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*SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語3 伝説の騎士団 【えすでぃーがんだむがいでん ないとがんだむものがたりすりー でんせつのきしだん】 |ジャンル|RPG|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61X8CUd67fL.SL200.jpg)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|4MbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|トーセ (プログラム、サウンド)&br()D&D (デザイン等)|~| |発売日|1992年10月23日|~| |定価|7,800円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|パーティ分割強制セーブ&br()高エンカウント&恐怖のバックアタック|~| |>|>|CENTER:''[[SDガンダムシリーズリンク>SDガンダムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 カード自販機『カードダス』をメインに展開していたシリーズ『SDガンダム外伝』のカード第5~8弾(円卓の騎士編)を原作としたソフト。~ もちろんイギリス発祥の伝説『アーサー王物語』がモチーフとなっている。 **特徴 -内容は前作と似た仕様のRPGであるが登場キャラが多いため、冒険中盤からは2つのパーティを編成して順次進めていくことになる。 --FCで発売されたナイトガンダムシリーズの最後を飾る作品であり、人気の高い円卓の騎士編を扱っていることからSFC版同様ファンは多い。 --しかし、バランス面で調整不足な点がいくつかあるため以下列挙していく。 **バランス面の不安定さ(戦闘面) -味方になるキャラの極端な能力格差 --本作でのキャラクターは魔法が使えるか否か、に大きく分けられる。従って魔法が使えないキャラにとって攻撃力が最も重要な要素となる。魔法が使えない且つ攻撃力の低いキャラは戦闘では役に立たない。 --攻撃力が低くても必ず2回攻撃が出来る麗騎士、素早さが高いプラスと剣士Jr.はまだ救いがある。問題はF90((F91と区別し易くする為か、本ゲーム中での名称は「フォーミュラ」となっている。))と白金卿で、彼らは''全ての能力値が低い''。 --どちらも先代円卓の騎士(本作の設定では)にも関わらずパーティ最弱キャラという悲劇的な扱いを受けている。レベルを上げても成長が悪い。 ---一応、F90はパーティ入りする前は加入前に氷漬けにされていた、白金卿は記憶喪失となっており戦いとは無縁の生活を送っていたと言う設定があるために戦いに関してブランクがあり、さらに先代だったために能力面で衰退が始まっていると考えられなくもないが…。 ---付け加えておくと、F90はパーティ入りした時点では能力が高く非常に役に立つ。しかし成長の伸びが悪く、後に行くにつれて能力が追いつかなくなる老兵ポジションである([[ファイアーエムブレム>ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣]]でいうジェイガンのようなポジション)。 ---白金卿は''パーティに加わった当初から微妙なステータスの為、全くフォローできない'' --一方で、F91とMK-IIは魔法耐性持ちで能力もバランスよく高い。ヘヴィガンダムや闘士Jr.はパワータイプで攻撃力が高い。円卓の騎士団内の極端な格差社会が想像される。 ---その為、微妙なキャラはアイテムを使って強いキャラをフォローする''アイテム係''に落ち着く。(アイテムが本体と言ってはいけない) -高エンカウントと強力なザコ敵 --当ゲームでの一番のストレスは何と言ってもエンカウントの高さとザコ敵の強さ。特にダンジョン内ではイラッと来るほどわんさか出てくる。また新しい地方やダンジョンに行く度に強力なザコキャラが登場することが多く、油断するとすぐに殺されてしまうので回復アイテムは常に必須。ゼダンの要塞、ザビロニア地方への大洞窟、ロンデニオン地方には特に強いザコ敵が出る。 --本作には素早さの高いキャラは低い相手に対して「れんぞくこうげき」できるというシステムがある。また敵味方ともにクリティカルが非常にでやすいので、素早さの低いキャラはれんぞくこうげき→クリティカルという凶悪なコンボで沈むことも珍しくない。 --常に死と隣り合わせのゲームバランスである一方、仲間を生き返らせるアイテムは金貨4000枚と法外に高い。街中では医者に治療してもらうことも可能だが、ルーラ、キメラのつばさ、気球のような長距離の移動を快適にする手段が無いので街に戻るのが非常に面倒。また魔法を使えるキャラがザオリク系の呪文を覚えることが可能だが、それは冒険終盤まで待たねばならない。 -恐怖の「バックアタック」システム --本作の戦闘面で最も凶悪なシステム。 --戦闘の際に敵に奇襲を仕掛けられると仲間が「こんらん」状態になる上に隊列が逆になってしまう。耐久力の高さ順に隊列を組むのがRPGの基本であるが、このゲームでは''魔法使いキャラを最後尾に安心して置けない''。 --混乱状態に陥ったキャラは当然味方を攻撃する。上述の通りクリティカルも出やすいので、混乱した仲間(特にヘヴィガンダムや闘士Jr.)は強力なザコ敵以上に危険な存在となる。仲間の少ない冒険序盤では「''敵に奇襲されてから全滅余裕でした''」なんてシャレにならないことも。 --パーティリーダーが死亡したり混乱したりすると強制オートバトルにチェンジする。 --あるイベントで入手できるアイテム「めいばのたてがみ」か「チキンホイッスル」を使って乗り物に乗れば、不意打ちやバックアタックを受けなくなる。ただしその間は森に入れなくなる。 --なお、この''バックアタックシステムは頻発する''。逆にこちらから敵に奇襲を仕掛けることもよくある。騎士道精神は…?などという甘い考えはザビロニアの猛者どもには通用しないので心して臨もう! -MPがゼロになると「きぜつ」 --HPがゼロになるのはもちろんだが、本作ではMP(メンタルポイント)がゼロになっても戦闘不能となる。ただしこれはMP回復アイテムで治療することができる。 --従って、戦闘ではHPだけでなくMPにも気を配らなくてはならない。MPにダメージを与える+混乱状態に陥らせるマインド系という呪文が当ゲームには存在するほど。 --MPを消費してクリティカル攻撃を出す「きあい」という攻撃方法があるが、残りMPが「きあい」によるMP消費量と丁度同じ時にこれを使用すると''残りMP全てを使用して勝手に気絶状態''となる。だったら使わせるな! --物語序盤にはメガマインド(全員にマインドの効果)を多用してくるダーティギャンというボスがいる。マインドで気絶&混乱を誘い、なおかつタフなので凶悪な初見殺しとなっている。彼との戦闘にはぶどう酒を大量に持っていかないとまず勝てない。 -以上、本作では油断していると仲間がすぐに死ぬ。終盤は6人での大パーティになるため全滅の危険性は少ないが、序盤と中盤のパーティ分割直後は仲間が少ないため全滅することもしばしば。なお、戦闘不能になった仲間は街にいる医者の''注射一発で治る''。MS族なのに? **問題点(パーティ分割) -冒険中盤からパーティをニ分割して進めていくという独特なシステム --パーティ分割及び切り替えの際には''強制セーブされる''。セーブファイルは1つしか無いのでやり直しはきかない。また任意でのパーティチェンジは不可。 --ボスを倒しダンジョン踏破後にパーティ切り替えで強制セーブ → もう一方のパーティで進める → 元のパーティに戻ると敵城スタートで、町などに戻ってアイテム等の準備をすることもできずハマリ状態…ということもありうる。 --1つのパーティで最大6人の仕様のため、13人目の円卓の騎士である闇騎士は仲間に入れることは出来ない。仲間に入れば一番強いだろうが…((SFC版では最後の最後で仲間になる。))。 --やり直しがきかないので、仲間キャラの戦力を考えず安易にパーティ分割をすると泣きを見ることとなる。 -再編成は特定のイベントでしかできない。 --パーティの分割及び再編成のタイミングは、シナリオ中の特定のポイントに限られる。 --前述のように強制セーブなので、戦力バランスやアイテムの配分などに失敗したことに気付いてもやり直せない。 --節目毎には再編成できるが、それまでは同じパーティで進めなければならない。 --特に、魔法の消費MPを1ポイント軽減する「ひすいのゆびわ」は、うまくやらないとパーティ内でダブってしまう((通常、魔法使い2人はそれぞれ別のパーティにするはずである。))。 -難攻不落の要塞「ゼダンの要塞」の存在 --原作のカードダス的にも、本作としても中盤の山場となるダンジョン。この時点ではまだ仲間は合計7人しかいないので3-4で分けるしかないのだが、上記の通り最弱キャラであるF90が「''わたしは こうみえても れきせんのゆうし わたしのほうは ふたりつけて いただくだけで けっこうです''」(原文ママ)と宣う。ツッコんだら負けである。 --ちなみに分けるように助言した軍師は後に、「主人公のパーティ」に合流する。向こうに合流してあげろよ…この時点で3-5。 --元々この要塞は敵キャラが強く苦戦は必至なのだが、''原作と同じようなパーティ分割(F90、プラス、白金卿)をすると元々厳しいF90側の難易度をさらに激烈に上げる''ことになる。ニコニコ動画にその偉業を成し遂げた勇者がいるので興味ある方はご視聴を。 ---余談だが、前述の「きあい」で攻撃する際はどれほど攻撃力が低くとも最低33のダメージが保証される仕様になっているが、上記3人は「きあい」でも33のダメージしか与えられないことから上記動画の視聴者から「チーム33」という有り難くないニックネームが付けられることとなった。 --もっともここまで進んだプレイヤーならば…常に「ぶどう酒」を大量に持って引き際も大体分かるので時間がかかることをのぞけば何とかなる。 --敵の罠を逆に利用すると時間が短縮できると助言しよう。 **その他の問題点 -「めいせい」というパラメータがある。説明書には名声値の効果が「仲間が集まってきたり、士気が高まってくる」と書かれているが、実際には名声値が関わるイベントはごく一部で、基本的にほとんど活かされていない。 --名声値はザコ戦に勝つと1アップし、ボス戦に勝利すると100単位で上がる。逆に退却・全滅したり、味方が重体状態になったりすると下がる。名声値が変化するアイテムも存在する。  --ランダムエンカウントでは、モンスターに襲われている旅人に出くわすことがある。助けると大きく上昇する。 --クリアすると名声値が100上がる「ミニイベント」というものも複数存在する(名声が上がる以外のメリットは無い)。 --実際に名声値が関係するイベントと言えば、「MK-IIと初めて会う時名声が500未満だと、加入が遅くなる」のみ。 ---この加入条件はノーヒントであるため、高エンカウントに悩まされ戦闘を逃げまくっていると彼を仲間にするのは非常に難しくなる。また彼がいない場合上述の強ボス・ダーティギャンは本作最強クラスのボスと化す。 --名声が高いと、医者と宿屋と鍛冶屋が代金を割引してくれると言われているが、実際どれだけ安くなっているのかは不明。一方、ゲームシステム上頻繁に利用することになる道具屋はまったく変化しない。 -本作では武器防具はキャラごとに固定されており、アイテムとしては存在していない。交換するのではなく、鍛冶屋で鍛えることになっている。レベルは+1~+9までの9段階。ただし仲間になった時点である程度鍛えられているキャラが大半。 --鍛冶屋で鍛えてもらうにも「ガンダリウム」というアイテムが必要なのだが、非売品なのでダンジョンなどで一定数しか入手できない((終盤取り放題になるが。))のでお金はあるのに武具を鍛えられないというジレンマが発生する。また一部の鍛冶屋を除いて+7までしか鍛えられない。 --弱いキャラでも鍛えればそれなりに強くなるのだが、鍛えられる数が決まっている以上どうしても限界がある。またパーティ分割時は各キャラの所持品に気を配らないと、片方だけにガンダリウム所持数が偏りかねない。 --余談だが、ドラクエの「力の種」の様な能力アップアイテムや、アクセサリーの類も無い為、キャラの欠点を補うことはできない。魔法やブレス攻撃に対する耐性はキャラごとに決まっており、永遠に不変。特に素早さの数値は固定されていて、レベルアップしても成長しない。キャラ格差を生み出す原因になっている。 -容量の都合上仕方ないのだが、原作では皇騎士(キングII世)以外の仲間も途中で容姿や名前が変化していたのだが、本作では名前のみの変化になっている(F90Jr.の3人はそれすら変わらず)。 -シリーズ恒例のカードダスは完全に本編と分離されたミニゲームになった。カードを集めたり閲覧したりすることはできない。 -本屋では金を払うとヒントを教えてくれる…と言いつつ、大体は「人の話は聞いて、行ける所に行ってみる事」という当たり前のメッセージや応援メッセージしか出ない。 -魔法が6種までしか持てなく、勝手が悪い。本作では魔法はLvUPによって「覚える」のではなくお店で「買う」。またドラクエで言うルーラにあたる移動系の呪文がないので不便。リレミトならあるが効かないダンジョンが多い(というか''買える頃以降に登場するダンジョンはほぼ効かない'')。 --逆に言えば、魔法の買い直しが可能ということ。 -冒険も後半に入ると仲間の充実や敵の素早さを低下させる魔法、ガンダリウム鉱山の出現によりある程度は楽になる。しかし相変わらずのザコ敵の強さとエンカウント、バックアタック等によりプレイヤーは死の恐怖と闘い続けなければならない。 --一方、6対1で戦うこともあってか一部を除きボスはそれほど強くないものが多く、ラスボスに至ってはHPの高さだけがとりえ(SFC版では強烈な全体攻撃を放ってくる)でそれまでのザコ敵を思えば楽勝である。さらにラスボスの全体攻撃を封じる魔法まであったりするので、中盤の苦労は何だったんだ?と拍子抜けしたプレイヤーも多いだろう。 **評価点 -移動速度や大きいキャラグラフィック等、[[前作>SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語2 光の騎士]]の良かったところをそのまま受け継いでいる。またBGMもちゃんと作られており、前作にあったような短いループ曲は無い。 -前作に続き個別に必殺技のグラフィックが描かれている。演出は非常に格好いい。但し前作とは違い、背景がスクロールするのみでキャラ自身のアニメーションはなくなっている。 -ゲーム再開時やエンディングで、ゲームプレイに応じた内容の歴史年表を表示してくれる。 -当時のFCゲームにしてはエンディングは丁寧に作られている。 -仲間パーティには加わらないものの、クリスやヘビーガンといったサブキャラ達も登場はしている。沢山のキャラが仲間になる[[SFC版>SDガンダム外伝2 円卓の騎士]]ですら無視された人間戦士軍団((ハヤト、リュウ、アポリー、ロベルト、ビルギット。))もいる。 //アプリ版ではアシストキャラとして使用可能。 -元のカードダス全4弾分に登場した敵キャラが、ほぼ全員登場している。後のSFC版では多くの敵が削られていたのを鑑みるに、驚くべき点である。 --FC版第1作同様、『ネオバトル』オリジナルの敵(オメガケンプファーなど)も登場。 //--''騎士ジェリドだけが完全に無視されているのは謎だが''…。彼は逆にSFC版には出ている。 //アコースコズンクランプもいない。SFCにすらいない。 -名声値自体はともかく、ミニイベントはそれ自体楽しめる要素といえる。キャラカーン入手やシロッコの名セリフを言う「パプティ人形」など、ガンダムファンのツボを突いたイベント多数。 -前作で存在したキャンプシステムは今回も健在。前作と違い、HPだけでなくMPも全回復するようになり、キャンプ中に敵の襲撃を受ける事は無くなった。移動中にHP、MPを全回復させる事ができるのはこのゲームでは特にありがたい。 --ただし、今作ではアイテム「キャンプようぐ」が無いと実行できなくなった。~ とはいえ移動中限定であることを差し引いてもコストパフォーマンスは良好。さらにダンジョン内だろうがボスの目前だろうが可能。 --直接的なデメリットはないが、使用すると一日が経過するのでエンディング時の評価に影響する。 **総評 名声値にあまり意味が無いとは言え、プレイの妨げになるような障害を引き起こすというわけでもない。やはり問題点はゲームバランスの悪さ((バランスが悪いのはSFC版の『大いなる遺産』『円卓の騎士』にも共通している。))とパーティ分割&強制セーブに集約されるだろう。~ 原作を意識し(総勢13名の円卓の騎士のため)独自のシステムを導入しようと試みたものの作り込みが甘かったという印象を受ける。 しかしそれ以外の部分はストーリーを中心にキチンとまとまっており、キャラゲーとして十分に合格点。~ 余談だが前2作に続き本作も携帯アプリとしてリメイクされている。魔法が増えるなど微妙に仕様が変更されているが、高エンカウントやバックアタックはそのままなので開発スタッフ陣のドSぶりがよくわかる。~ FC版からさらに次章の『聖機兵伝説』につながる追加エピソードも入っているので、興味ある方はプレイされたし。 **その他 -電波な台詞がそこかしこに登場する。 --中ボスを倒すと、町の人々の台詞がパーティを称えるものに変化するが、ある村の住人は「''フシャーッ''」という謎の台詞を発する。 --「やすいよやすいよ騙されやすいよー」としか言わない「占い師」と、「この世はもうすぐ終わりを告げるのじゃあ」としか言わない「偽占い師」というキャラクターが複数の町に登場する。 --終盤で祠の封印を解くイベントでは''「きたーっ」「トリオでよろしく」「ベスト・ガイ」という謎のメッセージ''が表示される。 --''当時スタッフは疲れていたのだろうか…''。 -2010年10月、正式な続編RPG『聖機兵と機甲神』が携帯アプリとして少しずつ配信されはじめた。システム面はFC3の正当な続編とも言うべき内容となっており、エンカウント率が相変わらず高いところにスタッフの変わらぬ愛を感じる。
*SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語3 伝説の騎士団 【えすでぃーがんだむがいでん ないとがんだむものがたりすりー でんせつのきしだん】 |ジャンル|RPG|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61X8CUd67fL.SL200.jpg)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|4MbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|トーセ (プログラム、サウンド)&br()D&D (デザイン等)|~| |発売日|1992年10月23日|~| |定価|7,800円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|パーティ分割強制セーブ&br()高エンカウント&恐怖のバックアタック|~| |>|>|CENTER:''[[SDガンダムシリーズリンク>SDガンダムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 カード自販機『カードダス』をメインに展開していたシリーズ『SDガンダム外伝』のカード第5~8弾(円卓の騎士編)を原作としたソフト。~ もちろんイギリス発祥の伝説『アーサー王物語』がモチーフとなっている。 **特徴 -内容は前作と似た仕様のRPGであるが登場キャラが多いため、冒険中盤からは2つのパーティを編成して順次進めていくことになる。 --FCで発売されたナイトガンダムシリーズの最後を飾る作品であり、人気の高い円卓の騎士編を扱っていることからSFC版同様ファンは多い。 --しかし、バランス面で調整不足な点がいくつかあるため以下列挙していく。 **バランス面の不安定さ(戦闘面) -味方になるキャラの極端な能力格差 --本作でのキャラクターは魔法が使えるか否か、に大きく分けられる。従って魔法が使えないキャラにとって攻撃力が最も重要な要素となる。魔法が使えない且つ攻撃力の低いキャラは戦闘では役に立たない。 --攻撃力が低くても必ず2回攻撃が出来る麗騎士、素早さが高いプラスと剣士Jr.はまだ救いがある。問題はF90((F91と区別し易くする為か、本ゲーム中での名称は「フォーミュラ」となっている。))と白金卿で、彼らは''全ての能力値が低い''。 --どちらも先代円卓の騎士(本作の設定では)にも関わらずパーティ最弱キャラという悲劇的な扱いを受けている。レベルを上げても成長が悪い。 ---一応、F90はパーティ入りする前は加入前に氷漬けにされていた、白金卿は記憶喪失となっており戦いとは無縁の生活を送っていたと言う設定があるために戦いに関してブランクがあり、さらに先代だったために能力面で衰退が始まっていると考えられなくもないが…。 ---付け加えておくと、F90はパーティ入りした時点では能力が高く非常に役に立つ。しかし成長の伸びが悪く、後に行くにつれて能力が追いつかなくなる老兵ポジションである([[ファイアーエムブレム>ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣]]でいうジェイガンのようなポジション)。 ---白金卿は''パーティに加わった当初から微妙なステータスの為、全くフォローできない'' --一方で、F91とMK-IIは魔法耐性持ちで能力もバランスよく高い。ヘヴィガンダムや闘士Jr.はパワータイプで攻撃力が高い。円卓の騎士団内の極端な格差社会が想像される。 ---その為、微妙なキャラはアイテムを使って強いキャラをフォローする''アイテム係''に落ち着く。(アイテムが本体と言ってはいけない) -高エンカウントと強力なザコ敵 --当ゲームでの一番のストレスは何と言ってもエンカウントの高さとザコ敵の強さ。特にダンジョン内ではイラッと来るほどわんさか出てくる。また新しい地方やダンジョンに行く度に強力なザコキャラが登場することが多く、油断するとすぐに殺されてしまうので回復アイテムは常に必須。ゼダンの要塞、ザビロニア地方への大洞窟、ロンデニオン地方には特に強いザコ敵が出る。 --本作には素早さの高いキャラは低い相手に対して「れんぞくこうげき」できるというシステムがある。また敵味方ともにクリティカルが非常にでやすいので、素早さの低いキャラはれんぞくこうげき→クリティカルという凶悪なコンボで沈むことも珍しくない。 --常に死と隣り合わせのゲームバランスである一方、仲間を生き返らせるアイテムは金貨4000枚と法外に高い。街中では医者に治療してもらうことも可能だが、ルーラ、キメラのつばさ、気球のような長距離の移動を快適にする手段が無いので街に戻るのが非常に面倒。