優位に立てるので一種のバランスブレイカーともなっている。 ---化身を発動している選手としていない選手では、していない選手に10レベル以上アドバンテージがあったとしてもテクニック値で2、3倍上をいかれる。その上化身技を使われてはまず間違いなく勝ち目がなく、化身同士をぶつける以外にどうにもならない場面が多い。 --過去作のイナズマイレブンで慣れたプレイヤーも、GOで引き継いだ部分はあっても、まず化身をどうにかしないといけないところから始まるので同じ感覚で遊べないのは辛い。 **総評 新ハードに移行した割には、どうも前作『3』と比べるとボリューム不足感が否めず、また五条祭りに次ぐ嫁のバージョン分けといった「公式の悪乗り」が目立つ事もあって、ややシリーズへの不信感を抱かれている感は強い。 とはいえ、ゲームとしての面白さは決して失われておらず、アニメとのメディアミックス効果もあり、新世代キャラ達も受け入れられている事から世代交代は概ね成功と言った所だろう。前作キャラが大きく出張って、新世代のキャラクターを台無しにしてしまうようなことは無かった。
*イナズマイレブンGO シャイン / ダーク 【いなずまいれぶんごー しゃいん / だーく】 |ジャンル|サッカーRPG|&amazon(B005O65PW8)|&amazon(B005O65Q3Q)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~|~| |発売・開発元|レベルファイブ|~|~| |発売日|2011年12月15日|~|~| |定価|各5,800円|~|~| |判定|なし|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[イナズマイレブンシリーズリンク>イナズマイレブンシリーズ]]''| **作品概要 『イナズマイレブンシリーズ』の第4作目。~ 前3作の主人公・「円堂守」達の時代から10年後の雷門中学校を舞台に、新主人公「松風天馬」らがサッカーを牛耳る組織『フィフスセクター』へ挑む。 対応ハードもDSから3DSへと移行し、システム等も一新と、色々と世代交代を図った作品である。 **特徴・過去作からの変更点等 -''化身システム'' --今作の目玉とも言える要素で、一部の選手は、試合中に化身を召喚(!)することができる。 --化身を召喚している最中は、コマンドバトルにおける能力の大幅な上昇や、化身独自が持つ能力上昇効果やファウルをとられなくなる等のメリットがある。 ---その力たるや、能力差がそれほどなければノーマルシュートで敵キーパーの必殺技を破ってしまったり、相手のブロック・オフェンス技も弾いてしまえるほど。 --化身の発動は全てKP(化身ポイント)というゲージで管理され、何らかの行動(シュートを撃つ、敵と組み合う)で減少し、0になると化身は消滅し、原則その試合では化身は使えなくなってしまう。 --デメリットとしては、召喚中は通常の技が使えなくなりその化身の技1つしか使えなくなってしまう事や、使いすぎる事によってGP(元気ポイント。体力のこと)を大幅に消費してしまう事。 --クリア後は条件を満たす事で化身の付け替えや、新たに化身を使えるようにする事もできる。 -端的に言えば、前作での「一定時間チーム全体の能力値を上昇させる」効果のバーニングフェーズを一極化したものと言える。ちなみに今作ではバーニングフェーズは廃止された。 -能力値の項目の変化。 --過去作のキック・ボディ・コントロール・ガード・スピード・スタミナ・ガッツからキック・ドリブル・テクニック・ブロック・スピード・スタミナ・キャッチ ラッキーへと変化。 --なお、キャッチはキーパー以外にもパスキャッチの成功率に影響するようになっているため、キーパー以外もグローブ系を装備できるようになった。 -監督システム。 --今作では、チームの監督を替える事も可能。試合中の能力値上昇ボーナスを得る事が出来る。但し、監督と選手の相性も存在し、逆に能力を発揮できなくなる選手がいたりするため、ただ能力値を見るだけでは駄目なのである。 --また、能力値上昇ボーナスがどれも半端だが、相性がどれも普通…というような監督もいる。 --ちなみに、シナリオ上で主人公チーム以外の監督は、何とアイテム扱いで入手する事となる。 -サッカーバトル関連。 --過去作の4人制から5人制になった。 ---これまで同様、主人公である天馬をメンバーから外すことは出来ないが、円堂のようにキーパーというオンリーワンのポジションではないため、そこまでメンバー選択が狭く感じられることはあまりない。 --ランダムエンカウントから、シンボルエンカウント制へ変更。また、一部を除いてこちらから話しかけない限り戦闘にはならない。 --敗北時のペナルティがなくなった。 **評価点 -お馴染みのアツいシナリオ。 --「本当のサッカー」を取り戻すために奮闘する主人公に感化され、次第にやる気を取り戻してゆく先輩たちの描写や、ライバルとの激闘や和解といった「イナイレらしさ」は今作も健在。 --また、円堂守ら多くの前作メインキャラ達も成長した姿で登場。様々な形で天馬達に影響を与えていく。 -きちんと立てられた雷門メンバーのキャラクター --今作では多少の差はあれど、初期からいる雷門メンバー全員のキャラクターが立てられている。 ---前作では初期メンバーはほんの数名を除き、たいした出番もないままどんどん追加キャラに枠を奪われついには入院、闇堕ち、世界大会編では日本に置き去りとストーリー上散々な目にあってしまった。更に、離脱したメンバーを再度呼び戻すには通信プレイ必須など、大変な苦労を伴った。 --今作では初期の雷門メンバーがサッカーに再び本気になる、という展開が序盤のストーリー中心軸になっており、各々がなぜサッカーをするのかといった背景が語られる。また、本気になったメンバーがかつての友人たちをサッカーで諭す展開があるなど、雷門メンバーそれぞれの変化とストーリーが、少年サッカー界全体に波紋を呼ぶ構造となっている。 --今作もストーリー中ごろからの追加メンバーはいるが、離脱するキャラはほぼ居らず、チーム内での関係も良好である。 -ハードの性能を活かした美麗なグラフィック。 --DS時代の過去3作から比べても、滑らかな動きや表情の変化等、格段な進化が見受けられ、据え置き機シリーズの『イナズマイレブンストライカーズ』シリーズにも勝るとも劣らない出来。 --ポリゴンのキャラクターたちがアップになって行う会話では、身振り手振りや表情までコミカルかつシリアスに動く。 --試合中のグラフィックも大きく向上し、大量に存在する選手全員を、試合中の引き画面から誰が誰か区別することが出来る。 ---画面の情報量が増えた分、選手が入り乱れると一見で敵味方を区別するのが困難なこともあるが、チームごとに色の異なるマーカー、名札などを付け区別することができる(前作までにもあった機能。もちろんオン/オフは可)。 --3DSの飛び出すグラフィックと必殺技ムービーの相性がとてもよい。特に画面に向かって打ち込むシュート技ムービーの迫力は必見。 -化身システムと言う新たな境地。 --いつ化身を召喚して攻めるか、もしくはどうやって相手の化身を削るかといったような駆け引きが出来るようになり、戦略性に深みが増した。 ---化身を発動すると、化身を持たないプレイヤーはほぼ太刀打ちが出来ない。しかし相手のKPを消耗させきれば試合中その選手は化身を呼ぶことが出来なくなるので、DFに化身持ちがいる場合、FWは点より相手のKP削りを優先して動かす、など新たな戦略を求められる。 --何よりも「それなんて○ョジョ?」と言わんばかりの馬鹿馬鹿しくもド派手な演出はファンを爆笑させた。 --これらももちろん3Dで飛び出すグラフィックを堪能できる。選手たちから画面に向かって飛び出すように現れる化身は、アニメとはやはり一味違う。 ---化身にはそれぞれひとつ専用技が用意されており、その強力さと格好良さはやはり超次元サッカー。切り札のシュートで決める決勝点は爽快の一言。 -ストレスのないマップ移動 --上記変更点に記述のとおり、エンカウントの大半がシンボルエンカウントとなり、望まない試合が発生しにくくなった。