「ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート - (2015/09/02 (水) 13:44:35) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート 【どらごんくえすともんすたーず きゃらばんはーと】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B00007KKPP)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|64MbitROMカートリッジ|~| |発売元|エニックス|~| |開発元|トーセ|~| |発売日|2003年3月29日|~| |価格|5,980円(税抜)|~| |分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/269.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵]]』の続編。『[[ドラクエ7>ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち]]』のキーファが主人公を務める他、同じく『7』からフォズ大神官が出演している。~ 人間とモンスターが協力して戦闘を行うキャラバンシステムや歩くたびに減っていく食料など、ドラゴンクエストモンスターズ(以下DQM)の中でも独自要素がとても多い。~ なお本作がエニックス名義で販売された最後のソフトである。 **特徴 -今までのDQMシリーズが''一つの拠点から旅の扉経由で様々な所に行く''というものだったが、キャラバンハートは''キャラバンを率いて世界中を歩き回ってオーブを集める''というのが冒険の目的となっており、従来のDQMと比べて本家ドラクエのようにストーリー重視となっている。 --舞台となる世界もマルタの国やタイジュの国といったオリジナルの世界ではなく『[[ドラゴンクエストII>ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]』の世界そのものであり、ロトの勇者達がシドーを倒した数百年後という設定。 ---ストーリーの内容もナンバリングドラクエと同じようなお使いイベントや魔物討伐などが中心となっている。 -本作ではキャラバンを率いて冒険するため、モンスターオンリーだった前作までと違いナンバリングドラクエの用に人間を仲間にできる。仲間にできるのは最大20人((それ以上仲間にする時は別れる事となる。例え最初から仲間にいたキャラなどでも……))で職業は合計22種。更に職業につき三段階のランクが設定されている。 --人間は街の中で話しかければ仲間になってくれる。基本的には固定された位置にしか登場しないが、エンディング後だと世界各地にランダムに出現する様になる。 --この仲間たちを好きなように組み合わせて馬車を編成し、モンスターとの戦闘をサポートさせるのが本作の醍醐味である。 ---しかし馬車には重さ制限があり、ガードモンスター((その馬車を守るモンスター。倒れると馬車は行動不能になる。))の重さと仲間の重さを調整して編成しなければならない。また、旅をするなら地図士や料理人が欲しいし、戦うなら戦士や騎士が欲しいなど悩ましいところである。 ---1つの馬車のターンは5ターンで1順する。最大4人のメンバーが席の順番に行動し、5ターン目は誰も行動しない。4ターン目まででも空席だったり、以下の「連携」によって行動済みになっている場合も行動しない。 ---同じ職業を同時に載せるとランクが合計される。例えばランク1の戦士とランク2の戦士を同乗させるとランク3の戦士として扱われ、「連携」としてランク3相当の特技を放つ。さらに同じ職業を同じ馬車に4人乗せれば、ランクを問わず「究極連携」が発動する。 ---ただし連携に参加したキャラは、本来の自身のターンに行動不能になるので、その馬車は隙が多くなる。ランクは3が上限で、職業が揃うと必ず連携が発生するので、高ランクの仲間が増えてくると実質的に連携は「同じ馬車に同じ職業を入れる」ことに対するペナルティとなる。 ---対戦では相手の馬車に誰が乗っているかが分からないので、それを読んだ戦略が重要である。 --ベースキャンプも最初は設備が教会・タダ宿・食糧補給のおばばくらいしかないが、道具屋((商人がいると開く。商人のランクと人数により売り物が豊富になる))・酒場((踊り子or料理人がいると開く。人が集まる))・預り所((盗賊がいると開く。文字通り))・カジノ((遊び人orギャンブラーがいると開く。ランクによりスロットや景品の種類も増える))などが開設され、さながら一つの「移動する町」として旅の助けになってくれる。 #region(職業一覧) -戦士 --オノを使ってモンスター単体に攻撃する。ランクや馬車のガードモンスター(以下GM)の攻撃力に影響されて威力が上昇する。究極連携も単体攻撃。 --ランク3で持つ能力のちからためは、初回のみGMの攻撃力を倍増させる。対戦では不発。 -剣士 --剣で複数回斬りつける。一発の威力はGMの攻撃力を下回るが、守備力の低い敵に対してはこちらが優れる。究極連携はGMの攻撃力で4回攻撃。 --ランク3でGMが初回のみ2回攻撃できるはやぶさの能力を持つ。戦士と併用すれば2倍の威力で2回攻撃となり非常に強力だが、対戦では不発。 -武闘家 --打撃で会心の一撃が出る可能性の高い一撃を出す。究極連携は100%会心の一撃。 --ランク3でGMが高確率で先制攻撃できるしっぷうの能力は勿論対戦だと不発。 -騎士(シリーズ初) --全身を鎧で包み、大盾でGM全員が受けるダメージを減らす。究極連携は攻撃完全無効。 --騎士を持ったGMを防御させる事により、最初に騎士を行動させることが可能。対戦での基本戦略。 --ランク3のみまわりは敵からの先制攻撃を完全に防ぐことができる。 -メタルハンター(シリーズ初) --どんな相手にでも固定ダメージを出せる。