また魔法を使えるキャラがザオリク系の呪文を覚えることが可能だが、それは冒険終盤まで待たねばならない。 -恐怖の「バックアタック」システム --本作の戦闘面で最も凶悪なシステム。 --戦闘の際に敵に奇襲を仕掛けられると仲間が「こんらん」状態になる上に隊列が逆になってしまう。耐久力の高さ順に隊列を組むのがRPGの基本であるが、このゲームでは''魔法使いキャラを最後尾に安心して置けない''。 --混乱状態に陥ったキャラは当然味方を攻撃する。上述の通りクリティカルも出やすいので、混乱した仲間(特にヘヴィガンダムや闘士Jr.)は強力なザコ敵以上に危険な存在となる。仲間の少ない冒険序盤では「''敵に奇襲されてから全滅余裕でした''」なんてシャレにならないことも。 --パーティリーダーが死亡したり混乱したりすると強制オートバトルにチェンジする。 --あるイベントで入手できるアイテム「めいばのたてがみ」か「チキンホイッスル」を使って乗り物に乗れば、不意打ちやバックアタックを受けなくなる。ただしその間は森に入れなくなる。 --なお、この''バックアタックシステムは頻発する''。逆にこちらから敵に奇襲を仕掛けることもよくある。騎士道精神は…?などという甘い考えはザビロニアの猛者どもには通用しないので心して臨もう! -MPがゼロになると「きぜつ」 --HPがゼロになるのはもちろんだが、本作ではMP(メンタルポイント)がゼロになっても戦闘不能となる。ただしこれはMP回復アイテムで治療することができる。 --従って、戦闘ではHPだけでなくMPにも気を配らなくてはならない。MPにダメージを与える+混乱状態に陥らせるマインド系という呪文が当ゲームには存在するほど。 --MPを消費してクリティカル攻撃を出す「きあい」という攻撃方法があるが、残りMPが「きあい」によるMP消費量と丁度同じ時にこれを使用すると''残りMP全てを使用して勝手に気絶状態''となる。だったら使わせるな! --物語序盤にはメガマインド(全員にマインドの効果)を多用してくるダーティギャンというボスがいる。マインドで気絶&混乱を誘い、なおかつタフなので凶悪な初見殺しとなっている。彼との戦闘にはぶどう酒を大量に持っていかないとまず勝てない。 -以上、本作では油断していると仲間がすぐに死ぬ。終盤は6人での大パーティになるため全滅の危険性は少ないが、序盤と中盤のパーティ分割直後は仲間が少ないため全滅することもしばしば。なお、戦闘不能になった仲間は街にいる医者の''注射一発で治る''。MS族なのに? **問題点(パーティ分割) -冒険中盤からパーティをニ分割して進めていくという独特なシステム --パーティ分割及び切り替えの際には''強制セーブされる''。セーブファイルは1つしか無いのでやり直しはきかない。また任意でのパーティチェンジは不可。 --ボスを倒しダンジョン踏破後にパーティ切り替えで強制セーブ → もう一方のパーティで進める → 元のパーティに戻ると敵城スタートで、町などに戻ってアイテム等の準備をすることもできずハマリ状態…ということもありうる。 --1つのパーティで最大6人の仕様のため、13人目の円卓の騎士である闇騎士は仲間に入れることは出来ない。仲間に入れば一番強いだろうが…((SFC版では最後の最後で仲間になる。))。 --やり直しがきかないので、仲間キャラの戦力を考えず安易にパーティ分割をすると泣きを見ることとなる。 -再編成は特定のイベントでしかできない。 --パーティの分割及び再編成のタイミングは、シナリオ中の特定のポイントに限られる。 --前述のように強制セーブなので、戦力バランスやアイテムの配分などに失敗したことに気付いてもやり直せない。 --節目毎には再編成できるが、それまでは同じパーティで進めなければならない。 --特に、魔法の消費MPを1ポイント軽減する「ひすいのゆびわ」は、うまくやらないとパーティ内でダブってしまう((通常、魔法使い2人はそれぞれ別のパーティにするはずである。))。 -難攻不落の要塞「ゼダンの要塞」の存在 --原作のカードダス的にも、本作としても中盤の山場となるダンジョン。この時点ではまだ仲間は合計7人しかいないので3-4で分けるしかないのだが、上記の通り最弱キャラであるF90が「''わたしは こうみえても れきせんのゆうし わたしのほうは ふたりつけて いただくだけで けっこうです''」(原文ママ)と宣う。ツッコんだら負けである。 --ちなみに分けるように助言した軍師は後に、「主人公のパーティ」に合流する。向こうに合流してあげろよ…この時点で3-5。 --元々この要塞は敵キャラが強く苦戦は必至なのだが、''原作と同じようなパーティ分割(F90、プラス、白金卿)をすると元々厳しいF90側の難易度をさらに激烈に上げる''ことになる。