中にはこちらに寄ってきて強制バトルに入る敵もいるが、試合が終わればしばらくの間画面上から消える。 --また、街マップからフィールドマップへいつでも移動できるなど、移動させられることの多い本シリーズにおいてプレイヤーへの配慮がなされている。 --エンカウントがサッカーバトルである仕様上、戦闘をAボタン連打などでは済ませられない本シリーズにおいて、強制エンカウントがなくなったのは大きな前進と言える。 ---一方レベル上げしたいときは、倒した敵シンボルが一時的にいなくなる都合上、同じ場所に陣取って連戦などは難しくなった。 -シリーズ定番のアーティストであるT-Pistonz+KMCによるOPも好評。 --シャイン版のOPはアニメでも使われていたが、後にダーク版のOPも期間限定でアニメで使用された。 --このアニメーションも3Dで見ることが出来る。 -キャラカスタマイズの自由度の増加。 --前述したとおり化身の付け替え等も可能ではあるが、今作ではクリア後、自力習得技枠の上書きも可能になった。 **批判点・賛否両論点 -作風の変化 --前作までのシリーズの登場人物が「巨人の星」のようなスポ根的な熱血漢が多かったのに対し本作は「キャプテン翼」のような爽やか系男子が多くなっている。 --ストーリーは相変わらず熱い展開なのだが「イナズマイレブンはキャラクターからストーリーまで何もかも熱いゲーム」と考えているプレイヤーは本作のキャラクターデザインの変化に馴染めず本シリーズを「3」でやめてしまったプレイヤーも多い。 ---また、化身システムの登場によりサッカーらしさが薄れているといった批判もあった。 -RPGとしての構造的問題 --今作に限らずDS時代からそうであったが、このゲームでは「次にプレイヤーがすべきこと」について、全てシステムから指示が飛んでくる。 ---例として、他校との試合が迫れば「河川敷で特訓しよう。河川敷に行け」、河川敷に着くと「まずはマネージャーに話しかけよう」、試合当日に雷門中に行けば「集合だ。監督に話しかけろ」、次は「バスに乗ろう。古株さん(運転手の人)に話しかけろ」、そのまま「他校グラウンドに集合」「みんなに話しかけろ」「試合開始。監督に話しかけろ」と言った具合。 --この方針はレベルファイブのゲームの多くにおける仕様でありライトユーザーに配慮されたもので、従来のRPGに慣れたプレイヤーは苦痛に感じるかもしれないが、普段ゲームをプレイしないがアニメを見て本作をプレイするといったプレイヤーには喜ばれているのも事実である。 -試合中に提示されるミッション --今作からの「誰にボールを持たせて指定のラインまで上がれ」と言った指示が試合中に提示されるようになた。しかもこの間時計は止まり、互いに点を入れられない(相手の必殺技シュートを低レベルキーバーが素で止めてしまう)。指示を達成しても何かプラスのポイントが入るわけではなく、ひたすら成功するまでリトライさせられて、成功すれば短い会話イベントの後即相手にボールを取られて試合再開という展開がちょくちょくある。ちなみにこの間消耗した体力などはそのまま消耗する。 ---ゲームが提示するストーリーを彩るためにプレイをひたすら強制されるのは中々の苦痛。もちろんフリーで行える試合ではそういった指示は一切なく、純粋に超次元サッカーが楽しめる。 -一部シナリオの説明不足な点。 --敵組織の先遣隊とも言える「黒の騎士団」というチームは序盤で雷門を圧倒していくという「1」の最初の帝国学園のような登場をするのだが、その試合以降姿を消してしまい、結局まともに決着をつけられないまま終わってしまう。 --また黒の騎士団の監督である黒木善三というキャラは、独自に自軍に接触してきたり、瞬間移動をしたり(?!)、ムービーシーンでもボス格キャラの側近的な描かれ方をしており結構目立つのだが、ある時を境に姿を消してしまい、以降どうなったのか全く説明が無い。またそのポジションにそれまで出ていなかった人物が据えられる。 ---この扱いに、「続編への伏線ではないか?」という声もあったが、特にそういうことは無かった。 ---ちなみに、剣城京介を除く黒の騎士団のメンバーは続編においてサッカー部以外の部活動に所属していることが明らかとなった。 --ラスボスチームのポッと出感が酷い。 ---その登場の仕方自体はある意味敵組織の横暴ぶりを象徴するような意表を突く登場をするのだが、如何せんそれまでの伏線が少ない事や、主人公側との因縁の薄さもあって印象が限りなく薄い。この前に戦ってきたチームは敵将などに自軍と因縁がある設定が多かったのだが… --イシドシュウジの正体や目的、黒幕の動機など、序盤から引っ張って期待させた割には拍子抜けなオチが多い。シナリオの竜頭蛇尾感はやはりイナズマイレブンシリーズの宿命か。また、大人たちが多くを語らず子どもたちに全てを任せてしまう点も前シリーズからのお約束そのままである。 -選手数・必殺技数の減少。 --特に必殺技については、前作メインキャラの一部の技を除き前作までの技は殆どが削除されている。これによって、前作キャラの大半がそのキャラの特徴とも言える必殺技を何一つとして持っていないと言う事態に陥ってしまっており、少々寂しい。 --具体的には、イナズマイレブン3では40近くあった火属性のシュート技が、本作では10程度しかないなど。属性によって差はあるが、前作と比較して1/3から1/4くらいの量になっており、単純にゲーム内の選択肢としても心許ない。ゲーム中の使用頻度が高いドリブル技も10種以上ある属性は一つもなく、使用キャラクター自体の選択と、その技の選択をきつく狭めている。 ---特にディフェンス、キーパー技は威力の波が大きく、最強クラスの技と最低クラスの技の両極端しかないなんてこともある。シュート技はそこそこバランス良く分布されているため、弱いキーパー技しか使えない属性のGKは最強クラスの技を覚えるまで、バランスよくシュート技を覚えるFW相手に手も足も出ない。 --更に、技数が少なくなった結果、出てくるチームがみな同じドリブル技、ブロック技で攻めてくる、というようなことも。前作3がDSシリーズの集大成として大量の技が出てきていたため、続けてプレイするとボリュームの足りない感が強い。 --しかし、DSから3DSにプラットフォームが移行したことや、化身のような新要素の導入など開発上の都合で仕方ないとも言える。ゆえに上記のように同じプラットフォームで開発してきた旧シリーズと比べるのは酷。 -新スカウトシステムである『キズナックス』。 --その選手を仲間にするために指定された選手・アイテム・情報を手に入れるというもの。入手方法は詳しく表示されるため、それで迷う事は無い。 --前作までのスカウトバトルが廃止され、人脈システムの発展型とも言えるものなのだが…とにかく面倒な点が目立つ。 --例えば、条件が選手になっている場合「●●を仲間にするためには△△と××が必要」「△△を仲間にするためには□□と◎◎が…」というように「欲しい選手のために特にいらない選手を仲間にしなければならない」という事例が多い。 ---例えば「1」のラスボスであるアフロディに至っては合計''26名''の選手を引き抜かねばならない。 --また、アイテムについては、試合のドロップアイテムを要求される事もあるが、基本アイテムドロップは運次第であるため、運が悪いと延々と同じ試合を繰り返す事になる。過去作でも試合のアイテムドロップ率は低かったが、ほぼ「取りたいなら取れ」くらいの要素であった。だが、今回は上記の通りスカウトにも密接に絡むようになっているので… --他にも、技の秘伝書を要求される事もあるが、ストーリー上で貰える非売品の秘伝書を使ってしまったりすると再入手に時間がかかり、おちおち秘伝書も使用できない。 ---これの例としては「2」の準主役級キャラである吹雪。吹雪を仲間にするために必要な起点部分に位置する選手・シャドウの条件に、''ゼロシューズ''というアイテムを入手していなくてはならないのだが、これは他バージョンとのプレミアム通信を行ったうえで登場するチームを撃破する事で稀にドロップするアイテムなのである。試合をするだけでもひと手間かかるのに、ゼロシューズがただでさえ出にくいため、心が折れるユーザーも少なくなかった。 ---しかも、極めつけに吹雪は劇場版での来場記念品にランダムで貰えるパスワード((鬼道、吹雪、壁山、不動、風丸という5パターン。))のどれかを入力しないとキズナックス表に表示もされない。つまり貰えるかどうか分からないパスワードを入力したうえで上記の条件を満たさなければならないのである。おそらくパスワードがすぐにネット上に出回る事を考慮しているのだろうがそれにしたって… --過去シリーズ(特に2や3)の引き抜きバトルも確かに難しかったが、それはあくまでも純粋にプレイヤーの力量を問われるものであった。だが上記の通り、今作のキズナックスはとにかくプレイヤーのリアルラック任せとプレイ時間の単純な水増しでしかない事もある。一方で強キャラの引き抜きバトルでは育成をしても相手が強すぎて満足に引き抜けなかったことや、3で追加されたガチャスカウトのシステムを経験しているプレイヤーからすれば、条件さえそろえることができればほぼ確実にお気に入りのキャラを手に入れられるのでキズナックスの方がいいという声もある。 -リプレイのスキップのしづらさ --本シリーズではシュートが決まったあとに、どのようにシュートが決まったかというリプレイがはじまるのだが、今回はそのリプレイのスキップが困難。 ---画面を2回タッチする必要があるのだがリプレイの中で必殺技が発動するとその間はタッチペンの入力を受け付けない。そのため、必殺技ムービーを見終わるまでスキップができなくなる。その上タッチの感度があまりよくないため必殺技がはじまる前にリプレイをやめようとしても必殺技ムービーが始まってしまい苦痛。自チームのリプレイならまだしも相手チームのリプレイでも同じであり、なおさら苦痛。 -バージョンで「円堂の奥さんが違う」 --前作主人公・円堂守が既婚者という設定で登場するのだが、シャイン版・ダーク版でそれぞれ別の女性と結婚している。 --本作発売前のある企画で奥さんが発表された時には一人だけだったが、後になって二人からの選択制であると発表した事や、ゲーム内の夫婦の描写や奥さんの扱いに差があったことから「無駄にキャラファン層の対立を煽った」と批判する声も多い。 --一方で、円堂を操作するプレイヤーが好きなヒロインを相手に選び一緒に行動する選択システムは前作シリーズからあったため、公式に決められてしまうよりは選べるほうが良い、という意見も少なからずある。 -良くも悪くも化身ゲー --代償はあるものの、効果自体は非常に強力な化身は、相手の必殺技の大半を打ち崩すことが可能であり、必然的に化身を想定した戦略になりやすい。 --逆を言えば、このゲームで化身を使わないで勝つのは非常に困難である。戦略もいかに相手の化身を打ち崩すかが重要ポイントになる。 --化身した選手と通常の選手と戦わせると、能力に圧倒的差が無い限りは化身側が勝つし、風林火山の相性より化身の方が優位に立てるので一種のバランスブレイカーともなっている。 ---化身を発動している選手としていない選手では、していない選手に10レベル以上アドバンテージがあったとしてもテクニック値で2、3倍上をいかれる。その上化身技を使われてはまず間違いなく勝ち目がなく、化身同士をぶつける以外にどうにもならない場面が多い。 --過去作のイナズマイレブンで慣れたプレイヤーも、GOで引き継いだ部分はあっても、まず化身をどうにかしないといけないところから始まるので同じ感覚で遊べないのは辛い。 **総評 新ハードに移行した割には、どうも前作『3』と比べるとボリューム不足感が否めず、また五条祭りに次ぐ嫁のバージョン分けといった「公式の悪乗り」が目立つ事もあって、ややシリーズへの不信感を抱かれている感は強い。 ゲームとしての面白さは決して失われておらず、アニメとのメディアミックス効果もあり、新世代キャラ達も受け入れられているが世代交代に関しては作風の変化から受け入れないプレイヤーも多かった為お世辞にも成功とは言いにくいと言った所だろう。前作キャラが大きく出張って、新世代のキャラクターを台無しにしてしまうようなことは無かった。

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