究極連携は全体に25ダメージ。要はレベル上げ用。 --ランク3のメタルさがしの能力は、ランダムエンカウントに混じってメタルもどき((従来のものと違い守備が低く逃げないが、その分HPが高くマヒャドやギガデインを連発してくる))が登場するようになる。普通のメタルより強い上に経験値も低いがレベルアップの役に立つ。 -僧侶 --GMを回復させる職業。ランク3だとベホマかベホマラーを使い分ける。究極連携はベホマズンで完全回復。 --移動中は回復を使えないが、道具屋や教会を呼び出すことができる。 -魔法使い --魔法でモンスターを攻撃する。GMに左右されないダメージが特徴か。 --特技の幅が狭い本作ではランク3のメラゾーマ、ベギラゴン、マヒャドも強い。移動中はトラマナとトヘロスも使える。更に究極連携はミナデインである。 -賢者 --回復も出来る攻撃係。ホイミ系とイオ系を使い分ける。ランク3では移動中はルーラが使える。 --究極連携は僧侶のベホマズンか魔法使いのミナデインのどちらかを放つ。 -医術士(シリーズ初) --状態異常回復。ランクが高くなるにつれ治せる状態異常も多くなる。究極連携は全員の状態異常回復+復活。 --従来の僧侶から状態異常回復を分離した職業といえる。ランク次第だが移動中はキアリーとシャナクを使える。 -狩人(シリーズ初) --矢で相手単体に状態異常。ランクが高くなると与える状態異常も増える。究極連携は単体にザキ効果の矢。 --探索中は狩りを行うことで食料を調達できる。ただし連続では使えない。 -釣り師(シリーズ初) --水辺で魚を釣って食料が得られる。直接食料値を増やす狩人と異なりアイテムとして入手できるが、やはり連続では行えない。 --戦いだと撒き餌などで相手を行動不能に。究極連携は相手全体を3ターン行動不能に。 -地図士(シリーズ初) --地図を表示できるため、探索中は必須の職業。 --戦いではGMに周囲の地形を伝えて素早さアップ。究極連携は全員素早さMAXに。 -踊り子 --状況に応じて様々な踊りでサポートする。究極連携は全員復活。 -吟遊詩人 --こっちは歌でサポート。究極連携はこっちも全員復活。 -料理人(シリーズ初) --探索中の食糧消費を抑える。 --戦いだとGMのMPを回復。究極連携はMP200回復とかなりしょっぱい。 -占い師(シリーズ初) --地図に階段の位置を表示したり、オーブの位置も表示する事ができる。 --相手のHPとMPを調べる。ランクが上がるにつれ正確な値になる。究極連携は何故か天災を起こす。 -遊び人 --戦いでは知っての通り遊んでばかり。運の要素が強いが耐性無視の効果が多いので実は優秀なサポート職である。究極連携は攻撃系特技を使う。 --探索中はゴールドを消費して敵かアイテムを呼び寄せることができる。 -ギャンブラー(シリーズ初) --敵か味方のHPを半分にすると言う大ギャンブル。究極連携に至っては敵か味方かどちらかがHP1に。ただし相手によっては無効。 --遊び人かギャンブラーがいるとキャラバンにカジノができる。合計のランクに応じてスロットの掛け金が高くなる。 -商人 --探索中は小さなメダルと宝箱の位置を地図に表示する。ベースキャンプでは道具屋を開くのでアイテムを購入できる。 --戦いではモンスターから金を奪う。究極連携でも金をとる。対戦では無意味。 -まもの使い --戦いでは相手モンスターをなだめることで心を落としやすくさせる。究極連携も同様。対戦では無意味。 --ランク3になると、周囲に出現するモンスターの種類がわかるようになる。 -盗賊 --地図に証人と同じ効果を与え、モンスターから道具を盗む。究極連携も同様だが、本作では敵から奪えるアイテムがあまり有用ではないので今ひとつ。 --盗賊がいるとベースキャンプに預かり所ができる。 -転生士(シリーズ初・クリア後のみ) --倒したモンスターを人間に転生させ、キャラバンに加入させると言うシュールな能力を持っている。転生は戦闘後に行われるので戦闘には直接影響しない。 --究極連携は確実にモンスターを転生させ、さらに低確率だがあらゆるモンスターをランク3の職業にできるため有用。ちなみに転生士に転生するモンスターはミノーンと各精霊のみである。 #endregion **評価点 ***作りこまれたストーリー -前作までと違いナンバリングと同じ要領で作成されているので、ナンバリングをプレイしているのと同じ感覚でプレイできる。 --BGMもほとんどがドラクエ1・2のアレンジであり、ロト三部作をプレイしたユーザーを意識して作られている。もちろんドラクエ2を思い出させてくれるネタも多々存在しているため、ドラクエ2既プレイのプレイヤーにとってはどこか懐かしさが感じられる。 --さすがに船は定期船のみ((周回は山手線形式で、当然逆流も可能))という都合上、船でしか行けなかったテパの村や大灯台が地続きで行けるなど、地理にもアレンジが加えられているが。 --「美味しい物」であるラストステーキを持ってくると旅の祠の通行許可だけでなく、配下のモンスター・ビーナスや馬車も気前良く譲る太っ腹な一面も持つ幻魔・カカロンや、腐った死体となった恋人・スミスのために魔物使いとなった女性・マチュアとその気持ちという「形にならない物」を「美しいもの」として認める幻魔・クシャラミなど、幻魔も個性付けがなされている。 ---なお、この幻魔たちはもともとDQ7の特技「げんま召喚」で現れたもの。もともとは攻撃を行うのみで、外見や性別・性格などの設定は本作で設定された。 --また、漫画『ドラゴンクエストモンスターズ+』の一部設定を引き継いだと思われる要所も存在する。 ***豊富なやりこみ要素 -一週目のエンディングを見ると、「まものの巣」で心などを稼いだり、世界中に散らばる「カラーオーブ」を集めながら、「オーブのダンジョン」に入ってボス((一定ターン以内に倒すとレアオーブや心をもらえる))と戦ったり、~ 今まで歩んできた街を回りながら様々な仲間を集めたりすることが可能。