ニコニコ動画にその偉業を成し遂げた勇者がいるので興味ある方はご視聴を。 ---余談だが、前述の「きあい」などでクリティカルが発動した際はどれほど攻撃力が低くとも最低33のダメージが保証される仕様になっているが、上記3人はクリティカル発動時であっても33のダメージしか与えられないことから上記動画の視聴者から「チーム33」という有り難くないニックネームが付けられることとなった。 --もっともここまで進んだプレイヤーならば…常に「ぶどう酒」を大量に持って引き際も大体分かるので時間がかかることを除けば何とかなる。 --敵の罠を逆に利用すると時間が短縮できると助言しよう。 **その他の問題点 -「めいせい」というパラメータがある。説明書には名声値の効果が「仲間が集まってきたり、士気が高まってくる」と書かれているが、実際には名声値が関わるイベントはごく一部で、基本的にほとんど活かされていない。 --名声値はザコ戦に勝つと1アップし、ボス戦に勝利すると100単位で上がる。逆に退却・全滅したり、味方が重体状態になったりすると下がる。名声値が変化するアイテムも存在する。  --ランダムエンカウントでは、モンスターに襲われている旅人に出くわすことがある。助けると大きく上昇する。 --クリアすると名声値が100上がる「ミニイベント」というものも複数存在する(名声が上がる以外のメリットは無い)。 --実際に名声値が関係するイベントと言えば、「MK-IIと初めて会う時名声が500未満だと、加入が遅くなる」のみ。 ---この加入条件はノーヒントであるため、高エンカウントに悩まされ戦闘を逃げまくっていると彼を仲間にするのは非常に難しくなる。また彼がいない場合上述の強ボス・ダーティギャンは本作最強クラスのボスと化す。 --名声が高いと、医者と宿屋と鍛冶屋が代金を割引してくれると言われているが、実際どれだけ安くなっているのかは不明。一方、ゲームシステム上頻繁に利用することになる道具屋はまったく変化しない。 -本作では武器防具はキャラごとに固定されており、アイテムとしては存在していない。交換するのではなく、鍛冶屋で鍛えることになっている。レベルは+1~+9までの9段階。ただし仲間になった時点である程度鍛えられているキャラが大半。 --鍛冶屋で鍛えてもらうにも「ガンダリウム」というアイテムが必要なのだが、非売品なのでダンジョンなどで一定数しか入手できない((終盤取り放題になるが。))のでお金はあるのに武具を鍛えられないというジレンマが発生する。また一部の鍛冶屋を除いて+7までしか鍛えられない。 --弱いキャラでも鍛えればそれなりに強くなるのだが、鍛えられる数が決まっている以上どうしても限界がある。またパーティ分割時は各キャラの所持品に気を配らないと、片方だけにガンダリウム所持数が偏りかねない。 --余談だが、ドラクエの「力の種」の様な能力アップアイテムや、アクセサリーの類も無い為、キャラの欠点を補うことはできない。魔法やブレス攻撃に対する耐性はキャラごとに決まっており、永遠に不変。特に素早さの数値は固定されていて、レベルアップしても成長しない。キャラ格差を生み出す原因になっている。 -容量の都合上仕方ないのだが、原作では皇騎士(キングII世)以外の仲間も途中で容姿や名前が変化していたのだが、本作では名前のみの変化になっている(F90Jr.の3人はそれすら変わらず)。 -シリーズ恒例のカードダスは完全に本編と分離されたミニゲームになった。カードを集めたり閲覧したりすることはできない。 -本屋では金を払うとヒントを教えてくれる…と言いつつ、大体は「人の話は聞いて、行ける所に行ってみる事」という当たり前のメッセージや応援メッセージしか出ない。 -魔法が6種までしか持てなく、勝手が悪い。本作では魔法はLvUPによって「覚える」のではなくお店で「買う」。またドラクエで言うルーラにあたる移動系の呪文がないので不便。リレミトならあるが効かないダンジョンが多い(というか''買える頃以降に登場するダンジョンはほぼ効かない'')。 --逆に言えば、魔法の買い直しが可能ということ。 -冒険も後半に入ると仲間の充実や敵の素早さを低下させる魔法、ガンダリウム鉱山の出現によりある程度は楽になる。しかし相変わらずのザコ敵の強さとエンカウント、バックアタック等によりプレイヤーは死の恐怖と闘い続けなければならない。 --一方、6対1で戦うこともあってか一部を除きボスはそれほど強くないものが多く、ラスボスに至ってはHPの高さだけがとりえ(SFC版では強烈な全体攻撃を放ってくる)でそれまでのザコ敵を思えば楽勝である。さらにラスボスの全体攻撃を封じる魔法まであったりするので、中盤の苦労は何だったんだ?と拍子抜けしたプレイヤーも多いだろう。 **評価点 -移動速度や大きいキャラグラフィック等、[[前作>SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語2 光の騎士]]の良かったところをそのまま受け継いでいる。またBGMもちゃんと作られており、前作にあったような短いループ曲は無い。 -前作に続き個別に必殺技のグラフィックが描かれている。演出は非常に格好いい。但し前作とは違い、背景がスクロールするのみでキャラ自身のアニメーションはなくなっている。 -ゲーム再開時やエンディングで、ゲームプレイに応じた内容の歴史年表を表示してくれる。 -上述の歴史年表を使った演出や経過日数などに応じたプレイ評価があるなど、当時のFCゲームにしてはエンディングは丁寧に作られている。 -仲間パーティには加わらないものの、クリスやヘビーガンといったサブキャラ達も登場はしている。沢山のキャラが仲間になる[[SFC版>SDガンダム外伝2 円卓の騎士]]ですら無視された人間戦士軍団((ハヤト、リュウ、アポリー、ロベルト、ビルギット。))もいる。 //アプリ版ではアシストキャラとして使用可能。 -元のカードダス全4弾分に登場した敵キャラが、ほぼ全員登場している。後のSFC版では多くの敵が削られていたのを鑑みるに、驚くべき点である。 --FC版第1作同様、『ネオバトル』オリジナルの敵(オメガケンプファーなど)も登場。 //--''騎士ジェリドだけが完全に無視されているのは謎だが''…。彼は逆にSFC版には出ている。 //アコースコズンクランプもいない。SFCにすらいない。 -名声値自体はともかく、ミニイベントはそれ自体楽しめる要素といえる。キャラカーン((当時バンダイが販売していたガンダムのミニプラモがおまけについていた缶入り清涼飲料水「きゃらか~ん」が元ネタ。余談だが、同商品のCMキャラクターは当時子役として人気絶頂であった内山信二が務めていた。))入手やシロッコの名セリフを言う「パプティ人形」など、ガンダムファンのツボを突いたイベント多数。 -前作で存在したキャンプシステムは今回も健在。前作と違い、HPだけでなくMPも全回復するようになり、キャンプ中に敵の襲撃を受ける事は無くなった。移動中にHP、MPを全回復させる事ができるのはこのゲームでは特にありがたい。 --ただし、今作ではアイテム「キャンプようぐ」が無いと実行できなくなった。~ とはいえ移動中限定であることを差し引いてもコストパフォーマンスは良好。さらにダンジョン内だろうがボスの目前だろうが可能。 --直接的なデメリットはないが、使用すると一日が経過するのでエンディング時の評価に影響する。 **総評 名声値にあまり意味が無いとは言え、プレイの妨げになるような障害を引き起こすというわけでもない。やはり問題点はゲームバランスの悪さ((バランスが悪いのはSFC版の『大いなる遺産』『円卓の騎士』にも共通している。))とパーティ分割&強制セーブに集約されるだろう。~ 原作を意識し(総勢13名の円卓の騎士のため)独自のシステムを導入しようと試みたものの作り込みが甘かったという印象を受ける。 しかしそれ以外の部分はストーリーを中心にキチンとまとまっており、キャラゲーとして十分に合格点。~ 余談だが前2作に続き本作も携帯アプリとしてリメイクされている。魔法が増えるなど微妙に仕様が変更されているが、高エンカウントやバックアタックはそのままなので開発スタッフ陣のドSぶりがよくわかる。~ FC版からさらに次章の『聖機兵伝説』につながる追加エピソードも入っているので、興味ある方はプレイされたし。 **その他 -電波な台詞がそこかしこに登場する。 --中ボスを倒すと、町の人々の台詞がパーティを称えるものに変化するが、ある村の住人は「''フシャーッ''」という謎の台詞を発する。 --「やすいよやすいよ騙されやすいよー」としか言わない「占い師」と、「この世はもうすぐ終わりを告げるのじゃあ」としか言わない「偽占い師」というキャラクターが複数の町に登場する。 --終盤で祠の封印を解くイベントでは''「きたーっ」「トリオでよろしく」「ベスト・ガイ」という謎のメッセージ''が表示される。 --''当時スタッフは疲れていたのだろうか…''。 -2010年10月、正式な続編RPG『聖機兵と機甲神』が携帯アプリとして少しずつ配信されはじめた。システム面はFC3の正当な続編とも言うべき内容となっており、エンカウント率が相変わらず高いところにスタッフの変わらぬ愛を感じる。

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