好きな職業の人間を仲間にできたり様々な敵が出るダンジョンを遊べたり、従来のモンスターズよりやりこみ要素がてんこ盛り。 --発売当初は食料などの汚点が目立ち、気にもされていなかったが、次回作のジョーカーのやりこみ要素がとても少なかったのもあり、現在ではこれらの要素は高く評価されている。 --クリア後にはランダムに加えられる仲間の中には「重さは軽いがランク3の仲間で、1人で3人分の役割を果たす」といった有用な者もおり、結果としてキャラバンの戦力増強に役立ってくれる。ランダム遭遇という運に恵まれない人のために転生士という救済措置もあるので、どちらを取るかはプレイヤー次第。 --二回目のエンディングを見るとアレフガルドで閉ざされていた竜王の城の門が開き、竜王と戦えたり、オーブのダンジョンで奥まで進んでも戦ってくれなかった光の精霊・闇の精霊が戦ってくれるようになったりといった変化が見られる。 ***ドット絵 -当時のゲームとしては人間キャラクターやモンスターのドット絵の出来がよい。 ***BGM -当時のゲームとしてはかなり良質なBGMがそろっている。ドラクエ1・2のアレンジが懐かしく感じる人も多いようだ。 ***フィールドイベント -フィールドを歩いているとシルエットクイズや道具屋との対面などの様々なイベントが登場する。 --食料や金を魔物やニセ僧侶から奪われたりすることもあるが、特定の職業の人間を馬車に入れていることで回避できたり、アイテムやお金を入手できることもある。さらにここでしか入手できないアイテムもあり、ランダム性でありながら面白い所。 **問題点 ***食料 -本作を語る上で欠かせないのが食料システム。食料は店で購入できる(1つにつき1G)が、これを購入しないと旅が非常に困難になる。なんと''歩くたびにモンスターのHPが減っていく''のだ。~ 放置しておくとHPが1になってしまいモンスターとであった瞬間、バギなどで一掃されて全滅…ということもある。~ 特に今作ではモンスターのエンカウント数がテリワンやイルルカの三体までではなく、従来のドラクエのように大量に出てくるので逃げるのに失敗すると袋叩きにされてしまう。 --しかもベースキャンプを移動する時は食料消費が早くなる。山や砂漠を歩くと非常に早くなることやベースキャンプを連れたまま全滅するとキャンプごと最初のエリアに戻されるのも厳しい仕様。((ただし、章始めには大陸の入口にベースキャンプを呼んでくれる。また、中盤からは使った場所にベースキャンプを呼ぶアイテムが買える。)) --序盤は食料の補給でお金が足りなくなりがちであり、ゲーム後半でも補給を忘れて大変な目に遭う事もあるが、それでもダンジョンではランダムイベントで最深層の1つ手前のフロアに飛ばしてくれる魔法使いを狙うため補給を最小限にとどめる者もいる。 ---序盤のあるイベントで食糧が減りやすい砂漠をうろうろする必要があるのも非常に面倒な仕様である。((一応、商人の効果で金を稼いでそれを食料にすればなんとかなるのだが。)) --一応携帯用の食料(使うと一定数食料が補充される)や職業の力で回復することも可能だが、前者についてはアイテムの所持数がかなりきついのであまり持ち歩けないのが辛く、後者については一定間隔を開けないと再使用できないので減少量を軽減させる程度の役割である。 ***モンスター -今作では配合システムではなく、転心システムが使用されているので仲間になるモンスターは7匹のみ。~ 一人一人NPCとして性格が設定されているので、モンスターといえど前作までのポケモン的な仲間と違い、ナンバリングの「人間キャラ」のように扱われているようだ。~ そのため従来のDQMであった配合のようにモンスターがいなくなることはなく、「転身」で2つのモンスターの心を吹き込み姿を変えながらストーリーを進めることになる。 --劇中でスラロン(最初に加わるガードモンスター)が、「姿は変わってもオレはオレのままだ。お前の事を忘れたりしない。」と励ましてくれる。 --7匹と少なくても、対戦用3匹・探索用3匹と区切れるのは悪くないところだろう。 -今作ではモンスターの系統が絞られており、「スライム系」・獣、鳥、水系を統合した「動物系」・虫、植物系を統合した「自然系」・ドラゴン系や一部の獣系を統合した「魔獣系」・「物質系」・ゾンビ系を含めた「悪魔系」・物質系の一部(液体や気体など)や????系のポジションを統合した「エレメント系」となっているため、過去作からのプレイヤーは違和感を覚えた。~ 新モンスターのデザインは普通だが、エレメント系は「パーラル」「ピモ」のような「バーバパパ」みたいなデザインのモンスターが何種類もいたり、????系らしい他作品のキャラがりゅうおう、わたぼう、ワルぼう、デュランのみ。更にドラクエ7の特技「げんま召喚」で呼び出せた四体の幻魔がそれぞれ姿、性別、性格等が設定されて登場しているなど、なんとも言い難いチョイスとなっている。 -モンスターごとの強さや成長速度、重さなどのバランスも取れているとは言い難い。特に重量のある大型モンスターは成長も遅く、非常に使いにくいものが多い。 ***レベルを上げて物理で殴ればいい -オーブのダンジョンのボスを倒すとカラーオーブがもらえるが、呪文や特技で攻撃するより物理で殴った方が効率よくダメージを与えられる。~ 職業のマスター戦士(最初のターンだけダメージ2倍)やマスター剣士(最初のターンだけ2回攻撃)の特殊効果も強すぎる((しかもこの2人が同じ馬車にいると両方の効果が発動する))ので、基本的にひたすら殴るのが最適解。~ 魔法使いのような固定ダメージの職業は、雑魚戦ではともかくボス戦ではまったく役に立たない~ 戦士・剣士・武闘家など戦闘の花形となる職業の攻撃力もガードモンスターの攻撃力に依存するという弱点があるため、モンスターの転身も攻撃力の成長重視になりやすい。 -いてつくはどうが存在しないので、スクルトやバイキルトで強化したらひたすら殴って時々回復するだけという単調な戦闘になりがちである。後述のように対人戦であればお互いにサポートキャラが入るので話は変わってくるが、ゲーム内の戦闘は非常に単調。 ***報酬の低さ -レベルアップに必要な経験値に対してモンスターからもらえる経験値がかなり低く、敵が質・量共に高いので厳しいバランス。~ もちろんDQ名物メタル狩りはあるが、安定して倒せるようになるのはなかなか大変。~ しかもメタルハンターの特技や、魔物の巣でエンカウントするメタル系は強い上に経験値も低いが、それすらが救済措置になる程低い。 -また、前作までと違い、倒した魔物からゴールドが出るようになったが、その大半が食料代に消えるためアイテム調達が難しい。 --特に序盤は余裕がないにも関わらずイベントアイテムを旅のキャラバンから買うことになる。商人で余分に稼いだり釣り師などで食料減少を抑えるのは必須。 //***転生士 //-転生士は倒したモンスターを人間に変えることができる能力を持つが、究極連携を使わない限り、その確率は非常に低く、究極連携でしかランク3の職業を獲得できない。~ //あちこちの町を巡って仲間を探すか、転生士を早めに4人揃えてランク3の職業を集めるか、どちらにせよ納得のいくキャラバンの戦力を集めるのには時間がかかる。~ //ちなみに魔物から転生した人間はほとんどが男性になる。魔物の世界には女性がほとんどいないのだろうか。~ //あ、配合から転身に変わった理由って・・・ //↑ミノーンを転生させての究極連携で、確率は高くないけどランク3が出る可能性がないため、問題点ではないと思えます。 ***職業 -人間キャラは成長しないので、より強いキャラバンを作るためには優秀な人材に取っ替え引っ替えする必要がある。~ 本編のシナリオで仲間になる、「昔からこのキャラバンにいた」とか「サマルトリア王族の末裔」とかキャラ性のある人物はほとんどランク1で、定員も少ないので最終的には別れることになってしまう。 --エンディング後はある場所で再び仲間に出来るが、弱い仲間と再会しても…… -同じ職業でも大人と子供がいるが、その違いは重さのみ。馬車の重量制限があるのでランクが同じならば体重の軽い子供のほうが当然有利となる。 ***アイテム所持数 -アイテム所持数は24だが、イベントアイテム((ハートゲッター・各種幻魔の羽根))は捨てる事も預ける事もできずアイテム欄を圧迫する。~またクリア後は必然的にオーブにアイテム欄の大半を占められるため、回復アイテムや携帯食料が持ちづらい原因ともなっている。 --そのため、クリア後なら預かり所を作れる盗賊の加入はまず必須である。 ***対戦バランス -本作では今までと比べ、かなり毛色が異なっている。 --まず高威力の特技のマダンテやばくれつけんなどが軒並み削除され、最高威力であってもギガデインの250程度となっている一方で、回復特技は相変わらずベホマズンやザオリクが存在し、最大999のMPから見れば非常に低コストで唱えられる。~ くろいきり、いてつくはどうのような封印・リセット技も存在しない。そこで決定力として、前述の通り職業を駆使して戦うのが主流。 ---防御すると一番最初に行動できるため、そこでダメージを減らす騎士やトドメに攻撃系職業を使う。四人の同職業を同じ馬車に乗せて発動する究極連携は強力だが、その編成では5ターンに一度しか職業サポートが発生しないのでリスクは高い。 --従来は主要な属性に完全な耐性を持たせることがやり込んだ対戦では前提だったが、今作では完璧な耐性を持ったモンスターが存在しない上に転身のたびに耐性が初期化されるので、どのモンスターでも何らかの弱点はどうしても残ってしまう。このため、従来のシリーズよりも属性攻撃や状態異常の比重が大きい。((転身の際に職業の心を使うことでその次の転身までの間だけ姿を変えずに特定の耐性を強化できるが、それでも耐性をすべて埋めるのは不可能。)) --馬車の重量制限、キャラバンの人数制限もあるため、構成も思う様にできなかったり、本気で対戦をするには馬車を最大に改造し((ストーリー中で各馬車を1回ずつ改造してもらえるほか、特定のオーブのダンジョンの最深部で改造してもらうことができる。しかしそのオーブの入手条件が「2回目のエンディング後あるカラーオーブのダンジョンのボスを一定のターン数で倒す」というもの。そして最大になるまでにボス撃破→馬車改造を12周することになる。軽めのモンスターや職業で構成すればなんとかなるが。))、最上級の職業を集めるなどスタートラインからして厳しい。特に人間キャラの制限によって、対戦用メンバーと探索・Lv上げメンバーの両立はほとんどぎりぎりになる。 --これらからして前作までの対戦とはかなり内容が異なっているため、前作までの対戦を好む人もいれば、今作の地味ながら戦術性のある対戦を好む人もいる。一発限りのネタだからか、次回作以降の対戦は前作までと同じになっている。 ***その他 -キャラバンから冒険に出るときはルインに話しかけて出発するのだが、その時のメッセージがストーリーを進めるにつれてかなり長くなる。ベースキャンプを移動させたい時に長いからって連打するとキャラバンでの冒険となるため、更に面倒になる。久しぶりにやる人などからしたら嬉しいが、レベル上げ中はかなりうざったい。 -教会でしかセーブができず、さらにセーブにかかる時間が約10秒程度とやけに長い。クイックセーブやスリープモードなどの機能も無いので携帯機ではあるが、外で気軽に遊ぶには向かない。GBA本体の電池切れギリギリまで粘ると最悪セーブ中に電池が切れ、セーブが壊れる危険がある。 **総評 -発売当初はDQMの続きとして買い、本家のドラクエのようなシステムやストーリーで失望した人が多く、当時の評価はボロクソだったが現在では評価はだいぶ落ち着いてきている。~ 従来のDQMと比べると転身、キャラバン構成、食料などかなりシステムが難解になってはいるが、オーブのダンジョン、転生などのやり込み要素は従来以上である。 -キャラバン編成や転身などの独特のシステムはあったものの、今作のシステムは以降の作品では登場していない。~ ただオーブのダンジョンは評価が高かったのか、似たようなものとしてドラクエ9では「宝の地図」が、ドラクエ10では「魔法の迷宮」が登場している。
*ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート 【どらごんくえすともんすたーず きゃらばんはーと】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B00007KKPP)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|64MbitROMカートリッジ|~| |発売元|エニックス|~| |開発元|トーセ|~| |発売日|2003年3月29日|~| |価格|5,980円(税抜)|~| |分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/269.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵]]』の続編。『[[ドラクエ7>ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち]]』のキーファが主人公を務める他、同じく『7』からフォズ大神官が出演している。~ 人間とモンスターが協力して戦闘を行うキャラバンシステムや歩くたびに減っていく食料など、ドラゴンクエストモンスターズ(以下DQM)の中でも独自要素がとても多い。~ なお本作がエニックス名義で販売された最後のソフトである。 **特徴 -今までのDQMシリーズが''一つの拠点から旅の扉経由で様々な所に行く''というものだったが、キャラバンハートは''キャラバンを率いて世界中を歩き回ってオーブを集める''というのが冒険の目的となっており、従来のDQMと比べて本家ドラクエのようにストーリー重視となっている。 --舞台となる世界もマルタの国やタイジュの国といったオリジナルの世界ではなく『[[ドラゴンクエストII>ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]』の世界そのものであり、ロトの勇者達がシドーを倒した数百年後という設定。 ---ストーリーの内容もナンバリングドラクエと同じようなお使いイベントや魔物討伐などが中心となっている。 -本作ではキャラバンを率いて冒険するため、モンスターオンリーだった前作までと違いナンバリングドラクエの用に人間を仲間にできる。仲間にできるのは最大20人((それ以上仲間にする時は別れる事となる。例え最初から仲間にいたキャラなどでも……))で職業は合計22種。更に職業につき三段階のランクが設定されている。 --人間は街の中で話しかければ仲間になってくれる。基本的には固定された位置にしか登場しないが、エンディング後だと世界各地にランダムに出現する様になる。 --この仲間たちを好きなように組み合わせて馬車を編成し、モンスターとの戦闘をサポートさせるのが本作の醍醐味である。 ---しかし馬車には重さ制限があり、ガードモンスター((その馬車を守るモンスター。倒れると馬車は行動不能になる。))の重さと仲間の重さを調整して編成しなければならない。また、旅をするなら地図士や料理人が欲しいし、戦うなら戦士や騎士が欲しいなど悩ましいところである。 ---1つの馬車のターンは5ターンで1順する。最大4人のメンバーが席の順番に行動し、5ターン目は誰も行動しない。4ターン目まででも空席だったり、以下の「連携」によって行動済みになっている場合も行動しない。 ---同じ職業を同時に載せるとランクが合計される。例えばランク1の戦士とランク2の戦士を同乗させるとランク3の戦士として扱われ、「連携」としてランク3相当の特技を放つ。さらに同じ職業を同じ馬車に4人乗せれば、ランクを問わず「究極連携」が発動する。 ---ただし連携に参加したキャラは、本来の自身のターンに行動不能になるので、その馬車は隙が多くなる。ランクは3が上限で、職業が揃うと必ず連携が発生するので、高ランクの仲間が増えてくると実質的に連携は「同じ馬車に同じ職業を入れる」ことに対するペナルティとなる。 ---対戦では相手の馬車に誰が乗っているかが分からないので、それを読んだ戦略が重要である。 --ベースキャンプも最初は設備が教会・タダ宿・食糧補給のおばばくらいしかないが、道具屋((商人がいると開く。商人のランクと人数により売り物が豊富になる))・酒場((踊り子or料理人がいると開く。人が集まる))・預り所((盗賊がいると開く。文字通り))・カジノ((遊び人orギャンブラーがいると開く。ランクによりスロットや景品の種類も増える))などが開設され、さながら一つの「移動する町」として旅の助けになってくれる。 #region(職業一覧) -戦士 --オノを使ってモンスター単体に攻撃する。ランクや馬車のガードモンスター(以下GM)の攻撃力に影響されて威力が上昇する。究極連携も単体攻撃。 --ランク3で持つ能力のちからためは、初回のみGMの攻撃力を倍増させる。対戦では不発。 -剣士 --剣で複数回斬りつける。一発の威力はGMの攻撃力を下回るが、守備力の低い敵に対してはこちらが優れる。究極連携はGMの攻撃力で4回攻撃。 --ランク3でGMが初回のみ2回攻撃できるはやぶさの能力を持つ。戦士と併用すれば2倍の威力で2回攻撃となり非常に強力だが、対戦では不発。 -武闘家 --打撃で会心の一撃が出る可能性の高い一撃を出す。究極連携は100%会心の一撃。 --ランク3でGMが高確率で先制攻撃できるしっぷうの能力は勿論対戦だと不発。 -騎士(シリーズ初) --全身を鎧で包み、大盾でGM全員が受けるダメージを減らす。究極連携は攻撃完全無効。 --騎士を持ったGMを防御させる事により、最初に騎士を行動させることが可能。対戦での基本戦略。 --ランク3のみまわりは敵からの先制攻撃を完全に防ぐことができる。 -メタルハンター(シリーズ初) --どんな相手にでも固定ダメージを出せる。究極連携は全体に25ダメージ。要はレベル上げ用。 --ランク3のメタルさがしの能力は、ランダムエンカウントに混じってメタルもどき((従来のものと違い守備が低く逃げないが、その分HPが高くマヒャドやギガデインを連発してくる))が登場するようになる。普通のメタルより強い上に経験値も低いがレベルアップの役に立つ。 -僧侶 --GMを回復させる職業。ランク3だとベホマかベホマラーを使い分ける。究極連携はベホマズンで完全回復。 --移動中は回復を使えないが、道具屋や教会を呼び出すことができる。 -魔法使い --魔法でモンスターを攻撃する。GMに左右されないダメージが特徴か。 --特技の幅が狭い本作ではランク3のメラゾーマ、ベギラゴン、マヒャドも強い。移動中はトラマナとトヘロスも使える。更に究極連携はミナデインである。 -賢者 --回復も出来る攻撃係。ホイミ系とイオ系を使い分ける。ランク3では移動中はルーラが使える。 --究極連携は僧侶のベホマズンか魔法使いのミナデインのどちらかを放つ。 -医術士(シリーズ初) --状態異常回復。ランクが高くなるにつれ治せる状態異常も多くなる。究極連携は全員の状態異常回復+復活。 --従来の僧侶から状態異常回復を分離した職業といえる。ランク次第だが移動中はキアリーとシャナクを使える。 -狩人(シリーズ初) --矢で相手単体に状態異常。ランクが高くなると与える状態異常も増える。究極連携は単体にザキ効果の矢。 --探索中は狩りを行うことで食料を調達できる。ただし連続では使えない。 -釣り師(シリーズ初) --水辺で魚を釣って食料が得られる。直接食料値を増やす狩人と異なりアイテムとして入手できるが、やはり連続では行えない。 --戦いだと撒き餌などで相手を行動不能に。究極連携は相手全体を3ターン行動不能に。 -地図士(シリーズ初) --地図を表示できるため、探索中は必須の職業。 --戦いではGMに周囲の地形を伝えて素早さアップ。究極連携は全員素早さMAXに。 -踊り子 --状況に応じて様々な踊りでサポートする。究極連携は全員復活。 -吟遊詩人 --こっちは歌でサポート。究極連携はこっちも全員復活。 -料理人(シリーズ初) --探索中の食糧消費を抑える。 --戦いだとGMのMPを回復。究極連携はMP200回復とかなりしょっぱい。 -占い師(シリーズ初) --地図に階段の位置を表示したり、オーブの位置も表示する事ができる。 --相手のHPとMPを調べる。ランクが上がるにつれ正確な値になる。究極連携は何故か天災を起こす。 -遊び人 --戦いでは知っての通り遊んでばかり。運の要素が強いが耐性無視の効果が多いので実は優秀なサポート職である。究極連携は攻撃系特技を使う。 --探索中はゴールドを消費して敵かアイテムを呼び寄せることができる。 -ギャンブラー(シリーズ初) --敵か味方のHPを半分にすると言う大ギャンブル。究極連携に至っては敵か味方かどちらかがHP1に。ただし相手によっては無効。 --遊び人かギャンブラーがいるとキャラバンにカジノができる。合計のランクに応じてスロットの掛け金が高くなる。 -商人 --探索中は小さなメダルと宝箱の位置を地図に表示する。ベースキャンプでは道具屋を開くのでアイテムを購入できる。 --戦いではモンスターから金を奪う。究極連携でも金をとる。対戦では無意味。 -まもの使い --戦いでは相手モンスターをなだめることで心を落としやすくさせる。究極連携も同様。対戦では無意味。 --ランク3になると、周囲に出現するモンスターの種類がわかるようになる。 -盗賊 --地図に証人と同じ効果を与え、モンスターから道具を盗む。究極連携も同様だが、本作では敵から奪えるアイテムがあまり有用ではないので今ひとつ。 --盗賊がいるとベースキャンプに預かり所ができる。 -転生士(シリーズ初・クリア後のみ) --倒したモンスターを人間に転生させ、キャラバンに加入させると言うシュールな能力を持っている。転生は戦闘後に行われるので戦闘には直接影響しない。 --究極連携は確実にモンスターを転生させ、さらに低確率だがあらゆるモンスターをランク3の職業にできるため有用。ちなみに転生士に転生するモンスターはミノーンと各精霊のみである。 #endregion **評価点 ***作りこまれたストーリー -前作までと違いナンバリングと同じ要領で作成されているので、ナンバリングをプレイしているのと同じ感覚でプレイできる。 --BGMもほとんどがドラクエ1・2のアレンジであり、ロト三部作をプレイしたユーザーを意識して作られている。もちろんドラクエ2を思い出させてくれるネタも多々存在しているため、ドラクエ2既プレイのプレイヤーにとってはどこか懐かしさが感じられる。 --さすがに船は定期船のみ((周回は山手線形式で、当然逆流も可能))という都合上、船でしか行けなかったテパの村や大灯台が地続きで行けるなど、地理にもアレンジが加えられているが。 --「美味しい物」であるラストステーキを持ってくると旅の祠の通行許可だけでなく、配下のモンスター・ビーナスや馬車も気前良く譲る太っ腹な一面も持つ幻魔・カカロンや、腐った死体となった恋人・スミスのために魔物使いとなった女性・マチュアとその気持ちという「形にならない物」を「美しいもの」として認める幻魔・クシャラミなど、幻魔も個性付けがなされている。 ---なお、この幻魔たちはもともとDQ7の特技「げんま召喚」で現れたもの。もともとは攻撃を行うのみで、外見や性別・性格などの設定は本作で設定された。 --また、漫画『ドラゴンクエストモンスターズ+』の一部設定を引き継いだと思われる要所も存在する。 ***豊富なやりこみ要素 -一週目のエンディングを見ると、「まものの巣」で心などを稼いだり、世界中に散らばる「カラーオーブ」を集めながら、「オーブのダンジョン」に入ってボス((一定ターン以内に倒すとレアオーブや心をもらえる))と戦ったり、~ 今まで歩んできた街を回りながら様々な仲間を集めたりすることが可能。好きな職業の人間を仲間にできたり様々な敵が出るダンジョンを遊べたり、従来のモンスターズよりやりこみ要素がてんこ盛り。 --発売当初は食料などの汚点が目立ち、気にもされていなかったが、次回作のジョーカーのやりこみ要素がとても少なかったのもあり、現在ではこれらの要素は高く評価されている。 --クリア後にはランダムに加えられる仲間の中には「重さは軽いがランク3の仲間で、1人で3人分の役割を果たす」といった有用な者もおり、結果としてキャラバンの戦力増強に役立ってくれる。ランダム遭遇という運に恵まれない人のために転生士という救済措置もあるので、どちらを取るかはプレイヤー次第。 --二回目のエンディングを見るとアレフガルドで閉ざされていた竜王の城の門が開き、竜王と戦えたり、オーブのダンジョンで奥まで進んでも戦ってくれなかった光の精霊・闇の精霊が戦ってくれるようになったりといった変化が見られる。 ***ドット絵 -当時のゲームとしては人間キャラクターやモンスターのドット絵の出来がよい。 ***BGM -当時のゲームとしてはかなり良質なBGMがそろっている。ドラクエ1・2のアレンジが懐かしく感じる人も多いようだ。 ***フィールドイベント -フィールドを歩いているとシルエットクイズや道具屋との対面などの様々なイベントが登場する。 --食料や金を魔物やニセ僧侶から奪われたりすることもあるが、特定の職業の人間を馬車に入れていることで回避できたり、アイテムやお金を入手できることもある。さらにここでしか入手できないアイテムもあり、ランダム性でありながら面白い所。 **問題点 ***食料 -本作を語る上で欠かせないのが食料システム。食料は店で購入できる(1つにつき1G)が、これを購入しないと旅が非常に困難になる。なんと''歩くたびにモンスターのHPが減っていく''のだ。~ 放置しておくとHPが1になってしまいモンスターとであった瞬間、バギなどで一掃されて全滅…ということもある。~ 特に今作ではモンスターのエンカウント数がテリワンやイルルカの三体までではなく、従来のドラクエのように大量に出てくるので逃げるのに失敗すると袋叩きにされてしまう。 --しかもベースキャンプを移動する時は食料消費が早くなる。山や砂漠を歩くと非常に早くなることやベースキャンプを連れたまま全滅するとキャンプごと最初のエリアに戻されるのも厳しい仕様。((ただし、章始めには大陸の入口にベースキャンプを呼んでくれる。また、中盤からは使った場所にベースキャンプを呼ぶアイテムが買える。)) --序盤は食料の補給でお金が足りなくなりがちであり、ゲーム後半でも補給を忘れて大変な目に遭う事もあるが、それでもダンジョンではランダムイベントで最深層の1つ手前のフロアに飛ばしてくれる魔法使いを狙うため補給を最小限にとどめる者もいる。 ---序盤のあるイベントで食糧が減りやすい砂漠をうろうろする必要があるのも非常に面倒な仕様である。((一応、商人の効果で金を稼いでそれを食料にすればなんとかなるのだが。)) --一応携帯用の食料(使うと一定数食料が補充される)や職業の力で回復することも可能だが、前者についてはアイテムの所持数がかなりきついのであまり持ち歩けないのが辛く、後者については一定間隔を開けないと再使用できないので減少量を軽減させる程度の役割である。 ***モンスター -今作では配合システムではなく、転心システムが使用されているので仲間になるモンスターは7匹のみ。~ 一人一人NPCとして性格が設定されているので、モンスターといえど前作までのポケモン的な仲間と違い、ナンバリングの「人間キャラ」のように扱われているようだ。~ そのため従来のDQMであった配合のようにモンスターがいなくなることはなく、「転身」で2つのモンスターの心を吹き込み姿を変えながらストーリーを進めることになる。 --劇中でスラロン(最初に加わるガードモンスター)が、「姿は変わってもオレはオレのままだ。お前の事を忘れたりしない。」と励ましてくれる。 --7匹と少なくても、対戦用3匹・探索用3匹と区切れるのは悪くないところだろう。 -今作ではモンスターの系統が絞られており、「スライム系」・獣、鳥、水系を統合した「動物系」・虫、植物系を統合した「自然系」・ドラゴン系や一部の獣系を統合した「魔獣系」・「物質系」・ゾンビ系を含めた「悪魔系」・物質系の一部(液体や気体など)や????系のポジションを統合した「エレメント系」となっているため、過去作からのプレイヤーは違和感を覚えた。~ 新モンスターのデザインは普通だが、エレメント系は「パーラル」「ピモ」のような「バーバパパ」みたいなデザインのモンスターが何種類もいたり、????系らしい他作品のキャラがりゅうおう、わたぼう、ワルぼう、デュランのみ。更にドラクエ7の特技「げんま召喚」で呼び出せた四体の幻魔がそれぞれ姿、性別、性格等が設定されて登場しているなど、なんとも言い難いチョイスとなっている。 -モンスターごとの強さや成長速度、重さなどのバランスも取れているとは言い難い。特に重量のある大型モンスターは成長も遅く、非常に使いにくいものが多い。 ***レベルを上げて物理で殴ればいい -オーブのダンジョンのボスを倒すとカラーオーブがもらえるが、呪文や特技で攻撃するより物理で殴った方が効率よくダメージを与えられる。~ 職業のマスター戦士(最初のターンだけダメージ2倍)やマスター剣士(最初のターンだけ2回攻撃)の特殊効果も強すぎる((しかもこの2人が同じ馬車にいると両方の効果が発動する))ので、基本的にひたすら殴るのが最適解。~ 魔法使いのような固定ダメージの職業は、雑魚戦ではともかくボス戦ではまったく役に立たない~ 戦士・剣士・武闘家など戦闘の花形となる職業の攻撃力もガードモンスターの攻撃力に依存するという弱点があるため、モンスターの転身も攻撃力の成長重視になりやすい。 -いてつくはどうが存在しないので、スクルトやバイキルトで強化したらひたすら殴って時々回復するだけという単調な戦闘になりがちである。後述のように対人戦であればお互いにサポートキャラが入るので話は変わってくるが、ゲーム内の戦闘は非常に単調。 ***報酬の低さ -レベルアップに必要な経験値に対してモンスターからもらえる経験値がかなり低く、敵が質・量共に高いので厳しいバランス。~ もちろんDQ名物メタル狩りはあるが、安定して倒せるようになるのはなかなか大変。~ しかもメタルハンターの特技や、魔物の巣でエンカウントするメタル系は強い上に経験値も低いが、それすらが救済措置になる程低い。 -また、前作までと違い、倒した魔物からゴールドが出るようになったが、その大半が食料代に消えるためアイテム調達が難しい。 --特に序盤は余裕がないにも関わらずイベントアイテムを旅のキャラバンから買うことになる。商人で余分に稼いだり釣り師などで食料減少を抑えるのは必須。 //***転生士 //-転生士は倒したモンスターを人間に変えることができる能力を持つが、究極連携を使わない限り、その確率は非常に低く、究極連携でしかランク3の職業を獲得できない。~ //あちこちの町を巡って仲間を探すか、転生士を早めに4人揃えてランク3の職業を集めるか、どちらにせよ納得のいくキャラバンの戦力を集めるのには時間がかかる。~ //ちなみに魔物から転生した人間はほとんどが男性になる。魔物の世界には女性がほとんどいないのだろうか。~ //あ、配合から転身に変わった理由って・・・ //↑ミノーンを転生させての究極連携で、確率は高くないけどランク3が出る可能性がないため、問題点ではないと思えます。 ***職業 -人間キャラは成長しないので、より強いキャラバンを作るためには優秀な人材に取っ替え引っ替えする必要がある。~ 本編のシナリオで仲間になる、「昔からこのキャラバンにいた」とか「サマルトリア王族の末裔」とかキャラ性のある人物はほとんどランク1で、定員も少ないので最終的には別れることになってしまう。 --エンディング後はある場所で再び仲間に出来るが、弱い仲間と再会しても…… -同じ職業でも大人と子供がいるが、その違いは重さのみ。馬車の重量制限があるのでランクが同じならば体重の軽い子供のほうが当然有利となる。 ***アイテム所持数 -アイテム所持数は24だが、イベントアイテム((ハートゲッター・各種幻魔の羽根))は捨てる事も預ける事もできずアイテム欄を圧迫する。~またクリア後は必然的にオーブにアイテム欄の大半を占められるため、回復アイテムや携帯食料が持ちづらい原因ともなっている。 --そのため、クリア後なら預かり所を作れる盗賊の加入はまず必須である。 ***対戦バランス -本作では今までと比べ、かなり毛色が異なっている。 --まず高威力の特技のマダンテやばくれつけんなどが軒並み削除され、最高威力であってもギガデインの250程度となっている一方で、回復特技は相変わらずベホマズンやザオリクが存在し、最大999のMPから見れば非常に低コストで唱えられる。~ くろいきり、いてつくはどうのような封印・リセット技も存在しない。そこで決定力として、前述の通り職業を駆使して戦うのが主流。 ---防御すると一番最初に行動できるため、そこでダメージを減らす騎士やトドメに攻撃系職業を使う。四人の同職業を同じ馬車に乗せて発動する究極連携は強力だが、その編成では5ターンに一度しか職業サポートが発生しないのでリスクは高い。 --従来は主要な属性に完全な耐性を持たせることがやり込んだ対戦では前提だったが、今作では完璧な耐性を持ったモンスターが存在しない上に転身のたびに耐性が初期化されるので、どのモンスターでも何らかの弱点はどうしても残ってしまう。このため、従来のシリーズよりも属性攻撃や状態異常の比重が大きい。((転身の際に職業の心を使うことでその次の転身までの間だけ姿を変えずに特定の耐性を強化できるが、それでも耐性をすべて埋めるのは不可能。)) --馬車の重量制限、キャラバンの人数制限もあるため、構成も思う様にできなかったり、本気で対戦をするには馬車を最大に改造し((ストーリー中で各馬車を1回ずつ改造してもらえるほか、特定のオーブのダンジョンの最深部で改造してもらうことができる。しかしそのオーブの入手条件が「2回目のエンディング後あるカラーオーブのダンジョンのボスを一定のターン数で倒す」というもの。そして最大になるまでにボス撃破→馬車改造を12周することになる。軽めのモンスターや職業で構成すればなんとかなるが。))、最上級の職業を集めるなどスタートラインからして厳しい。特に人間キャラの制限によって、対戦用メンバーと探索・Lv上げメンバーの両立はほとんどぎりぎりになる。 --これらからして前作までの対戦とはかなり内容が異なっているため、前作までの対戦を好む人もいれば、今作の地味ながら戦術性のある対戦を好む人もいる。一発限りのネタだからか、次回作以降の対戦は前作までと同じになっている。 ***その他 -キャラバンから冒険に出るときはルインに話しかけて出発するのだが、その時のメッセージがストーリーを進めるにつれてかなり長くなる。ベースキャンプを移動させたい時に長いからって連打するとキャラバンでの冒険となるため、更に面倒になる。久しぶりにやる人などからしたら嬉しいが、レベル上げ中はかなりうざったい。 -教会でしかセーブができず、さらにセーブにかかる時間が約10秒程度とやけに長い。クイックセーブやスリープモードなどの機能も無いので携帯機ではあるが、外で気軽に遊ぶには向かない。GBA本体の電池切れギリギリまで粘ると最悪セーブ中に電池が切れ、セーブが壊れる危険がある。 -キャラバン編成や転身などの独特のシステムはあったものの、今作のシステムは以降の作品では登場していない。~ ただオーブのダンジョンは評価が高かったのか、似たようなものとしてドラクエ9では「宝の地図」が、ドラクエ10では「魔法の迷宮」が登場している。 **総評 DQM続編の様に見える題名だが 実際には通常のドラクエ寄りのゲーム内容だった事や、転身・キャラバン・食料等といったシステムが本作独特で、DQMや従来の作品の路線を期待したユーザーから批判される事になった。 期待とのギャップで発売当初の評判は振るわなかったが、オーブや転生などのやり込み要素は非常に豊富であり、独特のシステムも慣れれば本作独自の魅力があり、やり込み甲斐のある作品として現在では再評価されている。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: